まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

早春 Ich mag dich ♡

2019-01-30 | 映画雑記
 Wie geht's dir?皆さま、ご機嫌いかがですか?インフルの猛威に戦々恐々な毎日ですね!
 先日、ドイツからラブレターが届きました~注目のイケメン、ヤニス・ニーヴナーくんから、ファンレターの返事!ぜんぜん期待してなかったので驚喜。ドイツ版おっさんずラブ「Jonathan」の彼、ほんとカッコカワいかった

 ポートレイトだけでなく、「Jonathan」と「タイムトラベラーの系譜 エメラルド・グリーン」」のポストカードにもサインして送ってくれたヤニスくん。ええ子じゃのお!イケメンな上にファンを大事にする彼が、ますます好きになりました。

 出演作がなかなか日本で公開されないので、日本ではいまだに知る人も少ないヤニスくん。新作のTVドラマ“Beat”では、ワイルドでパンクな役に挑戦してます。今後も応援&注目していきたいドイツイケメンです
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クーガー女

2019-01-27 | 北米映画 15~21
 「セリーナ 炎の女」
 20世紀初頭のノースカロライナ州の森林地帯。製材業を営むジョージは、火事で家族を失ったセリーナと恋に落ち結婚する。やがてセリーナは妊娠するが、流産し二度と子どもを望めない体になってしまう。ジョージはセリーナと結婚する前に手をつけた女給に産ませた息子を気にかけ始め、それに気づいたセリーナは激しい憎しみに駆り立てられ恐るべき行動に出るが…
 「アリー スター誕生」が絶賛公開中のブラッドリー・クーパー主演作。日本では劇場公開されず、DVDスルーとなりました。そんなに昔の作品ではないのですが、ブラパが若く見えて相変わらずカッコよかったです若く見えるけど大人の男で、男らしいけど優しそうなところが好き。日向と土のにおいがするけど都会的な雰囲気もあって、20世紀初頭のファッションも小粋なんですよね~。当時のスーツも、ぜんぜん古めかしくなくオサレに着こなしてます。アメリカ男にしては趣味がいいのもブラパの魅力。ブラパってすごくカッコいいのに、全然カッコつけてないんですよね~。ブラパの足元にも及ばないくせに、ナルシーにカッコつけてる中途半端イケメン俳優、いっぱいいて片腹痛いわ。

 見た目や性格、頭が良いパーフェクトな男はもちろん素敵ですが、弱い部分、悪い部分も魅力になるのが真の男前。今回のブラパも、男としてのスペックは最高に見えて、実はとんでもない致命的欠陥のあるダメ男の役なんですよ。いい人、いい男なんだけど、心が弱すぎ。性欲処理で抱いた女給が孕んでも知らん顔、生まれた息子も無視、でも妻が流産して精神不安定になって結婚生活が破綻すると、今までシカトしてた母子に慰めを求める始めるとか、身勝手すぎる!身も心も傷ついてるセリーナにとっても、不誠実で薄情な仕打ち。世間を騒がせたあのゲス不倫議員も真っ青のゲスっぷりに、女性なら誰でも不快になるジョージなのですが、ダメ男ゲス男もブラパが演じると憎めない。悲しそうにオロオロしたり、追い詰められてキレたりするブラパを見手ると、悪いのは女のほう!なんて思えてくるんです。ジョージみたいな役は、顔はフツーもしくはブサイクでも演技力抜群な俳優がやっても、演技力は学芸会以下だけどルックスはいい俳優がやっても、ただもう最低な男になるだけ。ゲスもダメも魅力にしてしまうブラパは、やはり卓越した俳優と言えるでしょう。

 ブラパご自身はスマートな男性と存じますが、ちょっとアホみたいな顔してるせいか、悲惨な物語なのにあまり深刻にも暗くもならないのがちょっと…ブラパにはやっぱ、シリアスな悲劇は似合いません。大物俳優になり、監督としても高く評価さるようになった最近のブラパは、すっかり本格派志向なご様子。たまにはまた、昔取った杵柄的にコメディ映画にも出てほしいものです。

 セリーナ役は、ブラパとの共演作が多いジェニファー・ローレンス。すでに大ベテラン女優の貫禄で、とても20代とは思えません。おばさん娘って感じ。それにしても彼女、ほんと気が強そう。かわいこブリっこ女優も苦手ですが、ジェニファーみたいな性格のキツさ、悪さを隠さない女優も、好感と共感を抱きにくい。ふてぶてしく意地悪そうな顔、雰囲気が怖い。同じクラスにいたらいじめられそう。本来ならセリーナは、狂気に蝕まれる悲劇のヒロインなはずなのに、ジェニファーだと単なる凶暴なイカレ女にしか見えん。美貌のヒロインという設定にも疑問符。山奥暮らしなのに、いつも髪型もメイクも衣装もスタイリストがばっちり!みたいなのも変だった。マクベス夫人みたいに夫に悪事をけしかけるセリーナの毒妻ぶりとか、夫の心が離れてしまうほどのセリーナの心の闇を、もっと丹念に描いてほしかったです。
 その他のキャストでは、予知能力のあるサイコっぽい山男役にリス・エバンズ、保安官役にトビー・ジョーンズと、英国の個性派俳優が助演。作業員役のオーストラリア俳優サム・リードが、チョイ役ながらなかなか目立つイケメンでした。

 ↑ 先日発表されたアカデミー賞のノミネーション。ブラパ、監督賞からはまさかの候補漏れ!残念でも、主演男優賞にはめでたくノミネートされましたクリント・イーストウッド主演&監督作の「運び屋」が、近日日本公開のブラパです
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死神に魅入られた歌姫

2019-01-18 | フランス、ベルギー映画
 インフルエンザが流行ってますね!わしの職場でも、5人ほどインフルに感染して病欠に。これからバタバタと次々に順番に…な恐怖におののいてます。わしはこれまで一度も罹ったことがないのですが、ぜったいに大丈夫!という何の根拠もない自信も今年は揺らいでます。だって今、そう…何か気分がダルくて咳が止まらないと、とうとう?!イヤー!!そんなはずはないので、今からジョギングしてきます(^^♪
 今Mステ観てるのですが、バックストリートボーイズが出演していてビツクリ!な、懐かしい~。最年少のニックが顔も体型もおっさんになってたけど、他のメンバーはそんなに変わってなかったのもビツクリ。脱退したケヴィン、いつの間にか再加入してたんですね。私もカラオケでよく歌った大ヒット曲「I Want It That Way」を歌ってくれたのも驚喜でしたが、ブライアンの声がヒドかった。声は劣化してたのは悲しかったです。

 「ダリダ あまい囁き」
 エジプトで生まれ育ったイタリア移民のヨランダは、フランスで受けたオーディションに合格し、ダリダという芸名で歌手デビューする。その美貌と歌声で、たちまちスターとなるダリダだったが…
 一世を風靡した歌姫ダリダの、華やかな栄光と悲劇的な私生活を描いた映画。歌手映画が最近流行ってるのでしょうか。フレディもアリーも、そしてダリダも、歌手としては大成功、富も名声も手に入れながら、プライベートでは不運で不幸、という点では見事に共通してます。フツーの人間として、男と女としての幸せまでは得られなかったのは、スターになるための代償なのでしょうか。私生活も幸せそうな大スターもいますが、彼らはきっと平凡な一般人には想像もできないような苦労や痛みを克服し、スキャンダルなんかに潰されたりしない、むしろそれを芸の肥やしにしてしまえるほどの強靭で冷徹な精神の持ち主なのでしょう。ダリダは優しすぎ、弱すぎ。スターとして生きるには、もっと神経が図太くないと。

 ダリダ、情に脆いというか情が深いというか、男に弱すぎ。男まみれな人生。もうちょっと男なしで頑張ろうよと思った。ただの淫乱、ヤリマンならまだ救いはあった。男なんかただの性欲処理、みたいな軽さがあれば、あんな悲劇的な末路にならなかったはず。重度のファザコンで、男への精神的な依存度が重すぎ。相手をする男もしんどいが、男から男へとさまよい続ける女もしんどい。人生に疲れたのというより男に疲れたダリダの最期は、可哀想というよりこれで安らげるねとホっとしました。

 男運も悪すぎるダリダ。ダリダの男たちが、これがまた見事なまでにだめんずばっかなんですよ。才能ある女性って、とかくダメ男を引き寄せがちで、しっかりした男よりもダメ男にハマって痛い目に遭うことが多いですよね~。ダリダが愛した男たち、悪人は誰一人いないけど、みんな大きな問題があって、はじめっから深いりしたら不幸は目に見えてる連中ばっか。そのうち3人が自殺とか、呪われてるとしか思えない不気味さ不吉さ。

 男たちとの不幸な恋愛と並行して、スターダムに乗り華やかに活躍するダリダの芸能生活が、ヒット曲やパフォーマンスをふんだんに挿入して描かれてます。世代が違う私でも、「ボヘミアン・ラプソディ」ほどではないけど、あ!この曲知ってる!な楽しみ方ができました。パローレ、パロ~レ🎵アラン・ドロンとのデュエット曲が、日本では最も有名でしょうか。ダリダのステージ衣装、私生活でのファッションも目に楽しいです。

 話よりも、ダリダの恋人たちを演じたイケメンがこの映画の魅力かもしれません。不倫略奪で熟年プロデューサーと結婚したダリダが、カンヌで恋に落ちる東欧出身の美青年役は、グザヴィエ・ドラン監督作品や「汚れたダイヤモンド」で印象を残したニールス・シュナイダー。金髪、色白、長身、タキシードもセーターも上品かつオシャレに着こなす、絵に描いたような美青年!チョイ役でしたが、彼がいちばんまともな恋人だったかも。

 ダリダが音楽祭で出会い恋に落ちるイタリアの新人歌手役のアレッサンドロ・ボルギも、なかなかのイケメンでした。私がいちばん好きなのは、3番目の恋人である18歳のイタリア少年役のブレンノ・プラシド。「眠れる美女」でイザベル・ユペールのマザコン息子役を演じてた子ですね。今回もイケメン!市原隼人+ジェームズ・フランコ、みたいな。繊細だけど恋に情熱的で一途なキャラが、見た目に合ってました。ラブシーンが大したことなく、すぐに退場するので物足りなかった。

 4番目の恋人である自称フランス貴族の男役、ニコラ・デュヴォシェルが十八番のドキュンなダメ男を好演。バカでもろくでなしでも、いい男だと魅力になってしまうところが女にはイタいですね。ニコラ、すっかり老けちゃってたのが気になった。
 ダリダを熱演したスヴェヴァ・アルヴィティは、派手で濃ゆい美しさがいかにもイタリア美女。たまにジュリア・ロバーツ、ソフィア・ローレンにも似て見えました。ダリダの弟役は、イタリアの人気俳優リッカルド・スカマルチョ。彼もすっかりおっさんになったわ~。ブルドッグみたいな顔になってたし。ダリダの弟役はちょっと無理があった。どう見ても兄、もしくは叔父。元いい男といえば、最近は監督として活躍してるヴァンサン・ペレーズも顔を見せてます。はじめ誰か判んなかった。美男の原型をとどめてない老化が悲しい。

↑ブレンノ・プラシド、1991年生まれの現在28歳

 ↑アレッサンドロ・ボルギ、1986年生まれの現在33歳
 イタリアのイケメンもチョベリグ(死語)ですね~
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高齢娼婦に密着取材

2019-01-15 | フランス、ベルギー映画
 「エヴァ」
 盗作で戯曲家としての名声を得たものの、次回作が書けず焦っていたベルトランは、エヴァという娼婦と出会う。謎めいたエヴァに翻弄されながらものめりこんでいくベルトランだったが…
 「エヴァの匂い」のリメイク?現代版?ストーリーもキャラ設定も、まったく別物になってました。最大の違いは、男女の年齢でしょうか。旧作は若い女と熟年男でしたが、新作は熟女と若い男になってました。二人の関係性も、かなりアレンジされてます。妖艶でミステリアスで冷酷な悪女に身も心も虜となり、翻弄されながらも溺れ、やがて破滅する男の話だったはずなのですが、この映画のベルトランはエヴァに激しい恋も欲情も抱いておらず、ただ見た目も性格もヤバい高齢娼婦を戯曲のネタにしようと密着取材しようとして失敗しトホホ、みたいな感じでした。

 確かにエヴァ、ネタの宝庫な女なので、彼女をモデルにすれば面白い作品が2、3本は書けそう。見た目からしてネタですもん。何でこんなおばちゃん、いや、おばあさんが!?仕事中のファッション、メイク、ウィッグ、妖艶ではなく妖怪ですしよほどの熟女マニア、枯れ専でないとエヴァは抱けんだろ~。なかなかの売れっ子だったエヴァ、世の中には若い女じゃ満足できない殿方も多いみたいですねでもエヴァはいくらなんでも特殊すぎます。キワモノの域に到達してますもん。ベルトランに浴槽に顔を沈められて、浮かび上がってきた顔とかまさに魔老女な怖さでした。

 私が客だったら、たぶんセックスはできないと思うので代わりに酒でも飲みながらいろんな話がしたいわ~。高齢娼婦の生きざま、才能ある作家だったらさぞや興味深い小説や戯曲として、彼女との関わりを昇華できたはずなのですが、無能なベルトランにはそれができなかった。せっかくのネタを活かせず、ただ酷い目に遭うだけなんです。特異なプレイや会話をするわけでもなく、エヴァに惚れてストーカーするわけでもなく、実にもったいない骨折り損のくたびれ儲けな関わり。才能がないって、悲しい。

 悲しい凡人だけど、そんじょそこらにいないイケメンだったのが、返って凶と出てしまったベルトラン。真面目に地道にまっとうに働けよ!と呆れつつも、あれだけイケメンだとフツーの生活なんてできないよな~とも。バカ男でも、美しいので大抵のことは甘やかされたり許されたりするので、ますます愚かになってしまうのがバカ美男の悪質さ、そして不幸です。でも私、生まれ変わるなら賢いブサ男よりバカな美男になりたいです

 作家としての才能がないだけでなく、人間としてもバカすぎるベルトラン。あそこまでイケメンじゃなかったら、恋人にもエヴァにもソッポ向かれてたでしょうし。ベルトラン自身も、エヴァに負けず劣らずな胡乱で隠微な生き方してるので、自分をネタに戯曲を書けばいいじゃんと思いました。盗作前は、彼も男娼もどきだったし。じじい作家に一緒に風呂に入るよう言われて、服を脱ごうとする冒頭のシーンがスリリングでした。じじい!いいところで発作起こすんじゃねーよ!と思った人、結構いたのでは(笑)。
 生き地獄のような狂気の愛の物話、みたいなのを期待すると、あまりのそっけなさ、大したことが起きない内容にガクっとなりますが、2大スターの競演はフランス映画ファン必見です。

 エヴァ役のイザベル・ユペールは、毒々しいんだけど何かすっとぼけてひょうひょうとしてる、といういつもと同じ芸風、じゃない、演技。いつも同じもキムタク、織田裕二レベルだともう飽き飽きなんだけど、ユペりんクラスの神女優となると、やっぱそーでなくちゃ!これこれ!と、注文通りの高級料理が運ばれてきたみたいな期待感、満足感を得られるんですよね~。エヴァは、「エル ELLE」のミシェルが会社をたたんで娼婦に転職、という設定でも通りそうなヒロインでした。冷たいけど軽やかにトボけてて、怖いけどクスっと笑えるユペりんならではのヒロインでしたが、さすがに若い男を惑わす女役には無理がある、御年が隠せぬ容色魅惑の悪女ではなく、ヤバい妖婆みたいになってたのは、計算された演技というより自然の成り行きだったのかも
 ベルトラン役のギャスパー・ウリエルが、相変わらずブラボーなボーギャルソンイザベル・ユペールとは「Un barrage contre le Pacifique」以来の共演でしょうか。

 盗作して名声を得たものの、次回作が書けず焦って暴走するイケメン役といえば、奇しくもピエール・ニネの「パーフェクトマン 完全犯罪」と同じ。イヴ・サンローラン役といい、天才人気ゲイ監督作品主演でセザール賞対決といい、やはり何か因縁めいてるボーギャルソン二人。ギャス男とニネっち、どっちの盗作男もイケメンなだけでなくバカ、というところも共通してます。どっちもこんなバカ男役にはもったいない、けどバカだからこそ女がほっとけない、バカも魅力にしてしまう美男、というところがただのイケメン俳優と違うところです。

 可愛かったウリ坊も、今やアラサーのギャス男に。いい感じに大人の男に成熟しつつ、痛々しい若作りおじさんではない青年っぽさもまだ失ってなくて、男として俳優としていちばん魅力的な時期ではないでしょうか。薄汚いバカ男役なのに、悪い男には全然見えないんです。雰囲気もだけど、やっぱあの瞳ですよ。すご~く優しい瞳。宮根とか大泉洋とかの目と比べたら、一目瞭然です。瞳って、口よりも正直で饒舌なんです。優しい瞳のせいで、ギャス男は真の悪役はできないかもしれません。

 ちょっと顎がトンガリすぎて見えることもあるけど、やはり一般世界には絶対いない類のイケメン。何気ないセーターとかジャケットとか、ハリウッドや韓国の悪趣味ファッションとは大違いな小粋さ。さすがパリジャン。スラっとして見えるけど、脱いだらマッチョなところもギャス男の魅力。歩き方がノシノシとイカつくて男らしく、気どってないところが好きです。
 イザベル・ユペールは、この映画のブノワ・ジャコー監督ともよく仕事をしてるみたいで、ヘンリー・ジェイムズの「鳩の翼」や三島由紀夫の「肉体の学校」など、日本では一般公開されないままなのが残念!DVDでもいいので観たい!

 ↑雰囲気でごまかしてるイケメンもどきが多い昨今ですが、ギャス男は正真正銘のモノホンイケメン!フランス映画祭で上映された「世界の果て」は、いつ日本で一般公開になるのでしょうか
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仁義なき討ち入り!

2019-01-13 | 日本映画
 「赤穂城断絶」
 江戸城松の廊下で刃傷事件を起こした浅野内匠頭は、即刻切腹させられる。大石蔵之介を筆頭とする浅野家の家臣たちは、主を追い詰めた吉良上野介を討つための決起を主張する者、お家断絶と開城という幕府の命令に従おうとする者、そして殉死を願う者と、赤穂城での大評定で激しく意見を対立させるが…
 「柳生一族の陰謀」のスタッフとキャストが再集結し、二匹目のどじょうを狙った時代劇大作。柳生一族ほど破天荒でダイナミックではなく、大ヒットもしなかったそうですが、時代劇映画ファン、やくざ映画ファンは楽しめる作品となっています。深作欣二監督ならではの仁義なきテイストに胸踊ります。
 江戸時代の武家社会と、現代のやくざ社会のヒエラルキーが、こんなにもカブるものなのかと驚きました。さしずめ幕府は日本最大の暴力団江戸組、幕府の実権を握る柳沢吉保や老中が江戸組の大幹部、吉良上野介など身分の高い武家は江戸組の幹部、浅野内匠頭は地方の有力やくざ浅野組の組長で、大石蔵之介がその若頭、赤穂藩士は浅野組の組員、といったところでしょうか。老獪で冷徹な柳沢吉保など、典型的な大物やくざ。討ち入りに逸る血気盛んな赤穂浪士も、典型的な下っ端やくざ。鉄砲玉とかヒットマンとか、やくざ映画でおなじみなキャラもいて笑えた。ちゃんとした武家言葉や所作は守られているのに、やくざの激しい抗争劇を観てるような錯覚に陥ってしまいました。数ある忠臣蔵映画の中でも、独特で特異な作品です。

 仇討ちに目の色を変え、荒々しく激しく動き回る赤穂藩士たち。忠義に燃えてるというより、血に飢えて殺気ギラギラといった感じ。ラストの討ち入りなど、鬼気迫る殺し合い。ほとんど虐殺です。吉良上野介はともかく、何の落ち度もないのに上野介に仕えてるというだけで殺される吉良家の家臣が可哀想!
 最大の魅力は、やはり豪華なオールスターキャスト。柳生一族からほぼスライド登板、そして柳生には出てないけど深作監督映画ではお馴染みの顔も新たに参入してます。大石蔵之介役は、柳生但馬守を大熱演、大怪演して強烈インパクトだった時代劇の大スター萬屋錦之介。柳生一族に比べたら、かなり抑えた演技。美しい発声での台詞まわしや端麗な所作など、時代劇演技の教科書のようです。今の人気俳優の時代劇が、いかに学芸会レベルかをあらためて思い知りました。千葉真一は赤穂浪士の一人でワイルドすぎる剣豪役。いま彼みたいな男くさい俳優、いないですよね~。息子のマッケンユーより、この頃のサニー千葉に抱かれたいです。浅野内匠頭役は西郷輝彦。柳生一族での徳川忠長に続いて、悲劇の貴公子役。
 柳沢吉保役の丹波哲郎、上杉家の重臣役の芦田伸介の、大物役が似合う大物俳優の貫禄と威厳。松方弘樹と成田三樹夫も出演してますが、カメオ出演的なチョイ役。吉良上野介役は、「仁義なきや戦い」でのズルくてセコい親分そのまんまなキャラで金田信雄が妙演。吉良上野介は、超大物俳優が演じたらヘンにカッコいい部分、人間的な部分を加えなきゃいけないので、金田氏みたいなズルセコおやじ役専門俳優のほうが合ってます。超大物といえば、三船敏郎がチョイ役でゲスト出演。オーラがすごく、出てきた瞬間におおっとなります。

 赤穂浪士の中では、近藤正臣がいちばん美味しい役だったでしょうか。はじめの凛々しい若侍ぶりも、後半の酒浸りの荒廃したダメ男ぶりも、男の色気があって素敵。現在は千葉県知事の森田健作もイケメン。堀田安兵衛役の峰岸徹も色っぽい男前。年配組では、藤岡琢也、遠藤太津朗、加藤嘉といった名バイプレイヤーが好演。
 個性も演技も強烈な俳優たちがひしめいている中、やはり存在感といい男の魅力といい群を抜いていたのが、上杉家の家臣で暗殺や諜報を指揮する小林平八郎役の渡瀬恒彦。

 登場は遅く、出番も多くはないのですが、メインキャラをかすませる演技と魅力。台詞もほとんどないのですが、声だけでも他の出演者を圧しています。彼とサニー千葉との一騎打ちは、この映画の白眉かも。壮絶な戦いに目がクギヅケ!迫力と緊張感と荒々しさがハンパない。あれ、撮り直しとか何度もできんよな~。つねぴーのダークな雰囲気、ギラギラした目、動きの俊敏さ力強さ、そして着物姿でも判る無駄な肉のないガッシリと引き締まった体に心奪われっぱなし。彼もまた、不世出の役者です。今の人気俳優なんか、ほんと無難すぎてつまんない。つねぴーの衝撃的かつあっけない最期もインパクトあり。

 つねぴーは当時34歳。信じられないけど、今の嵐の連中と同じ年頃!深作監督作品だけでなく、「事件」や「皇帝のいない八月」など役者として男として最も脂がのっていた頃で、ほんといい男、いい俳優で惚れ惚れします。70年代の彼の出演作、もっと観たくなりました。つねぴーをはじめ、すでに鬼籍に入ってる出演者が多いので悲しい。ご健在なのは、サニー千葉、近藤正臣、西郷輝彦ぐらい?
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妻が侵入された…

2019-01-11 | オセアニア、アフリカ、中東、その他のアジア映画
 「セールスマン」
 国語教師のエマッドは、妻のラナと共に所属する劇団の舞台「セールスマンの死」の稽古に励んでいた。そんな中、エマッドが留守にしていた家に何者かが侵入し、ラナを暴行するという悲劇が起きてしまう。それを機に、夫婦の間や周囲の人々との間に亀裂が生じ始め…
 イランの名匠アスガー・ファルハディ監督が、「別離」に続いて2度目のアカデミー賞外国語映画賞を受賞した作品。ファルハディ監督作は、「ある過去の行方」しか観たことがなかったのですが、この作品も評判通りの秀作でした。人と人との間には、どんなに愛し合っていても、信じ合っていても、親しくしていても、埋めがたい溝があるんだな~と、繰り広げられるドラマに思い知らされてしまいました。平穏な人生を乱して砕く理不尽な暴力だけでなく、それによって炙りだされてしまう人間関係の脆さが恐ろしかったです。いかにも映画や小説のネタっぽい人間の心に潜む闇とか狂気とかいったものではなく、多くの善良な人々の無意識で何気ない言動に見え隠れする思慮のなさ、無神経さがリアルで胸がザワつきました。

 悪人よりも怖いのは、善人の悪意のないKYさ、無神経さです。犯人の顔が見たいとか何の気なしにラナに言う隣人とか、内密にしておくべきことと認識できずに周囲に吹聴する大家とか、基本的には親切で親身な人たちなので、怒ったり責めたりできないのが辛い。彼らへの困惑や瞋恚、傷ついた気持ちを抑え隠し、ストレスを募らせながらも円滑な人間関係を営む努力をするエマッドとラナが、痛々しくも歯がゆかったです。相手の気持ちよりも、自分の独りよがりな“優しさ”と“正しさ”を優先してるのかもしれない…と、我が身を顧みてゾっとしました。気をつけねば!

 ショッキングで激情的なシーンや、息をのむようなドラマティックな展開などはなく、終始淡々と静かに物語は進行するのですが、散りばめられた謎に先が読めず、気になってラストまで退屈しません。ラナに起こったことがはっきりしてないなど、説明をほとんどしてないところも想像をかきたてられます。説明しないけど、説明不足でわけがわからない映画じゃないんですよね~。最近の映画って、おしゃべりで頭が悪い男みたいに説明や自己主張が多いのでウンザリ。その点、この映画は寡黙だけど目ですべてを語れる静かで賢い男みたいです。伏線の張り方や小道具の使い方がさりげなくも巧みで、脚本がとにかく秀逸です。結局は善良すぎて泣き寝入りするしかない二人か、と思いきや、ラストに意外なドンデン返しがあって、苦く重い余韻を遺します。

 イランを舞台にした映画は滅多に観られないので貴重。宗教色と政治色がほとんどなく、日本や西洋とそんなに変わらない生活の描写に驚かされました。もっと抑圧された厳しい生活を余儀なくされてるのかと思い込んでました。ベールを被り、肌を露出しない女性の衣装はまさに中東ならではでしたが、男に絶対服従、隷属、みたいな虐げられてる様子も全然なく、言動も恋愛も自由そうだったのも意外でした。でも、住んでるビルがいきなり取り壊されたり、演劇の脚本に検閲が入る、といった描写はさりげなくあって、窮屈で不自由な社会は垣間見ることができました。
 
 エマッド役のシャバフ・ホセイニが、なかなかの男前でした。コリン・ファレル+ジェラルド・バトラー、みたいな感じ?優しそうで知的なところも魅力的。寛容で冷静な表面と、グツグツと怒りと猜疑に煮えてる内面のアンビヴァレント演技が素晴らしかったです。カンヌ映画祭男優賞受賞も納得。ラナ役のタラネ・アリドゥスティも美人。気丈に見えて不安定な女心を静かに力演してました。エマッド夫妻が立つ舞台劇「セールスマンの死」も、最初から最後までちゃんと観たくなりました。イランにも行ってみたくなりました。観光旅行記とか幾つか読んでみましたが、イメージしてるような不穏で危険な国ではなさそうです。

 ↑薄っぺらい塩イケメンより、濃ゆい中東イケメンのほうが美味しそう(^^♪シャバフ・ホセイニはファルハディ監督の「別離」にも出演してるらしいので、観るのが楽しみ
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映画に猪突猛進

2019-01-08 | 映画雑記
 ゴールデングローブ賞が発表されましたね!
 日本でも大ヒット中の「ボヘミアン・ラプソディ」が作品賞と主演男優賞を受賞の快挙。ラミちゃんの受賞も嬉しかったけど、私が最も驚喜したのはベン・ウィショーの受賞!「英国スキャンダル」でTV部門の助演男優賞を獲得したベン子さん。壇上に小走りで向かう姿が、ちょっとキャマキャマしくて可愛かった!おめでとうベン子さん!次は映画でオスカーを狙おう!

 今年もいっぱい映画観たいですね!ぜったいにハズせん、陽春に日本公開となる話題作をピックアップしてみたけんね~

  女王陛下のお気に入り

 ギリシャの新鋭ヨルゴス・ランティモス監督の新作。女優たちのユニークかつ火花散る演技が絶賛され、今年のオスカー最有力との呼び声も高く、この春もっとも私が気になる作品!ランティモス監督が、私好みの男前なのも気になる~。

メリー・ポピンズ リターンズ

 ディズニーの名作、約半世紀ぶりの続編。私のお目当ては、大好きなベン・ウィショー♡でも今回のベン子さん、ゲイ役ではなく子持ちのやめも役ってのがちょっと残念

バーニング 劇場版

 日本が誇る文豪、村上春樹センセイの作品が韓国で映画化されました。お正月にNHKでテレビ版が放送されましたが、内容が不思議系すぎて私にはワケワカメでした劇場版はテレビ版では描かれなかった物語とかあるのかな。ユ・アインくんはやっぱ可愛い!謎のイケメン役のスティーヴン・ユアンの好演も高く評価されてます。

ふたりの女王 メアリーとエリザベス

 英国王室もの、大好き!去年のアカデミー賞主演女優賞を争ったシアーシャ・ローナンVSマーゴット・ロビーが競演し直接対決!大好きなガイ・ピアースも出演してます。

天国でまた会おう

 フランスの人気作家ピエール・ルメートルの傑作を映画化。ルメートルの作品に今ちょっとハマってるので、この映画ほんと楽しみ!

グリーンブック

 ヴィゴ・モーテンセンとマハーシャラ・アリがオスカー級の好演ということで話題。マハーシャラさんはGGの助演男優賞受賞。数々の傑作おバカコメディを放ったファレリー監督の作品、ということも期待させられます。

ブラック・クランズマン

 スパイク・リー監督の新作。デンゼル・ワシントンの愛息ジョン・デヴィッド・ワシントンが、いよいよ日本でも本格的お目見え。意識高い系映画ファンに人気のアダム・ドライヴァー共演。

 どれも待ち遠しいのお!皆さまはどんな作品を楽しみにしておらるるでしょうか?春もLet's enjoy movies together !
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いつものように幕ガガ~♪

2019-01-06 | 北米映画 15~21
 「アリー スター誕生」
 人気カントリー歌手のジャクソンは、立ち寄ったバーで歌うアリーに感銘を受け、自分のツアーに彼女を誘う。歌手になる夢を諦めていたアリーは、戸惑いながらもジャクソンとともにステージに立つが…
 レディー・ガガの映画初主演作として、公開前から話題になってた作品。多くの女性人気アーティストが、女優としても成功しようと目論んで失敗してますので、ガガも同じ轍を踏むんだろうと誰もが思ってたけど、いざ蓋を開けてみたらガガの演技は絶賛の嵐で、アカデミー賞主演女優賞のノミネーションも確実視されるなど、予想を見事に覆す大成功を収めたのでした。で、私の目から見た女優ガガはどうだったかというと…

 その独特というか特異な衣装やパフォーマンスで、ユニークを通り越してキワモノ、イロモノ歌手ってイメージのレディー・ガガの素顔は、デーモン小暮やゴールデンボンバーの樽美酒以上に謎だったので、原型に近い彼女が見られるのも楽しみでした。ゴテゴテ衣装やガッツリメイクで盛ってないガガは、美人だけどかなりキツそうな鬼顔でした。体つきもゴツくてイカツい。ゲイクラブで歌う彼女、どう見てもオネエさんの一人さすが本業は歌手、あたしは口パクなんかじゃないわよ!なドヤドヤな入魂のパフォーマンスは、エモーショナルで迫力満点。情が深い、情に脆い女心の表現がちょっと力強すぎるというか、オーバー気味な演技に映画半ばでオナカイッパイになってしまいましたが、いつも同じ女優や似たような女優ばかり見てる目には、映画女優ガガの個性と演技は新鮮でした。
 
 周囲にはべらせてるのがゲイや黒人ばかりというのが、マイノリティーの味方であるガガらしい演出。ガガの熱唱シーンも見どころ。「ボヘミアン・ラプソディ」と違って、あ!この曲!知ってる!好き!な楽しみ方はできませんが、曲を即興で作って即興でパフォーマンスするアリーの天才ぶりに驚嘆。才能あるアーティストって、みんなあんなことできるの?!アリーとジャクソンが初めてステージでデュエットするシーンとか、完璧なハーモニーすぎ!あんなん入念なリハーサルしても難しそう!とにかく、凡人はだだもう黙ってひれ伏すしかないアリーの才能でした。才能もだけど、ジャクソンと出会えたアリーの運の良さも神ってる(死語)。才能も運もない私なので、羨ましいかぎりです。

 スターになって富と名声を得れば得るほど、どんどんケバくなっていくアリー。いつものガガに近づいていってるのが、何だか皮肉な展開でした。アリーの大衆に媚びた下品なパフォーマンスを見て悲しむジャクソンの表情が印象的でした。ただのサクセスストーリーではなく、スターの虚栄の醜さと悲しさも描きたかった意図も感じられました。アリーが昇れば昇るほど、輝けば輝くほど、ジャクソンは暗く沈んでいく姿が悲痛。王子さまに見出されたシンデレラ物語というより、栄える者あれば滅びる者ありな栄枯盛衰、盛者必衰の物語でした。
 ガガ渾身の演技も賞賛に値しますが、私はジャクソン役のブラッドリー・クーパーの演技のほうに心惹きつけられました。もともとブラパが大好きだからということもありますが、今までの作品の中でも屈指の名演だったのもその理由です。

 カッコいいのに全然カッコつけておらず、スターらしからぬ温かみがあって、どんな失礼な一般人にも怒ったりセレブぶった気取りも見せないジャクソンは、ブラパご自身とカブるキャラなのでは。エラソーに指導したりせず、包み込むようにアリーの才能を引き出すジャクソンの優しさに萌え~。包容力のある大人の男だけど、少年のような純真さと傷つきやすさで母性本能もくすぐる男、だけど精神不安定でどこか破綻してる男、というブラパのオハコ役でもありました。いつしかとんだお荷物、足手まといな存在になっていくジャクソンは、イケメンなだけの演技ビミョー俳優が演じてたら、ただもうウザいだけの男になってたでしょうけど、チャーミングなダメ男を演じさせたら世界一かもしれないブラパだと、絶対にジャクソンを見捨てないアリーもだめんず女に見えないのです。ブラパの、あの見捨てないでと訴える子犬のような目!あれは卑怯!反則!アリーのグラミー新人賞受賞のステージでの醜態は、極めつけのダメ男っぷり。痛ましくも笑えた。

 ご自身が監督を務めているので、ガガだけでなく自分の魅力も活かすことにも尽力し、成功したブラパの才能にも感嘆。歌もギター演奏もお上手でカッコいい。悲しい最期も痛ましかったけど、私がジャクソンだったらおとなしくアリーのヒモとして幸せに暮らすわ~と、ジャクソンのガラス細工すぎる心がもどかしくなりました。ラストシーンのアリー、ちあきなおみの「喝采」みたいで笑ってしまった。ケバいセレブになっても、優しくけなげで常識を失わないアリーですが、ちょっといい人すぎ。ガガの怖い鬼顔と怒った時の迫力のせいか、結局は男からすべて吸い取って成りあがったヴァンパイヤ女にも思えてしまってあと、ウェイトレスやバーのダンサーや運転手が、底辺の人々みたいに扱われていたのも気になった。

 ↑主演男優賞&監督賞で、アカデミー賞ノミネーションが期待されるブラパです
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インチキイクメンの恐怖!

2019-01-03 | 日本映画
 皆さま、楽しいお正月をお過ごしのことでしょうか?お正月ももう終わり…わしは明日から仕事憂鬱すぎて腹が痛くなってきました(単なる食べ過ぎ?)…
 師走じゃないけど、UPしそこねた去年の邦画イケメン祭りの最終回を今さら(^^♪
 今年もいっぱい映画観るゾっと

 師走の邦画イケメン祭⑤
 「来る」
 可愛い娘に恵まれ、妻の香奈とともに幸せな日々を送っていた秀樹は、怪奇な現象に悩まされ始める。オカルトジャーナリストの野崎は、秀樹に霊媒能力をもつキャバ嬢の真琴を紹介するが…
 ホラー不感症な私なので、予想通り全然怖くなかったですむしろ笑えた。作り手側も、恐怖より笑いを狙ってたとしか思えない内容とシーンの数々でした。そもそも、この映画のどこに怖がればいいのでしょうか。腕や体半分がちぎれたり、妖怪?が襲ってきたりするのですが、おどろおどろしいオカルトっぽさは皆無で、ノリも視覚的にもかなり明るくてポップ。まるで洋楽のMVみたいなところは、「渇き。」や「嫌われ松子の一生」など中島哲也監督らしかったです。中島監督、オカルトには向いてないというか、はなっからオカルトを撮る気なんかサラサラなかったのでは。終始ハイテンションにギャーギャー大騒ぎ、ラストのお祓いはまるでド派手なミュージカルみたいでした。あのお祓い、かなり大がかりで金がかかってそう。誰が祈とう師に支払うの?と気になって笑えた。

 いろんな場所で血まみれ血しぶき、無残で怪奇な死に方、死体ゴロゴロなのに、無関係な人たちにはほとんどスルーされ、大した事件扱いもされないのが変で笑えた。いくらあの人物が警察や政治家に顔がきくといっても、あんなに簡単に隠蔽、ごまかしができるなんて無理がありすぎる。結局あの妖怪?の正体とか目的が何だったのかよく分からないまま終わってしまい、え?は?と当惑という余韻だけが残ってしまいました。
 キャストはなかなか豪華(なのかな?)です。中島監督の過去の作品に出演してる俳優、女優が再登場してます。秀樹役の妻夫木聡が、なかなか好演してました。「渇き。」より役も演技もmuch better!

 ブッキーもすっかりおじさんになりましたが、今でも可愛いですね~。おじさんなのに、淡いカラーのトレーナーやカーディガンが似合います。インチキイクメンという役が面白かったです。明るく優しいけど、軽薄で独善的で無神経でもある秀樹の言動には、かなりイラっとさせられます。悪意のない無神経な善人って、実際にはいない幽霊や妖怪よりもリアルで怖い。あんな奥さん泣かせなインチキイクメン、世の中いっぱいいそう。ブッキーパパのインチキイクメンブログも笑えた。幼い娘を可愛がるブッキーが素敵でした。無残な最期も笑えた。

 いちおう主演は野崎役の岡田准一で、クレジットもトップなのですが、登場がかなり遅く、役も演技も印象が薄かったような。岡田准一じゃなくてもいい役なのか、岡田准一の演技がそう思わせてしまったのか。彼もすっかりおじさんになったな~。某事務所タレントの中では数少ない美男子だとは思うのだけど、いかんせんチビすぎる。ブッキーも小柄だけど、岡田くんはさらにチビっこい。はじめはクールでニヒルだったのに、急にオドオドと小心なキャラに変わってたのが、途中で何かを省略した感ハンパなかったです。岡田くんとブッキーには、若い頃にアルモドバル監督の「バッド・エデュケーション」みたいな映画で共演してほしかったです。

 霊媒キャバ嬢の真琴役は、「渇き。」で魔性の美少女を演じた小松菜奈。長い黒髪というイメージの彼女が、ピンクのショートヘアでイメチェン。スタイルいいな~。足、長っ!錯乱したり血ヘドをゲボゲボ吐いたり、なかなか熱演してました。真琴の姉で最強霊媒師役は、「告白」以上の怪演で美味しいところをもってった松たか子。大女優?の彼女が、ほとんどイロモノ、キワモノな役。霊媒師というより、妖術師みたいだった。妖怪はあんたのほうなのでは?な面妖さが笑えた。ダークヒロインとして、彼女主演の新作も面白いのでは。

 香奈役は、またあんたか!な働き者、黒木華。「散り椿」でも岡田准一と出てましたね~。女優の人材不足が嘆かれます。いい子ちゃんな彼女しか見たことなかったので、育児ノイローゼというより無神経な夫ノイローゼ、ヒステリックで神経症気味、じわじわコワレていく演技は新鮮でした。菜奈ちゃんも松たか子も黒木華も背が高いので、ブッキー&岡田くんがますますチビに見えた。見た目も気も強そうな女優陣に比べて、ブッキー&岡田くんはヘボくてチョロチョロしてるチビおじさんって感じでした。秀樹の後輩社員役の太賀が、可愛くて可哀想な役でした。
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HAPPY NEW YEAR!

2019-01-02 | 無事是貴人
 明けましておめでとうございます!皆さま、素敵なお正月をお過ごしのことと存じます2019年が始まりましたね。元旦に初詣し、今年は災いのない幸せな年になりますようにと祈願したのですが、ああ、そんな祈りも虚しく、帰りにサイフを落としてしまうという災いに早くも見舞われ、ああ~今年もあかんわ~と早くも絶望の淵に突き落とされてしまいましたが、神社から電話があってサイフは無事戻ってきました。これって、ご利益あったと喜ぶべきなのか、早すぎる災いの到来を恐れるべきなのか…今年も禍福が糾える年になりそう。できれば福のほうにたくさん来てほしい…
 年末年始は、災いが怖いのでなるべく外に出ず、例年通り自室に引きこもってました。紅白とカープ特番、録画してた映画を静かにまったり観て過ごしました。紅白は、普段あまり見られないレアな歌手とかも出てたり、なかなか楽しかったです。でも、司会の内村が出しゃばりすぎ!去年の欅坂のときも思ったけど、今年はDA PUMPのUASに乱入ダンスとか、誰得な演出なの?本人は頑張ってる自分を楽しめるかもしれないけど、歌手のファンにとっては邪魔なだけなのでは。内村のはしゃぎっぷりのおかげで、某事務所タレントの印象が薄くなってたような。特に司会の櫻井くんの、自分が仕切りたいのに内村邪魔!と言わんばかりの笑ってない冷たい目が怖かった。大野くんの目も相変わらず怖い。広瀬すずも出過ぎ!司会としてはまったくの役立たずで失笑。

 最大の目玉は、やはり初のTV生出演となった米津玄師。徳島県の美術館からの中継。幻想的で美しいセットで大ヒット曲「LEMON」を生歌唱する米津さん。ちょっと整形逃亡犯、市橋被告に似てる?無表情だった彼が、最後に見せたはにかみが印象的でした。レアといえば、レコ大に続いて生出演のMISIAさん。またまた他の出演者を前座にしてしまう圧巻の歌唱!デビュー曲の「つつみ込むように…」を歌ってくれたのが驚喜でした。20年前の曲だって!もうそんなに経ったのか~と隔世…

 聖子の懐かしのヒットメドレーや、ゲイパブのショーみたいだった氷川きよしの着替え失敗とか、桑田佳祐とユーミンの大物ジジババの老体にムチ打つ胸騒ぎの腰つきパフォーマンスとか(後ろで見てる広瀬すずの、何このジジババ怖い…と引いてる、油断して笑顔を忘れた冷めた目!)、他の歌番組では絶対に見られないシーンの数々が紅白ならではでした。
 続いて、年始のカープ特番。RCCのカープ日本一TVでは、大瀬良くんとアドゥワくんがハワイでマリンスポーツを満喫。大瀬良くん、ますます恰幅がよくなって重量感ハンパない。スラっとスマートだった昔の大瀬良くんとは別人ですが、可愛い笑顔と優しい人柄は不変。いつもニコニコ温厚そうな福顔は、インチキ臭がキツい某事務所タレントの営業スマイルとは真逆です。アドゥワくんは見た目も言動も、ほんとに二十歳?!な大人っぽさ。大瀬良くんはやっぱ、いっちーかイマムーとイチャチャしてほしいな~。

 TSSのカープ特番は、セイヤ&野間っちが買い物と温泉。堂林、リョーマ、アツさん、コースケがハワイでマリンスポーツや買い物。堂林がなぜ優勝旅行に同行できたの?よく一緒に来れたな~と、その精神の太さに感嘆。カープのプリンスと呼ばれ、プロ野球界NO.1のイケメンだった堂林も、すっかりおじさんになって、腹とかぼってりタプタプしてたのが衝撃的でした。顔は太ったけどやっぱイケメン。

 ↑ゴルフでのパイナップルシャツも可愛かった大瀬良くん♡
 野間っち&セイヤの仲良しコンビ、新春の着物姿や温泉浴衣姿、ちょっとヤンキーっぽい普段着も、カッコいい~。体つきがもう一般人とも芸能人とも違う逞しさ、力強さで男らしい!今回も若くて美人の女子アナが一緒だったので、野間っちと彼女の親密そうな雰囲気が気になった!野間っちもセイヤも、女子アナに狙われてそうだもんね。温泉入浴で、野間っち&セイヤがヌード披露!おおっ思ってた通り、すげー肉体だ!野間っちは引き締まった筋肉質系で、セイヤはムチムチゴリマッチョ!どっちにも抱かれたいわ~新年早々、眼福でした

 それにしても。引退した新井さんと違い、あの人の名前はNGになってたのが、笑えるような侘しいような。創建ホームの2019年版CMもお目見え!当然あの人は消えて、大瀬良くんとセイヤの二人になりました。カッコいい編とオチャメ編、どっちも好き♡エースと主砲、カープを引っ張る二人のさらなる活躍を期待しましょう!

 最後に、今年のマイ目標。独善的にならず、人を批判するより肯定して気持ちよく受け入れたいです。あと、体を鍛えたいです。皆さまも新年の抱負、おありのことでしょうか。健康で楽しい一年になりますやうに!今年もよろしくお願いいたします!

 ↑私の新しい彼氏でーす♡か、可愛い新婚旅行でまたハワイ行こうネ(←初夢ならぬ初妄想)
コメント (2)
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