まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

大奥’83 元禄おんな絵巻

2010-05-26 | 大奥’83
 大奥’83、久かたぶりに再語りさせていただきとうございまする...(岸田キョンキョン調)
 ※ネタバレ注意!

 第二十話「奥様は魔性の女」
  阿久里・・・佐藤友美
  徳川綱吉・・・津川雅彦
  ぬい・・・原泉
  島田作左衛門・・・下元勉
  安・・・豊田真子
     ・
  滝川・・・鈴木光枝
  牧野成貞・・・田村高廣

 エロ鬼畜・綱吉が、家臣の妻と娘に手を出して、一家崩壊させる恐ろしい話。
 館林宰相時代からの忠実な家臣・牧野成貞の美しい妻・阿久里に好き心を刺激された上様は、阿久里に大奥へ来い!と命令。拒絶されると、牧野の留守を狙って屋敷に押しかけ、阿久里を強姦!ひ、ひどい!
 このレイプシーンが、また芸術的な演出なんですよね。肌とか見せたりしないのに、エロい。プレゼントのつもりだった花束で、阿久里を打擲する綱吉。紅い花びらが乱れ散った畳の上で、上様は気を失った阿久里を腕に...
 これは夢じゃ、うつつではないぞえ、と上様に手篭めにされた阿久里は、老女中ぬいに向かって狂ったような高笑いを...拒みつつ誘ってる?みたいな風情といいハスキーな声といい、佐藤友美の妖艶さ、まさに魔性っぽいです。
 その日を境に繁々とやって来る上様を、阿久里は嬉々として迎えるように。お湯殿から漏れる阿久里の、あっ...という喘ぎ声の色っぽいこと!小娘女優には出せない佐藤友美の熟女のエロさです。

 夫ならぬ男によって、身も心も女に目覚めてしまった自分自身と、なすすべもない夫を憎悪する阿久里。主君と妻との間で苦悩する牧野が、悲劇的すぎます。故・田村高廣の抑えた演技のほうが、単にオーバーなだけの最近の自称演技派男優の熱演よりも、内奥する感情を見事に表現しています。
 牧野夫婦の一人娘・安も地獄の日々。ママと別れて!と上様に直訴しますが、場所(狭い茶室で二人きり)が悪いぞ!案の定、安も上様の餌食に。上様よぉ~あんまりじゃね?エロでも、許せるエロと許せないエロがあるよ。
 母娘そろって上様に犯されてしまうなんて、何て残酷な運命でしょうか。自害しようとする牧野ですが、大奥に入って栄耀栄華してやる!と開き直った?安に説得されて、自刃は思い止まります。安、気丈というか強い娘ですね。もうちょっと美人な女優だったら良かったのになあ。ママのほうが美しいし。
 すべてを捨て、夫婦そろって旅に出る牧野と阿久里の安穏を得た表情...で、セ・フィニ~♪

 第二十一話「赤ちゃん騒動記」
  おとよ・・・ミヤコ蝶々
  おるい・・・ジュディ・オング
       ・
  阿部備後守・・・内藤武敏
  信子・・・司葉子
 
 いつものドロドロ悲話から一転、今回は故・ミヤコ蝶々のために用意された、ほとんどコテコテ上方喜劇な内容。
 湯葉づくりの名人おとよに扮したミヤコ蝶々、可愛いお婆ちゃんです。言葉はキツけど人情に厚い、そして大ボケかましまくるキャラは、まさにThat's ミヤコ蝶々!毒舌だけど飄々と愛らしい芸風と関西弁が、ほんとオチャメ。わざとらしくて不気味な中村玉緒とは大違い!
 台所を仕切る利口者おるいが、なぜかジュディ・オング。すごい美人。やっぱ非日本的です。顔は外人ですが、しゃべりはまったく日本人そのもの、いや、篤姫に出てた日本人の女優より、よっぽど時代劇の台詞まわしは上手です。とても外国人とは思えないぐらい。

 ミヤコ蝶々&ジュディ・オングの異色すぎるコンビを中心に、大奥で生み捨てられた赤ちゃんをめぐる騒動が、ドタバタと繰り広げられます。おっぱいポロンなシーンや、下ネタ満載!中村主水の嫁こと白木万里が、ミヤコ蝶々に振り回されるエラソーな御年寄役で、いい味だしてます。
 赤ちゃん問題も解決したラスト近くで、御台さま信子が登場(おお~!と思わず感嘆しちゃう登場の仕方です)。身分に隔たりはあるけど、共に京の都から江戸にやって来たおとよと信子は、二十五年ぶりの再会を喜び合います。毎回思うけど信子さまって、天女のように優しい御方。本来なら自分と直に会うことも言葉を交わすこともできない下女おとよへの、たおやかな親近感と敬意が感動的でした。ホントに高貴な女性って、あんなんだろうなあ。必要以上に威張ったりしないし、こーしたい!あーせねば!というガツガツ感がない。桂昌院や篤姫の賢しさって、しょせんは下賤の出ゆえの余裕のない必死さって感じですよね。
 大奥を定年で退がる予定のおとよに、残念だけど元気で...と労わる信子。ほのぼの、しんみりな二人の再会と別れでした。
 おるいに見送られてお城を退がり、長年の夢だったお遍路の旅に出るおとよ...で、セ・フィニ~♪
 
 
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大奥’83 おんな三界に家なし

2009-01-30 | 大奥’83
 五代将軍・綱吉の時代に突入!
 ※ネタバレ注意!
 
 第十八話「女の髪は象をもつなぐ」
  お伝・・・星野知子
  徳川綱吉・・・津川雅彦
  柳沢弥太郎・・・あおい輝彦
  万里小路・・・小林哲子
        ・
  桂昌院・・・淡島千景
        ・
  酒井忠清・・・神山繁
  信子・・・司葉子

 オープニングも華やかに重厚にリニューアル。トンデモ母子・綱吉&桂昌院の大暴れぶりが、怖くて面白い時代のスタートです。
 大奥に入る綱吉の正室・信子と、嫡男・徳松の生母・お伝。正妻と妾という立場ですが、お互い譲り合って仲良くしている二人です。司葉子は、ほんと臈たけた貴婦人って感じです。星野知子は、美人ですがデカい!着物とカツラが似合ってなくて、時代劇向きじゃないなあ。演技も、すごく一生懸命だけど、かなり大根です。

 津川雅彦の、おこない澄ましたエロ将軍ぶりが、ネットリ濃すぎてR指定ものです。苦手な俳優ですが、名優だとは心から思う。彼は後年の大河ドラマ「吉宗」で、綱吉を再演しましたよね。たぶん、この大奥83での名演が、NHKのスタッフにも強烈なインパクトだったからだと思います。
 今や将軍の母で怖いものナシな桂昌院、その冷酷非情さは誰はばかることがありません。超マザコン綱吉は、ママの言いなりだし。おまえは女、いや人間ではない、子供を生む器ぢゃ!と、田嶋妖子先生が聞いたら憤激ものな、桂昌院のお伝への人権蹂躙ぶりときたら。ひ、ひどい!
 鬼婆な桂昌院の子分・小山&荻島コンビも、これまた見るからに性悪なババアども。桂昌院の威光を笠に、お伝だけでなく信子まで軽んじるイヤミったらしい増上慢ぶりが、笑えるほど憎々しいです。
 インド?から江戸にやってきた象さんが、上様の御前で大暴れ!勇ましく立ち向かう上様ですが、象に踏まれても大丈夫なのは筆箱だけです(古っ)。
 取り乱すお伝を、森の木陰でなだめる柳沢弥太郎(後の吉保)。二人は、どうやら想いを通わせていた仲だったみたいです。来世です、と柳沢。まるで郷ひろみと聖子みたいな二人ですね。

 お腹さまに出世したお伝にパラサイトする、お伝の父&姉(宮尾すすむ&広田レオナが珍演)の卑しいオネダリキャラも、ムカつくけど笑えます。
 お世継ぎの生母とはいえ、人間らしい生き方を否定された人生に疑問を覚え始めるお伝に、徳松が重い病に伏せるという不幸が襲いかかり...
 不幸の前兆のような大地震の中、病の徳松を抱きしめるお伝...で、セ・フィニ~♪

 第十九話「姑は猫千匹」
  信子・・・司葉子
  お伝・・・星野知子
  徳川綱吉・・・津川雅彦
  柳沢弥太郎・・・あおい輝彦
  万里小路・・・小林哲子
  おくら・・・斉藤絵里
       ・
  関取・・・荒勢
  隆光・・・日下武史
  桂昌院・・・淡島千景

 今回のオープニングクレジットは、とても不思議な感じ。前回同様、お伝がヒロインなのに、あまり出番のない信子がトップになってます。女優の格とか、いろいろ大人の事情があるのかな。この先の司葉子と淡島千景の中ドメ・トメとかも。
 さて、徳松重態で江戸城内は暗澹とした空気が。お伝は息子を看病することも許されず、子供を産む器の仕事しろ!と、鬼婆な桂昌院に無理やり上様の褥へ。寝所へ向かう途中の廊下で、子作りどころじゃないのにと浮かない様子で立ち止まるお伝を、早く行け!と突き飛ばす小山。くわ~ほんとヤな女だねえ!
 エッチに乗り気ではないお伝に、女はおまえだけじゃないぞ!と捨て台詞の上様。ひどい男ですねえ。桂昌院は、若い腰元おくらを新しい側女にしようと画策。荻島によるお床入りレッスンが面白かったです。
 前回は象さんのサーカス?でしたが、今回の大奥イベントは相撲。元力士の荒勢が、シコふみ披露。
 徳松が、あえなく他界。子を産まない女には用はない、とばかりな桂昌院の冷酷さや、分不相応なオネダリばかりしてくる父に、お伝の絶望感はMAX状態。
 女人禁制の山に誤って入ってしまったお伝の女中が、お伝の嘆願も空しく桂昌院の命令で打ち首!に。か、可哀想~!桂昌院、ほんと鬼婆!もう死んだほうがマシ!と、ついにお伝はプッツン。自らも山に入っちゃうという自殺行為に。
 桂昌院さまに惑わされないで!と、上様に決死の覚悟で諫言するお伝。今まで言いなりの人形みたいだったお伝の反逆に、桂昌院は大激怒!こんな女、斬れ斬れ早う斬れ~!と、上様に迫ります。刀を構えた上様は...
 将軍の側室という華やかだけど虚しい身分を捨て、大奥を去るお伝。寂しい森の中へと入ってゆく彼女の、どこか安らいだ表情...で、セ・フィニ~♪

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大奥’83 Lの魔界!

2009-01-29 | 大奥’83
 家綱編も、いよいよラスト...
 ※ネタバレ注意!

 第十六話「断崖に立つ女」
  浅宮顕子・・・中野良子
  徳川家綱・・・田中健
  徳川綱重・・・沖田浩之
  お島・・・荒木由美子
  矢島局・・・大塚道子
       ・
  桂昌院・・・淡島千景
       ・
  酒井忠清・・・神山繁
  隆光・・・日下武史
  天樹院・・・加藤治子
  飛鳥井・・・草笛光子

 家綱との引き裂かれた仲、そして不治の病。まさに不幸のドン底な顕子。
 顕子の尽力で、念願だった日光東照宮に参拝できた家綱。夜陰にまぎれて、家綱の寝所にお島を送り込む矢島局。乳兄妹同士のままでいたほうが、と迷う家綱ですが、妹なんかじゃない、抱いて!と迫るお島に、ま・いっか、みたいなノリでお情けを。

 ↑矢島局、こ、怖い...
 腰元スパイの密告で矢島局の企みを知った天樹院(家光の姉・千姫)、順性院(家光の次男・綱重の母)、桂昌院(家光の三男・綱吉の母、あのお玉ちゃんです)の三婆が、打ちそろって大奥に乗り込んできます。さすがの矢島局も、三婆には平身低頭せざるを得ません。
 三婆の中でもとりわけキツそうなのが、お玉ちゃんこと桂昌院。天樹院は、身分柄いちばん威張ってますが、もともと将軍の姫君なためか、どこかおっとりした余裕がある。順性院は、わりと人が善さそうだし。そこへくると桂昌院は、冷たくて険があって腹黒そうで怖いです。腰元スパイは、桂昌院の回し者だったし。言い逃れしようとする矢島局をピシャリと一蹴し、早く厳罰を!と天樹院にせっつく非情な桂昌院。東照宮で淫らな行為はけしからん!と、お島を不埒な遊女呼ばわりして怒る三婆ですが、いちばん悪いのは慎みのない上様だよなあ。
 追放になりかけた矢島局母娘を、顕子が救います。顕子の嘆願に、天樹院と順性院は迷いつつも尊重する姿勢を見せますが、桂昌院だけは冷ややか。お玉ちゃん、ほんとヤな婆になったねえ。綱吉を将軍にしたい桂昌院にとって、家綱の子を産むかもしれないお島は目障りな存在、だから矢島局母娘を追っ払いたいのだ、と飛鳥井は明察します。

 いっぽう、顕子に片想いなストーカー綱重は、すげなく義姉に拒まれ、この性悪な京女が~!と怨み節。勝手な思い込みといい、プッツンして罵詈雑言といい、綱重くんってアブない男です。顕子はホント、いい迷惑!
 顕子と綱重のことを、また腰元スパイから知った桂昌院の策略で、江戸城内にはスキャンダラスな噂が。そのことの責任をとる形で、自害に追い込まれる綱重(切腹ではなくリストカット!)。怪しげな祈祷が笑える邪僧・隆光のお告げ通り、邪魔な綱重がいなくなって桂昌院はご満悦。淡島千景、黙ってれば上品で可愛いらしいおばあちゃまって見た目ですが、役は意地悪なんて生ぬるいレベルではなく、ほんと冷酷無情で怖いです。大奥83最凶キャラかも…

 お島が懐妊!でも、無事に産めるわけがなく、やられたらやり返すとばかりに、飛鳥井がお島に迫ります。お島、自分から階段をゴロゴロと!またスローモーション!これ怖いからヤメテー!
 お島を流産させたのは私です、と上様に告白する飛鳥井。ふ~ん、とスルーしちゃう上様。え~!?やっぱ上様って、アレなのかなあ。狂乱する矢島局に上様は、大奥を去れと軽やかに通達。もっと早くそうすればよかったのに!ほんと上様って、何もかもがズレまくってます。そのせいで、みんな大不幸じゃん!
 目が見えなくなる顕子ですが、何とか家綱の肖像画(そっくり。上手!)を描き終えます。飛鳥井は、不幸な顕子が不憫で慟哭。
 取り乱すことなく、気高い心を保ったまま顕子は、滝壺の断崖から...
 上様に、顕子の遺した肖像画を差し上げる飛鳥井。死んじゃったの?ふ~ん、みたいな上様に、顕子の想いは届いたのでしょうか...
 辛い日々だったのに、なぜか顕子の幸せそうな姿しか思い出せない飛鳥井の涙...で、セ・フィニ~♪
 しかしまあ、女たちの私利私欲やエゴ、プライドのせいでジャンジャカ水子にされちゃう上様の御胤が可哀想!大奥の女たち、徳川家の弥栄のために仕えてるとは思えません。

 第十七話「女の情に蛇が棲む」
  おせん・・・木ノ実ナナ
  お波・・・大場久美子
  お三輪・・・森田理恵
      ・
  お道の方・・・新藤恵美
  音羽・・・野際陽子

 大奥サスペンス劇場その二。サブタイトルが期待を抱かせます。
 おせんとお波は、同じ田舎から大奥奉公に上がった親友同士。お波は御年寄・音羽の部屋子に出世するが、おせんとは変わらぬ友情を誓い合う。折りしも大奥は、真夜中に見目麗しい女中たちが剃刀で顔を切られるという事件で震撼中。面妖な犯人の正体を突き止めるため、音羽の指令でお波は捜査に乗り出すが...
 大奥といえば、女だけの世界。そこには当然にように、女だけの淫靡で妖しい愛が...めくるめくLの世界!男同士と違って、女同士はネットリしてて、しかも攻撃的で、何か怖い。レズシーンは、R指定ものなヤバさです。
 火事で火傷を負った顔を、お面を被って隠す上臈たちも、妖しくて怖い。オナベな木の実ナナと色狂い熟女な新藤恵美のラブシーンも怖い。腰元探偵コメットさんは、すごく可愛いです。野際陽子は、大奥キャリアウーマンって感じでカッコいいです。野際さん、意地悪な姑役より、こーいう役のほうが似合うと思う。
 大奥を退がり、おせんの遺骨を持って田舎へ帰るお波の姿...で、セ・フィニ~♪
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大奥’83 策謀と欲望

2008-12-29 | 大奥’83
 家光の御世も、いよいよ終盤に...
 ※ネタバレ注意!

 第十二話「見ざる言わざる聞かざる」
  おりき・・・水沢アキ
  お万・・・紺野美沙子
  藤岡・・・本阿弥周子
  桂・・・片桐夕子
  浜路・・・金沢碧
      ・
  おこう・・・春川ますみ
  甚平・・・長門勇
  政尾・・・小山明子

 将軍の代替わりの時とかにある、間奏曲的な番外編。今回は、大奥サスペンス劇場その一、です。
 春日局亡き後、御年寄の座をめぐって密やかに陰険に暗闘が。御客会釈の藤岡と浜路が、次の御年寄候補。放火など、藤岡を陥れるかのような怪事件が次々と発生。窮地に陥った主人を助けるべく、御半下の田舎娘おりきが活躍!
 本阿弥周子とか金沢碧とか、往年の土ワイでお馴染みな、いかにも怪しい!な美女たちが、お約束のような怪しい演技。犯人は、意外?それとも、やっぱり?

 水沢アキの元気ハツラツ田舎っぺキャラが可愛いです。春日局の後任で大奥総取締役の座に就いたお万の方が、すっかりエラソーなキャラになってます。チョコっとしか出てきませんが。
 犯人を暴いて事件を解決したものの、陰険な大奥にウンザリして田舎へ帰るおりき...で、セ・フィニ~♪

 
 第十三話の「子連れ将軍と五人の女」
  孝子・・・坂口良子
  お万の方・・・紺野美沙子
  お玉の方・・・藤吉久美子
  おうた・・・斉藤とも子
      ・
  林羅山・・・仲谷昇
  南光坊天海・・・中村竹弥
  松平信綱・・・平幹二朗
  徳川家光・・・沖雅也

 家光編、ついに最終回。
 嫡子の家綱は心身ともに脆弱で、将軍の器にあらずと見なされていることに、家光は心痛してます。家綱の生母お楽の方(お蘭)はすでに病没してますが、お蘭と仲良しだったおうたちゃんは健在、家綱に献身的に仕えています。
 家綱廃嫡?!そんな不穏な状況に、次男の綱重の生母お夏の方、三男の綱吉の生母お玉の方の胸中も複雑そぞろ。後の犬将軍綱吉が、すでに犬を可愛がってたのが笑えた。

 ↑家綱役の子役が可愛い!この子、違う役で綱吉や家斉の時代の回にまた出てくるんですよ。可愛いし演技巧い!
 病に倒れる家光。大奥総取締役お万の方は、中の丸で隠棲している孝子を訪ね、大奥に戻ってほしいと懇願。ためらいながらも、病床の家光の枕頭に侍る孝子。愛し合いながらも、引き裂かれたまま虚しく年月を過ごしてしまった二人が悲しい。家光は孝子に詫びた後、静かに息を引き取ります。合掌。

 霧雨の中、松平信綱に見送られながら歩み去る尼姿の孝子...で、セ・フィニ~♪
 沖雅也の鬼気迫る演技が、怖くて圧巻。この家光最期の回放送日、本当に涅槃へと旅立ってしまった沖雅也。衝撃的な死によって、このドラマの名演は伝説になったのでした...
 

 第十四話「京より天女が舞い降りた」
  浅宮顕子・・・中野良子
  徳川家綱・・・田中健
  徳川綱重・・・沖田浩之
  お島・・・荒木由美子
  矢島局・・・大塚道子
      ・
  酒井忠清・・・神山繁
  天樹院・・・加藤治子
  松平信綱・・・平幹二朗
  飛鳥井・・・草笛光子

 四代将軍家綱の時代に突入。
 病弱な設定のわりには、サーファーみたいに日焼けして健康的に見える田中健の家綱です。玉木宏を東南アジア人っぽくした感じ?
 上様の脆弱さにつけこみ、乳母の矢島局が目に余る専横。大塚道子、めちゃくそ性悪そうな男顔が怖いです。矢島局を苦々しく思う松平信綱や老中たちは、京の伏見宮家より顕子姫を正室として迎えます。中野良子、知的な魅力のある御台さまです。顕子を支える股肱の臣として、宮廷随一の才媛・飛鳥井が江戸に随行。草笛光子、その貫禄が頼もしい!

 大奥で婚礼の前に、家綱の伯母にあたる天樹院の屋敷に入る顕子と飛鳥井。天樹院、そう、あのアル中グレ娘の千姫です。三原順子が加藤治子にってのは、ちょっと???ですが。顕子には優しそうな天樹院ですが、加藤治子なのでやっぱヒトクセありそうです。
 家綱の異母弟・綱重が、E気持ち~♪故・沖田浩之!また金八先生から問題児が登場。前回までは沖雅也、そして今度は沖田浩之が...何だか怖い涅槃な偶然ですよね。綱重くん、美しい義姉の顕子に叶わぬ恋心を。
 家綱との新枕の前に、顕子に子堕ろしの毒薬を飲ませようとする矢島局。それを毅然と退ける飛鳥井がカッコいい!でもまた猫ちゃんが毒見役で、ギエエエエ~!と絶叫して頓死!可哀想!
 家綱と顕子は相思相愛。でも、矢島局の陰険な策略によって、二人の間には溝が。そんなしょーもないことで、奥さんに冷たくなるなよ~!な、ダメ将軍家綱にイラッ!いい人なんだけど、ちょっとボ~としすぎというか、かなりアホ?
 絶望した顕子は、飛鳥井のすすめで京に戻ることに。でも、上様を矢島局の毒牙から救いたい顕子は...
 大奥へと戻る顕子を乗せた籠...で、セ・フィニ~♪

 ↑家綱、とっても男前なんだけど...ちょっとオツムが?イライラするほどボ~っとしてます
 
 第十五話「めんどり歌えば家亡ぶ」
  浅宮顕子・・・中野良子
  徳川家綱・・・田中健
  徳川綱重・・・沖田浩之
  お島・・・荒木由美子
  お振・・・内山みどり
  矢島局・・・大塚道子
      ・
  酒井忠清・・・神山繁
  天樹院・・・加藤治子
  飛鳥井・・・草笛光子

 大奥に戻る顕子と飛鳥井ですが、矢島局は相変わらずデカい顔でのさばってます。自分の娘お島を家綱の側女にと目論む矢島局ですが、お島は純真に乳兄弟である上様をお慕い申してます。
 上様と仲直りしたい顕子は、歌会で上様に歌を。でも矢島局が上様を怨む歌(怨めしや~怨めしの~なんてスゴい歌で笑!)にすり替え!またまた上様は遠ざかってしまいます。あんな歌を顕子が詠むわけないのに、それが分からない上様って、やっぱアホ?
 矢島局撃退のためには、こっちからも上様に側女を!と、飛鳥井が引き合わせた娘お振を、あっさりと夜伽に召す上様、ほんと何も考えてないようなボ~っとした男です。お振は寵愛も深く、やがて懐妊!顕子の気持ちを思い、手放しに喜べない飛鳥井。優しく聡明な顕子は悩む飛鳥井を励ましますが、胸の内には深い悲しみが...
 矢島局の策略で、お振は流産!口紅に仕込まれた毒でウゲゲエ~!階段を転がり落ちるスローモーション。こ、怖っ!下手人の腰元は、口封じされ池にプカリと...
 ショックの顕子に、追い討ちをかける悲劇が。彼女の頭は、悪性の腫瘍に侵されていたのでした。余命いくばくもないと知った顕子は...
 城内にある滝壺、崖の上に立つ顕子が京から持参した扇を投げ捨てる、...で、セ・フィニ~♪
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大奥’83 TENCAを獲ろう!お玉の野望

2008-12-28 | 大奥’83
 “玉の輿”という言葉の語源となったと言い伝えられている、五代将軍綱吉の生母・桂昌院のサクセスストーリーは、大奥の長い歴史の中で最も有名な逸話のひとつです。
 ※ネタバレ注意!

 第十話「虹を掴んだ少女」
  お玉・・・藤吉久美子
  お万・・・紺野美沙子
  津和・・・宮園純子
  与兵衛・・・森川正太
      ・
  亮賢・・・芦屋雁之助
  おせき・・・高森和子
  酒井忠勝・・・山内明
  徳川家光・・・沖雅也
  春日局・・・渡辺美佐子

 前回、見事に上司の仇を討ったお玉ちゃんが、どういう経緯で江戸城大奥に上がることになったか?話は京の都からスタート。
 京の八百屋の娘お玉は、幼い頃に見知らぬ僧侶から、この娘はいつか天下を獲る!という予言を受け、それを信じて成長します。
 年頃の娘になったお玉、藤吉久美子が、可愛い~!石原さとみを素朴に頑強に賢そうにした感じ?それにしても。お万の方こと紺野美沙子もデカかったけど、藤吉久美子もデカ~い!お玉ちゃんったら、うちは天下を獲るんえ!日の本一の女子になるんえ!と頑なに信じ込み、幼馴染の与兵衛のプロポーズも夢見る夢子ちゃん状態で完全無視!与兵衛役の森川正太、いい味だしてます。
 大奥から、お万の方の侍女・津和が京の六条家に。お万の方のために京娘を部屋子に選ぶことになり、六条家でコンテストが。チャンス!と、お玉ちゃんは張り切って乗り込みますが、落選してガッカリ。が、そこで諦めるお玉ちゃんではありません。
 めでたく選ばれたお鈴に近づくため、お玉はひと芝居うちます。チンピラに扮した与兵衛がお鈴に因縁をつけ、そこにお玉が現れてお鈴を助ける、という筋書き。大成功して(芝居なのに、お玉に殴られるわ蹴られるわ、与兵衛が可哀想!)お鈴とお玉は親友同士に。小心者のお鈴は、江戸にcome with me!と、お玉に懇願。お玉の思惑通りです。津和に許され、お玉も大奥勤めをすることに。心配する母ちゃんと、泣きながら引き止める与兵衛に、笑顔でサイナラ♪意気揚々と江戸への行列に連なるお玉ちゃんです。
 旅の途中、津和から大奥の恐ろしさを聞かされ、お鈴はビビリまくりですが、お玉は上様にダッコされたら出世できるだの、大奥では誰が権力を握ってるだの、野心で目を輝かせてます。

 ついに江戸城大奥にやってくるお玉。機転が利いて愛嬌者な彼女は、お万の方の部屋だけでなく方々で重宝されます。すぐに大奥の女帝・春日局の目に留まることにも成功!春日局にスカウトされたお玉を、津和や先輩女中たちは裏切り者!恩知らず!と罵りますが、お万の方はお玉に運を開けと、優しいエールを送ってくれます。
 春日局の忠実で有能なブレーンとなるお玉。春日局は、もっか家光暗殺を目論む一味の蠢動に警戒中。上様の好きな干し柿を猫に食べさせたら...ウギェエエエ~!!と、猫ちゃんは絶叫して悶絶死!(妙にリアルなシーンでしたが...ホントに殺したんとちゃうか!?)注意しても独りで遠乗りで出かけてしまう上様に、春日局も老中も気が気ではありません。そこでお玉が、一計を献策。
 またまた家臣どもを振り切って、遠乗りに出かける上様。いつも通る村は、何か様子が違うなあと思いつつ、ある小屋の前で馬を停める上様。美味しそうな匂いに引き寄せられ、小屋に入って行きます。中では、村娘に扮したお玉がサンマを焼いていて,...
 小屋の前で草を食んでる上様の馬、のどかな青空には虹の橋が架かって...で、セ・フィニ~♪


 第十一話「上様はさんまがお好き」
  お玉・・・藤吉久美子
  津和・・・宮園純子
  与兵衛・・・森川正太
      ・
  亮賢・・・芦屋雁之助
  おせき・・・高森和子
  酒井忠勝・・・山内明
  徳川家光・・・沖雅也
  春日局・・・渡辺美佐子

 上様に内緒で、村人に変装した侍と女中が上様を警護、というのがお玉の策。上様は初めて食すサンマをお気に召して、城へ戻ってもサンマ食いてぇ~とご機嫌です。
 上様のお目が留まり、夜伽に召されることになったお鈴。ビビリまくって怖気づく彼女を、お玉は叱咤激励。が、お鈴ったら寝所で愛撫する上様を突然イヤ!と突き飛ばします。怒って帰っちゃう上様。不埒者!としょっぴかれるお鈴、いややー!!と錯乱して逃走、井戸へと投身自殺!!あ~あ、何としたことでしょう。江戸へなんか来ないほうがよかったね、お鈴ちゃん。合掌。
 お玉の機略で上様を狙う曲者どもも一網打尽にでき、ますます春日局のお玉への信望は厚くなります。が、女中に成りすました暗殺団の残党が、春日局に刃を!とっさに春日局もろとも橋から池に落ちるお玉...
 ピチピチ娘のお玉はケロっとピンピンしてますが、老女の春日局は風邪をこじらせて寝ついてしまいます。病臥する春日局の代わりに、お玉は大奥を采配し始めて...
 老中たちは、お玉がわざと春日局を池に突き落としたのでは?と疑惑。滅相もない!と泣いて抗弁するお玉ですが...うう~ん。確かに怪しいかも?
 大奥追放のピンチに陥るお玉ですが、どこまでツイてるねノってるね♪なのでしょう。彼女の腹には上様のお胤が宿っていたのでした。サンマと一緒に、自分も食べてもらってたのです。ホントちゃっかりしてますよねえ。
 持ち前の機転と才覚で出世するお玉と、可愛がってた彼女にいつしか地位を乗っ取られる春日局。二人の関係は、ハリウッドの名作映画「イヴのすべて」を彷彿とさせます。でも、お玉は悪賢い女狐なんかじゃないんですよね。彼女の意志以上の力、そう、強運がすべての人を虹を掴むための踏み台に変えてしまった、みたいな。
 重態に陥った春日局は、とうとう家光の腕の中でこの世を去ります。家光のためだけに生き、家光のために多くの人々を不幸にした業の深い彼女ですが、決して後悔などはしていないでしょう。徳川家のため、怨み憎しみにまみれることも厭わなかった烈女・春日局の血塗られた“女の一本道”に比べて、あおいちゃん篤姫の一本道なんて自分が汚れることは何もしない、カッコつけてるだけのスウィートなキレイごとじゃん!
 家光の御子を産んだお玉、いえ、お玉の方さまの引き立てで、恩人の亮賢や与兵衛、母ちゃんも江戸で出世を。やがてお玉の方は、五代将軍綱吉のご生母さまとして、女人としては最高の従一位の位を賜ることになるのでした。幼き日の予言は、見事に的中!
 まさにこの世の春、満開の菜の花畑を駆け抜けるお玉...でセ・フィニ~♪
 
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大奥’83 清らかな煩悩

2008-12-08 | 大奥’83
 ※ネタバレ注意!

 第八話「偽れる唇」
  孝子・・・坂口良子
  お優・・・田中好子
  忠長・・・金田賢一
     ・
  松平信綱・・・平幹二朗
     ・
  南光坊天海・・・中村竹弥
  徳川秀忠・・・中村嘉葎雄
  徳川家光・・・沖雅也
  春日局・・・渡辺美佐子
  
 家光の弟、忠長の悲劇を描いた回。
 江戸を離れ、駿府のお城で愛妻お優の方と幸せに暮らしている忠長。金田賢一、やっぱ上地ユースケに似てるよなあ。キャンディーズ解散から間もない頃のスーちゃん、可愛い!

 いっぽう、江戸城では。忠長の存在を春日局が警戒。昔の恨みから、忠長を除こうと躍起になる執念深い春日局に、家光も困惑気味。家光はもはや、生まれた時から逃れられない兄弟の運命に諦観している様子。
 静かに暮らしていた忠長ですが、信頼していた小姓が春日局のスパイと知り激昂、殺生禁止の聖山で猿狩りを。銃で撃たれて木からボトボト落ちてくるお猿さんたち、動物愛護団体から抗議がきそうなシーンです。第3話でもそうでしたが忠長くん、ほんと良い子なのにプッツンしやすいのが命取りなんだよなあ。病床にある大御所・秀忠も、息子たちの板ばさみになって可哀相。
 いっぽう、家光の御台である孝子は、窮状にある忠長とお優の方夫婦を心配し、ねんごろに自重と忍耐をうながす文をしたためます。式部はいなくなってますが、愛犬すみまる殿は健在。
 でも、回り出した運命の歯車は、誰にも止められません。とうとう末息子に会えずに亡くなった秀忠の葬儀に、謹慎中の忠長が押しかけてきて、またまた悶着が。忠長、もう破滅モードまっしぐらです。家光に嘆願する孝子VS高飛車にそれを斥ける春日局。それにしても今回の春日局は、いつも以上に鬼婆で怖い。
 懐妊中のお優の方と引き離され高崎に蟄居する忠長は、ついに自害へと追いつめられます(涙)。可哀相!後を追おうとしたお優を、孝子が阻止。孝子は大奥に乗り込み、春日局と再び対決。自分の命に賭けてもお優と生まれてくる子供は守ってみせると宣戦布告します。
 お優の方が生んだ子供がどうなったのかは不明、という岸田キョンキョンのナレーション。炎にくべられる大奥日記...で、セ・フィニ~♪

 第九話「猫と金魚と尼君」
  お万・・・紺野美沙子
  お玉・・・藤吉久美子
  菊尾・・・中原ひとみ
      ・
  六条久之・・・岡本富士太
  梅山・・・加茂さくら
  徳川家光・・・沖雅也
  春日局・・・渡辺美佐子

 原作(吉屋信子の「徳川の夫人たち」)がある珍しい回です。そして、とりわけ印象的で秀逸な回でもあります。
 伊勢の慶光院が、跡目相続の挨拶のため江戸城の家光に拝謁。うら若く清らかな尼君に、家光は一目でfall in love...
 紺野美沙子、ほんと清楚で理知的で、尼姿が似合ってます。さすが、当時は慶応卒のインテリ清純派女優として人気があっただけのことはあります。デカいので、後姿だと男に見てしまうのがちょっと難ですが。
 美しい尼君にかりそめならぬ想いを燃やす家光は、そばに置きたい!と春日局にダダをこね、還俗させい!と厳命して春日局を狼狽させます。
 無理やり俗身に戻された尼君は、お万の方として大奥入り。家光に熱愛される彼女ですが、自分の中にもあった女の業の深さに気づかされ...
 霧深き森を彷徨う尼君。娼婦らしき女たちと遭遇、彼女たちの卑猥な嘲笑に追われて、たどり着いた廃堂。そこには、御仏や鬼の像が。責め立てるような読経が響く中、我を失う尼君...

 家光に愛され、女人としての汚れた俗欲を抱かずにはいられなくなったという、かつては尼だった彼女らしい悲痛で清冽な煩悶が、説明的な台詞ではなく幻想的なシーンで描かれているのが素晴らしいです。平成大奥や篤姫などでは考えられない芸術的な演出!
 京の実家から訪ねてきた兄・六条久之は、将軍の妾になるなど家の恥!と罵り、死ねよがしに短刀を置き土産に。ひ、ひどい!
 お万が気に食わない御年寄・梅山の、ネチネチ陰険なイヤミやイヤガラセ、そしてお万の侍女・菊尾への壮絶なイヂメ!

 加茂さくら、こ、怖い!ネットリとしたイビリ演技が見事です。加茂さん、ちょっとチェ・ジウ似?貫禄つけて妖艶になったチェ・ジウ、みたいな。チェジウも意地悪な役が似合いそうだもんね。イヂメられる中原ひとみが、これまたホントか弱そうでビクビクしてて、観てるのが辛くなるほど。

 愁い深く奥ゆかしいお万ですが、芯は結構キツい女だな、と思わせるキャラなのも面白いです。権勢並びなき春日局にも、黙って服従って感じではないし。梅山の子分お秀が、上様に告げ口なんかしたら武家の女子は舌を噛んで死んでしまいます、とイヤミを言うと、なら死ねば?なんて、ポツリとキツくてナイスなツッコミも。

 陰湿なイヂメが、とうとう菊尾を自殺に追いやってしまう(涙)。ますます絶望的になるお万。
 梅山、許せねえ!と、お万の部屋子お玉は復讐に出る。梅山の猫に上様ご拝領の金魚を襲わせ、ついでに商人から賄賂を受けていた梅山の悪事も露見させ、梅山とお秀を大奥追放の憂き目へと追いやります。お玉ちゃん、見事に仇討ち!後に五代将軍綱吉の生母・桂昌院となるお玉、そのしたたかさを初披露!

 兄に渡された短刀で自害しようとするお万ですが、それを察知したお玉に短刀を奪われて、死ぬこともかなわず。大奥を去りたいと願うお万ですが、家光の真摯な想いを知って思いとどまり、その後は家光の寵愛を一身に受けた唯一の女人として、大奥でときめくのでした。
 大奥に迎えた家光に従って、廊下を進むお万の幸せそうな表情...で、セ・フィニ~♪
 
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大奥’83 伽女の憂鬱

2008-12-07 | 大奥’83
 大奥’83、家光編は続きます...
 ※ネタばれ注意!

 第五話「お湯殿の誘惑」
  春日局・・・渡辺美佐子
  お振・・・市毛良枝
  お稲・・・赤座美代子
      ・
  松平信綱・・・平幹二朗
      ・
  徳川家光・・・沖雅也
  素心尼・・・高峰三枝子

 春日局の命を受け、親切な世話という形でお振を大奥に軟禁するお稲。強引にお振を風呂に入れ、彼女の背中を流しながら、あなたはいいわね~こんな待遇うけちゃって。私なんか...と、ホントは親切でも何でもない、イヤイヤやってるというイヤミな本音や妬みをチロッと漏らすなど、お稲の口調や表情が笑えます。
 男にしか興味がない家光なので、苦肉の策としてお振に男装させ、お湯殿に差し向ける春日局。こざかしい小細工に家光は激怒し、お振を手討ちにしようとしますが、自分のせいで自刃に追い込まれた寵童の怨霊?に錯乱。そんな彼を優しく宥めるお振。ついに...
 めでたく上様のご寵愛を受けたお振は、上様にとって初めての御子(姫)を産んだ直後、若くして亡くなったのでした(可哀想)。
 大勢の女中が額づく中、廊下を静々と進み光の中へ消えてゆくお振...で、セ・フィニ~♪

 第六話「一に引き 二に運 三に器量」
  お蘭・・・藤真利子
  孝子・・・坂口良子
  おうた・・・斉藤とも子
       ・
  式部・・・丹阿弥谷津子
  徳川家光・・・沖雅也
  春日局・・・渡辺美佐子

 家光に何とか世継ぎを!と狂望する春日局は、浅草で見かけた威勢のいい町娘お蘭にビビビ!と天啓。さっそくお蘭を大奥に召し出す。
 お蘭は憧れの大奥にウキウキワクワクでやって来ますが、キャンディキャンディ、いや、のだめに近い天然はねっかえりキャラのせいで、さっそくトラブルを。こともあろうに、御台さまの愛犬すみまる殿に狼藉(おしもの粗相を叱っただけですが)つかまつったと、孝子を不幸な境遇に追いやった春日局を恨む式部は、日頃の腹いせに女中たちに命じ、お蘭を拉致ってリンチ。ボコボコにされ水ぶっかけられても、江戸っ娘お蘭はコンチキショー!と式部にメンチ切り。またボコられそうになった時、待ちゃ!と春日局が登場。慇懃かつネチネチとした式部のイヤミ攻撃(丹阿弥谷津子、優しそうで上品だけど怖い...)、それを傲然とかわす春日局。そこに孝子も加わって、女の戦いは静かにヒートアップ。女の陰湿で冷たい胸のうちの焔が燃える!

 有髪の尼のように暮らしていた孝子ですが、抑えていた春日局への憎悪に火がついてしまい、自分も家光へ側女を献上することに。そのことで煩悶する彼女の、捨てきれぬ女の業が痛ましい。上様との、かつてのめくるめく愛の夜を思い出し、身悶える孝子の顔がエロいです。
 お蘭を上様の前に出せる女にするため、春日局は鬼の特訓。水桶を頭上に置いて、こぼさず歩けるようになるレッスンに失敗ばかりするお蘭...で、セ・フィニ~♪

 第七話「種馬とれんげ草」
  お蘭・・・藤真利子
  孝子・・・坂口良子
  おうた・・・斉藤とも子
      ・
  式部・・・丹阿弥谷津子
  徳川家光・・・沖雅也
  春日局・・・渡辺美佐子

 お蘭は相変わらず、天然やんちゃ町娘なまま。お蘭の同期、お縫は我こそは!と自信満々な武家娘、商人の娘おえんは許婚がいるのに上様のお手つきになるのはカンベンして~と悩んでます。
 奥泊まり奥泊まりお世継ぎお世継ぎ!と、ストーカーのように家光につきまといせっつく春日局。孝子からも側女を献上され、わしは種馬か!と家光激怒。ヤケクソ気味に、奥泊まりすることに。にわかに色めきたつ大奥。お蘭とおえんを出し抜いて、お縫がチャンスをゲット!お蘭はガッカリ、おえんはホっと安堵。
 意気揚々と夜の褥にはべるお縫ですが、かんじんの上様がソノ気になれず、許せ!と帰っておしまいに。お縫、哀れ!
 その夜以来、ちょっとヘンになってしまうお縫。上様サイテー、そんな男お断りだ!と、お蘭はすっかり意気阻喪。春日局にこっぴどく叱られ、もうやってらんな~い状態。

 節分の宴でも険悪なバトルを始めようとする春日局と孝子に、家光はウンザリ。席をたって独りで出てっちゃいます。下々の女中も宴会してて、上様はこっそり見学。天真爛漫に歌って踊るお蘭の姿が、家光のササクレ立った心を和ませるのでした。この場面で、珍しく明るい笑顔を見せる沖雅也、八重歯?が可愛かった。
 めでたく上様の御手つき中臈となったお蘭に、精神錯乱したお縫が刃を!間一髪で助かるけど、完全にイってしまってたお縫が可哀想。まさに、女の戦いにおける無残な敗者の末路です。
 腹をポンと叩き、デキたよ!とニンマリ春日局に報告するお蘭。後に四代将軍家綱の生母お楽の方さまとなるお蘭が、勝者の晴れやかさで廊下を歩む姿...で、セ・フィニ~♪
 藤真利子、美人ではないけどチャキチャキ天衣無縫な演技が、とても小気味よかったです。
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大奥’83 男色閨房!

2008-11-24 | 大奥’83
 大奥’83、歴代中もっともエキサイティングな家光編が、いよいよスタート♪
 ※ネタバレ注意!

 第三話「陰謀の毒薬」
  お江与・・・栗原小巻
  お福・・・大谷直子
  和子・・・杉田かおる
  徳川忠長・・・金田賢一
      ・
  式部富子・・・丹阿弥谷津子
  阿茶局・・・津島恵子
  徳川家光・・・沖雅也
  徳川秀忠・・・中村嘉葎雄
  鷹司孝子・・・坂口良子

 成人した竹千代が、めでたく三代将軍に。ついに家光・沖雅也が登場!その凄絶な演技は、まさに散る間際の薔薇のようです。顔色が悪いところが、後の悲劇とつながるようで痛ましいのですが、だからこそ尋常ではないオーラびんびんで、今の芸能界にはいないホンモノの美男子ぶりも際立ってます。凛々しく雄々しく、それでいて神経症ちっくに繊細で、目が離せません。

 前回までは戦国時代の衣装と垂れ髪だったのが、今回から江戸時代風の着物と結い髪にチェンジ。本格的な大奥の始まりって感じです。
 みかどのもとへ入内する和子役が、杉田かおる!三原順子と入れ替わりで、またまた金八先生の問題児が登場です。現在のヨゴレキャラとは別人のような、おっとりと愛らしい姫君ぶりです。でも、どっちかっつーと、農家の娘役のほうが似合いそうな感じですが。
 成長した国千代、忠長役の金田賢一が可愛い!上地雄輔を優しく上品にヘナチョコにしたような顔です。威張りまくる家光に屈辱の臣下扱い!それに耐えられず、ノイローゼになって発砲事件を起こす忠長。怒るお江与に、ママまで僕のことを~!と僻む姿が、情けないけど可哀想。でも、もっと可哀想なのは、責任とって切腹した忠長の若い従侍たち。庭で血まみれになって息絶えてる彼らの姿が、陰惨悲惨!

 京の都から、家光の正室として鷹司家の姫君・孝子が江戸城に。坂口良子、可愛いです。公家の姫君にしては、ピチピチと健康的で頑丈そうですが。家光とは相思相愛で、お激しい初夜を(帯を解き、まず下半身へと顔を埋め攻める家光、身悶える孝子の顔がエロすぎ。キスもディープだ~)。

 が、幸せが許されないのが大奥のさだめ。公家の血を徳川家に入れてはならぬ!という信念から、お福は孝子に薬湯と偽って子堕しの薬を飲ませる。めでたくご懐妊の喜びも束の間、突然うげげげげ~!と苦しみ始める孝子。『...ご流産でございます...』by 岸田キョンキョン。怖っ!
 お福の所業に激怒し、彼女を牢獄にブチこむお江与ですが、ナンダカンダで大奥をお福に任せると決意。二度と子供の産めぬカラダになってしまったことも知らず、上様の御子を産んでみせます、と誓う孝子と喜ぶ家光の睦まじい姿を、暗澹とした表情で見守るお江与。
 誰もいないお鈴廊下を、心重たげに歩いてゆくお江与...で、セ・フィニ~♪

 第四話「禁じられた愛」
  春日局・・・渡辺美佐子
  孝子・・・坂口良子
  お振・・・市毛良枝
  お稲・・・赤座美代子
        ・
  松平信綱・・・平幹二朗
        ・
  式部富子・・・丹阿弥谷津子
  徳川家光・・・沖雅也
  素心尼・・・高峰三枝子

 ガーン!この回は、かなりショッキングかつ強烈です。だって、あの沖雅也が、男色シーンやってるんですから!夜伽相手の小姓(にしては、イカついが)の顔や唇に指を...そして『噛め!』と命令。血に興奮した上様が、小姓に挑みかかるシルエット...あ、妖しい!妖しすぎる!幕府の重臣役で出てる平ミッキー(まだ老人じゃなくてカッコいい!)とのツーショットも、妖しい!

 お江与亡き後の大奥に君臨するお福転じて春日局は、大谷直子から渡辺美佐子にバトンタッチ。極道の大姐御みたいな貫禄と鋭さが、怖くてカッコいい渡辺美佐子です。篤姫の教育係だった幾島も、優しそうな松坂慶子ではなく渡辺美佐子だったら、生意気な篤姫もビビっておとなしく言うこと聞いただろうなあ。

 最愛の孝子は、上様のそばにいるのが辛いと大奥を去り別居。ちょっと女性不信に陥ってる家光は、大奥の女子には目もくれず、オキニの小姓とばかり愛の夜を。寵童との寝所にまで押しかけ苦衷を訴える春日局に、ウザいー!!とブチギレる家光、いきなり夜着を脱いで、ふんどし一丁に!
 このままではお世継ぎがっと焦り苦悩する春日局にとって、相談役の素心尼は心療カウンセラー的存在。素心尼の養女お振(市毛良枝、可愛い!)に目をつけ、彼女を強引に大奥に召しだし、家光の側女にしようと目論む春日局ですが...

 待ち受けるは幸運か、それとも悲劇か。千代田の城門をくぐってゆくお振...で、セ・フィニ~♪

 大奥83面白すぎ!それに比べて、篤姫はもう観るのが苦痛なほどつまんない...
 
 
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大奥’83 おなごが城

2008-11-23 | 大奥’83
 『...思えば大奥とは、女人たちの運命の坩堝でございました。大奥には、女人のさだめを思いもよらぬ方向へ大きく変えてしまう、魔力のようなものが潜んでいたように思われまする...』
 岸田今日子の名ナレーションも、いまや伝説となっている?あの「大奥’83」が、いよいよスカパーで再放送スタート!やっぱ大奥といえば、83年版ですよ!平成大奥や篤姫なんて、学芸会なコント!83年版は、キャストも脚本も演出も音楽も映像も、とにかく何もかもがドロドロ濃密で妖しい魔魅が充満してるのです。
 何といっても最大の見所&魅力は、80年代を代表する濃ゆ~い女優たちが、演技と個性と美の妍を競っているところ。わ~若い!きれい!変!などと、現在のお姿と比較して様々な感想を抱くのも、楽しみのひとつ。そして、亡くなったり引退したりして、もう二度と会えない男優女優の貴重な姿も、たっぷり懐かしく堪能できます。
 ハマったら抜け出せない、めくるめく大奥ワールド。皆さんも、ご一緒に...
 ※ネタバレ注意!

 第一話「大奥誕生」
  お江与・・・栗原小巻
  お福・・・大谷直子
  千姫・・・三原順子
  お通・・・山本みどり
      ・
  阿茶局・・・津島恵子
  淀君・・・小山明子
  徳川秀忠・・・中村嘉葎雄
  徳川家康・・・若山富三郎

 千姫が、何と三原じゅん子(当時は順子)!

 金八先生で注目されてた頃?ドスのある声や鋭いガンとばしなど、高貴で悲劇的な姫君には見えませんが、美人です。滅亡した嫁ぎ先の豊臣家から江戸城に連れ戻され、すっかりグレて荒んだアル中娘と化してる千姫。母上の言うことに逆らってはなりません!と意見する幼い弟・国千代に、うっせえ!と杯を投げつけ(額に命中して流血!)たり。さすが三原順子、お姫さま役でも当時の不良少女キャラが、妙に活かされてるのが笑えます。
 秀忠の嫡男・竹千代の乳母お福(後の春日局)役の大谷直子が、う、美しい!

 ふっくらした女性的な、でもクールで怜悧な美貌!乳母にしとくにはもったいないよ。私が上様なら、真っ先にお手つきにするけどなあ。お江与を敬愛しつつ、秀忠のもとへ側女を差し向けたり、竹千代を将軍に!と家康に直訴したり、お江与の憎しみを買うこともクールにやってのけるキャラが、なかなかダークで素敵です。お福を疎みつつも、有能な彼女には絶大な信頼も抱いてるお江与。二人の関係が、わかりやすい対立関係ではないところが、面白いです。
 おまえはもう要らん!と、お江与を亡き者にしようとする鬼舅・家康が怖い。故・若山富三郎、幕府の大御所さまというよりマフィアの大親分って感じで、スゴい存在感です。家康の刺客・阿茶局の津島恵子も一見優しげだけど、その不気味なお歯黒が示す通り、放火してお江与らを抹殺しようとするなど、冷酷非情で怖いです。
 家康から蟄居を命じられ、憂いに沈みながら庭の橋を渡るお江与...で、セ・フィニ~♪

 第二話「生みの母、育ての母」
  お江与・・・栗原小巻
  お福・・・大谷直子
  千姫・・・三原順子
  お静・・・叶和貴子
      ・
  阿茶局・・・津島恵子
  徳川秀忠・・・中村嘉葎雄
  徳川家康・・・若山富三郎

 お江与の徳川家を思う真心に打たれた家康は、あんなに疎んじてた嫁を優しく受け入れた後に他界。刺客だった阿茶局を大奥総取締役に任じるなんて、お江与って寛大で太っ腹!
 大奥づくりに勤しむお江与を献身的にサポートしつつ、またまた秀忠に新しい側女(叶和貴子、可愛い!)を差し向けるお福。湯から上がったお静の全裸をチェックするお福の、冷たい微笑が妖しく美しい。お福は何も語りませんが、お江与の完璧さを崇め敬うと同時に、みっともないフツーな女の顔もさらけ出させたい、というコンプレックスからくる歪んだ願望を抱いているのでは?と推察すると、お福の行動が理解できて怖いです。
 千姫、相変わらず夜も昼も酒びたりでグデングデン。いいかげんにしてください!とキツく諌めるお福に、誰がテメーの言うことなんか聞くか!と、クダまいて暴れる困ったちゃんぶり。そんな千姫も、本多家に再嫁することに。大阪城から姫を助けたのは俺だ!約束が違う!俺の嫁に!と激怒して、大奥にまで乱入してくる出羽守。かなりイっちゃってるけど、結構イケメンです。なので、約束は反古にされた上、成敗までされちゃって、可哀想!
 やんちゃで野放図な竹千代と、優しい甘えん坊な国千代が、どっちも超可愛い♪特に竹千代は、放火&強盗しても、わしは次の将軍じゃ!わしは悪くない!と、激怒する母お江与に折檻されてもガンとして謝らず、お願いだから謝って!と泣きながら懇願するお福に、黙って見ておれ!と命令するなど、子供ながら男らしくてカッコいい!
 竹千代が次の将軍に決まり、どこか寂しげなお江与の表情...で、セ・フィニ~♪

 次回からは、いよいよ家光編。若くして自ら涅槃に逝ってしまった、あの伝説の俳優が登場!
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