まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

SM療法

2014-09-29 | イギリス、アイルランド映画
 御嶽山の噴火、怖いですね…
 楽しい秋の山登りが、一転して地獄絵図になるなんて…広島の土砂災害もですが、フツーに暮らしてたら気づくすべもなく襲われてしまう自然の脅威に、ただもう打ちひしがれ無力感を覚えるだけです。私も山のふもとに住んでるので、今後ますます土砂や噴火に怯えながら暮らすことになるでしょう…

 「危険なメソッド」
 20世紀初頭のスイス。若き精神科医のユングは、高名な分析医フロイトの提唱する治療法を、新しい患者のサビーナに施す。ユングとフロイトは師弟のような深い絆で結ばれるが、やがてサビーナの存在が二人の友情に亀裂を生じさせるのだった…
 特異な(平たく言えば変態)作風でファンも多い、デヴィッド・クローネンバーグ監督作品。
 映画通、または私のようなイケメンマニアからはかなり前から注目され、今年「それでも夜は明ける」での怪演激演でオスカー候補となり、今やすっかりメジャーな人気スターとなったマイケル・ファスベンダー主演作(クレジットは3番目ですが)です。ファスベン、やっぱカッコいいですね~男らしいけど濃ゆくなく、クールだけど内面には静かな荒々しさを秘めてて。理知的で端正なマスクは、ただ整ってるだけでなく何か不穏と翳りが深く刻まれていて、暗く乾いた欲望と絶望が混濁している表情が、すごく生々しくエロくもあって。ゴツいけどスラ~っとした長身も素敵。

 今回のファスベンは、実在の人物役、しかも超有名な心理学者ユング役。古風で優雅な紳士の衣装が似合ってて、相変わらず何着ても似合う男だな~と感嘆。そして、相変わらずフツーの役をやらない男だな~と苦笑い。その男前ぶりと高い演技力は、今回も遺憾なく発揮してるファスベンです。

 ユングって、あんな人だったの?!と驚きました、いや、呆れました。行い澄ました学者然での、とんでない踏み外しっぷりに目がテン。患者兼助手のサビーナとの不適切すぎる異様な関係では、男の身勝手さや変態性欲丸出し。ファスベンが演じてなかったら、見るに堪えない醜悪な人物になってたかも。とことん踏み外して破滅するのなら、まだ惹かれるものを感じたかもしてません。でも、結局何も失わないままエラい学者ぶってるユングって、ズルくて卑小だな~と思った。晩年は、精神を病んで苦労はしたみたいですが。それにしても…頭が良すぎる人って、凡人よりも悩みや苦しみが重くて深くて大変だなと同情を禁じえません。凡人に生れてよかった…たくましく無骨な容貌と、悩ましげな精神的憂悶のアンバランスが、繊細で複雑なセクシーさを醸し出してるファスベンでした。変態な内容ですが、ファスベンは脱がないし、エロい濡れ場などは皆無だったのが残念。
 
 サビーナ役のキーラ・ナイトレイの狂いっぷりが、めっちゃキモい&ヤバいです。もともと彼女が苦手な私なので、今回のシャクレをますますシャクレさせて惑乱錯乱する姿は、正視に耐えられないほど鬱陶しくて不気味でした。ギャーギャーキーキーー大騒ぎなヒステリックさが、かなり神経に障ります。あんな気持ち悪くてヤバすぎる女と寝るユング、いかもの食いというかチャレンジャーだわ~。き○がいシャクレ顔芸だけでなく、お尻ペンペンされてハアハア欲情する変態ぶりもキモいです。あれって、ひょっとしたら笑いを狙ってたのかしらん?とにかく、よーやるよ!なナイトレイの女優魂には、素直に拍手を送りたい。あんな一歩間違えればコントになりかねないスレスレ演技、キレイなだけの無能女優には絶対ムリでしょうから。でも、見てて不快になるよな生々しい狂気よりも、映画なので美しく魅惑的な狂気に酔いたいです。サビーナ役がもし若かりし頃のイザベル・アジャーニだったら、激ヤバなだけでなく、さぞや可憐で悲痛なヒロインになってたことでしょう。

 ↑終始こんな感じのキーラ・ナイトレイ、その顔芸は笑えるっちゃあ笑えるが、見ててかなり疲れもします
 ユングと親しくなる高名な心理学者フロイト役は、LOTRのアラゴルンでおなじみ、クローネンバーグ監督の傑作「イースタン・プロミス」でオスカー候補になったヴィゴ・モーテンセン。シブい!

 年かさなぶん、真面目で自分ワールドな住人ユングよりも、世知にたけてるというか俗っぽいところがあるフロイト先生の、悪意は全然ないけどKYで無神経なユングへの戸惑いやイラっ&ムカっな心境を、大げさでなくさりげなく分からせるヴィゴさんの演技、なかなかの絶妙さでした。老人役なんだけど、やっぱカッコよすぎというか無理があるというか、男ざかりの精気とか艶は隠せてません。ファスベンとの男前ツーショットや、ちょっと精神的BLな関係、雰囲気にちょっと萌え~。
 「イースタン・プロミス」での怪演も忘れがたいヴァンサン・カッセルが、病んだ男の役でチョコっと顔を出してます。
 数々の傑作変態映画を生み出してきたクローネンバーグ監督ですが、今回の変態は過激さがなく薄口。コアなファンには物足りないかもしれません。クローネンバーグ監督風の文芸映画って感じ?スイスやオーストリアの街や湖など、とても美しく撮られてました。
 それにしても。心理学とか精神分析とか、人の心をのぞきこんだりいじくり回したりする学問や医療って、怖いですよね~。できれば人の心には立ち入りたくない、立ち入るべきではないと思ってしまいけど…おかしな言動が最近ひどい私も、ひょっとしたら欲求不満、性的に抑圧されてるのでしょうか?それならまだいいけど、私の場合は心じゃなくて脳みそのほうがイタんでる系っぽい

 ↑シブい!マイケル・ファスベンダー、大人の男って感じキムタクより年下だなんて、信じられません。
 かぶりものをしたままで素顔を見せない男をファスベンが演じた「FRANK フランク」が、近日日本公開♪またフツーじゃない役ですねでも楽しみ!
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気高く咲いて美しく散る

2014-09-24 | 北米映画 20s~50s
 神戸で起きた恐ろしい事件…
 何の罪もない、いたいけな幼子がまた…殺されただけでなく、バラバラにされてゴミのように棄てられるなんて。非道い。むごい。他人の私でさえこんないたたまれない気持ち、憤りをどうしようもないのに、被害者の遺族の悲しみ怒りはいかばかりか、察するに余りあります。
 小さい子どもに、どうしてあんな残酷なことができるのでしょうか。容疑者の男にもし、噂通り刑事責任を問えないことになれば、絶望の闇はますます深まることになるでしょう。
 被害者の女の子が、もし友だちの家で遊べていれば。もし独りで外をウロウロしていなければ。今さら詮のないこととはいえ、やはり悔やんでしまいますよね。
 すべての子どもが安全に幸せに暮らせる世の中なんて、やはり幻なのでしょうか…
 被害者のご冥福を、今は祈るだけです…

 「マリー・アントワネットの生涯」
 オーストリアの皇女マリー・アントワネットは、胸ときめかせながらフランス王太子に嫁ぐが、夫の愚鈍さや義父ルイ15世の愛人デュバリー夫人からのいやがらせなど、失意と忍耐の日々を強いられることに。退屈と虚しさを紛らわすため、贅沢な遊びに耽る彼女だったが、スウェーデン貴族のフェルゼンと出会い、初めての恋を知り…
 世界史上、最も有名な女性のひとりであるマリー・アントワネットをヒロインにした映画や舞台、小説、漫画は、枚挙にいとまがありません。私も子どもの頃、「ベルサイユのばら」の漫画とアニメをM子と一緒に楽しんだものです。多くの日本人女性にとって、ベルばらこそがマリー・アントワネットのイメージを確立したといっても過言ではないのではないでしょうか。

 国民の塗炭の苦しみをよそに、贅沢ざんまいの享楽に耽った悪女?それとも、歴史に翻弄された悲劇のヒロイン?ざまあ!と可哀想!が混濁した、起伏の激しすぎるゴージャスでドラマティックすぎる彼女の人生が、多くの人々を魅了するのでしょうか。すべてを手にして、すべてを失う女。大した悲しみも喜びも、不幸も幸福もない平々凡々すぎる私などからすると、アントワネットの生涯は同じ人間のものとは思えない、ほとんどファンタジーの世界です。この映画のアントワネットは、ただもう無邪気で可愛らしく、そして可哀想なヒロインとして描かれています。彼女がもうちょっと分別があってズル賢い女だったら、あんな悲劇的な末路をたどることはなかったんだろうな~。無邪気な天使も、度が過ぎたらただのバカ女…ということを、あらためて思い知った。人はいいけど、愚かすぎる。そんな女に富と権力が与えられてしまったが、悲劇の発端です。時代も悪かった。それにしても…中世のヨーロッパの血なまぐささときたら。イギリスも怖いけど、フランス革命も血みどろすぎる。まさに地獄のレボリューションですよね~。あの時代の王族貴族に生まれなくてよかった…ギロチンなんて、想像しただけでもゾゾゾのウゲゲです。

 お話じたいは、古き佳きハリウッドのクラシック映画らしく、ひたすら典雅で甘美なメロドラマ。アントワネットとフェルゼンの恋も、あくまで切ない純愛。決して不倫としては描かれてません。現代の映画にはない柔らかで上品な雰囲気が好きです。あまりにも悲惨なラストには、観る前から分かっていることとはいえ、やはり気が滅入ります。何とかならんかったんかい、と。悲運なアントワネットですが、でも国民側からしたら殺しても殺したらぬ唾棄すべき悪人なんですよね。蜂起する国民が、ヒロインに襲いかかる無知で傍若無人な野蛮人になってたのが、ちょっと気になった。あんな無能な王や欲深い貴族、打倒されて当然なのに。
 お話よりも、衣裳やセットの美しさ、精密さに魅せられました。マリー・アントワネットのドレスや装飾品が、目に楽しいです。カラーだったら、さぞや華やかな映画だったことだろうけど、モノクロならではの美しさも。それにしても…一度でいいから、あんなドレス着てみたいな~。でも、日本の十二単とかもそうですが、実際は大変そう。寝る時以外はずっとあんなカッコしてなきゃいけないってのも、相当しんどかったことでしょう。
 マリー・アントワネット役は、30年代にハリウッドで活躍した伝説の女優、ノーマ・シアラー。

 ちょっと演技がオーバー(今にも歌い出しそうなミュージカル風)だったけど、優雅で柔和な美しさは、現代の映画界にはいない絶滅種の女優。怖い者知らずな天真爛漫な娘時代から、急転直下で不幸のドン底に堕ちる晩年までを、気品高く熱演してました。ラストの処刑シーンのみじめさ哀れさは、なかなかの名演です。投獄される時、引き離されて連行された侍女が、民衆に何か非道いことをされるのを、塔の窓から見ながら絶叫するシーン…いったい、何を目にしてしまったんだろうと戦慄!
 フェルゼン伯役のタイロン・パワーは、美男子ですが時どき東八郎の息子に似て見えたルイ16世役のロバート・モーリーが、ルックスといい演技といい、いい味だしてました。見た目は、上品になったドランクドラゴンの塚地って感じ?ルイ16世の、愚鈍だけど心優しい不器用なキャラが涙を誘います。王さまなんかに生まれなかったら、きっとちょっと変わり者な善人として愛され、幸せな人生を送れただろうに…
 それはそうと。アントワネットと引き裂かれた幼い息子が、両親の処刑後どうなったのか気になって、ちょっと調べてみたのですが…ガーン悲惨すぎる末路じゃん!?ある意味、両親より悲劇的ですよ。無残や~
 ベルばら、再読したくなってきました~アンドレ、好きなキャラなんですよね~
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熟女の姦計!

2014-09-21 | 北米映画 80s~90s
 「危険な関係」
 18世紀のフランス。社交界を牛耳るメルトイユ侯爵夫人は、若く美しいセシルと婚約した愛人への復讐として、女たらしのヴァルモン子爵にセシルの処女を奪わせようと企む。ヴァルモンは貞淑なトゥールベル夫人をなびかせようと躍起になっていたが…
 有名なラクロの原作は、これまで各国で何度も映画化されていますが、今のところ最高傑作はこのハリウッド版ではないでしょうか。後に「クィーン」なども高く評価された、イギリスの俊英スティーヴン・フリアーズ監督の作品。
 この映画、とにもかくにもメルトイユ侯爵夫人役のグレン・クローズが強烈すぎます。

 「危険な情事」そしてこの「危険な関係」。危険シリーズ?で2年連続アカデミー主演女優賞にノミネートされたグレン・クローズは、メリル・ストリープと並ぶアメリカ屈指の名女優。「ガープの世界」や「ナチュラル」での好演も忘れがたい彼女は、美女ではないけど賢くタフで優しいアメリカ女性といったイメージでしたが、恐怖のストーカー女アレックスをセンセーショナルに激演した「危険な情事」で映画ファンの度肝を抜いた後、この華やかにインモラルなコスチュームプレイで再び恐ろしい女を怪演し、女優としての力量と奥の深さを実証したのでした。

 メルトイユ夫人は、ある意味「危険な情事」のアレックスより怖い女。アレックスには、まだ相手を一途に思いつめる愛がありましたが、メルトイユ夫人には愛など一片もありません。他人を操り弄び、彼らが傷つき苦しみ堕ちて汚れる姿を見て悦びを味わう悪女。なんでこんなに性悪になれるんだろうと、人が善いだけの私なんかからすると、悪い意味で羨ましくなるほどの外道、鬼畜っぷり。とにかく、メルトイユ夫人が言葉巧みに、偽善に満ちた笑顔で人々を愚弄する手練手管が、痛快なほど悪辣で笑えます。

 内心では相手を嘲笑いながらも、表面的には観音さまのごとく優しげな微笑の白々しさ。そして、悪だくみしてる時のゾっとするよな酷薄な魔女顔。激情ぷっつん女のアレックスには警戒や反撃もできるけど、冷酷非情で狡猾な鬼女メルトイユ夫人には、知らぬ間に寝首をかかれてしまいます。まさに他人の不幸は蜜の味、その甘味を糧にして生きる毒婦。常に自分が魅力的であることを確信するために、権力を握って他人より優位に立つために、罠や策謀を糸のように張り巡らせる蜘蛛女。女の陰湿さ冷酷さの権化のような妖婦を毒々しく、かつクールに理知的に演じてるグレンおばさまに圧倒され、魅了されるばかりです。とんでもない悪女なのに、何かカッコいいんですよね~。この人がこう言うんだから間違いないだろう、と思わせる説得力のある姉御肌、貫禄が素敵。その懐の深さに包まれたいという魔魅にあふれてるのです。セコい性悪女とは格が違う、カリスマ的大物感ある悪女なのです。まさに大女優の威厳と風格。CMタレントのお遊戯を見慣れた目には、いささかドギツいグレンおばさまです。共感とか同情とかをいっさい拒みながらも、中年女の悲哀もにじませてるところがいい。

 ヴァルモン子爵役のジョン・マルコヴィッチがなあ~。彼は間違いなく名優で、細やかな絶妙な演技を披露しているのですが、いかんせんルックスが…あんな見るからに胡散くさいブサイクなおっさんに、何で美女たちがよろめくのか納得できなかった。演技が巧いだけじゃダメな役ってのもあるのです。まあ、あえて彼が演じたのも、意表を突いて面白いとは思うけれども。ヴァルモンは、少々演技がヘタでも、セクシーな美男俳優にやってほしかった、というのが私の正直な感想。
 清らかで憂いある美貌のミシェル・ファイファー(トゥールベル夫人役)と、デビューしたばかりの頃の初々しいウマ・サーマン(セシル役)が、この映画の花となってます。そして、セシルに恋する青年ダンスニー役、これまた駆け出し時代の若きキアヌ・リーヴスが可愛い!すごい大根ですが

 アカデミー賞の脚色賞を受賞しただけあり、メルトイユ夫人やヴァルモンの伯母様がのたまう、人生や恋愛に関する含蓄ある台詞が素晴らしいです。貴族たちの贅を尽くした華やかな衣装やインテリアも目に楽しく、オスカーの衣装賞、美術賞獲得も納得の見事さです。
 それにしても。恋愛ゲームにうつつを抜かす貴族たち、もっと他にすることなかったのでしょうか。そのヒマ人っぷりに呆れます。人間、ヒマと金がありすぎたらロクなことならないんですね~
 日本で映画化されるとしたら、理想的なキャストは?メルトイユ夫人役は、40代の頃の京マチ子とかピッタリそうですが。ならヴァルモンは市川雷蔵?うう~ん、いいかも!現代なら誰がいいかなあ。ドラマ「華麗なる一族」の悪女役がよかった鈴木京香とかよさげ。ヴァルモンは意外性(いや、結構ハマるかも?)で向井理。トゥールベル夫人は壇れい、セシルは思いつかん、ダンスニーは池松壮亮。舞台は平安時代か、大正時代の貴族社会。このメンツで映画化してほしいわ~。
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モードの王子様

2014-09-11 | フランス、ベルギー映画
 「イヴ・サンローラン」
 21歳の若さでクリスチャン・ディオールの後継者となったイヴ・サンローランは、芸術家を後援していたピエール・ベルジェと出会い、恋に落ちる。ベルジェの尽力で自身のブランドを立ち上げ、デザイナーとして世界的な名声と人気を得るサンローランだったが、創造の苦しみとプレッシャーでアルコールや薬物に溺れ始める。ベルジェはサンローランを献身的に支えるが…
 心温まる佳作「キリマンジャロの雪」で、私のイケメンレーダーを電撃的にビビビとさせたボーギャルソン、ピエール・ニネ待望の主演作を、ついに観ることができました~
 キリマンジャロではチョイ役に近かったけど、今回はタイトルロール、堂々の主役、ほぼ出ずっぱりな、どこを切ってもピエール・ニネ金太郎飴な映画。ニネくん、期待通りのカッコカワイさでした~裏方のデザイナーにしとくにはもったいないほど、モデル顔負けなスタイルのよさにまず驚嘆!スラ~っとした長身、手足のみならず、長い指の繊細さ美しさときたら!超小顔、透明感ある美白肌。ときめきと翳りが交錯する、大きな黒い瞳。マッチ棒が乗せられそうな長い睫。どこかあどけなさを感じさせる可愛いアヒル口。こんな外人、まずそのへん、いや、フランスにだってそうそうウロついてませんよ。そんじょそこらに生息してないイケメンですが、近づきがたい完璧な美貌!といったお高さとか、非人間的で人工的な人形・ロボット的な美しさとかではなく、すごく親しみやすいファニーフェイス系。強いて言えば、オードリー・ヘプバーン男版、みたいなキレイさ。

 もちろんニネくんは、ルックスだけの男ではありません。ヨーロッパ演劇界の最高峰であるフランス国立劇団コメディ・フランセーズ(ジャンヌ・モローやイザベル・アジャーニも、ここ出身ですね)の座員である彼は、舞台で磨き上げた演技力を遺憾なく発揮してます。イヴ・サンローランを徹底的にリサーチした演技が圧巻。見た目もそっくりに作り上げてますが、特に声音での感情表現が驚異的だった。キリマンジャロや、これまでの主な出演作であるラブコメディ映画での彼とは別人。声だけで、サンローランの情熱や脆さが伝わってきました。デリケートでエキセントリックな熱演に目がクギづけになりますが、どんなシーンでもエレガントで知的な雰囲気を保ってるところもスゴかった。そういうところも、オードリーを彷彿とさせたニネくんです。ゲイ役だけど、気色悪いオネエではなく純真な乙女みたいで、破天荒な暴走をしても愛しく思えてしまうところも、ニネくんの演技力と魅力の賜物でしょう。天才キャラにありがちな変人っぽさが薄く、基本的には内気で優しい青年サンローランを演じるニネくんの、ちょっとオドオドビクビクしてる時の様子が、めっちゃ可愛いです。
 凡人には理解しがたい、天才ゆえの苦悩と破滅的な生き方…というのは、ぶっちゃけよくある話で、目新しさは特にないのですが、この映画が重点を置いてたのはそこではなく、サンローランとベルジェ氏のラブストーリー、畢竟、がっつりBL映画腐にはウハウハな萌え映画なのです。

 さすがゲイに世界一寛容な(たぶん)国フランス、男同士の愛もフツーの男女のそれと何ら変わりない扱い。シャイだけどワガママで甘えん坊な乙女みたいなサンローランと、クールだけど優しく度量がある大人の男なベルジェ氏の、スウィートなイチャイチャも激しい痴話喧嘩も、フツーの男女と同じ。男同士のラブシーンが、大胆だけど甘美に優美に描かれてるところも、生々しさや醜さを忌み嫌う腐向けになっています。同性愛だけでなく、サンローランが精神病院に入れられたり、アルコールやクスリや男遊びに溺れる爛れた私生活のエピソードも省かれていません。よく遺族や関係者の許可を得られたな~と驚嘆。三島由紀夫とか尾崎豊とかの自伝的ドラマは、こんな風には作れないだろうな~と思いました。

 イヴ・サンローランの公私にわたるパートナー、今もご存命のベルジェ氏が全面的に公認、協力してできた映画、というのも納得できる内容になってます。とにかくベルジェ氏が、カッコいい大人の男として描かれてますから。愛する人を献身的に支え守り、振り回されても傷つけられても耐える姿は、まさにサンローランじゃくても惚れてまうやろ、みたいなカッコよさ。恋人、夫、父親。男のすべての愛を備えた素敵おじさまベルジェ氏を演じてるのは、ニネくんにとってはコメディ・フランセーズの先輩であり、「不機嫌なママにメルシィ」(邦題、もうちょっと何とかならんかったのか)でセザール賞を受賞したばかりの、今フランスで最も旬な俳優ギヨーム・ガリエンヌ。イケメンとか男前といった風貌ではありませんが、役が役なので、すごくカッコよく見えます。

 人気モデルのヴィクトワール役は、ラファエル・ペルソナ主演のラブコメ「恋のベビーカー大作戦」でヒロインを演じてたシャルロット・ルボン。彼女も可愛い。サンローランとの友だち以上恋人未満な不思議な関係が、何かフランスっぽくてカッコいいなあ~と思った。サンローランをめぐって、ベルジェ氏と嫉妬の火花を散らし合うのが面白かったです。憎み合う二人がデキちゃう展開には、え!?でしたが。あれって、サンローランがコイツを嫌えばいい!という、女とゲイの屈折した闘いのイビツな手段だと私は解釈しています。
 ファッションには疎い私ですが、華やかなファッションショーのシーンは、すごく目に楽しかったです。東京ガールズ何たらとかと違って、上品で優雅。それにしても…こういう早熟の天才が主役の映画を観るたびに思う。才能ゆえに不幸な人生と、平凡ゆえに幸福な人生のどちらかを選べと、生まれる前に神さまに言われたら、私はどうするだろうと…

 ↑来日したニネくん。カッコカワいいだけでなく、気さくで知的な人柄も大好評だったみたいです。憧れてたという京都旅行など、日本でのバカンスも楽しんだご様子♪

 ↑↓イケてるニネくんの画像、集めてみました~。ああ~ぶちカッコええのお~少女漫画に出てくるパリジャンって感じ。ナチュラルだけど洗練されてますよね~。ハリウッドセレブスターとかが、ダサくて安っぽく見えてしまうわ~

 ↑アヒル口が可愛いんよのお~

 ↑シャルロット・ルボンとの素敵なフォト。何かお似合いですね~。でも二人は付き合ってません♪フォトグラファーの恋人同伴で来日してたニネくん。恋人は残念ながら(笑)女性です
 さあ、次はギャスパー・ウリエル版のイヴ・サンローランだ!

 ↑ギャスパー・ウリエルasイヴ・サンローラン。こっちも麗しい~
 ニネくんとはまた違った美しさカッコよさ、妖しさでサンローランを熱演してるギャス男。ベルジェ役は、何とジェレミー・レニエ!「約束の葡萄畑」に続いてのBL共演!さらにルイ・ガレルもBL参戦!BL濃度はこっちのほうが高そうですね♪楽しみ!


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屋根プリ ⑬~⑳ 皇子の帰還

2014-09-09 | 韓国のドラマ
 ユチョン主演の「屋根部屋のプリンス」第13話から最終話まで観ました…

☆なぜ気づかない?バカなの?
 パク・ハのために借りた部屋の賃貸契約書を、セナが盗んで隠したことに気づくイ・ガク。すぐバレるようなことをするセナもどうかしてるけど、すぐにバレないところがさらにどうかしてる。都合よく(悪く?)また携帯つながらんし。セナに契約書を盗まれても気づかないチサン、以前のパク・ハが倉庫に閉じ込められてあわや焼死とか、何でこんな役立たずなのが側近になれたんだろう、とイ・ガクの人を見る目のなさに失笑!

☆同じことの繰り返し
 またイ・ガクの前から姿を消すパク・ハ。でも、すぐに再会。偶然が韓流のお約束とはいえ、あんなのありえない。
 地方でツアーガイドをしてたパク・ハですが、イ・ガクがセナと婚約破棄したと知るやいなや、また仕事放棄してソウルに戻ってくるし。信じられない。労働意識が低すぎるよ。こんな女、ぜったい雇いたくない!

☆なりすまし詐欺!
 本物のテヨンが見つかり(何で行方不明のままだったんだろ。大富豪の御曹司なんだから、すぐ身元は判明するはずなのに)、慌てて彼を病院から拉致し、あらためてテヨンになりすますイ・ガク。すごい犯罪として大騒動になるはずなのに、いきなり消えた4人はすっかりなかったことになってるのが不思議でした。

☆拉致監禁!
 パク・ハにクロロホルムをかがし拉致、冷蔵庫に閉じ込めるテム。毎度ながら、何かやることが乱暴で稚拙ですよね~。閉じ込められるのが癖になってるようなパク・ハです。こんな犯罪、告発すれば一発でテムは破滅なのに、ウヤムヤになってしまう展開が変!
☆OH!透明人間!かよ
 留置所にブチこまれるイ・ガクですが、すごい都合のいいことに、体が透けて脱走!

☆母はまた娘を捨てる
 あんだけ必死に実の娘を探し、劇的に涙の再会を果たしたというのに、チャン会長は香港に帰ってそれっきりな、なかったことにされた使い捨てキャラに。
☆溺死体の謎
 イ・ガクの妃の死の謎が、ついに解明される。そんなんすぐバレるのでは…な真相にトホホ!謀反もショボすぎてトホホ!
 タイムスリップの意味も???何しに未来に来たの?何が彼らに時空を超えさせたの?

★総括
 うう~ん…同じユチョン主演のラブコメでも、成均館は面白かったんだけどなあ。私もう、こういうドラマに対する耐性がなくなってますわ。つじつまの合わない、納得できないことが多すぎ。そういうのを気にせずに楽しめればいいのですが…くだらなくて幼稚、しかも雑すぎる。スウィーツ韓流って、私みたいな若くもないし成熟してもない中途半端な者には、やはり向いてないのかも。酸いも甘いも知り尽くした大人になって、初めて味わえる甘さなのかもしれません。

 ユチョンはでも、ちょんまる可愛かった~!優しそうで爽やかで透明感があって、スタイルが超よくて。あまり韓国人っぽくないというか、日本人っぽいですよね彼。韓ドラお約束のトンデモファッションじゃないところも、おしゃれさんなユチョンらしかったです。
 さあ、韓ドラ完観恒例、イルボン理想妄想リメイク、イってみよ~♪

 イ・ガク/テヨン … 櫻井翔
 パク・ハ … 上野樹里
 セナ … 沢尻エリカ
 テム … オダギリジョー
 マンボ …野村周平
 ヨンスル … 福士誠治
 チサン … 松下洸平
 パク・ハの友人 … 春香クリスティーン
           ダレノガレ明美
 テムの父 … 相島一之
 パク・ハの父 … 不破万作
 テスク … 六角精児
      ・
 テヨンの大叔母 … 麻生裕未
 チャン会長 … 若村麻由美
 セナの母 … 余貴美子
 ハルモニ … 市原悦子

 こんなん出ましたけどぉ~?
 ユチョンと櫻井くんって、似てないけど何かカブるんですよね~。櫻井くんと樹里ちゃんなんて、いい感じっぽいカップルじゃないですか。樹里ちゃんVSエリカさま、カメラが回ってない時でも火花が散ってそう(笑)。
 次は「奇皇后」観ま~す♪

↑ユチョン、か、可愛い、可愛すぎるけど、ラブコメはもう当分控えてほしい。「会いたい」と「THREE DAYS」のユチョンはシリアスな刑事役らしいので、カッコカワイイだけじゃない面も見られそうで楽しみ♪
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レースを編む女

2014-09-07 | フランス、ベルギー映画
 カープ、DeNAに2連勝!巨人との首位攻防戦では、トホホすぎる3連敗だったので、歓びと安堵もひとしおですよね~阪神がズッコケ状態なので、早くも2位に再浮上できたし。またてっぺん目指すぞ!
 しかもしかも。大瀬良くんが、プロ初の完封勝利!!おめでとー!!

 大瀬良くん、ほんまカッコよすぎじゃ~!気迫のこもった入魂のピッチングに、相手チームもファンも圧倒されましたね。ちょっと情けないテイタラクが続いてる先発の先輩たちに、LOVEはいいので気合注入!してほしいわ。野村監督も絶賛だった大瀬良くんが、もちろんヒーローインタビュー。マウンドに立ってる時の凛々しい武者みたいな気炎とは違い、インタビューでの大瀬良くんの若々しく爽やかなこと!穏やかで優しい人柄に、ほんと癒されます。熱くて清い男、まさに理想的なスポーツマンの鑑みたいな青年ですよね~。

 このまま好調をキープすれば、新人王は間違いなしですね!そしてチームが悲願の優勝でもすれば、大瀬良くんフィーバーが広島に吹き荒れることも間違いなし!あなたを想うだけで心は強くなれる~♪ by ZARD 道はまだまだ長く険しいけど、大瀬良くん頑張れ~Fight to win!

 ↑カープの中でもとりわけ人気者3人に囲まれて!いいなあ、この子!大瀬良くんの笑顔、可愛すぎる~キク、いっちーも頑張れ~

 お松の独りイザベル・ユペール映画祭⑨
 「La Dentellière」
 18歳の美容師ベアトリスは、バカンス先の海辺でフランソワという青年と出会い、恋に落ちる。二人は同棲を始めるが、ブルジョアのインテリであるフランソワは、内気で無学なベアトリスに満たされないものを感じ始める。フランソワの心が離れていくことを、ベアトリスは受け入れるしかなかったが…
 傑作「Violette Nozière」と並ぶ、イザベル・ユペールの若かりし頃の代表作です。深い苦しみ、静かな狂気、という彼女のイメージを決定づけた、伝説的な作品でもあります。

 ユペりん、当時23、4歳ぐらい?当り前ですが、若い!そして、可愛い!まんまるとした幼い顔、小柄でぽっちゃりした体つきは、ヘタすりゃ15、6歳にも見えます。この作品でもよく脱いでましたが、ムチムチした感じがリアルでエロいです。そして、この映画でもオーバーな演技はいっさいしていません。静かに壊れていく少女を、実際にカメラで追ったかのようなドキュメンタリーっぽい演技、とでも言おうか。演技と思わせない演技。これはかなりハイレベルな演技ですよ。若い頃から、ユペりんはその達人だったのです
 ベアトリス=イザベル・ユペール、とにかく寡黙で静か。純真でいい子なんだけど、心の奥に秘めているものは決して他人には見せない、すごく閉じられた感じがする女の子。彼女の内省的すぎるキャラが、不安を醸し不幸を予感させずにはいられなかった。ストーカー行為や自傷に走らせるなど、恋が女をヤバくすることは多々ありますが、ベアトリスのように外へは向けられず、自分の中へと奥深く沈み込み、心を蝕んでしまう狂気も、病的で悲しいですね。いまだに心を病んでしまうほどの一途な恋に出会ったことがない私は、幸せなのか不幸なのか…病んでしまう恋の経験ありませんが、価値観の違いとか、教養・知性の差異が、好きな男との間に溝とか亀裂を生じさせる、というのに痛い悲しい目に遭わされたことはあります

 出会った頃は、あんなにも初々しく優しく恋を育んでたのに…フランソワのベアトリスへの、些細な不満や物足りなさが、ゆっくりと静かに確実に愛を壊していく過程が、見ていて身につまされました。恋に落ちた頃は、無垢で純真、シャイで控えめで従順、と男にとっては美徳だったベアトリスの人柄も、愛に狎れてきたら、ドンくさくて無教養で取り柄のない退屈な小娘、になってしまう。もっとまともな仕事したら?とか、ベアトリスに不満をもらすフランソワ。美容師、立派な仕事じゃん!何その上から目線?!男って勝手やわ~!と、フランソワを殴りたくなりました。私はベアトリスほどではありませんが、やっぱ男には逆らわない、男のほうが正しいと盲信するタイプなので、強い女性からしたらイライラする女かもしれないベアトリスに、何かイヤ~な、そして悲しいシンパシーを覚えてしまいました。恥ずかしい昔話ですが、唯一なが~く付き合った男(例のナイナイ岡村似のチビ猿)のキャラが、フランソワに何か似てるんですよ~優しいんだけど賢すぎて、しかも真面目で正直でズルくないから、アホな私に物足りなさを感じてる、イラついてる、のを隠せない不器用さが、心に痛かったな~。申し訳ないな~なんて、卑下し卑屈になる自分が嫌でした。好きな人に嫌われるより、軽蔑されたり見下されるほうが辛いですよね…愛が深かったゆえ、その辛さがベアトリスの心を壊してしまったのでしょうか。悲恋や失恋を人生の肥やしにできる、恋なんかで人生ダメにするなんて愚の骨頂!と嗤える強い人ばかりじゃない。一度ヒビ割れるともう壊れるだけの、デリケートすぎる心の持ち主に、一途な恋は危険なハンマーとなるのです。

 静かな狂気、深い苦しみ…イザベル・ユペールの原点となった、とても貴重な作品です。そして、とても可愛らしい彼女もファンなら必見。トコトコした歩き方とか、70年代の清楚なファッションも可愛かったです。日本なら、若い頃の大竹しのぶが演じそうなヒロインでした。若い頃の和久井映見とかでも似合いそう。今の女優だと、思いつかないです。フランソワ役の男優が、もうちょっとイケメンだったら良かったのですが。ほっそり長身な彼とユペりんとの身長差がありすぎて、まるで元モー娘の人とその元夫みたいだった
 お松の独りイザベル・ユペール映画祭、これにて閉幕♪長らくの御目汚し、Merci beaucoup!
 次は誰の映画祭やろっかな~。最近映画館から足が遠のいてるので、秋はいっぱい新作映画を観に行きたいな~。
コメント (4)
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スローモーションでもわからない

2014-09-03 | フランス、ベルギー映画
 カープ、巨人との首位攻防戦に突入中!
 ぶっちぎりで首位を独走してた春は、もう遠い昔のこと。泥沼の連敗でズッコケてしまった交流戦。今年こそは優勝できるかも!なんて、いい夢見させてもらったわ~とすっかり諦めモードになってたのに、どうよどうよ?!いつの間にか2位に再浮上!苦しみや絶望から立ち上がり、不屈の魂で闘い続けるカープは、土砂災害の悲劇に見舞われた広島にとって、まさに希望と勇気の象徴です。昨夜は巨人に負けてしまいましたが、ファンはカープの勝利を信じて応援するのみです。
 カープといえば…今さらな話題ですが、プリンス堂林翔太の恋愛が発覚!お相手は、TBSの人気アナウンサー。堂林くんも23歳のお年頃な青年、しかも超人気者のイケメンモッテモテ男。オンナの一人や二人、いないほうが不自然。やっぱり付き合ってる恋人がいたんだな、と多くのファンは思ったはず。同時に、また年上の女子アナかよ!とも。野球選手、ほんと女子アナが好きですね~。まあ、美人で頭も育ちもいいお姉さんが近づいてきたら、若い男ならフラっとなりますわな。マエケンや天谷の奥さん、そしてノムスケの彼女も女子アナですが、堂林くんのお相手は彼女たちとは比べものにならないほど、女子アナとしての格も人気も知名度も上。後輩のプリンスが、いちばん大物を釣った、みたいな。もし堂林くんが結婚したら、奥様同士のライバル心、対抗心メラメラが想像にかたくありませんね。

 ↑プリンス~。そんなトコいじってる場合じゃないですよ~
 熱狂的プリンスファンのカープ女子にとっては、ショックでハートブレイキングかもしれませんが、ほとんどのファンにとっては、プリンスが活躍できるよう支えてくれる女性なら、と歓迎ムード。でも…祝福&応援はするけど、交際宣言するには時期が悪すぎるのでは、という懸念と疑問も。カープは優勝に向かって今が正念場だし、堂林くん自身も決して好調ではないし、恋愛よりもまず仕事を…という空気は否めない。そして、このたびの土砂災害。決して浮かれているわけではなく、神妙な面持ちで交際宣言した堂林くんですが、地獄の中であえいでいる被災地の方々に、自分の幸せを見せつけるのはちょっと心無いな、とも。恐れていた通り、野村監督はいい顔をせず、ファンの間からもバッシングが。酷だとは思うけど、やっぱ堂林くんは一般人ではないから、有名税はファンが納得できる形で払わなきゃいけない。カープが優勝(せめてCSに進んでから)、被災地が落ち着いてから、の交際宣言が理想的だったんだけどね。
 23歳、お年頃といえば、大瀬良くんも同じ。大瀬良くんまで女子アナに食われちゃうのかな~。彼だけは、派手な浮名ではなく、心あたたまるような恋愛を期待したいけど…彼が幸せなら、ぶっちゃけ不倫でもBLでもええわ!
 今夜の巨人戦、どうかカープが勝ちますように~!!
追記:現在、巨人にボロ負け中~マエケンよぉ~しっかりせえや~。頼むわホンマ…

 お松の独りイザベル・ユペール映画祭⑧
 「勝手に逃げろ/人生」
 TVディレクターのポールは、レマン湖畔に滞在中の元恋人ドゥニーズと連絡をとる。一方、娼婦のイザベルは、客の要求する倒錯プレイを淡々とこなしていたが…
 ヌーヴェルバーグの巨匠、ジャン・リュック・ゴダール監督の映画を、恥ずかしながら初めて観ました。名作の誉れ高い「勝手にしやがれ」も「気狂いピエロ」も未見なんです。同じヌーヴェルバーグ系でも、トリュフォー監督やシャブロル監督の作品はほとんど観てるのに。ゴダール先生の作品は難解ってイメージが強いせいか、何となく敬遠してたのです。基本、ワケワカメなゲージュツ映画が苦手なので…
 記念すべき?my初ゴダール映画となったこの作品は、70年代にしばらく商業映画から離れていたゴダール先生の復帰第1作目、なんだとか。おそるおそる観たのですが、うう~ん、予想以上に意味不明なワケワカメ映画でした
 あるようでないようなストーリーに、まず当惑させられます。哲学的?な台詞とか、唐突なスローモーション、ストップモーションの多用とか、わけのわからないシーンの数々とか、私のような頭が悪く感性が鈍い者を突き放し、置き去りにする内容。わけがわからなずぎて、まともな感想も書けませんこういう映画を理解できて楽しめる方々を、本当に尊敬します。でも私はやっぱ、解かる者だけ解かればいいと言わんばかりなお高い映画よりも、誰でも楽しめる映画のほうが好きです。スピルバーグ映画がゴダール映画に劣っている、とは決して思いません。
 イザベル・ユペールとナタリー・バイが共演。現在は貫禄の大女優な彼女たちの若かりし姿が、この映画の最大の見どころ、魅力かもしれません。

 ポールの恋人ドゥニーズ役のナタリー・バイは、トリュフォー監督の「緑色の部屋」同様、地味なんだけどハっと目を奪うほど美しく見える瞬間が、この映画でもあります。飾らないナチュラルさと、しなやかかつ優しそうなところも好き。彼女はこの作品で、セザール賞の助演女優賞を受賞してます。トリュフォー監督やシャブロル監督にも愛されたナタリーおばさまは、まさにヌーヴェルバーグの女神な女優ですよね。若い頃の彼女も魅力的でしたが、今の素敵熟女なナタリーおばさまは、さらにチャーミング。年齢の重ね方が上手な女優です。
 イザベル・ユペールは、娼婦イザベル役。

 当時25、6歳ぐらい?丸い童顔が可愛い!小柄なので、ほんと少女みたいです。クールでドライなフレンチギャルって感じ。さすがに若い!けど、シワがなくてポッチャリしてる以外は、今とあまり変わってないかも?今回は、エロ担当、無駄脱ぎ担当。あっけらかんとした脱ぎっぷりのよさに、当時は新進女優だったユペりんの、何でもやったるわ!な心意気が見えました。が、あまり必然性のある裸とは思えなかったなあ。でもまあフランス女優は、意味もなく平気で脱ぐのもお約束ですが。
 ナタリー・バイとイザベル・ユペールが一緒のシーンが、ほとんどなかったのが残念。イザベル・ユペールばかり脱がされて、ナタリー・バイは全然脱いでない、しかも賞まで獲って…ってのも、何か不公平?な扱いだと思った。
 ポール役は、シャブロル監督の「甘い罠」でもユペりんと共演してたジャック・デュトロン。インテリ業界人って感じがよく出てました。
 舞台となったスイス、レマン湖が美しかったです。
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