「孤狼の血」
昭和63年、広島県呉原市では、敵対する暴力団が一触即発の不穏な空気が流れていた。呉原警察署に配属された新人刑事の日岡は、過激な捜査と暴力団との不適切な関係が問題視されているアウトローなベテラン刑事、大上とコンビを組むことになるが…
やっと観に行けたんよ~!公開されてかなり日にちが経っとったけど、いつもはガラガラな地元の映画館が満席に近かった。そりゃそうよのお。ヤクザ映画の金字塔「仁義なき戦い」と同じ、広島県K市が舞台じゃけえ。K市民はこぞって観るわいや。何を隠そう(ぜんぜん隠せてない?)わしは生まれも育ちもK市、今も、おそらく死ぬまでK市の住人なんよ。何の変哲もない地方都市であるK市ですが、「仁義なき戦い」など東映ヤクザ映画ファンにとっては聖地であり、最近では大ヒットしたアニメ映画「この世界の片隅で」で全国的な注目を浴びるなど、ド田舎にしては過分な知名度を誇ってもいる我が故郷です。この映画の撮影も、K市のあちこちで行われました。あそこで役所広司を見た!とか、松坂桃李がおった!とか、いっとき職場や家では目撃談に花が咲いたものです。わしは残念ながら、一度もロケには遭遇せんかった
↑ ここは呉の街を一望できる灰が峰。夜景がすごくキレイなドライブデートスポットであり、有名な心霊スポットでもあります。あの女性白骨死体事件は、未解決なまま…
というわけで、待ちに待ったこの映画。入院中に原作小説も読み準備万端。楽しみ半分、どうせ女こどもが観ても大丈夫な内容になっとるんじゃろ、とか、広島弁が変に違いない!とか、厳しい目でツッこんでやる!と、アラ探しに虎視眈々だったのですが。いざ観てみると…かなり満足できて、すごく面白い作品に仕上がってました!まず、ぜんぜん女こどもOKじゃなかったこと。冒頭から、汚い豚小屋でのエグい拷問シーンで掴みはOK!できたてホヤホヤの豚の糞を無理やり食べさせたり、ヤクザの落とし前といえばの指チョッキンや、アソコに埋め込んだ真珠をエグり出すシーンとか、ラスト近くのトイレ斬首とか、ホラー映画顔負けの血しぶき血まみれ!そういうのがダメな人は、ぜったい観ないほうがいいです。目を覆いたくなる残虐な暴力シーンが。要所要所でブっこまれてます。そういうのはもう韓流のお家芸になってたので、ジジババと女こども向けのヌルいユルい映画ばかりの邦画でのキツいヴァイオレンスは、とても新鮮で胸踊る楽しさでした。
ヤクザを武士みたいにカッコよく描いてなかったのが良かったです。「仁義なき戦い」同様、権力とか私利私欲、虚栄のために殺し合う野蛮さ、愚かさこそ、美しい仁義とか任侠とかよりも、ヤクザの本質なのです。彼らは決してカッコいいヒーローなんかじゃない、迷惑で危険な反社会的集団なのですから。この映画のヤーさんたちも、上から下まで自分の利益やメンツしか頭になく、とんでもないことをしてるけどその理由はかなりセコくて小さい。彼らの悲惨で無様な死にざまは、それゆえにかなり滑稽です。
人気作家である柚月裕子の原作小説は、ヤクザを描いたライトノベル、みたいな読みやすさで、正直ちょっと物足りなかったのですが、映画版も何となく軽やかで薄口な感じがしたんですよね~。ハチャメチャでアナーキーなシーンがいっぱいありつつ、何となくクスっとなってしまうコミカルなシーンや台詞も少なくなかったからでしょうか。「仁義なき戦い」のような泥臭さ、暑苦しさや汗臭さ、粗い雑駁さがなく、昭和独特の重苦しさ、暗さもあまり醸されてなくて、スマホやネットが出てきても違和感がなかったかも。これは演出と俳優の演技が、悪い意味で現代的で優等生的で、キチンとまとまりすぎてたからかも?ショッキングな演技はなかったけど、俳優たちはみんな大熱演で魅力的でした。普段は見られない役と演技は、すごく目に楽しかったです。
日岡刑事役の松坂桃李が、ぶちカッコカワかった!
身も心も傷だらけな姿や、上層部と大上の間で板挟みになって悩む風情も、とにかく見苦しさなど微塵もないイケメンぶりでした。正直、こんな刑事おらんわ!K市におったら逮捕されたいわ!でしたがスラっとした長身が素敵ですが、マル暴の刑事にしてはスタイルよすぎ。ケンカシーンも迫力がないんですよね~。空手有段者な役なんだけど、強そうに見えん。私でも勝てそう(笑)。あの顔では、スゴんでも全然怖くないし。
でもトーリ、きれいな顔ですよね~。女の子みたいな柔らかいキレイさではなく、優しそうだけどキリっと男らしい端正さ。唇がエロい。瞳が美しい。低い美声も好き。あの声での広島弁、たまらん!が、やっぱ都会の男って感じが消せておらず、方言に違和感が。わし、とか似合わんわ~。原作にはないラブシーンとか、中途半端で必然性なし。でも、この映画でますますトーリの役者としての気概、成長、将来性を感じました。他の若いイケメン俳優と一線を画す存在になった、と言っても差し支えないのでは。でもトーリ、将来ハゲそうな予感…
大上刑事役の役所広司は、鬼畜と人情家な二つの面を荒々しく、楽しそうに演じてました。クラブのママ役の真木よう子は、相変わらずの棒読み。ガリガリに痩せすぎ。往年の人気二枚目俳優たちが、荒れくれたヤーさんを演じてイメージチェンジ、も見どころのひとつ。あの江口洋介が、ヤクザの若頭役ですよ。時代も変わりましたね~。なかなか頑張ってましたが、やっぱ見た目がスマートすぎ。凄みとか威圧感はなかったです。出番も意外と少なかった。原作とは違う末路を終盤で演じてた江口さんが、カッコいいヤーさんな彼より印象的でした。今後もダークな役や悪役などに挑戦してほしいです。
ワタシ的には、重要な役だった江口洋介よりも、ほとんどモブに近い役だった竹野内豊のほうがインパクト大でした。小さな役、出番少な目でも、すごい目だってました!とにかくあの竹野内豊が、こんなことする!こんなこと言う!と驚かされます。凶暴で残忍で下品だなんて、今までと真逆な竹野内さんだけでも一見の価値ありです。でも彼も江口さん同様、やっぱどんな役してもカッコいいです。竹野内さんにもいつか、本格的な悪役とか演じてほしいです。
イカレた組員役の中村倫也も激演してましたが、顔が「とめはねっ」の可愛い男子高生テッシーの頃と変わってないので、何やっても怖くないんですよね~。石橋蓮司は相変わらず、美味しいとこもっていきますね~。彼の『びっくり、どっきり、クリ◯リス』という台詞が笑えた。真木よう子の情夫の若い組員を演じてた男の子が、なかなかイケメンだった。キャストはおおむね好演してたのですが、ひとりだけ浮いてたのが滝藤賢一。何とか目立とうと変わったことをする不自然な演技が、この映画でも鼻につきました。フツーにやれよ!
やくざといえば、広島弁。キャストはみんなドスきかせて広島弁の台詞を頑張ってました。四苦八苦だったんだろうな~。生粋の広島県民、K市民としては、イントネーションがちょっと違うのが気になった。昭和63年ではもう使ってなかった広島弁もあったり。でも、リアルな広島弁でまくしたてたら他県民には理解不能、字幕が必要だと思うので、あれぐらいでちょうどよかったのかも。はぶてんさんなや~、とか他県民さん解かったかな?
K市民としては、やはり馴染みのある場所が映画に出てくるのが、とても楽しく嬉しかったです。真木よう子のクラブのシーンで使われたビルや、夏祭りシーンが撮影された川沿いや橋、石橋蓮司が入院してた病院、昭和臭ぷんぷんなスナック通りなど、私んちのすぐ近く。広島のあの連れ込み宿も、何か見たことがあるどころか、ひょっとして…?ちなみにかつてのK市は、広島のアパッチ砦と呼ばれてたほど危険な街でしたが、今はすっかり平和になってます。でも、K市民じゃない人にとっては、今でも何となくヤバい空気が感じられるらしいです。
原作とは少し違う設定、キャラや展開が多々あり。日岡の正体が早々と明かされていたこととか(原作では最後に明かされる)、真木よう子が高級クラブのママになってたり(原作では居酒屋の女将)、江口洋介の末路とか、日岡の恋人とか、映画のオリジナル。原作小説には続編があり、それも映画化が決定したとか。またロケがあるかな?今度こそは生トーリを拝まねば(^^♪
↑あの大ヒットアニメ「この世界の片隅で」が実写連ドラ化!しかも!ヒロインの夫役はトーリ!どんだけK市と縁があるの。トーリがまたK市に来てたという噂は耳にしたけど、このドラマの撮影だったのか!しかも、エキストラ募集してた!知った時にはもう募集はもう終わってた!もっと早く情報キャッチしときゃよかった!孤狼の血の続編の時は、ぜったいトーリを逃さんけんね!それにしても。馬車馬のように働いてるトーリが心配。孤狼の血ならぬ過労の血、にならんよう気を付けんさいやトーリ!
昭和63年、広島県呉原市では、敵対する暴力団が一触即発の不穏な空気が流れていた。呉原警察署に配属された新人刑事の日岡は、過激な捜査と暴力団との不適切な関係が問題視されているアウトローなベテラン刑事、大上とコンビを組むことになるが…
やっと観に行けたんよ~!公開されてかなり日にちが経っとったけど、いつもはガラガラな地元の映画館が満席に近かった。そりゃそうよのお。ヤクザ映画の金字塔「仁義なき戦い」と同じ、広島県K市が舞台じゃけえ。K市民はこぞって観るわいや。何を隠そう(ぜんぜん隠せてない?)わしは生まれも育ちもK市、今も、おそらく死ぬまでK市の住人なんよ。何の変哲もない地方都市であるK市ですが、「仁義なき戦い」など東映ヤクザ映画ファンにとっては聖地であり、最近では大ヒットしたアニメ映画「この世界の片隅で」で全国的な注目を浴びるなど、ド田舎にしては過分な知名度を誇ってもいる我が故郷です。この映画の撮影も、K市のあちこちで行われました。あそこで役所広司を見た!とか、松坂桃李がおった!とか、いっとき職場や家では目撃談に花が咲いたものです。わしは残念ながら、一度もロケには遭遇せんかった
↑ ここは呉の街を一望できる灰が峰。夜景がすごくキレイなドライブデートスポットであり、有名な心霊スポットでもあります。あの女性白骨死体事件は、未解決なまま…
というわけで、待ちに待ったこの映画。入院中に原作小説も読み準備万端。楽しみ半分、どうせ女こどもが観ても大丈夫な内容になっとるんじゃろ、とか、広島弁が変に違いない!とか、厳しい目でツッこんでやる!と、アラ探しに虎視眈々だったのですが。いざ観てみると…かなり満足できて、すごく面白い作品に仕上がってました!まず、ぜんぜん女こどもOKじゃなかったこと。冒頭から、汚い豚小屋でのエグい拷問シーンで掴みはOK!できたてホヤホヤの豚の糞を無理やり食べさせたり、ヤクザの落とし前といえばの指チョッキンや、アソコに埋め込んだ真珠をエグり出すシーンとか、ラスト近くのトイレ斬首とか、ホラー映画顔負けの血しぶき血まみれ!そういうのがダメな人は、ぜったい観ないほうがいいです。目を覆いたくなる残虐な暴力シーンが。要所要所でブっこまれてます。そういうのはもう韓流のお家芸になってたので、ジジババと女こども向けのヌルいユルい映画ばかりの邦画でのキツいヴァイオレンスは、とても新鮮で胸踊る楽しさでした。
ヤクザを武士みたいにカッコよく描いてなかったのが良かったです。「仁義なき戦い」同様、権力とか私利私欲、虚栄のために殺し合う野蛮さ、愚かさこそ、美しい仁義とか任侠とかよりも、ヤクザの本質なのです。彼らは決してカッコいいヒーローなんかじゃない、迷惑で危険な反社会的集団なのですから。この映画のヤーさんたちも、上から下まで自分の利益やメンツしか頭になく、とんでもないことをしてるけどその理由はかなりセコくて小さい。彼らの悲惨で無様な死にざまは、それゆえにかなり滑稽です。
人気作家である柚月裕子の原作小説は、ヤクザを描いたライトノベル、みたいな読みやすさで、正直ちょっと物足りなかったのですが、映画版も何となく軽やかで薄口な感じがしたんですよね~。ハチャメチャでアナーキーなシーンがいっぱいありつつ、何となくクスっとなってしまうコミカルなシーンや台詞も少なくなかったからでしょうか。「仁義なき戦い」のような泥臭さ、暑苦しさや汗臭さ、粗い雑駁さがなく、昭和独特の重苦しさ、暗さもあまり醸されてなくて、スマホやネットが出てきても違和感がなかったかも。これは演出と俳優の演技が、悪い意味で現代的で優等生的で、キチンとまとまりすぎてたからかも?ショッキングな演技はなかったけど、俳優たちはみんな大熱演で魅力的でした。普段は見られない役と演技は、すごく目に楽しかったです。
日岡刑事役の松坂桃李が、ぶちカッコカワかった!
身も心も傷だらけな姿や、上層部と大上の間で板挟みになって悩む風情も、とにかく見苦しさなど微塵もないイケメンぶりでした。正直、こんな刑事おらんわ!K市におったら逮捕されたいわ!でしたがスラっとした長身が素敵ですが、マル暴の刑事にしてはスタイルよすぎ。ケンカシーンも迫力がないんですよね~。空手有段者な役なんだけど、強そうに見えん。私でも勝てそう(笑)。あの顔では、スゴんでも全然怖くないし。
でもトーリ、きれいな顔ですよね~。女の子みたいな柔らかいキレイさではなく、優しそうだけどキリっと男らしい端正さ。唇がエロい。瞳が美しい。低い美声も好き。あの声での広島弁、たまらん!が、やっぱ都会の男って感じが消せておらず、方言に違和感が。わし、とか似合わんわ~。原作にはないラブシーンとか、中途半端で必然性なし。でも、この映画でますますトーリの役者としての気概、成長、将来性を感じました。他の若いイケメン俳優と一線を画す存在になった、と言っても差し支えないのでは。でもトーリ、将来ハゲそうな予感…
大上刑事役の役所広司は、鬼畜と人情家な二つの面を荒々しく、楽しそうに演じてました。クラブのママ役の真木よう子は、相変わらずの棒読み。ガリガリに痩せすぎ。往年の人気二枚目俳優たちが、荒れくれたヤーさんを演じてイメージチェンジ、も見どころのひとつ。あの江口洋介が、ヤクザの若頭役ですよ。時代も変わりましたね~。なかなか頑張ってましたが、やっぱ見た目がスマートすぎ。凄みとか威圧感はなかったです。出番も意外と少なかった。原作とは違う末路を終盤で演じてた江口さんが、カッコいいヤーさんな彼より印象的でした。今後もダークな役や悪役などに挑戦してほしいです。
ワタシ的には、重要な役だった江口洋介よりも、ほとんどモブに近い役だった竹野内豊のほうがインパクト大でした。小さな役、出番少な目でも、すごい目だってました!とにかくあの竹野内豊が、こんなことする!こんなこと言う!と驚かされます。凶暴で残忍で下品だなんて、今までと真逆な竹野内さんだけでも一見の価値ありです。でも彼も江口さん同様、やっぱどんな役してもカッコいいです。竹野内さんにもいつか、本格的な悪役とか演じてほしいです。
イカレた組員役の中村倫也も激演してましたが、顔が「とめはねっ」の可愛い男子高生テッシーの頃と変わってないので、何やっても怖くないんですよね~。石橋蓮司は相変わらず、美味しいとこもっていきますね~。彼の『びっくり、どっきり、クリ◯リス』という台詞が笑えた。真木よう子の情夫の若い組員を演じてた男の子が、なかなかイケメンだった。キャストはおおむね好演してたのですが、ひとりだけ浮いてたのが滝藤賢一。何とか目立とうと変わったことをする不自然な演技が、この映画でも鼻につきました。フツーにやれよ!
やくざといえば、広島弁。キャストはみんなドスきかせて広島弁の台詞を頑張ってました。四苦八苦だったんだろうな~。生粋の広島県民、K市民としては、イントネーションがちょっと違うのが気になった。昭和63年ではもう使ってなかった広島弁もあったり。でも、リアルな広島弁でまくしたてたら他県民には理解不能、字幕が必要だと思うので、あれぐらいでちょうどよかったのかも。はぶてんさんなや~、とか他県民さん解かったかな?
K市民としては、やはり馴染みのある場所が映画に出てくるのが、とても楽しく嬉しかったです。真木よう子のクラブのシーンで使われたビルや、夏祭りシーンが撮影された川沿いや橋、石橋蓮司が入院してた病院、昭和臭ぷんぷんなスナック通りなど、私んちのすぐ近く。広島のあの連れ込み宿も、何か見たことがあるどころか、ひょっとして…?ちなみにかつてのK市は、広島のアパッチ砦と呼ばれてたほど危険な街でしたが、今はすっかり平和になってます。でも、K市民じゃない人にとっては、今でも何となくヤバい空気が感じられるらしいです。
原作とは少し違う設定、キャラや展開が多々あり。日岡の正体が早々と明かされていたこととか(原作では最後に明かされる)、真木よう子が高級クラブのママになってたり(原作では居酒屋の女将)、江口洋介の末路とか、日岡の恋人とか、映画のオリジナル。原作小説には続編があり、それも映画化が決定したとか。またロケがあるかな?今度こそは生トーリを拝まねば(^^♪
↑あの大ヒットアニメ「この世界の片隅で」が実写連ドラ化!しかも!ヒロインの夫役はトーリ!どんだけK市と縁があるの。トーリがまたK市に来てたという噂は耳にしたけど、このドラマの撮影だったのか!しかも、エキストラ募集してた!知った時にはもう募集はもう終わってた!もっと早く情報キャッチしときゃよかった!孤狼の血の続編の時は、ぜったいトーリを逃さんけんね!それにしても。馬車馬のように働いてるトーリが心配。孤狼の血ならぬ過労の血、にならんよう気を付けんさいやトーリ!