まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

2015年my cinema lifeを総括する

2015-12-30 | 映画雑記
 2015年も、もうすぐ終わり…個人的には、久々に海外旅行ができたりして、貴重な思い出を作れた年になりました。アイルランドへの旅もそうですが、どんどん独り上手になっていってる私。ぼっちハピネスを極めそうで、来年こそ孤独死なのでは?と軽く怯えてます
 冗談はサテオキ。皆様は今年、どんな映画をご覧になられましたでしょうか。素晴らしい映画、時間と金返せ!なウンコ映画…今年もいろんな映画を観ましたね。たくさん観たような気がしてるのですが、今年劇場に足を運んだ映画を振り返ってみると…
 
 1月 「エクソダス 神と王」
 2月 「フォックスキャッチャー」
 3月 「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」
 4月 「ワイルド・スピード SKY MISSION」 
 5月 「博士と彼女のセオリー」
    「間奏曲はパリで」
 6月 「誘拐の掟」
    「セッション」
 7月 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」
    「アリスのままで」
 8月 「追憶と、踊りながら」
    「ジュラシック・ワールド」
 9月 「S 最後の警官」
    「テッド2」
10月 「ナイトクローラー」
11月 「劇場版 MOZU」
    「顔のないヒトラーたち」
    「コードネーム U.N.C.L.E」
12月 「黄金のアデーレ 名画の帰還」
    「スペクター」

 じぇじぇじぇ(死語)!た、たったの20本!去年を下回ってるし!来年こそは、劇場で100本は観たいな~と、毎年の繰り言…
 僭越ながら、お松の2015年ベスト映画、男優女優賞を発表だっちゅーの(DVDで観た年内日本公開作も含む)!

 作品賞

 1位 「セッション

 おもしろかった!し、怖くてインパクトもあった。音楽や編集もカッコよかったし、文句ナシのmy best movie in 2015です

 2位 「追憶と、踊りながら

 切なくて優しい余韻が、今も忘れがたいです。これを観ずにして腐女子とは名乗れぬbest BL movie in 2015です

 3位 「マッドマックス 怒りのデス・ロード

 こんなに疲れる映画を観たの、初めて。どんちゃん騒ぎにもみくちゃにされ、引きずりまわされた感覚。楽しかった!

 観られなかった映画が、今年も多かったことが心残り。「ヴェルサイユの宮廷庭師」や「アクトレス 彼女たちの舞台」「チャイルド44」「ダイバージェントNEO」「日本のいちばん長い日」とか、観に行く気まんまんだったのにあと、観ても感想が書けなかった映画も多くて…以前みたいに、サクサク書けないんですよ~。言葉が出てこないんです。やっぱ脳細胞が老朽化してるせいでしょうか。ボケ防止のために、来年もブログに励まねば!

 男優賞

 1位 J・K・シモンズ 「セッション」「ターミネーター:新起動/ジェネシス」

 今年最も強烈だったのは、やはりこのおぢさん。映画を観終わった後も、しばらく彼の形相と怒号が目から耳から離れませんでした。怖い、けどカッコいい名演で、オスカー受賞も納得。名バイプレイヤーなシモンズおぢさんですが、そろそろ主演作も観たいですね。

 2位 トム・ハーディ 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分」

 my best actorだった2012年のように、今年もたくさんの出演作が公開され、人気も評価も不動のものにしつつあるトムハ。「チャイルド44」を観られなかったのが、すごく残念。来年も話題作が続々日本公開予定で、さらなる躍進は確実!

 3位 ベン・ウィショー 「追憶と、踊りながら」「スペクター」

 映画好きな腐女子の間では、いまや輝ける星のような存在のベン子ちゃん。彼の繊細でリアルなBL演技は、モノホンだけが出せる悲しさと優しさにあふれていて、感銘を受けずにはいられません。待機中の日本公開予定作も、楽しみな作品ばかり!ベン子の時代が来そうな予感!

 今年も男優は豊作でした。「アメリカン・スナイパー」のブラッドリー・クーパー、「フォックスキャッチャー」「はじまりのうた」のマーク・ラファロ、「博士と彼女のセオリー」のエディ・レッドメイン、「ジュラシック・ワールド」のクリス・プラット、「イミテーション・ゲーム」のベネディクト・カンバーバッチ、「海にかかる霧」のパク・ユチョン、「キングスマン」のコリン・ファース、「ナイトクローラー」のジェイク・ギレンホール、「顔のないヒトラーたち」のアレクサンダー・フェーリング、「スペクター」のダニエル・クレイグ、そして…「ワイルド・スピード SKY MISSION」のポール・ウォーカー


 女優賞

 1位 シャーリーズ・セロン 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」

 シャー子さんの女優魂には、ほんと脱帽。女戦士フュリオサは、映画史に残る漢(おとこ)なヒロインではないでしょうか。カッコよかった!トムハとのタッグも男気にあふれてましたね。 

 その他には、「サンドラの週末」のマリオン・コティアール、「イミテーション・ゲーム」「はじまりのうた」のキーラ・ナイトレイ、「アリスのままで」のジュリアン・ムーア、「博士と彼女のセオリー」のフェリシティ・ジョーンズ、「間奏曲はパリで」のイザベル・ユペール、「黄金のアデーレ 名画の帰還」のヘレン・ミレン、のチャーミングな好演が印象に残っています。

 皆さまの2015年映画総括も、よろしかったらお聞かせください♪
 今年もお世話になりました!こんな絶海の孤島、辺境の村落にある潰れかけの場末の飲み屋みたいなショボブログに遊びに来てくださり、本当にありがとうございます!2016年も皆さまと、ご一緒に楽しく充実したcinema lifeを送れたらとI truly wish!来年も、皆さまによきことあまたありますやうに!それでは、よいお年を~See you soon!
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ハンニバル2⑥~⑬ 男体盛り

2015-12-29 | 欧米のドラマ
 「ハンニバル」シーズン2の第6話から最終話まで観ただよ…

☆戦慄と旋律
 ハープシコートというオルガンみたいな楽器を弾いているレクター博士。料理に音楽に格闘に猟奇殺人と、何でもできちゃうオールマイティな博士ですね。楽器弾いてる博士、姿勢がすごくよくて素敵。
☆生け花死体
 仮屋崎さんもビツクリ!
☆レクター博士が姦淫!
 アラーナと褥を共にする博士。ええ~!?レクター博士が、女とセックスだなんて。ショックというか、すごい違和感。博士、性的なことには興味ないと思ってたのに。おばさんなアラーナじゃなくて、ラブシーンの相手がイケメンのウィルだったら、ついに♪という感じで納得&ドキドキだったのにな~。

☆真冬のアユ釣り
 釣りが趣味のウィル。釣りって、相当の平常心、忍耐強さが必要な趣味ですよね。ご一緒してるジャックが、珍しくご機嫌。ニカっと笑うと、普段は鬼瓦な彼が天使のように可愛く見えた。白すぎる歯が、まぶしい!
☆馬のお腹から
 仔馬じゃなくて、人間の男が出てきた!しかも死体じゃなくて生きてる!こんなこと、ほんとに可能なの?ていうか、ヘンなもの孕まされて、馬さんが可哀想!

☆サクロモンテ風オムレツ
 レクター博士が作る料理、いつも凝ってて目には楽しいけど、あまり美味しそうじゃないんですよね~。レクター博士に、すき屋の牛丼を食べさせてあげたい。美味しいヨ!
☆記憶は時を永遠にし、忘却は心を健やかにする
 いい台詞ですね。私もたまに、記憶喪失になりたい時がある…
☆3P
 レクター博士とウィル、まさかの3P!(夢?幻?シーンですが)

 もう女、邪魔だわ~。ていうか、アラーナって必要なキャラなの?いなくても全然OKな人だが…ヒューの3Pといえば、エディ・レッドメインとの「美しすぎる母」を思い出します。
☆千手観音
 毎度のことですが…死体いじくりまわしすぎ。スタッフ、楽しんでる?!
☆食人ブタ!
 豚が、あんなに凶暴だなんて。豚に食い殺されるのもイヤだな~。

☆死ぬ死ぬ詐欺
 ジャックの妻が、まだ生きてたのにはビツクリ。末期がんで死の淵にあるはずの彼女ですが、やせ衰えてもないし誰よりも肌艶がよくて元気そうなんだけど…
☆遠くへ行きたい
 断腸の思いで愛するウィルにも手をかけ、国外へ逃亡するレクター博士。日本には来ないでね~!
★総括
 猟奇殺人が、ありえなさすぎてもはやギャグ。もしあんな事件が一件でも起きたら、いくら猟奇天国なアメリカだって大騒ぎになるはずですが、フツーの殺人事件と何ら変わらぬ対応、反応なのが変。
 もう犯罪捜査ドラマにもなってないし、何が描きたいのかよく分からない内容。腐なら、マッツ・ミケルセンとヒュー・ダンシーの奇妙に親密な関係がBLっぽくて楽しめるのですが。
 シーズン3に続くのか~。もうしんどいな~。

 そろそろヒューとは、映画で会いたいです。英国男優ブーム真っただ中なので、ヒューもここらでドカンと!時代劇とかいいと思うの!
 
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奇皇后①~⑩ 女狼と王様

2015-12-27 | 韓国のドラマ
 「奇皇后」第1話から10話まで観ました~♪

☆また男装の麗人!
 男として生きている主人公スンニャンは、復讐の炎を胸に高麗の宮廷を牛耳る権力者ワン・ゴに仕えています。また美人の男装ものかよ!まあ、少女漫画好きにはたまらん設定ですよね。ヒロインであるスンニャン役は、私が韓国女優の中でいちばん好きなハ・ジウォン。ジウォンさんの出るドラマ、まさにハズレなしですよね~。男も顔負けな凛と剛、でもフェミニンな美しさ可愛さ、健康的なお色気も併せもっていて、いい女優ですよね~。彼女みたいな女優が日本にいないのは、ほんと残念。快傑な男装剣士っぷりもカッコいい!ほんとにケンカ強そう。あの鋭い目つきが好き。「チェオクの剣」を彷彿とさせるアクションもチェゴヤ!それにしてもジウォンさん、老けないですね~。あの名作「バリでの出来事」からもう相当月日が経ってるのに、あの頃とあんまし変わってないし。アンチエイジングの秘訣、知りたい!
☆私の韓流王
 スンニャンの運命の男、高麗王ワン・ユ役は、これまた韓国男優の中では1・2を争うほど大好きなチュ・ジンモ

 ああ~めっちゃカッコいい~雄々しく凛々しく、でも優しそうで温かそうで、そして何か可愛い、ガッチリムッチリした肉体美、というジンモの魅力はいつも私の萌えツボ突きまくりです。

 ハ・ジウォンとはお似合いなカップル。今までのジウォンさん、相手役の男優がほとんど年下だったので、なんか姉弟にしか見えない違和感を否めなかったでのすが、ジンモとは年齢的にも見た目的にも釣り合ってる感じ。

☆イケメン皇帝
 元の皇太子タファン役のチ・チャンウクは、きれいで可愛らしい顔、スラっとした長身の超イケメンなんですが、タイプじゃないのであまり萌えません。私は断然、ジンモ派ですわ。チャラくてヘタレすぎるタファンのキャラ、可愛いけどイラっともする。
 後にタファンの皇后となるヨンチョル丞相の娘タナシルリも、美人で可愛い。怒ったら鬼女だけど、基本はノーテンキで天真爛漫な憎めないキャラです。

 ↑ドラマでは激しくぶつかり合ってるタファン、タナシルリ、ヨンチョル丞相、タンギセですが、撮影は和気藹々みたいで微笑ましい
☆韓流脇役オールスターズ!
 このドラマ、脇役が韓ドラファンにはおなじみのメンバー総出演な豪華さが。まず、ワン・ゴ役は、私が観る韓ドラにはほぼ出てる売れっ子おじさま、イ・ジェヨン。そして、私が最も好きな脇役といえばのイ・ムンシクさんも登場!ハ・ジウォンとは、チェオクの剣以来の共演?チェオクといえば、ワン・ユの護衛官役のクォン・オジュンも!チーム茶母、再結成ですか?!クォン・オジュンも男前ですよね~。若い頃の古谷一行を、ゴツく精悍にした感じの風貌がチョアチョア。

 さらにさらに。立身出世のために人々を陥れ裏切りまくるヨム・ジョンスは、「善徳女王」のミシルの狡賢い弟!ズルさに凶悪さが加わって、パワーアップしてます。そして、元を支配するヨンチョル丞相の長男タンギセは、ミシルのバカ息子じゃん!アホなピエロだった前回と違い、今回は凶暴で悪辣な役で、なかなかの役者っぷり。ワン・ゴの手下チョチムは、バリ出来のハ・ジウォンのバカ兄貴?
 宮廷の侍従トクマンは、「イルジメ」のビョンシクじゃん!イジルメの親父役だったムンシクおじさんと、嬉しい再共演です。お初の顔の中では、ヨンチョル丞相の次男タプジャヘが、クールな美男子。
 
 ↑あのドラマのあの人が、今度はこんな役で!というのも、韓ドラファンの楽しみのひとつですよね♪
☆霜花店アゲイン!?
 武闘派ペガン将軍の甥、美男策士タルタル。チョ・インソンそっくり?!弟?!ジンモと並ぶと、どうしてもサンファジョムを思い出してしまいます。
☆男には到底見えんが…
 凛々しいスンニャンだけど、どう見ても美女ですよ。あれで男として生きてこられたなんて、ありえない!みんな彼女を男と信じこんでて、男相手にドキドキする俺って!とか、着替えや入浴シーンでバレそうになる~!な、男装ラブコメのお約束にやっぱ萌えちゃうんですよね男のスンニャンに惚れちゃダメっすよ~!と心配する家来たちに、アタフタするワン・ユが笑えた。珈琲王子のコン・ユ、成均館のユチョンにも負けないジンモの可愛さです。

 ↑ドラマの中では敵同士のスンニャンVSヨンチョル父子ですが、普段は仲良しさん
☆ドM将軍
 ヨンチョルの長男、タンギセは凶暴で危険な男。そんな彼も、スンニャンに惚れてしまう。いち早く彼女が女であることを見破り、強引に迫るタンギセですが、当然激しく拒まれる。冷たい拒絶も罵倒も、タンギセの執着を強めるだけ。ドSな男が恋にはドMって、いいですよね~。タンギセが、何か気になって仕方がないキャラ化。

 ↑タルタル&タンギセ。ドラマでは不穏な動きをしてる二人が、こんなほのぼのショット 
☆賤の女
 『雑用係の分際で!』と、タナシルリにビンタされるスンニャン。出たー!バリ出来でもファンジニでもシークレットガーデンでも、身分の高い意地悪女たちから罵られ辱められるハ・ジウォン。キっと睨み返す眼光の強さ、面構えの不敵さ。ハ・ジウォンはこーでなきゃね!
☆適度なラブコメ
 血で血を洗うシリアスで過酷な状況の中で、たまにラブコメになるところが息抜きになります。テファンだけは99%ラブコメで、返ってしんどくなるけど…

★総括
 これ、面白すぎる!めっちゃハマってしまいますわ。BS NHKで放送中なのですが、続きが待てなくてDVDレンタルしてます。休みの日は、もう一歩も外に出ずに引きこもり鑑賞してます。宮廷陰謀劇、メロドラマ、チャンバラ活劇、ラブコメがいい塩梅に配合されてる時代劇です。日本の大河ドラマも、こんな風に作ればいいのに。
 ハ・ジウォンの出演作ハズレなしっぷりは驚嘆ものです。チュ・ジンモも期待以上にカッコいい!名脇役陣も豪華。脇役キャラの中では、タンギセが特に好きかも…タンギセ、悪人だけど何かせつないわ~。

 ↑男らしいけど、すごく可愛くもあるジンモがチョアチョア「ハッピーエンド」とか「武士 MUSA」とか、ジンモの旧作がまた観たくなってきた

 ↑ハ・ジウォン、新作映画の相手役は、な、何とチョン・ジョンミョン!おいおい~。ジウォン姐さんよぉ~。今度はミョン太ですかい。さらには台湾のイケメン、チェン・ボーリンまで!こーなったらジウォンさん、イケメン百人斬りだね
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SUKEKIYO☆

2015-12-25 | 日本映画
 メリクリ~
 皆さま、素敵なクリスマスをお過ごしのことでしょうか。私は今年も、独りぼっちのロンリークリスマスで~すでも全然、寂しいなんて思わないんですよ~。クリスマスだろうがお盆だろうが、独りがいいの!気も体力も金も使う必要なく、気ままに静かに過ごす時間が好き。これって、強がりなのでしょうか?独りでももう寂しくなくなってる、孤独が幸せになってる、そんな自分は寂しい人間だよな~とは思います。
 最近では、若い人たちも独りで静かに過ごす、いわゆるクリぼっちが主流になりつつあるとか。独りがいい人にも、愛する人と一緒の人にも、素敵なクリスマス、そして年末年始になるやうI wish
 クリスマスの夜に観たくなる映画といえば、これですね。今夜の夢には、サンタじゃなくてアイツが出て来そう

 「犬神家の一族」
 財閥当主、犬神佐兵衛が不可解な遺言状を残して他界する。激しく反目し合う一族の間で、やがて陰惨な連続殺人が発生。名探偵の金田一耕助が、事件の真相を究明することになるが…
 幼い頃にTVで観て、あまりのオゾマシさに夜ひとりでトイレに行けなくなるなど、私を恐怖のドン底に叩き落とした唯一の映画。いまだに、そのトラウマを引きずっています。でも、ときどき無性に観たくなる...美しい悪夢のような魔力が、この作品には潜んでいるようです。
 横溝正史原作の金田一耕助シリーズの中で、犬神家を最も有名・人気作品にしたのは、公開当時、日本中に空前のブームを巻き起こしたという、この映画の存在ではないでしょうか。
 犬神家の巨万の遺産をめぐって起こる、骨肉相食む陰惨きわまりない連続殺人事件。
 殺人の謎と犯人を推理する楽しみ以上に、舞台設定や道具仕立て、登場人物のキャラの独創性・怪奇珍奇さが際立っているのが、この映画の面白さです。

 冷暗で重苦しく、本当に何か禍々しいものが漂っているかのような、広大な日本家屋のオドロオドロしい雰囲気。そこで発生する連続殺人に施される、トンでもない演出に恐笑!
 生首菊人形!屋根裏の窓からのぞく死人の顔!そして、そう...犬神家といえば!の、湖から突き出た二本足!いろんなところでパロディにされた、邦画史上に残る珍場面です。公開当時、子供たちの間で、それを真似た“スケキヨごっこ”が、夏休みのプールで流行ったとか。
 犬神一族の面々は、超個性的で強烈!
 何といっても最強キャラは、佐清でしょう。戦地で負った顔の傷を隠すため被っているゴムマスクの、不気味さときたら!「リング」の貞子なんて、ちっとも怖くないけど、スケキヨは怖い!あんなのと夜中に道でバッタリ遭ったら、おしっこチビって気絶するでしょう。ゴムマスクをはずす時の、あの気持ち悪い音も戦慄!ゴムマスクの下の、焼け爛れた顔もホラーです。

 そして、遺産をめぐって醜悪な人間の業をさらす、強欲鬼婆三姉妹のエゲツなさときたら!ドラマ「遺産争族」の三姉妹なんて、犬神家の三姉妹に比べりゃ可愛い乙女ですよ。演じる高峰三枝子、三条美紀、草笛光子の濃厚すぎる熱演が圧巻です。遺産分配への不満爆発で、口汚く攻撃的なヒステリー状態も、息子を殺され半狂乱になる姿も凄まじい。彼女たちの恐ろしいところは、愛憎が強すぎるゆえに強欲になってるところ。たぶん、個人的には金なんかどうでもよく、ただただ娘として愛してくれなかった父への怨念と、命より大事な息子への深い愛ゆえに阿修羅と化しているところが、ああ女ってやっぱ因業な生き物だな、と戦慄せずにはいられません。それにしても人間、いや、女って、愛憎のためにここまで浅ましくなれるのか、ここまで理性を失えるのか。三人そろって亡父の愛人を襲撃する回想シーンは、ほんと笑えるほど恐ろしい!三女優とも見事な鬼婆ぶりですが、特に高峰三枝子は鬼子母神そのものな大迫力です。

 いろんな役者が演じていますが、やはり金田一耕助役に最も適しているのは、石坂浩二でしょう。少し頼りなさそうで知的な感じが、金田一耕助のイメージにピッタリ。石坂金田一は、色白で目がクリっと輝いていて、とても可愛い!またドラマでリメイクされるとしたら、ぜひ向井理にやってほしいな~。
 陰惨ドロドロの中にも、ユーモアが要所要所で効いてるとこも、この映画の魅力。三木のり平とか大滝秀治が、絶妙なボケ演技で和ませてくれます。あと、旅館の女中役の坂口良子が超可愛い!それにしても…主要キャストの多くが、すでに鬼籍に入ってしまってるんですよね~…
 市川昆監督の、エヴァンゲリオンなど数々の映画やアニメに影響を与えた、才気に満ちた斬新な演出や映像が、いま観ても新鮮です。
 蛇足ですが。犬神家の一族は、30年ぶりに同じ市川昆監督の手によってリメイクされました。主演も同じ石坂浩二。とんでもない駄作として、典型的なリメイクの悪い例となってしまいました。どうして市川監督は、晩節を汚すようなことをしてしまったのでしょう。残念でなりません。
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アイルランドの夏⑥ 潜入!名門校学生寮 ーダブリン

2015-12-23 | 旅行、トレッキング
 朝から大雨。サロンで窓の向こうの雨模様を見ながら朝食をとってると、他の宿泊客もにぎやかに席につき始めました。ほとんどがアメリカ人の熟年夫婦で、フレンドリーに話しかけてくれます。昨日行ったイニシュモア島や、彼らが行く予定のモハーの断崖について、軽く情報交換などし合いました。アイルランドには、どこへ行ってもアメリカ人観光客がすごく多いと感じました。アイルランドからの移民が多いアメリカ。多くのアメリカ人にとって、アイルランドは心のふるさとなんですね。
 宿の人たちに別れを告げ、高速バスでダブリンへと戻ります。片道バス代は€12(学生料金)で、鉄道のほぼ3分の1!9時15分にゴールウェイのコーチステーションを出発、昼前の11時45分にはダブリンに到着しました。
 この日から最終日までのダブリンでの宿泊は、トリニティカレッジの学生寮。夏休みの間、観光客に開放しているのです。ヨーロッパの名門大学の学生寮に滞在なんて、貴重な体験になりそう。ちょうどお昼のトリニティカレッジは、観光客でにぎわっています。エリザベス1世によって創設されたという歴史ある大学。作家のオスカー・ワイルドも卒業生です。建物や銅像など、古い歴史を感じさせてくれます。正門を入って左側の建物の前で、結婚式の撮影してました。教会か何かあって、ここで結婚式できるのかな?

 やはり左側の建物にあるアコモデーションオフィスに入って、チェックインします。学生さんたちが取り仕切っていて、みんな美男美女でビックリしました。私のチェックインは、美人のお姉さんが。大学の地図(字がちっちゃくて、年寄り泣かせ)と、寮に入るためのカードキーを受け取ります。
 私の滞在する部屋がある寮は、キャンパスの奥のほうにあって、かなり歩きます。カードキーを使って中に入ります。寮内はシーンと静まり返ってて、無人の空気。私の部屋は3階。エレベーターはなく、階段で。よっこらしょとスーツケースを抱えて階段を上がろうとすると、階段を若い男性がおりてきました。その小柄でメガネかけた髪の薄い男性は、優しく私に話しかけてきます。かなり訛りのある英語。ブラジルからの留学生らしい彼は、私の荷物をもって部屋へと案内してくれました。めっちゃ親切!
 部屋は、思ってたより広くてベッドも大きく、簡素で清潔でTVなどはなく勉強机があるところが、学生寮らしい室内。

 窓からは、美しい緑と静かなキャンパスが見渡せます。寝心地のよさそうなベッドに転がりちょっと休憩した後、再びダブリンの街へと繰り出します。
 雨もすっかり上がり、爽やかな晴天。ダブリン中心地は観光客でいっぱい。この日は特に目標を定めず、気ままに街ブラ。人気の雑貨店アヴォカ本店に入ってみます。支店よりも、やはり品揃えが豊富。可愛い服や小物、変わった食材などを売ってて、また時間が経つのを忘れて見回ってしまいます。
 ブラブラ歩いて、今度は国立美術館へ。ここにはピカソ、モネ、モリゾなどの絵画があり、カラヴァッジオの“キリストの逮捕”が特に有名で人気なんだとか。フェルメールの“手紙を書く婦人と召使”も印象的でした。美術館にある雰囲気の良いカフェで休憩。カフェラテとチョコオレンジケーキ、美味しゅうございました。

 ふたたびブラブラ散歩。リフィ川沿いを歩いて行くと、北岸に停泊してるジーニー・ジョンストン号にたどり着きました。大飢饉時代、多くの移民をアメリカへ運んだという帆船です。船の近くには、不気味な大飢饉のモニュメントが設置されてます。リアルすぎて怖い!

 昼下がりには、有名なギネスストアハウスへ行こうと、のんびりオコンネルストリートへ向かってたら、え?!何?!何ごと!?いつの間にか、オコンネルストリートは人!人!人でごった返し。お祭りか何か?!と思ったら、デモだった。

 よく分からんが、たぶん公害問題に関係するもの?デモのせいで、交通はストップ。ギネスストアハウスへ行くためのルアスも動かなくなってるし!どーしよ~。オコンネルストリートのルアス停留場で、交通整備の黒人のお兄さんが、3つ先の停留場からなら乗れると教えてくれました。しょーがねーな~と、そろそろ歩き疲れてきた足に鞭うって、トボトボ3つ先の駅へ。途中、スコールのような大雨が降ってきて、ひえー!やっとのことで到着した停留場には、大行列!やっと乗れても、ルアスはまったく動く気配なし。時間はどんどん過ぎてゆく。ギネスストアハウスを諦めようとしたら、ルアスがいきなり発進。
 James'sという停留場で降り、徒歩5、6分ほどでギネスストアハウスに到着。

 アイルランドといえば、やはり最も有名なものはギネスビールでしょうか。広大なビール醸造所の敷地内に、7階建てのビルがあります。そこで、ギネスビールの歴史や製造の過程などを紹介、展示してるのです。人気観光スポットなので、チケット売り場の前はたくさんの人が。中はさながらビール万博といった趣。ビールが好きな人には、とても楽しいのではないでしょうか。ギネスストアアウスを訪れた有名人の写真が展示されてるコーナーもあります。エリザベス女王やオバマ大統領、トム・クルーズetc.って、え!?意外な人が!それは、韓国のスターであるチョン・ウソン!女王や大統領、ハリウッドスターと肩を並べてるなんて、ウソンすごいわ~。見学をし終えると、ビールの試飲ができます。私はあまりビール好きではないのですが、ギネスビールはわりと飲みやすいので好きです。

 ビール万博よりも、私が夢中になってしまったのは、ギネスグッズ。すごくカッコよくてオサレな服や小物がいっぱいあって、アヴォカ以上に時間の経過を忘れて物色してしまいました。爆買したい!けど、予算は限られてるので、自分用のTシャツとか、ダミアンやピーターへのトランクス、ライターなどお買い上げ。
 ギネスストアハウスを出ると、もう夕方の5時過ぎ。でも、まだ外は明るい。有名なパブ、ブレインズヘッドに行ってみたのですが、まだ明るいのにもう人人人!ごはんやお酒は静かなところがいい私には、どうもダブリンという街は向いてないようです。今度は、ザ・チャーチというパブに。

 その名の通り、教会を改装したパプ。パイプオルガンとかステンドグラスとか、教会の雰囲気を残した美しい内装。ここも人は多かったけど、混んでるって感じではなかったので、ギネスビールのハーフパイントと、羊肉を注文。この赤ワインで煮込んだラムが、めっちゃ美味しかった!添えられてたクリーミーなポテトも。
 お腹いっぱいになったので、しばらくプラプラ宵の散歩。テンプルバーとか、もうアナーキーな酔っ払いの巣窟と化してました。歩き疲れたので、トリニティカレッジに戻る。すっかり暗くなったキャンパスは、し~んと静まり返ってひと気もまばらで、ちょっと怖かった。寮内は、やはり私以外無人っぽい。共同シャワーも、気兼ねなく独り占めです。すごくキレイなバスルームなのですが、お湯の出が悪すぎ!疲れた体に、冷水はかなりキツい。部屋に戻ってベッドに潜り込むと、静けさの中にも遠くからダブリンの街の喧騒も微かに伝わってきます。一日を無事に楽しく終えたことに安堵しながら、眠りについたのでした。
 to be continued…
 
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母なる国イギリス

2015-12-21 | 欧米のドラマ
 イギリスのTVドラマ「スモールアイランド」前後編を観ました~。
 終戦直後のロンドン。夫が戦地から戻らず、精神を病んだ義父とともに下宿を営みながら留守を守るクイーニーは、黒人のマイケルと恋に落ちる。一方、下宿人であるギルバートは、ジャマイカから妻のホーテンスを呼び寄せる。マイケルはホーテンスの初恋の男だったが…
 今をときめくベネディクト・カンバーバッチ出演、ということで、バッチファンのmy motherと一緒に観たですが、バッチ主演!というのはJAROに通告ものな誇大広告です。バッチさんは重要な役ですが、脇役で出番もそんなに多くありません。でも、ドラマ自体は想定外の感動作でした。my motherなんか泣きながら観てました。冷血人間の私は一粒の涙も出ませんでしたがいいドラマ観たな~という満足感は得ました。
 ジャマイカで生まれ育ったホーテンスが夢見ていたように、私にとってもイギリスは憧れの国。でも…文化的で優雅で洗練されている美しい国イギリスは、厳然たる階級社会とシビアな人種差別が横行している恐ろしい国でもある、というのが現実。このドラマで描かれていた、当時の人種差別・偏見には戦慄せずにはいられませんでした。アメリカの黒人差別偏見も壮絶だけど、イギリスも非道すぎる。黒人を人間扱いしてないんですよ。何であんなに卑劣で残酷なことができるんだろう、と疑問に思ったり憤ったりするほうが、彼らにとっては理解しがたい誤ちなんですよね~。黒人が自分たちより劣っているという考え方は、信号が青になったら横断歩道を渡ることと同じぐらいの常識、みたいな。そこが怖くて虚しい。いろんな映画の中での、陽気なアメリカ人や上品なイギリス人に魅せられつつ、黒人を虐げ蔑む彼らの野蛮さ醜さに恐怖もする私です。

 劇中でギルバートが舐める辛酸には胸が痛み、怒りを感じずにはいられませんでした。とにかく、黒人であるがゆえに理不尽で非情な目に遭いまくるギルバート。これでもか!と冷遇やイヤガラセ、暴力を受けるのですが、勤め先の郵便局で白人の同僚たちから受ける仕打ちとか、ほんと下劣で陰湿。犬だって、猫にはもっと優しいですよ。部屋に戻れば、世間知らずで気位が高くてKYで料理が下手でエッチもさせてくれない女房が待ってるし、心身ともにストレスだらけのギルバートが可哀想すぎ。私だったら、絶望のあまりテムズ川に身投げしてるかも…そうはならず、悔しさや怒りをバネにして前向きに明るく、そして他人への思いやりも忘れず生きるギルバートの姿に、日ごろ些細なことで凹みがちな私は大いに勇気づけられました。自分のことで精一杯な時も、優しさを失ってはいけない。無情で過酷な人生の中にあっても、誰かを恨んだり憎んだりせず、強く優しく生きるギルバートとクイーニー。思いがけない形で報われたり救われたりする彼らに、神さまってちゃんと見てくれてるんだな~と心が温まりました。
 キーパーソンであるマイケルが、不思議な存在として印象的。夫の留守中、マイケルと恋に落ち彼の子を身ごもるクイーニー。彼女の家の下宿人になったギルバートの元に身を寄せるホーテンスは、ジャマイカでマイケルに片想いしていた幼なじみだった…なんて、ありえないメロドラマチックな偶然・運命が、ちょっと韓流ドラマっぽかった。当時のイギリスとジャマイカの関係も興味深かったです。ギルバートの台詞『イギリスは母で、ジャマイカは子。子は母のことを慕ってるのに、母は子のことを知らない』が胸に残りました。
 このドラマ、キャストが秀逸でした。実質の主人公ギルバート役のデヴィッド・オイェロウォ(名前、言いにくい!書きにくい!)が特に素晴らしかった!

 キング牧師役を熱演した「グローリー 明日への行進」など、最近躍進目覚ましい彼、いや~いい役者ですね!すごい好きになりました!どんなに困難で挫けそうでも~最後に愛は勝つ~♪なギルバートの、たくましく明るく茶目っ気たっぷりなキャラが最高にチャーミングだったということも要因ですが、オイェ(名前が難しいので、略す)の見た目や雰囲気も男らしくて愛嬌があって、いい男なんですよ~。私の黒人俳優ベストはテレンス・ハワードだったのですが、このドラマ観てオイェがナンバーワンに踊り出たかも。すっぽんぽんになるシーンで、すごい肉体美も披露。

 ベネディクト・カンバーバッチは、クイーニーの夫役。わけあって失踪し、ひょっこり戻ってきて波風を立てる困ったちゃんな男を、バッチがデリケートに演じてます。善人なんだけど、どこか破綻してる危うさ、悲哀はバッチならでは。ホーテンス役は、007のミス・マネーペニー役でおなじみのナオミ・ハリス。お高くとまった自己チューKY娘役でイラっとする、けど何かズレてて笑える。ホーテンスとギルバートの噛み合わないやりとりは、かなりコミカルで楽しかったです。

 ↑ジャック・オコンネルくん、バッチさん、オイェの3ショット。誰とでも仲がよさそうなバッチさん、いい人なんだろうな~
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愛の欠陥住宅

2015-12-20 | 北米映画 80s~90s
 「マネー・ピット」
 ニューヨークで恋人のアンナと同棲中の弁護士ウォルターは、突然アパート退去を余儀なくされる。格安で手に入れた郊外の邸宅に、二人は嬉々として引っ越すが…
 「ビッグ」や「スプラッシュ」など、80年代に幼い私をときめかせたトム・ハンクス主演作。何度も同じこと言って恐縮ですが、80年代のトムは神カッコよさ神かわいさ!現在のハンクス氏は、すっかりハリウッドの重鎮、貫禄も恰幅もある偉いオヂサンになってしまってるけど、若かりし頃のトムは別人のようにスマートなイケメン。この映画でも、若いエネルギーあふれる、でもナイーブさに胸キュンなコメディアンぶりで、往年のトム・ハンクスファンにはたまらない一本です。

 可愛いけど、母性本能くすぐる系の可愛さではなく、かなり男らしいところもトム・ハンクスの魅力。ぐいぐいヒロインをリードし、俺に任せろ!と愛の巣改築に奔走・奮闘する頼もしい姿は、まさに理想の夫。ヒロインとのスウィートなイチャイチャシーンも、トム・ハンクスみたいな恋人にあんな風に甘えたり甘えられたりしたい~と羨ましくなったり。ちょっと嫉妬深いところも、あの程度だったら素敵な恋愛のスパイスです。若い頃のトム・ハンクスに、元カレと寝たんだろ?どうなんだよ?と、ちょっとしつこく攻められてみたい。可愛いすぎるシーンはいっぱいあるのですが、いちばんキュンときたのはやっぱアンナの浮気告白にキレるシーン。告白を聞いてる時の寝ぼけ顔が、超可愛かった!可愛いといっても、僕カワイイデショ?な気色悪い男ぶりっこ系ではなく、大真面目で神経質、ちょっと悲しそうなところが、トム・ハンクス独特の可愛さです。たまに顔が、ちょっと妻夫木聡に似て見てた。

 とんでもない欠陥住宅に、ひどい目に遭いまくるトム・ハンクスが可哀想で可愛い!アホでマヌケなシーン満載で笑えます。絨毯に沈んで動けなくなるシーンと、ションベン小僧にションベンひっかけられるシーンが特にアホ可愛かった。トム・ハンクスの、キレた時の怒鳴り声も好きです。大激怒してるんだけど、すごい滑稽で笑えるんです。気分が落ち込んだ時は、トムを怒らせてみたいと思わせる独特さ、可愛さ。あと、階段が崩落してショックのあまり笑いだすトム・ハンクスの笑い声が、すごい変で笑えます。

 トム・ハンクスと降りかかる災難との死闘は、さながらアクション映画。もちろんスタントも使ってたんだろうけど、激しく柔軟に動き回る丈夫さ元気さも、今のハンクス氏にはない魅力。それにしても…あんな欠陥住宅、ありえない~!壊れたり崩れたり漏れたり爆発したりetc.手を変え品を変えウォルターとアンナに襲いかかってくる欠陥は、まるでアトラクションみたいで楽しかったけど、フツーならあんな家には一日たりとも暮らせませんよ。命がいくつあっても足りんわ。ウォルター&アンナ、よく死なずに暮らせたな~。ていうか、出ていこうと全然しなかったのが驚異でした。あの前向きさとノーテンキさ、バイタリティはまさにアメリカ人です。
 
 うますぎる話、安すぎるものには何か裏がある、すぐに飛びついてはいけない。まず疑って慎重にならねばと、あらためて思いました。ウォルターってば弁護士のくせに、迂闊すぎ!日本でも今、欠陥住宅が社会問題となってるので、笑いごとではないテーマではありました。
 ヒロインのシェリー・ロングも、ファニーフェイスでチャーミングな好演。脇役も、みんな調子がよくてノーテンキで、いかにもアメリカン。ウォルターの顧客の金持ちのガキとか、大工軍団がいい味だしてました。ラストに判明する、ウォルターに欠陥屋敷を売りつける老女(名女優のモーリン・ステイプルトン)の正体にニヤリ。よくあんな家で暮らせてたな~と不思議だったので、なるほどと納得。ウォルターとアンナの髪型や服装、携帯やネットもない環境、ダイヤル電話とかのアイテムに、80年代ノスタルジー。この映画のプロデューサーは、トム・ハンクスとのコンビ作も多いスティーヴン・スピルバーグ監督。二人の最新作「スパイ・オブ・ブリッジ」も楽しみ。

 ↑80年代のトム・ハンクスは、私の洋画初恋男。カッコカワイかったな~惜しい人を亡くしましたね…って、今もご健在だっちゅーの
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遺産争族⑧⑨ 強く明るく欲深く!

2015-12-18 | 日本のドラマ(連続)
 向井理主演の「遺産争族」第8話と最終話を観ました♪

☆もうヒロインは無理?
 居酒屋を営んでる育生の友人の妹役、どっかで見たことある子だな~と思ったら、あ!「とめはね!」の朝倉あきちゃんじゃん?!何か久々に見た感じ。すごい端役なので、とめはねが好きだった私としては、ちょっとショック…
☆黒いムコ
 とうとう正体をあらわした?育生。伊東四郎に、遺産いくらぐらいあるのかと訊いてる時のムカイリーの顔、冷ややかで邪悪でドキドキしました

☆直葬
 爺が死んだら、葬式なんかせず病院から直で火葬場に!と提案する育生。とっても現代的で合理的な考え方で、私は大いに賛同。うちも老父母が死んだら、そうしたいです
☆赤ちゃんほしい
 楓に子づくりをせがまれる育生。ムカイリーと実際に子づくりした嫁が、ほんと羨ましいですね
☆かまってちゃん爺
 遺産を盾に、さんざん家族を翻弄した爺。寂しかったのは解かるけど、もし自分の祖父があんなことしたら、腹立つと思うわ~。
☆想い出にかわるまで
 爺の部屋から出火。火事と伊東四朗、といえば、あの名作ドラマを思い出した人、結構いたのでは?
☆バーニングマネー!
 燃える2億円!あな、もったいなや~!あんなの目の当たりにしたら、私ならショック死するわ!

☆天国コント
 火事で死んだ?爺と育生が、天国に。向井理におんぶしてもらって、歌いながらお金をばらまいてる伊東四郎は、まさに往年のコントみたいで笑えた。天国の門番役は、小松政夫に特別出演してほしかったかも。

 ↑ムカイリー得意の『はぁ~?!』が好き
☆いちばん強欲だったのは
 離散しようとする一家に、おまえらふざけんな!と育生のラストブチギレ。どんなドラマでも、相手が納得いかないこと言うと決まって向井理が言う『はぁ~?!』が、私すごく好きなんですよ。あの人を見下し全否定するニュアンスが、Mな私には萌え~。育生に罵倒、侮蔑されても、もう狼狽えたりしない強欲一家。今の世の中、お金よりも手に入れにくいもの=家族の愛とか絆、を欲しがってた育生こそ、もっとも欲張りだったと指摘する岸部一徳。お金、確かに大事だし欲しい。でも、それよりももっと大事なものに気づかず蔑ろにするのは、本当に愚かで悲しいことだと、ちょっとしんみりしてしまいました。

☆大団円
 育生も本音をさらけ出し、やっと本当の家族になれた河村家。雨降って地固まるラスト、かと思いきや…争いの火種アゲインの予感、で終わり。
★総括
 面白かったです。浅ましい話を、コメディにしてたのがよかったです。ほんとは、犬神家の一族みたいな内容のほうが好みですが
 出演者もみんな好演。向井理はほんとにカッコいい。冷笑とか人をバカにした表情、侮蔑に満ちた目つきなど、たまにブラック化するところは、結局ほんとは善い人役には惜しい魅力が。いつか本格的に性悪な役を演じてほしい。あと、もう好青年を卒業して大人の俳優らしい役、演技も期待。

 最優秀賞 向井理
 優秀賞 岸部一徳
 悪くなかったで賞 榮倉奈々 伊東四郎 余貴美子 室井滋 板谷由夏 岸本加世子 渡辺いっけい 光石研 鈴木浩介 朝倉あき 女弁護士 バーのママ
 ???賞 該当者なし
 いかがなものかで賞 該当者なし

 ムカイリーの次回作は、来春からスタートのNHK朝ドラ。うう~ん…無難路線ですね~…緒形拳が名演した「復讐するは我にあり」とか、意外とムカイリーに合うと思うのだけど…高村薫の「冷血」の一家皆殺し犯人役とか、ファンがギョっとするような、でも予想に反してハマってるかも?!な役とかにも果敢に挑戦してほしいな~ 
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サイレーン⑧⑨ いっしょに捜査一課、いきたいネ

2015-12-16 | 日本のドラマ(連続)
 松坂桃李主演の「サイレーン」第8話と最終話を観ただよ…

☆死体確認も杜撰すぎ!
 焼死体は橘カラのものと警察は断定。あんな異様な状況で、よく調べもしないで!
☆やっぱ捜査一課は無理だね…
 無事だった夕貴は、ひょっとしたら?!と疑い、夕貴ママに頼んで夕貴の髪の毛を入手し、科捜研に鑑定を頼む偲ですが。髪の毛より指紋のほうが手っ取り早いし確実なのでは?

☆ショボい格闘
 タイマン勝負の偲VSカラですが。何かね~…殺し合いの死闘なのに、迫力ないんですよ~。いや、桃李くんも菜々緒も頑張ってたとは思うんですが、ちょっと前に「スペクター」観たばっかだったせいか、あまりにも差がありすぎて。菜々緒より桃李くんはケンカ弱そうだし、菜々緒の走り方はOLのジョギングだし。

☆神業!天才整形外科医キャナメ
 カラに支配され、命じられるがままに彼女の顔を変えまくるロリコン変態整形外科医。ただ顔を変えるだけじゃなくて、身長まで?!もう整形なんてレベルじゃないですよ。魔法の域です。
☆火サスかよ!
 絶体絶命の偲。そこへ駆けつるける船越A一郎やチビデカ。2時間ドラマすぎるタイミングが笑えた。

 ↑トーリくんの変装(に、ほとんどなってなかったが)が可愛くて好きでした
☆めでたしめでたし
 何事もなかったように、職場復帰してる偲&夕貴。晴れて公認カップルにもなれて、幸せいっぱい。夕貴も偲も捜査一課に行けなかったのが、当然&安堵だからって、あの人が行けたのもどうかと思いますが。それにしても…うう~ん!?希代の殺人鬼が身内にいて、警察の仕事って続けられるの?! 
★総括
 滑り出しは期待できたのですが、どんどんアホらしい話になっていって、トホホ。カラの正体にも事件の結末にもガッカリ。原作が漫画だけあって、すごく漫画なドラマでした。大人向けではありません。
 主役のカップルも、お花畑すぎて。二人も含めて彼らの仲間たちも無能すぎて、こんな警察いやだー!と、ある意味カラより怖かった。でも、松坂桃李くん&木村文乃ちゃんは、すごくお似合いの可愛らしいカップルでした。文乃ちゃんは、でも今回は力量不足が顕著になってしまい、課題も残ったドラマとなりました。
 美味しいところを独占してしまった菜々緒が、結局いちばん得をしたドラマになりました。カラよりも「ファーストクラス」のレミ絵のほうが、菜々緒なかなか演技うまいじゃん!と思ったけど。非人間的なサイボーグ美は、今後もイロモノ的に活用できそう。目立つためなら何でもやりそうな菜々緒のことですから、いつかはニューハーフ役や妖怪役も嬉々として引き受けそうで楽しみ。
 
 最優秀賞 菜々緒
 優秀賞 松坂桃李
 悪くなかったで賞 光石研 要潤 藤吉久美子
 ???賞 木村文乃 北山宏光 山口紗弥加 大杉連
 いかがなもので賞 船越英一郎 ジャニーズの巡査 偲を手伝ってたギャル二人


 今年は映画にドラマに馬車馬のように働いてたトーリくん。お疲れさま!来年も、いい仕事を期待してまっせ~
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タコの触手に妖しく搦め捕られて…

2015-12-13 | イギリス、アイルランド映画
 師走の英国男優映画祭⑤
 「スペクター」
 待望の007最新作を、やっとこさ観ることができました~
 歴代のジェームズ・ボンドが、銃口に向かって銃を構えるお馴染みのオープニング(ガンバレル・シークエンス、というのだとか)って、ダニエル・クレイグ版では初めて見たような?ダニエル・クレイグがボンド役に就任してからは、従来の007のイメージを一新打破、シリアスで硬派なボンド像に私もすっかり魅せられたのですが、この最新作は今までのダニエル・クレイグ版007ファンの多くが戸惑い、驚く内容だったのではないでしょうか。何だかノリが軽くてド派手になってたような気がしたのは、私だけではないはず。過去の007へのオマージュ、回帰も感じられるシーンも多々あったり。あの笑ったら損みたいに無表情、いつも苦虫つぶしたような顔してるダニエル・クレイグasボンドが、ちょっとオチャメにキャラ変してるんですよ。Qやマネーペニーとのやりとりとか、爆走中のボンドカーを操作してるシーンとか、かなりコミカル。ああいうクスっと笑えるテイストって、今までのダニエル・クレイグのボンドにはなかったですよね。前作「スカイフォール」みたいな悲壮感がなく、何となく余裕で楽しそうだった。まあ、M女史をめぐって男たちのマザコン的愛憎愛怨ドロドロ渦巻いていたスカイフォールが、そもそも毛色が違い過ぎた特異な007だったのでしょう。最新作での軽やかさ、楽しさこそ、本来の007なのかも。私はスカイフォールのダークでヘヴィな世界観が好きなので、ワイン頼んだつもりがサワーが、みたいな物足りなさがなきにしもあらず、でしたが。

 この007最新作も、2時間半ぐらいある長さなのですが、そんなに苦痛を感じないほど次々よくもなあ、な急展開やアクションシーンのつるべうち、大がかりな大爆破シーンやパニックシーンには、いつもながら時間を忘れて引き込まれました。金かけてるよな~。劇場版MOZUとか、やっぱチャチいですよ。冒頭のブラジルでのカーニバルシーンとか、あれCGじゃなくてエキストラなの?!あれだけでも邦画には無理ですよね~。

 今までと違って軽やかとはいえ、リアルで迫力ある肉弾ガチンコファイトは、ダニエル・クレイグならでは。ほんと強そうですよね~。スパイというより戦士な魅力。そしてダニエル・クレイグといえば、トム・フォードのスーツ!これまた惚れ惚れするほどキマっててダニエル・クレイグって、「Jの悲劇」とか「レイヤー・ケーキ」とか007以外の映画でもファッションセンス抜群ですよね~。おしゃれなんか全然興味なさそうなのに、おしゃれ気取ってるスターなんか足元にも及ばないハイセンス。

 軽めの内容と同じく、ちょっと物足りなかったのは、ダニエルさん今回はまったくといっていいほど脱いでなかったこと。ダニエル・クレイグといえば、鍛え抜かれた肉体美だったはずなのに。ボンドガールとのラブシーンも、かなりの手抜き感が。もう年も年だし、アクションもラブシーンもしんどいのは解かるけど…いちだんと梅干みたいになってた顔は、ダニエル・クレイグ007卒業の噂に信憑性を与えます。

 メキシコシティ、ロンドン、ローマ、オーストリアのスキーリゾート、北アフリカの砂漠など、ボンドが飛び回る世界各地の景色が旅心をくすぐります。ロケ地の中ではやはり、007といえばのロンドンに最も強い憧れを覚えます。ボンドとボートでテムズ川クルーズしてみたい~。スカイフォールでも散々な目に遭ってたけど、今回もとんでもない惨事に襲われてたロンドン。テロが頻発してる昨今、映画だから!と笑えなかった…
 ボンドの仲間、新M、Q、マネーペニーの出番と活躍が目立ってたのも、今回の007の特徴でしょうか。

 特にQちゃん、大活躍でしたね。普段はMI6本部に引きこもってるイメージのオタクなQちゃんが、ボンドのためにアルプスまで遠征!無茶ばかりするボンド兄貴にブツブツ文句を言いつつ、彼のことが大好きだから放っておけないツンデレQちゃんは、おそらく腐には人気のキャラ。お金持ちの大学生みたいなQちゃんファッションも好き。あのセーターほしい!ベン・ウィショーくんの、ゲイっぽさをほんのり出してるところが、Qちゃんを独特で可愛いキャラにしてます。
 今回の悪役は、2度のオスカーに輝く名優クリストフ・ヴァルツ。悪役もどんどん大物になってきてる007ですね。悪役が得意なヴァルツおぢさんですが、「イングロリアス・バスターズ」同様、凶悪だけど何かオチャメで憎めないんですよね。ボンドガールは、モニカ・ベルッチとレア・セドゥ。ボンドより年上の熟女!ということでも話題になったモニカ姐さん。相変わらずの艶やかさ色っぽさですが、びっくりするほどのチョイ役です。レアちゃん、若いのにふてぶてしそうなフテクサレ顔が可愛い。マッツやハビさんなどこれまでの悪役や、亡きM女史も思いがけず登場するなど、さりげないサプライズも嬉しかったです。
 サム・スミスが歌う主題歌が流れるオープンニングのタイトルクレジットが、おしゃれでムーディ。タコが裸のダニエル・クレイグに絡むところが、妖しく美しくて好きです。

 007卒業か、続行か。明確な答えは避けてるダニさん。続けてほしいけど、そろそろ新ボンドも楽しみ。誰がいいですかね~?候補者として名前が上がってるトム・ハーディやヘンリー・カヴィルも素敵ですが、個人的には「フレミング」で007原作者をチャーミングに好演したドミニク・クーパーをキボンヌ(死語)ダニさんのボンド以外の役も、そろそろ見たいですね

 Qちゃんことベン・ウィショー、来春「リリーのすべて」「白鯨との闘い」が日本公開で、ますます人気上昇の予感TVドラマ“London Spy”では、またまたゲイの役!もはや名人芸ならぬ名人ゲイなベンを今後も応援♪
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