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まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

お墓を暴いたら…

2025-04-29 | 韓国映画
 「破墓 パミョ」
 跡継ぎが代々奇怪な病に罹るという富豪一族の依頼を受け、巫堂のファリムと彼女の弟子ボンギルは、風水師のサンドク、葬儀師のヨングンと組み一族の墓を改葬し、お祓いを行う。掘り起こした墓には、恐ろしい秘密が隠されていた…
 去年、映画館に観に行けなかった韓国映画をようやく。本国では「パラサイト 半地下の家族」越えの大ヒットだったとか。私は恐怖不感症なので、どんなに怖いと評判の映画を観ても、バカバカしいと鼻白んだり、ぷっと笑ってしまうことが多くて。怖くないけどホラーやオカルトが好きな理由は、まさにそれかも。私にとってはコメディと同じなんですよ。この映画も、これってギャクなのかな?と訝しんでしまうシーンてんこもり。ゾっとするよりも、やっぱプっとなってしまいました。

 「哭声 コクソン」など韓流ホラーやオカルトではおなじみの、朝鮮のシャーマニズム、巫堂(ムーダン)によるお祓いが相変わらず面白いです。神秘的というより、かなり土着的というか。儀式で使う馬の血とか、生贄のブタとか魚とか鶏とか、野蛮で血なまぐさい風習が韓国らしいというか。イタコ状態になった巫堂の舞も、ヒステリックで狂気的。それにしても。あんな大量の馬の血、どこから仕入れてくるんでしょう。
 悪霊?悪鬼?の正体が、戦国時代の日本の武将だったのが珍奇なインパクト。韓国になぜ日本の戦国武将が?その主の大名?陰陽師?よくわからない点も多く困惑。日本=悪者、というのはもうお約束なので、いつも通りの邪悪さ凶悪さに感心。言われてるほど反日って感じはしませんでした。悪鬼武将の日本語は流暢だったので、おそらく日本人によるもの?ファリムが日本人のフリして日本語で悪鬼に話しかけるのですが、日本人で通用するとは思えぬ日本語で笑えた。怖くないけどキモいシーンはいくつかあって、墓から出てくる人面蛇が特に気持ち悪かったです。お墓を掘るのも、何か罰当たりすぎて見ていて気持ちがいいものじゃない。お墓って禁忌な場所ってイメージなので、お墓を掘り返して棺を別の場所へ移すなんてことが一般的?みたいな韓国に驚き。日本でも私が知らないだけで、よくあることなの?

 巫堂2人と風水師、葬儀屋がチームとなって、それぞれ役割分担、能力で悪鬼と戦うですが、呪文や呪術、ファンタジックホラーなシーンなど、鬼滅の刃とか呪術廻戦とかが好きな人なら楽しめるかも。主人公が高校生だったら、少年ジャンプの漫画にできそうな内容です。悪鬼との死闘を繰り広げる4人ですが、その能力や知識よりも生命力の強さが超人的。不死身すぎる!フツーなら死ぬ、のに死なないので、この人たちほんとに人間?と思ってしまいました。

 風水師のサンドク役は、名優のチェ・ミンシク。久々に見たミンシク先生、すっかりでっぷりしたおじいさんになってて驚きました。老体にムチ打つような無茶やってましたが、かつてのミンシクおじさんといえば鬼より怖い、狂ったヤバい人役がオハコだったので、頑張る善人役にはちょっと一抹の物足りなさも。ヒロインであるファリム役は、人気女優のキム・ゴウン。私が苦手な日本の某女優と似てる。ぶりっことは対極の、クールで男っぽいキャラと凛々しい演技には好感。お祓いシーンでは、なかなか鬼気迫るものが。葬儀屋のヨングン役のユ・ヘジンは、どんなジャンルの映画でもお笑い担当。

 ファリムの弟子ボンギル役は、ドラマ「Sweet Home」での好演とイケメンぶりが忘れがたいイ・ドヒョン。これがスクリーンデビューだとか。うしろで束ねた長髪、耳なし芳一みたいな全身タトゥーなど、一見DQNなヤカラっぽいけど、余計なことは言わない寡黙さ、師匠には素直で従順、おじさんたちにも礼儀正しいなど、見た目とギャップのある好青年なドヒョンくんが可愛かったです。霊に憑りつかれてファリムを威嚇するシーンのドヒョンくんが、野郎っぽくて好き。無表情だけど、たまに見せる微笑みがキュート。彼も韓流俳優のご多分に漏れず、背が高くてスタイル抜群!なので巫堂の衣装も似合ってカッコいい。ちょっとだけ脱いでましたが、刺青のせいでよくわからない裸だったのが残念。

地獄の護送船!

2025-04-25 | 韓国映画
 「オオカミ狩り」
 フィリピンで逮捕された凶悪犯の一団と、護送係の刑事たちを乗せた貨物船が、マニラから韓国の釜山へと出港する。しかし犯罪者たちは反乱を起こし、刑事たちと戦闘状態に。そこへ眠りから覚めた謎の怪人も加わり、船内は阿鼻叫喚の地獄と化すが…
 韓流映画&ドラマはチョアチョアなんだけど、スウィートすぎる恋愛ものやファンタジーものは苦手。韓流といえばやはり、容赦なき血まみれ、血みどろのヴァイオレンスですよ。他国の追随を許さないものがあります。邦画の暴力描写なんか、甘い甘い!目を覆いたくなるような凄絶で残虐な暴力、そして一片の人間性もない鬼畜キャラは、韓流の専売特許と言えるでしょう。でも。最近はさしもの韓流ヴァイオレンスも、ポリコレ・コンプラの風潮でトーンダウンしてしまい寂しい、と思ってたら。どうしてどうして。今も廃れてはいませんでした。久々にエグ~い、キッツ~い韓流ヴァイオレンスと遭遇してしまいました。

 公開前から、かなり非道い映画とは聞いてたけど、期待を上まわるヤバさでした!ゲロゲロ(死語)!もう全編、ドロドロのグチャグチャ!阿鼻叫喚の地獄絵図!血しぶき、血反吐の嵐!韓流といえばの刃物でメッタ刺し、カナヅチかハンマーでメッタ打ちは序の口、銃弾で吹っ飛ばされたり足で踏みつぶされたりする頭、引きちぎられる手足や首、胴体etc.フツーに殺さず、あの手この手の趣向を凝らした虐殺シーンのオンパレード。あそこまでハチャメチャだと、もはや笑いを狙ってるとしか思えません。ウゲゲっと眉をひそめつつ、プっと何度か吹いてしまった私
 囚人VS刑事のバトルロワイヤルに、わけのわからない怪人も加わって、ハイテンションに繰り広げられる三つ巴の殺戮。ただもうそれだけな内容。余計な人間ドラマは排除されています。韓流といえば、これももうおなじみである、ヘンな日本語を喋る悪い日本人も出てきます。戦時中、悪魔な実験で怪人を造り出した日本軍。もちろん無惨に虐殺されます。

 極悪な囚人役を、人気イケメン俳優のソ・イングクが演じてることも話題になりました。イングクくん、もともと冷酷そうな顔だなと思ってたけど、スウィートな役よりやっぱ悪人役のほうが似合う!立派な犯罪者顔ですよ!三白眼が怖い。気持ち悪いタトゥーだらけの体は、役のためにかなり増量したとか。ヌオオオ~とした巨体も威圧感があって怖い。すごい小顔で、巨体とのアンバランスさも不気味。あんな目と体した俳優、日本にはいないですよね~。日本人ってやっぱ、優しくて甘い。イングクくん、風貌もヤバいけど役も最悪最凶。悪人というより狂人?虫けら同然に邪魔者を惨殺しまくるだけでなく、死体にションベンひっかけたりする人非人っぷり。あんなシーン、並みの人気イケメン俳優なら絶対できない。イングクくんの役者魂、あっぱれ!むっちりとデカいケツが素敵でした

 なかなかの狂演、凶演っぷりで画面を支配していたイングクくんでしたが。中盤になって、え!?ウソやろ!?と目がテンに。主役だと思っていた人気スターが、まさかの。彼目当てで観たファンにとっては、かなりの衝撃なのでは。
 その他の出演者は知らない人ばかりでしたが、終盤になって出てくる悪組織のボス?役の俳優さん、どこかで見たことあるな~と思ったら、あ!「ハベクの新婦」のフエ氏じゃん!ヒョンビンの「雪の女王」とかにも出てましたね。全裸で若い男にフェ〇させてる姿とか、なかなかこっちも衝撃的でした。

海賊VS軍人 怨恨の暴風雨!

2024-12-12 | 韓国映画
 「タイフーン」
 アメリカの貨物船が海賊に襲われ、輸送中だった秘密兵器が奪われる。韓国政府から捜査を命じられた海軍大尉のセジョンは、海賊団の首領シンが脱北者であり、彼と生き別れとなった姉がロシアにいることを突きとめるが…
 大ヒットドラマ「イカゲーム」では、恐怖のデスゲームで激烈な死闘を繰り広げつつ、冴えないダメおやじっぷりも味わい深く演じてたイ・ジョンジェ。彼もすっかりおじさんになりましたね。年末いよいよ配信されるイカゲーム続編の前に、若かりし頃のジョンジェに会いたくなって、この懐かしい映画を観ました。もう19年も前の映画!ジョンジェは当時34歳ぐらい。わ、若い!まだ男盛り前の若々しさがまぶしい!見た目も役も、とにかくカッコいい!国のために死も危険も恐れず、敢然と任務を遂行する勇姿の美しさよ!容赦なく非情に敵を斃しながらも、敵への憐れみで心揺れる優しさ、寡黙で誇り高い人格と言動など、まさに漢(おとこ)!これぞ英雄!なセジョンみたいな役は、ただ見た目がいいだけ、演技がうまいだけな俳優では演じられないと思います。

 セジョンみたいな役はハリウッドスターだと、派手すぎて作り物っぽくなる恐れがあるけど、ジョンジェは余計なものを削ぎ落したようなシンプルさがあって、リアルかつすごく清々しいんですよね~。ジョンジェみたいな役者を、私は真の演技派と呼びたい。過激な肉体改造とかエキセントリックな熱演は、意外とありきたり。これといって風貌に変化があるわけでもなく、奇をてらった演技をするわけでもないのに、ヒーロー役、悪役、凡人役、アホ役、悲劇でも喜劇でも、どんな役でも違和感なく自然に演じて、観客を魅了し瞠目もさせるジョンジェの変幻自在さ、振り幅の広さは驚嘆に値します。

 軍人ジョンジェの凛々しさ、清廉な精悍さにも惚れ惚れ。軍服が似合う~軍服って、ただのイケメン俳優が着たらコスプレになるだけ。貧相なチビ男だと、さらに悲惨。ジョンジェみたいな長身で屈強な肉体の持ち主じゃないと着こなせない、ハードルの高い衣装なんですよね。そして、ジョンジェといえばの韓流随一の肉体美。すげーカラダ!日本のイケメン俳優が頑張って鍛えたカラダ、とはレベチな瞠目のボディ!

 他の作品でも肉体美を見せてますが、この作品がジョンジェ史上最高最強の肉体だと思います。初登場シーンでちょっとだけのサービス脱ぎでしたが。イカゲームでの、おじさんが必死で老体にムチ打ってる感じとは全然違う、ダイナミックで敏捷なジョンジェのアクションも崇高なまでにカッコいいです。

 シン役のチャン・ドンゴンは、ほんと美男。顔だけだと、今でも韓流屈指の美男子なのでは。地味なジョンジェとは対極な華やかさ。薄くて地味なおかげでどんな役でもできるジョンジェと違い、役が限定されてしまう濃ゆい美貌。暗い激情、憎悪も美しい男だと甘美な魅力に。鼻につくような小賢しい演技ではなく、オーバーなまでにエモーショナルな熱演が似合う俳優なので、深すぎる恨みでクレイジー化したシン役にも合っていました。悪役ではなく、いちばん可哀想な役でした。

 カーアクションや銃撃戦、爆破シーンなど、ハリウッド映画も顔負け。韓国、北朝鮮、タイ、ロシアを飛び回る、目まぐるしいストーリー展開やロケもスケールいっぱいで、いま観ても古さはあまり感じられません。日本ではこういう映画がいまだに作れないのが残念。「太陽は動かない」とか、思い出すのも恥ずかしいクオリティの低さ。南北の悲劇という、韓流にしかないネタもベタだけど活かされています。韓国も北朝鮮も、今も昔も自国民の幸せや安全なんてどうでもいいみたいですね。いたいけな子どもが犠牲になることが、いちばん許せないし悲しいです。

 ↑ ジョンジェもドンゴンも若い!ジョンジェはイカゲーム続編、ドンゴンは最近お見掛けしないと思ったら、ソル・ギョング共演の映画「満ち足りた家族」が公開間近みたいですね🍄

真夜中の鬼ごっこ

2024-09-22 | 韓国映画
 「殺人鬼から逃げる夜」
 ろう者のギョンミは母親と帰宅中、連続殺人鬼に襲われ重傷を負った若い女に助けを求められる。殺人鬼は次のターゲットとしてギョンミに狙いをさだめ、逃げる彼女を執拗に追い始めて…
 韓流映画お得意の猟奇的サイコ殺人鬼もの。見知らぬ男にいきなり包丁でブスっ!すぐには死なず、被害者が恐怖と苦痛をたっぷり味わうメッタ刺しは、韓流のオハコ。韓国人って、ほんとメッタ刺しが好きですよね~。他の国の映画ではあまり見ませんし。執拗に、いたぶるようにヒロインを追っかけてくる殺人鬼が怖いのですが、殺人鬼そのものよりも韓国って国のヤバさのほうが怖いかもと、この映画を観ても思いました。まず、ヒロインが逃げ惑う夜の住宅街。韓流映画やドラマでもおなじみの、発展から取り残されてしまった、どこか陰惨な雰囲気がする殺伐とした貧民層の居住区。街灯もろくにない狭くて暗い夜道、あんなところ独りで絶対歩けない!住めない!でも、ヒロインも母親も平然とウロウロ独りで歩いたり、独りで待ってたりするんですよ。あまりの不用心さ、警戒心のなさにイライラしました。お母ちゃんなんか、いつ殺人鬼に殺されるかハラハラしたわ。

 この映画、話らしい話はほとんどなく、ひたすらヒロインと殺人鬼が追いかけっこをするだけなんです。やられる!間一髪!捕まる!逃げる!の繰り返し。フツーならすぐに殺されるはずなんだけど、ヒロインの運が強すぎるのか、殺人鬼のツメが甘いのか、なかなか決着がつかないのが何か笑えます。フツーならすぐ助かるはずでもあった。これも韓流ではおなじみですが、警察が怠慢で無能すぎ!ヒロインも、何やってんの?と呆れる行為が多く、特に貧民区から夜の繁華街に逃げてきてからの行動がおかしすぎる。いちばん変なのは、ゴーストタウンのような無人の貧民区。ヒロインと殺人鬼が鬼ごっこしていても、誰とも出くわさない。ここは異空間なのかな?と思ったほどに。

 ヒロインと母がろうあ者で、手話を使うという設定も、あまり活かされてなかったような。オードリー・ヘプバーンの「暗くなるまで待って」みたいに、ハンディキャップを逆手にとって逆襲、というカタルシスがほしかったかも。でも韓国の手話は興味深かった。日本の手話と同じ表現が多かったような。
 殺人鬼役は、「イカゲーム」の刑事役が有名なウィ・ハジュン。

 イケメン?麒麟の川島に似てる?地味でフツーっぽく見えるけど、韓国で実際に逮捕された凶悪犯罪者ってこんな顔してるよな、なリアルな不気味さが。韓流俳優なので、彼も長身でスタイルがいい!走る姿は、怖いというよりカッコよく見えた。着替えシーンでちょっとだけ脱いでますが、いいカラダしてました。若くて見た目も悪くなくて、身体能力も高い男が何で猟奇殺人鬼に?その説明などはいっさいありません。ヒロイン役の女優は、石原さとみを地味にしたような顔で可愛かったです。

 ハジュンくんも再登場する「イカゲーム2」は年末配信みたいですね!🦑旧作の「18アゲイン」と「バッド・アンド・クレイジー」観てみようか思案中…
 韓流ドラマといえば…今年は結構観てます!「Sweet Home」はシーズン2の途中でリタイア。「ペントハウス」全シーズン、面白かった!「禁婚令」「昼に昇る月」どっちも観るのが苦痛なくだらなさ、つまらなさでしたが、キム・ヨンデくんチョアチョアなので何とか観終えた。ヨンデくんの新作「損をしたくないから」も気にはなるけど、話がくだらないしシン・ミナ苦手なので躊躇。だいたいヨンデくんとシンミナ、年の差ありすぎて違和感!今はユン・ゲサンの「誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる」観てます

親日死すべし

2024-02-07 | 韓国映画
 「復讐の記憶」
 80代の老人ピルジュは、進行する認知症により記憶が失われる前に、日本の占領下時代に家族を死に追いやった者たちへの復讐を決行しようとしていた。何も知らないアルバイト仲間の青年インギュは、ピルジュの運転手を気軽に引き受けるが…
 ナム・ジュヒョク目当てで観ました~(^^♪ジュヒョクくん、やっぱ可愛いですね~へたな女優より可愛いけど、ぜんぜんキャマっぽくなくて、男の子!って感じがチョアチョア。若い韓流俳優やK POPアイドルって、メイクばっちり感や整形感がすごくて気持ち悪い人が多いけど、ジュヒョクくんは人工的なところがなくてナチュラル。すごいシンプルなあっさり顔も好き。たまにチョイブサに見えるところもご愛敬。ジュヒョクくんの最大の魅力は、やはりあのハンパない透明感と清潔感でしょうか。悪役とか汚れ役、生々しい役ができなさそう。

 シンプルな童顔も朝鮮系っぽさがなく、どことなく日本人みたいで親近感。でも、貧相な日本人アイドルを見慣れた私たちの目には、同じ人間とは思えぬほどのスタイルのよさ。顔、小さっ!背、高っ(187㎝!)!この体格だけでもう人生勝ち組ですわ。同じほっそりした長身でも、日本の俳優のヒョロっとした軟弱さと違い、筋骨が堅そうなところがさすが韓流男子。何着ても似合ってて、ファミレスの制服もユニクロっぽい普段着もモデルみたい。

 カッコカワイい見た目だけでなく、演技もよかったです。ちょっとアホっぽくて無邪気な笑顔や、老人に振り回されてアワアワ周章狼狽な様子も、ひたすら可愛い。ピルジュとのやりとりを見てると、こんな孫ほしい!と思わずにいられませんでした。腹をくくったら命がけ!な勇姿もカッコよかったです。でも、ジュヒョクくんじゃなくてもいいような、若い俳優なら誰でもできるような役だったのが、ちょっと物足りませんでした。

 ピルジュ役は、名バイプレイヤーのイ・ソンミン。数々の映画やドラマの脇役でいい仕事してる彼の主演作って、初めて観たかも。彼ってちょっと杉良太郎似?まだ50代のソンミン氏が、老けメイクをして老人を演じてるのですが、さすがにちょっと強引だわと思えるシーンも多々あった。やっぱ何げない動きとか雰囲気が、老人じゃないんですよ。それにしても。いったい何者?元スゴ腕工作員か何かだったの?なピルジュの必殺仕事人っぷり、トム・クルーズも真っ青なミッション遂行も、カッコいいけどありえなさすぎて笑えた。あと、暗殺実行中にピルジュが記憶を失くすという設定も、あまり巧く活かされてなかったような。

 刑事さん役やピルジュを支援する医師役も、韓流映画やドラマでおなじみの俳優さんたち。殺されて当然みたいな極悪人の親日韓国人、それよりもさらに凶悪卑劣な日本人の描写も、笑うしかない反日なステレオタイプとデフォルメ。悪い日本人役を韓国人がド下手な日本語で演じるのも、もうお約束になってますね。あんな日本人役、日本の俳優に頼んでも引き受けてくれないから仕方ないのでしょうねそれはそうとこの映画、クリストファー・プラマー主演の「手紙は憶えている」のリメイクだとか。イルボンリメイクなら、ピルジュは片岡仁左衛門、インギュは竹内涼真がいいかも(^^♪

 ↑ 現在兵役中のジュヒョクくん。復帰を待ちながら、まだ観てない彼の映画やドラマで寂しさを紛らわせるニダ!

崩壊天国の男!

2024-02-04 | 韓国映画
 すねこすりさんのベトナム旅行記を拝読していると無性にベトナム料理が食べたくなり、ジミーを連れてK市に最近できたベトナム料理店でランチ(^^♪

 スナックが多い場末感ある裏通り、雑居ビルの2階にあるNgon(ンゴン)というお店。どう見ても日本人ではない先客さんたちがベトナム語?で話してたり、インテリアや販売されてるベトナムの雑貨や食品など、異国情緒ある店内。流暢な日本語の店長さんもベトナム人?ベトナムといえばやはりフォー。私は鶏肉、ジミーは牛肉のフォーランチセットをオーダーしました。フォー、揚げ春巻きと生春巻き、サラダ、デザートはチェー(緑豆のぜんざい)、食後にベトナムコーヒー。

 全体的にあっさり低カロリー、でもお腹はふくれるので、女性向きかも。チェーが珍しくて美味しかったです。こってり好きの大食漢肥満児ジミーには、ちょっと物足りなかったようです。

 ↑ 次回はこれに挑戦してみたいです(^^♪

「コンクリート・ユートピア」
 突然の大地震で壊滅状態となった韓国のソウル。崩壊を免れた団地の住人たちの代表に選出されたヨンタクは、住人たちを率いて外部の人々を排除し始める。若い夫婦のミンソンとミョンファは、過激化するヨンタクの暴走に危機感を募らせるが…
 私の韓流最愛男、イ・ビョンホンの最新作、やっと観ることができました(^^♪2022年は「南山の部長たち」、2023年は「非常宣言」と、ここ数年の新年最初の映画鑑賞は、イ・ビョンホンの主演作になっています。まさに初春男なビョン吉さまです。最近のビョン吉さんは、脱いい男路線を驀進中。今回も豪快にぶっ壊れてイカレまくってました。こんな役、こんな演技、キムタクとか西島秀俊とか日本の同世代の俳優は絶対やらない、ていうかできない。

 最初は冴えない地味なおっさんとして登場するビョン吉さん、カリスマスターのオーラを完全に消し去ってるところも見事。取るに足らぬ小市民のおじさんだけど、何となく怪しい?危ない人かも?と思わせる目つきとか表情とか、ほんと巧妙!どんどんヤバい人と化していく変貌も、プッツン演技も鬼気迫る怖さ、何だけど、明らかに笑いも狙ってる怪演なんですよ。よそ者に出てけー!!と絶叫する時の顔とか、ノリノリのカラオケとか笑えたわ。滑稽で異様なビョン吉さん、往年の男前な彼が好きなファンはショックを受けるかもしれませんが、男前を超越したステージへと到達し、役者としてさらなる進化を遂げた彼を、私はますます好きになりました。

 ビョン吉さんの狂気的な激烈演技に圧倒されますが、色濃ゆい男の哀愁や、悲しみをたたえた美しい瞳、口汚い台詞でさえ聞き惚れてしまう美声など、悪くても狂ってても見る者を惹きこむビョン吉の魅力は、今回も褪せてませんでした。ビョン吉さんの役者っぷりには驚嘆感嘆するばかりですが、男前崩しだけじゃなく本来の素敵熟年な役や演技でも、たまには魅せてほしいものです。

 この映画最大の話題、売りは、イ・ビョンホンとパク・ソジュンという、新旧韓流スターの競演。ソジュンくん、私にはイケメンにも美男子にも見えないけど、極小な顔とスタイル抜群の長身はまさに非一般人的。小柄なビョン吉のみならず、誰と一緒のシーンでも頭ひとつ二つ出てるほど背が高い。人気を博した数々のTVドラマの時と違い、フツーの青年役を奇をてらわずカッコつけず演じていたのが、新鮮で可愛かったです。でもあまりにもフツーすぎて、若手俳優なら誰がやってもいいような役にも思えた。もっと演技の成長や挑戦を感じさせる役にしてあげてほしかったです。

 壊滅的な大震災という、日本人には気が重くなる、動揺せずにはいられない内容。排除や不公平不平等、疑心暗鬼や陥れ、略奪、暴動など、生き残るために人々が繰り広げる闘いの醜さ、峻烈さにも暗澹とさせられました。窮地に陥ると人間って、ここまで卑劣で非道になれるのかと。それにしても。この映画のような極限状態じゃなくても、実際にも韓国人って喜怒哀楽が激しすぎて血の気が多く、民度の低い行為が多いけど。震災後も整然とルールやモラルを守る姿が讃えられた日本人も、あんな風になっちゃうのかなあ。サバイバルのために汚いことも厭わないヨンタクより、自分は手を汚さずきれいごとばかり言ってるミョンファのほうが、偽善的で卑怯に思えて不快でした。

 韓流版「おっさんずラブ」なら、黒澤部長がビョン吉さん、牧くんはソジュンくんがいいかも(^^♪春たんは?見た目だけ考慮なら、田中圭とカブるチソンとかチョン・イルですかね~。個人的にはチョン・ジョンミョンがチョアなんだけど

奥様に捧ぐ肉体

2023-05-07 | 韓国映画
 「愛に奉仕せよ」
 田舎に残した妻子のために出世を願う模範兵のムグァンは、師団長宅の炊事係に任命される。師団長の妻スリョンは、夫の出張中にムグァンを誘惑し…
 韓流時代劇ドラマ「七日の王妃」を観てチョアチョア~になったヨン・ウジンが、上官の妻と道ならぬ恋に落ちる軍人を演じた不倫ドラマ。ウジンくん、やっぱええわ~イケメンとか美男ではなく、ちょっとイモっぽくて素朴なところが親近感を抱かせるけど、長身で小顔でスタイル抜群なところは非一般人男子で、可愛い童顔だけどすごく男らしいところが私にはドストライクなんですよ。チョン・ジョンミョンとちょっとカブるのですが、カッコカワイいだけで終わってしまいそうなジョンミョンと違い、ウジンはやってくれましたよ。大胆でエロい全裸濡れ場を!

 全裸ズコバコ演技。それはかつて、人気韓流男優が一回はやっておかねばならない?儀式でした。それは韓流映画の魅力のひとつだったのに、悪しきポリコレの風潮のせいか、すっかりエロスは廃れてしまい、韓流俳優といえばのサービス無駄脱ぎさえほとんど目にすることもなくなっているという、何とも味気ない残念な状況に嘆いていましたが、久々にキター!!まだ無名のイケメンとか見た目も年齢もビミョーな演技派とかではなく、人気も知名度もルックス偏差値も高い人気スターが全裸ズコバコ、というところが邦画にはない驚喜なのです。今回は好きになったばかりのウジンだったので、ジョイフルさもひとしお。

 上官の妻に命令され、軍服を脱ぎ全裸になるウジン。いかにも見せるために鍛えた、不自然なまでにバキバキな筋肉ボディとか、お手入ればっちりなツルツル美肌ではなく、スレンダーだけどほどよくムッチリガッチリしてる裸、浅黒くてちょっと粗い肌は、私には理想的な男の肉体。足が長い~!軍服も農民服も似合う!左右の大きさがちょっと違う目も個性的。奥様を悦ばせる性の忠犬となって、アンなことコンなことに励むウジンくん、なかなかの捨て身っぷりでした。観る前は、どうせ大したことないんだろうなとタカをくくってたのですが、どうしてどうして。いい仕事しましたねウジンくん!

 これでセックスしてる、したと?!なラブシーンには失笑、うんざりするばかりですが、ウジンくんの脱ぎっぷり、濡れっぷりはリアルでエロい!ケツもばっちり出して、腰をグアングアンと動かしてました。若い男ならではの激しさ、猥雑さ。テレビドラマの彼が好きな乙女淑女韓流ファンには、かなりショッキングな姿かも。ボカシありの濡れ場は、何だか昭和のロマンポルノ風で懐かしくもありました。

 はじめは保身と野心のために奥様の性奴隷を務めていたけど、だんだん奥様との間に情愛も生まれ、関係が恋人同士に進展すると、セックスの主導権を握るウジンがこれまたエロカワイい!激しく奥様を貫きながらの♂な言葉攻めが最高!人の善い素朴な年下の男が、セックスの時にはケダモノになるとか妄想のようなシチュエーション。

 全裸ズコバコ演技も瞠目ものでしたが、ウジンのアタフタドタバタしたコミカルな演技も可愛かった。シリアスな映画かと思いきや、想定外のほとんどコメディな内容&演技でした。ジャンル的には艶笑喜劇といっていいかも。スリョンのパワハラ誘惑とか、ムグァンと妻の初夜とか、まさにそんな感じ。原作では舞台は中国らしいけど、この映画では架空の国、つってもほぼ北朝鮮。私たちからしたら大時代的で謎すぎる価値観や風習も、皮肉に滑稽に描かれていました。

 ↑ こう見えてもう40歳なウジン、チョン・ジョンミョン主演の懐かしのドラマ「シンデレラのお姉さん」に出てたらしいけど、ぜんぜん覚えてない💦キャラちょっとカブるけど、ジョンミョンとまた共演してほしいものですていうかジョンミョン最近ぜんぜん見ないけど、仕事してんの?

BL問題教師!

2023-04-09 | 韓国映画
 春のBL映画祭③
 「バンジージャンプする」
 1983年、大学生のインウは雨の中で出会ったテヒに恋をする。やがて二人は深く愛し合うようになるが、軍に入隊するインウの見送りにテヒが現れることはなかった。17年後の2000年、高校教師となり妻子と暮らしていたインウは、教え子の少年ヒョンビンの言動に衝撃を受ける。性別も姿かたちも違うヒョンビンとテヒがことあるごとに重なり、混乱に陥るインウだったが…
 第一次韓流ブーム以来、いろんな韓流スターに目移りはしつつ、私にとって今も最高&最愛の韓流男であり続けているのがイ・ビョンホン数あるビョン吉さんの出演作の中でも、いちばん好きな作品かもしれないのがこのBL映画です。もう22年!も前の作品なんですね~…若き日のビョン吉、その見た目も演技もキャリア最高(と私は思ってます)。とにかくこの映画のビョン吉さん、当然ながら若い!当時30歳ぐらい?大学生役にはさすがにムリがあるのですが、まあ実際にはもっと老けた大学生いるのでケンチャナヨ!

 映画の前半、テヒと恋に落ち深く愛し合うようになる大学生編は、韓流らしい切なさロマンティックさで、不器用だけど優しく一途なビョン吉さんが可愛くてキュンキュンします。コミカルテイストも強く、ちょっとアホっぽくてトボけた演技もビョン吉さん、ほんとお上手なんですよ。朴訥でイモっぽい風貌も、ガッチリムッチリしたガタイも、男らしくてチョアチョア~。映像や演出、コメディ部分も切ない部分も、これぞ懐かしの第一次韓流ブーム!って感じで、あの頃を知る韓流ファンにはかなりエモいです。

 でも、この映画。韓流といえばの甘く切ない恋愛ドラマの形をとりつつ、かなり狂った内容でもあるんですよ。そこが好き。前半から一転して、後半の高校教師編は、破滅的なサイコドラマに。生涯ただ一度の運命の愛に憑りつかれ、常軌を逸していくビョン吉さんが怖い。「美しき日々」や「純愛中毒」など、そういう役もオハコだったビョン吉さん。教え子の男子高校生を死んだ恋人の生まれ変わりだと信じ込み、静かに確実にコワレていくビョン吉の問題教師っぷりがヤバすぎ。


 離れた場所からじ~っと男子高校生を見つめてる、熱く粘りのある視線。「美しき日々」でもチェ・ジウをあんな風に見てましたよね~。怖いくらい美しい瞳!ヒョンビンの携帯を盗み見し、彼女からのラブメールを削除。ヒョンビンに電話するがずっと話し中でイライラ、つながるまで何度もかけて、やっとヒョンビンが出るとキレて難詰。授業中、ヒョンビンの彼女をいじめるetc.とにかく物狂おしいビョン吉さんなのです。相手が男、しかもDKというのがヤバくてスリリングなんですよね~。もうフツーの男女の恋愛とそう変わらない扱いになってる最近のBLと違い、この頃の韓国ではまだ同性愛に対する偏見や差別がキツくて、同性愛者の烙印を押された者は破滅するしかなく、今の時代ではありえないような残酷で理不尽な迫害を受けるインウの姿が悲惨すぎて戦慄。すべてを失っても悪あがきせず、静かに運命を受け入れるビョン吉のたたずまいが、これまた愛しさとせつなさと~♪で胸キュンなんですわ。

 ラスト、インウとヒョンビンが選んだ道は、かなり衝撃的。悲劇的なハッピーエンドといった感じ。2023年の今なら二人は、韓国が無理なら海外で静かに幸せに暮らせたでしょう。やっぱ男と女じゃなきゃダメなの?な結末は、ある意味LGBTに対して否定的な価値観のあらわれだったようにも思われました。
 テヒ役は、この映画の数年後に自ら命を絶ったイ・ウンジュ。橋本マナミ似?ヒョンビン役の男の子が、もうちょっとイケメンだったらと思わないでもなかった。役名と同名のヒョンビンに演じてほしかったかも。でも、女の子みたいな美少年ではなく、男らしい風貌とキャラだったのは良かったです。大学時代のインウの友人役、イ・ボムスも若い!この映画、韓国でリメイクされるというニュースが。楽しみなような、不安なような。日本でリメイクされるなら、誰がええかのお。ぜんぜん思いつかん!

 ↑ ビョン吉さんの新作、Netflixの「スンブ 二人の棋士」は、共演のユ・アインがやらかしたせいで公開延期の憂き目に😨このままお蔵入りになりませんように!

地獄飛行!非情なる着陸拒否

2023-01-11 | 韓国映画
 「非常宣言」
 ソウルからハワイへと向かう韓国の旅客機内で、若い男がウィルステロを起こす。感染した乗客や乗務員が次々と死に、やがて飛行機は操縦不能に陥って…
 今年初の劇場鑑賞映画は、この韓流オールスター大作となりました(^^♪ソン・ガンホ、イ・ビョンホン、チョン・ドヨン、キム・ナムギル、イム・シワンといった一枚看板スターが競演!新年に相応しい、贅沢なおせち料理みたいな豪華キャストです。オールスター出演のパニック映画、飛行機内の恐怖、といえば名作「大空港」から始まったエアポートシリーズを思い出します。この韓流版は、感染や無差別テロといった現代社会の深刻な病巣がネタになっていて、運が悪かったり油断したりしたら飛行機の乗客みたいな目に遭う!という恐ろしい警告のような内容に、私のユルユルな正月気分も吹っ飛んでしまいました。新年早々、こんな恐怖と絶望に満ち満ちた映画を観てしまうなんて!でも、今年も不安と災厄とは無縁ではいられないという覚悟を、あらためて持たせてくれる映画でもあります。

 感染者を拒む外国(もちろん日本も。拒絶するだけでなく、自衛隊の戦闘機で攻撃!)そして韓国も感染者の入国をめぐって騒然と分断!数年前に横浜の港で、コロナ感染者が船内に足止めされた時のことを思い出しました。結局コロナの侵入と拡大は阻止できなかった。映画の中で飛行機の着陸を拒む諸外国や韓国国民を、非情!鬼!と責めることはできません。大丈夫だという確信もないのに、あの飛行機の着陸に賛成できるのはよほどの偽善者か無責任な人だと思います。血反吐や泡を吹いて悶絶死する感染症も怖かったけど、それ以上に飛行機が墜落するほうが怖い!飛行機って何度乗っても、墜落したらどうしようという不安につきまとわれます。墜落するまでの恐怖と絶望、想像しただけで気絶しそうになります。墜落の危機で地獄と化す機内、すさまじい緊迫感!かなりの気力消耗になるのでご注意を!ハリウッドや邦画と違い、ぜったい大丈夫、スターが死ぬわけない、無事にハッピーエンド、と安心させないところが、さすが韓国映画。え?!まさかほんとに?!でも韓国ならありえる!最後の最後まで悲劇を予感させる展開と演出で、気が休まる瞬間がありませんでした。

 どこからも着陸を拒まれ、葛藤と絶望の果てに悲劇的な決意をする乗客たち。誰も恨まず、理不尽な自己犠牲を受け入れて死を待つなんて崇高なこと、私にできるだろうか。あのまま覚悟した通りの悲劇となれば、鬱すぎる結末としてすごいインパクトになってたことでしょう。そうならないようにするための展開が、すごい強引で都合がよすぎ。後半の尻すぼみ感がかなり惜しいです。
 韓流ファンにはおなじみの名優、人気スターの競演が、この映画最大の見ものでしょう。刑事役のソン・ガンホは、今や韓国ナンバーワンの大物俳優。粗野だけど人情家のおっさん役は彼のオハコ。奔走する刑事をデスパレートにエネルギッシュに熱演してます。my 最愛の韓流男前、イ・ビョンホンが機内で大活躍!

 ガンホおじさんが韓流屈指の名優なら、ビョン吉さんは韓流随一のスター。あの低い美声での第一声で、ビビビとくるスター降臨!フツーのお父さん風で登場するのですが、スターのオーラは隠せません。でもビョン吉さん、フツーの庶民役もすごく上手で自然なんですよね~。今回も平凡なおじさんって感じはよく出してました。そういうところが、ヘンに特別な感じを出したがるキムタクとは違うんですよね~。意外な正体が中盤に判明するビョン吉さんですが、ジャーン!カッコいい俺発動!的な演技なんかしてません。でもカッコいいユルんだタルんだ感じがまったくなく、体つきがすごく硬く引き締まってる感じなので、おじさん臭がまったくない。おじさんではなく熟年!華やかなスターから、最近は味わいある名優へと見た目も演技も円熟しているビョン吉さんです。理想的な役者道ですね。ガンホおじさんとは懐かしの「JSA」そして「グッド・バッド・ウィアード」で競演してますね。今回はほとんど絡みなしでしたが。

 大臣役で、これまた韓流きっての名女優チョン・ドヨンも出演。でも別に彼女じゃなくてもいいような役でした。副機長役のキム・ナムギルもカッコよかったです。パイロットの制服が似合う長身!スマートだけどヒョロっとした感じではなく、すごくガッチリたくましいところがさすが韓流男優。彼もいい感じに年齢を重ねていて、安定感ある中堅俳優に成長しましたね。いちばん目立つ美味しい役だったのは、犯人役のイム・シワン。「ミセン」など、清々しい好青年のイメージだった彼が、ヤバすぎるき〇がいを怪演。一見爽やかで優しそうなんだけど、表情や雰囲気がすごい気持ち悪い!わけのわからない言動など、こういう人にだけは絶対関わりたくない!と心肝寒からしめる狂人ぶりでした。

 観終わるとホッと安堵、そしてドっと疲労感。疫病、そして大勢を巻き込んでの自殺。どちらもいつ自分に降りかかってもおかしくない災厄。新年早々、明るい希望より鬱々しい不安をかきたてられてしまいました。ハラハラドキドキできる、という点ではすぐれた映画でもあります。イルボンリメイクは絶対ムリだと思うけど、妄想なら犯人役は岡田将生か横浜流星だな(^^♪二人ともイケメン役よりキモい役のほうが、その美貌を活かせる役者だと思うので。

 ↑ ビョン吉さんの新作は、ユ・アイン共演のNetflix映画「勝負」です。配信はいつじゃろ~

38度線の色男

2022-07-14 | 韓国映画
 「プンサンケ」
 38度線を越え韓国と北朝鮮を往来する運び屋、通称プンサンケは、脱北した北朝鮮高官の愛人をピョンヤンからソウルに連れてくるよう依頼されるが…。
 「犯罪都市」を観て以来、すっかりサランヘヨ~な男になったユン・ゲサンまだ2作しか出演作を観てないのに、my best 5 of 韓流俳優には確実にランクインされてます(^^♪この作品のゲサンも、チョンマル男前でした!そして、いい役者!見た目と演技の両方で私を魅了する俳優って、よく考えてみたらそんなに多くない(どっちかでなら、星の数ほどいるけど)。その点ゲサンは、ルックスも演技力も韓流では屈指のハイレベルな俳優(私の中では、ですが)。この作品の彼もそのことを私に確信させてくれました。

 短髪になってクール&ストイックな風貌に。顔はやっぱソ・ジソブ+永山瑛太に見えたけど、ゲサンには二人にはない男の色気と役者魂があります。若造でもない、おっさんでもない、最も脂がのる30半ばの男の色気が濃密で、エロい役でも演技でもないのにエロいんですよね~。ゲサンみたいな30半ば(当時は)の男優、日本にはいませんよ。嵐とか40近いのにアレですよ
 韓国と北朝鮮、南北を命がけで往来して物や人を運ぶ運び屋、通称プンサンケ(豊山犬)と呼ばれる謎の男を演じてるゲサン。台詞なし!男は黙って…どころではない寡黙、いや、沈黙の男ですが、そんなミステリアスさが似合う翳りが魅力的です。軽薄なまでに明るい男より、ゲサンのように重苦しいまでに暗い男に心惹かれます。色気って基本的に暗い、隠微なものですよね~。性的なシーンがなくても色気ダダ漏れなゲサン、え!?と思わず画面をガン見してしまった、衝撃の全裸も披露!

 南へ向かう途中、川に入るシーンがあるのですが、そこで暗闇にまぎれるために全身に泥を塗るゲサンの全裸に目がクギづけ!すげーいいカラダ!ムキムキすぎない、ほどよく厚みのある引き締まった肉体!お尻もキュっと固く引き締まってて、だらしなく弛んだ緩んだところや、いかにも鍛えてます的な不自然ナルシーさもない、まさに私の理想形、完璧な肉体美でした必要なのに脱がない俳優、そんなカラダで脱ぐな!な俳優は、ゲサンを見習ってほしいものです。脱ぎ率が高く、拷問シーンでの肉体美も眼福。ヒロインにも泥を塗ってあげるシーン、ヒロインをおんぶして川を渡るシーンでの全裸ゲサン、そのハンパない色気ときたら!脱いでもセックスシーンしても全然エロくない俳優って、ほんとダメだと思います。

 裸や色気のことばっか言ってますがハードで生々しいゲサンの猛者っぷりにも目を奪われます。とにかく強い!不死身!ほぼ武器なし、己の肉体のみで任務遂行や敵と激闘するゲサンが、とにかくカッコいいです。走る姿が美しい!スマートなカッコよさではなく、泥臭く血みどろな鬼気迫る凄絶さが圧巻。人間とは思えぬ身体能力は、ちょっと笑えるありえなさ。南へ入るための鉄柵走り高跳びとか、ほとんどギャグでした。

 この映画、ゲサンの演技もですが大真面目なようでいて、実はかなり笑いを狙ってるのかな?と思える設定やシーンが多くて。プンサンケの南北往来も決死なんだけど何となく滑稽でもあったり、韓国の情報員と北の工作員がみんなそろいもそろってゲスクズブスばかりで、終盤にプンサンケがまるでハングマンみたいになって全員拉致監禁し、閉じ込められた彼らが殺し合いを始めるというトンデモ展開は、タランティーノ監督風のヴァイオレンスコメディだった。脱北した政府高官のおじさんの、いい歳しての好色さや嫉妬深さもクレイジーで笑えた。韓国の情報員が北で受ける拷問(お尻の穴に鋭い棒が…)も、残忍だけどオゲレツで笑えた。

 ちなみにプンサンケとは、北朝鮮の豊山犬、そして煙草のことだとか。プンサンケの本名や生い立ち、運び屋になった経緯や理由、なぜ喋らないのかなど、いっさい説明なし。台詞だけでなく表情もほとんど無だったゲサンですが、北から運んできた幼い少年に一瞬だけ見せた微笑みが可愛かった。血なまぐさい激烈なゲサンの次は、実像に近いスマートで優しい、そして色気は不変な彼に会いたいと思います。

 ↑最新作のドラマ「キスシックスセンス」でも、大人の色気を振りまいてるみたいなゲサン、ポゴシプター!