まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

2018年cinema lifeを総括する

2018-12-30 | 映画雑記
 早いもので、明日はもう大晦日。2018年が終ろうとしてます。自然災害が過酷な1年でしたね。広島でも悲しい、辛い夏となりました。信じられないような光景や、経験したことのない不便な生活に打ちのめされましたが、こうして元気に年を越せることに感謝です。来年は災害のない年でありますように!
 辛いとき悲しいとき、心を救ってくれるのが映画です。映画が好きで本当によかったと、今年ほど思った年はありません。今年もいろんな映画を観ることができました。どんな映画を映画館で観たのか振り返ってみますと…

 1月 光 ※
    キングスマン:ゴールデン・サークル
 2月 スリー・ビルボード
    マンハント
    ビカイルド 欲望のめざめ
 3月 ブラックパンサー
 4月 シェイプ・オブ・ウォーター 
    ハッピーエンド
    アベンジャーズ インフィニティ・ウォー
 5月 ダウンサイズ
    君の名前で僕を呼んで
    孤狼の血
 6月 娼年
    羊と鋼の森
    第七天国 ※
 9月 MEG ザ・モンスター
10月 チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛
    2重螺旋の恋人
    散り椿
11月 ファントム・スレッド
    ヴェノム
12月 斬、
    ボヘミアン・ラプソディ
    来る
    アリー スター誕生

 ※ 2018年日本公開以外の作品

 24本!このブログを始めてから最多かも!災害の時季と重なってしまい、「ジュラシック・ワールド 炎の王国」「レディー・バード」「君が君で君だ」を観に行けなかったのが残念。では僭越ながら、マイベスト映画、男優女優 in 2018 を発表(DVD鑑賞した2018年日本公開作も含む)

🎥 作品賞

  1位 君の名前で僕を呼んで

 美男子の甘酸っぱいBL、そして文化的で貴族的なブルジョワ生活…私のような醜い貧乏人などには無縁な、夢のような美しい世界に酔うことができました。名匠ジェームズ・アイヴォリー監督のアカデミー賞脚色賞受賞も嬉しかったです。

  2位 ブラックパンサー

 アベンジャーズシリーズもそろそろ飽きてきた…そんな気分を吹き飛ばしてくれた、最高にカッコいいヒーローの登場!続きが気になる!陛下、抱いて!今年最高の男前映画でした。

  3位 孤狼の血

 MYホームタウンK市で撮影された映画。わしの周囲では、ふだん映画館に足を運ばない人も観に行って、話題を提供してくれました。K市民賞を授与したい、思い出に残る作品となりました。

  4位 スリー・ビルボード

 激烈な演技、巧妙な脚本、独特な演出。いい映画を観た!という満足感は今年ナンバーワン。オスカーの脚本賞は、この作品のほうが相応しかったのではと今でも思ってます。

  5位 シェイプ・オブ・ウォーター

 いろんなジャンルが詰め込まれた、宝箱のような素敵な映画でした。

 🎥 男優賞

  1位 チャドウィック・ボーズマン 「ブラックパンサー」

 ブラックパンサー/陛下は、今年最高の男前でした。チャドウィック・ボーズマンは、いま私が最も好きな黒人俳優です♡

  2位 松坂桃李 「孤狼の血」「娼年」

 今年も馬車馬のように働いたトーリ。テレビドラマの撮影でもK市に来てくれて、好感度と親近感が増しました。わらわらいる若手イケメン俳優の中から頭ひとつ抜けようとしてるチャレンジ精神を高く評価したいです。

  3位 ラミ・マレック 「ボヘミアン・ラプソディ」

 チャーミングで独特のなりきり演技に圧倒・魅了されました。あの出っ歯もインパクトありました。

 今年も男優は百花繚乱で、「スリー・ビルボード」のサム・ロックウェル、「ビガイルド 欲望のめざめ」「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」のコリン・ファレル、「君の名前で僕を呼んで」のティモシー・シャラメアーミー・ハマー、「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」のセバスチャン・スタン

 「羊と鋼の森」の山﨑賢人、「2重螺旋の恋人」のジェレミー・レニエ、「ファントム・スレッド」のダニエル・デイ・ルイス、「ヴェノム」のトム・ハーディ、「散り椿」「斬、」の池松壮亮、「アリー スター誕生」のブラッドリー・クーパー、といった花も実もあるいい男たちが研を競いました。

 
🎥 女優賞

  1位 フランシス・マクドーマンド 「スリー・ビルボード」

 2度めのオスカー受賞も納得の力演!深刻なのにどこか笑える、というマクド姐さん独特の個性が炸裂しました。

  2位 サリー・ホーキンス 「シェイプ・オブ・ウォーター」

 今年最も強烈な女優魂、といえばこの人です。

  3位 レスリー・マンヴィル 「ファントム・スレッド」

 クールでエレガントな、かっこいい熟女!こういう女性に憧れます。

 女優はもう見た目の美しさ、可愛さ、そして若さだけでは勝負にならない!実力者だけが心に残ります。「マンハント」のハ・ジウォン、「ビガイルド 欲望のめざめ」「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」のニコール・キッドマン、「ハッピーエンド」「エヴァ」のイザベル・ユペール、「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」のマーゴット・ロビーアリソン・ジャネイ、「チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛」のアリシア・ヴィキャンデル、「2重螺旋の恋人」のマリーヌ・ヴァクト、「アリー スター誕生」のレディー・ガガ、の好演が特に印象的でした。
 皆さまも、たくさんの映画をご覧になったことと存じます。よろしかったら、ぜひベスト作品やベスト男優女優、思い出話などお聞かせください(^^♪
 今年もお世話になりました!来年も何卒よろしくお願いいたします!I wish you a happy new year!よいお年を!See you soon!
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増速駆動のイケメン!

2018-12-20 | 日本映画
 師走の邦画イケメン祭④
 「OVERDRIVE オーバードライブ」
 世界ラリー選手権の出場を目指す若き天才レーサー檜山直純は、同じチームに所属するメカニックの兄・篤洋の助言を無視し、何かと反発していた。二人の軋轢は、少年時代に起きたある悲しい出来事が原因だった…
 映画館に観に行こうと思ってたのに機会を逸してしまい、ようやくDVDで。映画館に行かんでよかったです年に何本かはトホホ映画、ズッコケ映画を観るハメになりますが、この作品はまさにそれでした。まあ、想定内だったし、無料同然で観たし、苦笑いで済ませられます。F1とかラリーが大好きな人には楽しめるのかな?興味がない私などからすると、ただ車が猛スピードで走ってるだけにしか見えなくて同じ車映画なら、ハチャメチャしながら巨悪をやっつけるワイスピみたいな映画のほうが好きです。

 ラリー好きの人も、この映画にはかなり不満、落胆したのではないでしょうか。主役の兄弟の葛藤とか恋愛なんてどーでもいいでしょうし。そんなんいいから、もっとカッコいいラリーシーンぶっこめよ!と思われた方も少なくなかったはず。じゃあ、イケメン好きには楽しめるのかというとそうでもなく、兄弟ドラマ部分も驚くほどの陳腐さ、薄っぺらさで、アホらしくて何度も途中リタイアしかけました兄弟のわだかまりの原因が、実にくだらん!虫歯になりそうなほどの甘々さに、命がけなはずのラリーも軽薄に見えてしまいました。

 百歩譲って、イケメン兄弟だけの話にしとけばまだ、イケメン好きにはそこそこ楽しめる映画になってたかもしれないのですが、二人に絡んでくる女がすごい目障りでイラっとするんですよ。あんな無能な小娘が、どうやってスターアスリートのエージェントになれたんだろう。篤洋と直純の前をウロチョロしてるだけで、ろくに働いてないし。心を閉ざしてるはずの兄弟が、ウロチョロしてるだけの小娘に、胸の内をペラペラと話すのも理解不可能でした。兄弟が心ほだされる魅力が全然ない、不要で邪魔なだけのキャラでした。ハリウッド映画ならまだ、まったく重要じゃない形だけのヒロインでも、ラヴシーンとか水着姿とかでセクシー要員として男性観客の目を楽しませてくれることが多いけど、そういうヴィジュアル面でも役立たずな小娘でした。見た目も演技も、AKB関係?な感じだったし。

 ラリーよりも、人気イケメン俳優の共演がこの映画の売りでしょうか。兄の篤洋役は、杏の夫こと東出昌大。彼はね~。うう~ん…イケメンとは思うのだけど、何だろう?地味というか、オーラがないというか、覇気がないけどかといって倦怠的でもない、要するに特筆する点がないんですよね~…怒っても悲しんでもすごい棒読みで表情に乏しく、若手人気俳優の中では屈指の大根ではあります。背が高くてスタイルは抜群。でも色気は皆無。イケメンなウドの大木というか、典型的な毒にも薬にもならん俳優かも…って、杏さん、ファンの皆さま、すんません💦
 弟の直純役は、最近お気にの新田真剣佑。もちろん、この映画は彼目当てで観ました(^^♪

 おおっマッケンユー、やっぱカッコいいですね~彼、イケメンというより美男子ですよね~。きれいな顔と、冷たくてシャープな男らしさは、イケメンなの?なビミョー顔のオカマみたいな草食男子ばかりな若手俳優の中では特異で希少。ヤンチャで奔放で傲慢でひねくれてるけど、実はナイーブで傷つきやすい美貌の天才レーサーなんて、ほとんど少女漫画でしかお目にかかれぬファンタジー王子さま役を演じることができるのは、今はマッケンユーしかいないでしょ。某事務所タレントなど論外ですわ。

 この映画、まるでマッケンユーのアイドル映画、プロモーションフィルムなんですよ。カッコいいレーサー姿だけでなく、美しい上半身裸も披露。着替え、昼寝、プール、筋トレ、怪我の手当てetc.いろんなシーンで明らかに必要以上に、やたらと脱がれてます。もちろん脱ぐだけなので、セクシーだけどエロくはないです。エロってやっぱ、見た目じゃなくて醸す雰囲気ですよね~。エロスって何となく汚れて淀んでるものなので、白がすごく似合うせいかクリーンでクリアに見えるマッケンユーは、脱いでも色気はないです。若くて美しいうちに、大胆な濡れ場とかにも挑戦してほしいものです。

 東出昌大は、ほとんどマッケンユーの引き立て役!マッケンユーに勝ってたのは身長だけ!とにもかくにも、ファンにはまさに眼福、必見のマッケンユー映画です。彼のファンなら、映画の稚拙さも気にならないでしょう。ダメ映画だけど、マッケンユーがカッコよかったのでひとつおまけ清爽だけど、決して善い子ちゃんには見えないところも、マッケンユーの魅力でしょうか。クソみたいな悪党役、鬼畜役とかもイケると思う!

 オーナー役は、オファーを断らない?吉田鋼太郎。もうちょっと仕事を選んでもいい、選べるはずなのに、気取りのない働き者ぶりに好感。篤洋の部下役で、中学聖日記の勝太郎さんこと町田啓太も出演してます。はじめ誰だか判んなかった。もちろん、作品によって別人に変わるカメレオン俳優だからではなく、ただ単に地味で薄いからイケメンなんだけどね~。彼の役も、ぜんぜん重要性、必要性なし。明らかにイケメン要員でした。町田くんも東出昌大と同じで、メカニック役なのに作業服が全然汚れておらず、モデル撮影みたいに小ぎれいなままだったのには失笑。二人とも、役者としては何か決定的、大事なものが足りないというか。中学聖日記同様、すごい大根で素人以下な演技も気になった。若いうちはいいけど、見た目が崩れる年齢になった時が心配です。ライバルレーサー役の北村匠海も、すごい演技下手だけど可愛かったです。池松壮亮をアイドル風にした感じ?

 ラリーについてはまったくの無知なのですが、あんな日本各地で大々的に開催されてるのですか?高速?や田舎の村?みたいなとこを交通封鎖したり、許可がおりるものなのか~と驚きました。

 ↑14歳でデキた隠し子はもう、なかったことになってるみたいですねマッケンユー主演で三島由紀夫の「禁色」や「鹿鳴館」を映画化してほしいわ~。「危険な関係」のヴァルモンみたいな悪い色男役もいいですね~。漫画映画はもうカンベンしてほしい!CM俳優にもなってほしくないな~…
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パパとムスメの地獄絵図

2018-12-16 | 日本映画
 師走の邦画イケメン祭③
 「渇き。」
 コンビニで起きた惨殺事件の第一発見者となった元刑事の藤島は、離婚した妻から娘の加奈子が行方不明になったと知らされる。加奈子を探し始める藤島だったが、やがて娘の恐るべき正体を知ることになり…
 最近の人気女優のほとんどが苦手な私ですが、小松菜奈ちゃんは好きです。菜奈ちゃんの記念すべき映画デビュー作品を、ようやく観ることができました。なかなかの衝撃作ということも公開当時話題に。関わる者すべてを破滅に導く魔性の美少女を演じた菜奈ちゃんは、すごくチャーミングでした。絶世の美少女!というわけでもなく、演技が天才的!というわけでもないのですが、そういうありきたりな部類ではなく、ニュータイプというか、他に似たような女優があまりいない珍種のように思えます。モデル上がりの菜奈ちゃんですが、うじゃうじゃいるモデル上がり女優のほとんどは、人工的で味気ないロボットみたいなのばかりですが、菜奈ちゃんはそれとも違うんですよね~。生々しくもなく、かといってファンタジーすぎない、現実と夢の間に存在してるような、親しみやすさと神秘性を併せ持つ不思議な女優、みたいな。

 この映画でも菜奈ちゃん、すごく都会的というか、田舎には絶対いないモダンで小粋な魅少女って感じで、それは男よりも女に受ける素敵さかも。菜奈ちゃんみないな同級生がクラスにいたら、すごく憧れただろうな~。美貌や性を武器にしておらず、ミステリアスな優しさと清々しい包容力で相手の心に入り込んでくる加奈子は、菜奈ちゃんの個性のおかげで陳腐な魔性の美少女(ロリコン的色仕掛けとか、一見清純だけど実は腹黒いとかいった)にならずにすみました。

 可愛いけどブリッコではなく、カッコいいけど気どってない菜奈ちゃんは、まさに理想の女の子。私と同じ人間とは信じがたいほど、スラっとした肢体と長~い手足も羨ましい。菜奈ちゃんの身体、三日でいいので借りたいわ。ガーリーだけど乙女乙女してないファッションも好き。何の変哲もない制服でさえオサレ。手入れが大変そうな長い髪も美しい。どのシーンの菜奈ちゃんも、まるでCMかプロモーションビデオみたいに撮られているのですが、それも功を奏したのかも。登場シーンは多いけど、長々と映ってたり喋ってたりは決してしない演出は、CMをメインにしてる菜奈ちゃんの魅力を活かし、弱点を隠せたように思われます。

 「嫌われ松子の一生」や「告白」で高く評価された中島哲也監督の作品。この映画も、奇をてらった才気走りがちょっと鼻につくのですが、タガのはずれた暴走感があるので前二作よりも好き。血だらけ血まみれなエグい暴力描写は、衝撃的というより笑撃的かも。この映画、全体的にかなり笑いを狙ってるはず。まともな奴が一人も出てこず、みんなハチャメチャに大暴れ、狂乱のハイテンション、ありえないほど悲惨すぎる末路は、岡田あーみんの漫画ちっくで笑えた。TVでは放送禁止用語である『き◯がい!』多用も笑えた。藤島役の役所広司が、「孤狼の血」以上に楽しそうにイカレてました。善い人役、カッコいい役よりも、いろんなものをかなぐり捨てた、見てるほうが疲れてしまうほどの暑苦しいケダモノおじさん役の役所さんのほうが、面白くて魅力的です。

 刑事役の妻夫木聡をイケメン扱いするのは、ちょっともう無理があるでしょうかもうイケメンとは言えない風貌になりましたよね~。もちろん今でも可愛いけど、可愛いおじさんってのもどうなのかな~とも。いい役者に成長するため、いろんな役に挑戦してるブッキーの気概は賞賛に値しますが、演技がいつまで経っても大根。いつも一生懸命やってるのが分かるのが、よけい痛々しいんですよね~。今回も、ヘラヘラ笑ってるけど実は悪どいという役を軽薄かつ不気味に演じたかったんでしょうけど、わざとらしすぎて単なる頭の悪そうな小さいおじさんにしか見えなかったブッキーといえばの、あの最強の性的フェロモンも、もう干上がってしまったのでしょうか。老けた子どものような風貌、すごいチビで短足なスタイルの悪さは、まるで某事務所タレントみたいでした。加齢とともに、かなり残念化してるブッキーの今後が心配…
 キャストは豪華(なのかな?)で、中谷美紀、橋本愛、二階堂ふみ、オダギリジョー、國村準が助演してます。中島哲也監督の新作「来る」にも小松菜奈ちゃんが出演してるので、早く観に行きたいと思ってます。
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女王さま狂想曲

2018-12-10 | 北米映画 15~21
 「ボヘミアン・ラプソディ」
 70年代のロンドン。インド系の青年フレディは、ファンだったバンドのメンバーであるブライアンとロジャーに売り込み、ヴォーカルとして仲間に加わり“クイーン”を結成する。フレディの類まれなる歌声と独創的な楽曲で、クイーンは瞬く間に人気ロックグル-プとなるが…
 クイーンにはそんなに興味があるわけではなかったので、当初は鑑賞予定に入ってなかったのですが、アメリカのみならず日本でも大ヒットしている今、映画ファンとしてはやはり押さえておかねばならぬと思い、観に行ってまいりました(^^♪レイトショー、しかも公開から結構日が経ってるにもかかわらず、席はほとんど埋まっていました。やっぱ人気なんですね~。初日なのにガラガラだった山崎賢人の「羊と鋼の森」との違いに苦笑いで、どうだったかと言うと。評判通り、すごく面白かったです!クイーンのファンじゃなくても、いや、返ってクイーンのことをよく知らない、ヘンな思い入れやこだわりがない非ファンのほうが、あーじゃないこーじゃないと文句や不満なく観ることができて楽しめるかも。私もクイーンのCDが欲しくなりました。クイーン教布教、洗脳映画としては、かなり成功してるのではないでしょうか。

 クイーンのファンじゃなくても、その楽曲は絶対耳にしたことがありますよね~。日本でもCMやTVドラマで使われ、馴染みぶかいものばかり。あの有名なママ~ウウウウ~♪もクイーンの曲だったことを(これがボヘミアン・ラプソディですよね?)、この映画で初めて知った私ですそのボヘミアン・ラプソディが引き起こしたスッタモンダを始め、ロックユーやチャンピオン、ボーン・トゥ・ラブ・ユーなど代表曲が誕生するエピソードが、愉快に描かれていました。曲だけでなく、パフォーマンス(フレディの歌い方とか衣装)も奇抜で強烈なのもクイーンの魅力でしょうか。クイーンってかなりイロモノ、キワモノバンドだな~とも思ったが。ラストの大観衆の前でのチャリティーライヴ再現シーンは、圧巻の完コピパフォーマンス。魂が震える、と言ってはオーバーだけど、かなり圧倒的で感動的です。すべてはこのライブシーンのための前座とさえ思えるほど。

 この映画、かなりクイーンの音楽に助けられてると言えるでしょう。要所要所で効果的に活用されてる楽曲やパフォーマンスのおかげで、目にも耳にも楽しいミュージックフィルムにはなってるのですが、肝心のドラマはかなりフツーなんですよ。ぶっちゃけ、NHKのドラマみたいな無難さで、子どもが観てもOKな内容になってたのが物足りませんでした。フレディの短い人生って、もっと破天荒で破滅的なのかと思ってました。フレディの同性愛に対する苦悩や耽溺も、リアルで過激な描写は避けてサラリと触れてる程度。同性愛シーンもほとんどありません。フレディと他メンバーとの関係もそうですが、真実を描くよりも都合よく脚色された当たり障りのない美談、ありきたりなサクセスストーリー、誰にとっても不利益にならない忖度映画になってたのが、かなり残念でした。フレディの放埓な性生活はもっと常軌を逸していたはずだし、メンバーとの葛藤や対立も、もっと醜いものだったでしょうし。

 ゲイであることを公にしているブライアン・シンガー監督は、この映画の完成間近になって途中降板したそうですが。ゲイ描写をめぐって、リスクは避けたい出演者や製作者側とトラブったのかな?と推察もできますが、真相は謎のままのようです。
 フレディ・マーキュリー役のラミ・マレックが、入魂の大熱演!実際のフレディには全然似てないのですが、どんどんフレディに見えてくる、こっちがフレディと錯覚してしまうほどの一世一代のパフォーマンスに驚嘆、感嘆。特殊メイクで姿形を変え、声や口調も似せた実在の人物のモノマネ演技って苦手なのですが、ラミのなりきり演技はそれに当てはまらない魅惑の名演でした。小柄だけど、ほとばしるエネルギー、みなぎるパワーに圧倒されました。特に熱唱シーンは、口パクなんだろうけど動きとか表情とかが神がかり的で惹きこまれます。ゴールデングローブ賞に続いて、オスカーにもノミネートされてほしい!フレディってこんなに出っ歯だったの?と笑えるほど、ただでさえ独特な顔のラミを付け歯がさらに強烈、かつ愛嬌ある御面相にしてます。偶然なのですが、この映画を観て家に戻った深夜に、TVで放送してた「ナイト・ミュージアム2」にもラミが出ていてビツクリ!インド系同様、エジプト系も濃ゆいですね~。

 ちなみにフレディ役は当初、サシャ・バロン・コーエンが演じる予定だったとか。いろいろあってサシャは降板、次はベン・ウィショー!に白羽の矢が立ったそうですが、ベンもいろいろあって断念し、最終的にはラミにおはちが回って来たそうです。ベン子さんのフレディ、見たかったかも!ベン子なら、リアルにゲイゲイしいフレディになってたことでしょうね。
 お涙ちょうだいではなく、だいたいはユーモラスな笑えるシーンやエピソードばかりで構築されてたのが、ワタシ的には良かったです。特に印象的だったのは後半にある、クイーンの記者会見シーン。そこでフレディに向けられる容赦のない意地悪で悪意に満ちた質問と、それに対するフレディの受け応えが笑えました。あんな記者会見、日本ではありえんわ~。あんな風に非情なまでに核心に迫る質問、カープを退団した丸にぶつけてみたい!それはそうと。誰がどこから見てもゲイなフレディなので、それを否認したり隠したり悩んだりする姿が、もうみんな気づいてるのに独りで何イジイジしてんのと滑稽でした。フレディ、あと少し遅く生まれてたら、堂々とゲイライフを満喫できたのにね。フレディは短い生涯でしたが、ぜんぜん不幸とも悲劇的とも思いません。むしろ、才能にも栄光にも人間関係にも恵まれ、みじめに落ちぶれた老醜も避けられた、とっても幸せな人だと、私の目には映りました。あと、60~80年代のファッションも素敵でした。ぜんぜん古めかしくなく、むしろ斬新で今よりオシャレ!
 
 
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クズでもゲスでも

2018-12-07 | 日本映画
 師走の邦画イケメン祭②
 「彼女がその名を知らない鳥たち」
 冴えない中年男の陣治と同棲中の十和子は、不潔で下品な陣治を嫌い蔑みながらも、彼に依存した自堕落な日々を送っていた。数年前に別れた黒崎を忘れられない十和子は、黒崎に似た水島という男との情事に溺れる。そんな中、黒崎が失踪していることを知った十和子は、自分に執着する陣治がそれに関わっているのではないかと疑い始めるが…

 同じ白石和彌監督の「孤狼の血」にも出演していた松坂桃李と竹野内豊が、最低のゲス男役を演じているということで、劇場公開当時すごく気になっていた作品なのですが、主演の蒼井優と阿部サザヲが苦手なので、結局スルーしてしまいました。wowowowで放送されたので、観てみました。トーリも竹野内も、いろんな意味で「孤狼の血」以上に好演してました。二人とも期待してた以上にゲスで笑えたわ。悪人よりもタチが悪い、下劣で卑怯でセコいゲス&クズ野郎ども、なんだけど、いい男!バカ女が騙されて溺れるのも理解できます。私も彼らみたいなゲスクズに引っかかってみたいけど、十和子ほどバカにもドMにもなれないので、良いカモにはなれそうにありません

 水島役のトーリは、表面的には優しくナイーブで真面目な青年、実は中身カラッポな嘘つきヤリチンを、ねっとりしつつ軽やかに演じてました。トーリは声がエロいですよね~。低く甘い声での愛の囁き、あれはジュンときますわ。「娼年」ほどではないけど、濡れ場も頑張ってました。舌使いがヤらしいディープキスが特に印象的でした。でも声や雰囲気と違い、ガリガリな裸には色気がない。トーリはもうちょっと年とって、脂ののった肉がつけば日本屈指の濡れ場王になれる可能性ありかも。

 黒崎役の竹野内豊も、これまでのイメージを破壊する非道いクズ野郎っぷりです。彼も優しい言葉やムード、セックスで女を蕩けさせて、残酷な方法で彼女を利用したり虐げたり、まさに女の敵。逆ギレして十和子をボコボコにするシーンとか、あの竹野内豊がよくこんな役を…と往年のファンが見たらショックかもしれません。「孤狼の血」での凶暴ヤクザとか、最近の竹野内さんは役の幅を広げようと努めてるようですね。でも濡れ場が大したことなくてガッカリ。エロの部分では、トーリのほうが圧倒的に勝ってます。

 最低なゲスクズ役なのに、二人とも全然不愉快じゃなかった。優しそうなイケメン、という見た目もその要因でしょうけど、二人よりも主役の十和子と陣治のほうが不快で気持ち悪かったのが最大の理由かも。十和子なんか、ゲスクズ男よりもはるかに不快なゲスクズ女でしたし。いい年して男にパラサイトしたニート女なんて、世界一醜い生き物だわ。ゲスクズ男に何度も引っかかる、心もお尻も軽いユルい十和子みたいなバカ女には、フェニミストじゃなくても腹が立ちます。十和子みたいな女がいるから、女性の地位は向上しないんですよ。

 十和子の、どうでもいい人間には冷たく高圧的なのに、タイプのイケメンには可愛くけなげな女の子になるところも、嫌悪感と反感しか覚えませんでした。憂さ晴らし、暇つぶしで店に執拗なイチャモンをつけるクレーマーぶりも、人間として最低な行為。酷い目に遭っても自業自得。十和子に一途な愛を押し付けてくる陣治も気持ち悪くて、悪い意味でお似合いのカップルでした。十和子役の蒼井優は、何かベチョベチョしてるところや、いい年して少女もどきなところが苦手。濡れ場も、不自然な乳首隠しに覚悟のなさ、中途半端感を否めず。喘ぎ声だけはAV女優みたいだったけど。十和子が狂気に蝕まれていたのではなく、単なる性悪女にしか見えなかったのは、甘々なTVドラマみたいな脚本同様、蒼井の大熱演のつもりで実は肝心なところで吹っ切れてない演技のせいだと思う。陣治役の阿部サダヲの、顔だけでなく暑苦しい自己満足的演技も苦手。二人の関西弁は、ネイティヴの方々的にはどうなの?孤狼の血の広島弁は、ネイティヴにはちょっと???でしたが。
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ハートも斬って

2018-12-05 | 日本映画
 師走の邦画イケメン祭①
 「斬、」
 開国に揺れる江戸末期の日本。農村で働きながら剣術の腕を磨いていた若き浪人の都筑杢之進は、澤村という剣豪と出会う。杢之進の腕を見込んだ澤村は、自分が率いる組織の一員となって京都での戦いに参戦するよう杢之進を誘う。承諾し澤村と旅立とうとした矢先に、村に現れた無頼者の集団が起こした事件が、杢之進を思わぬ事態に陥れることになり…
 言うまでもなく、主演の池松壮亮目当てで観に行きました(^^♪脇役出演してた「散り椿」はつまんなかった上に、壮亮くんも時代劇なのにいつもと同じ、どよよ~んとボソボソとアンニュイで、かなりがっかりさせられたのですが、この新作はユニークかつ壮亮くんの“いつもと同じ”も魅力として活かされていました。いつも同じも、やはりキムタクのそれとは別物です。

 壮亮くんは若手の中では別格の非凡な俳優なのですが、使いこなすのが難しい珍種でもあるんですよね~。イザベル・アジャーニと同じタイプというか。出演作のほとんどは、彼の魅力を活かせてません。「散り椿」のように、上っ面だけキレイキレイな中身の薄い映画だと、“いつもと同じ”に堕してしまいますが、その“いつもと同じ”が比類なき魅力となって、観る者を圧倒したり驚かせたり陶酔とさせたりすることもあります。この作品は、そんな希少な映画と言えるかもしれません。久々に、壮亮ハンパないって!と思いました。やっぱ彼、いい役者、いい男ですわ~

 小柄で痩せた体、無精ひげないと子どもみたいな童顔の壮亮くんは、肉体美や美しい顔を誇るルックスの俳優ではないのですが、わらわらいる若手イケメン俳優にはない強烈な武器があります。それは濃密・濃厚な色気!それも、若い男のヘルシーなセクシーさではなく、まるで熟年男のような倦怠感を帯びた色気。脱がなくても濡れなくても、尋常でないエロさを醸す稀有な役者なのです。

 某事務所タレントやイケメン俳優は、メイクばっちりで化粧臭そうだけど、浅黒く粗い肌の壮亮くんは♂臭そうですごく性的。この映画でも、エロいわ~と胸騒ぎなシーンが多かったです。時代劇で男優の自慰行為シーンとか、初めて見ました。シコシコしてる時の表情や息づかいが、なかなか生々しくて自慰シーンは2回もあって、最初のはストイックで生真面目な男でも性欲はあるんだな~と微笑ましく思えるものだったけど、2回目は殺戮を経験して血に酔ったかのように錯乱状態で激しく。自慰の演じ分けとか、壮亮だからできた難しい演技。性欲なんかありません、みたいな俳優ほどつまんないものはないので、常にセクシュアルな壮亮はやはり特異な俳優です。

 幼い猿顔で、世間一般的なイケメンでは決してない壮亮くんですが、時折ものすごい美男に見える瞬間が。この映画でも、ハっとしてしまうほど美しい顔に見えたシーンが何度かあった。優しく無邪気な笑顔も多く、年相応に可愛く見えたのもファンには嬉しかったです。殺陣も俊敏で鋭くてカッコよかったです。だいたい平坦なボソボソ声なのですが、激情的かつ明瞭に話す時はすごい美声で、大河ドラマ「義経」で少年時代の源頼朝を端正に演じ私を瞠目させた当時14歳の彼を思い出しました。

 エロく美しい壮亮くんも見ものですが、最大の見せ場はやはり狂気に堕ちてしまう演技でしょうか。殺戮への罪悪感や恐怖からではなく、人を斬ることで気づいてしまった暗い悦楽に身悶えして狂乱する姿や、ボロボロボサボサになって森の中をさまよう虚ろな姿は、「アデルの恋の物語」のイザベル・アジャーニを彷彿とさせました。やっぱ壮亮くんとアジャーニってカブるわ~。 
 杢之進に恋する村娘役は、またあんたか!な蒼井優。苦手な女優ですが、泥だらけでレイプされるシーンとか、なかなか頑張ってました。でも彼女の役、必要だったの?スゴ腕の浪人澤村役は、この映画の監督で、スコセッシ監督の「沈黙 サイレンス」でも好演していた塚本晋也監督ご自身が演じてます。カッコいい役だったので、自分で演じたくなったのかな?俳優の髪型とか喋り方とか、あまり時代劇っぽくなく現代的なところや、ちょっと観る者の解釈に委ねてるような謎めいたシーンとか、荒々しくもリアルで耽美的な演出が斬新で面白かったです。かなり低予算っぽい映画ですが、金をかければ佳い映画ができるとは限らないことを、この映画を観てあらためて痛感しました。

 ↑壮亮くんは日本映画界の至宝!くだらない作品に出さず、大事に扱ってほしい!たまには明るく可愛い役もやってほしいけど
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