まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

飛鳥のイケメンクーデター

2020-12-03 | 日本のドラマ(単発)
 2005年のNHKスペシャル時代劇「大化改新」前・後編を観ました~。
 弱小豪族である中臣家の息子・鎌足は、朝廷を牛耳る権力者・蘇我蝦夷の嫡男・入鹿と身分の差を超えた友情で結ばれていた。蝦夷を疎んじる女帝・宝皇女に唆された入鹿は、蝦夷から蘇我家当主の座を奪い、女帝と対立する山背大兄王を討伐しようとする。鎌足は戦をやめるよう入鹿を説得するが…
 懐かしい~。15年も前のドラマなんですね~。飛鳥時代のドラマって珍しい。でも日本人にとっては馴染み深い歴史上の人物や史実が盛沢山なので、もっと製作されてもいいのではないかと思います。いつもいつも戦国時代や幕末のドラマで、いいかげん飽き飽きしてますし。

 大和朝廷内の権力争いや愛憎関係、クーデターは、ドロドロと血なまぐさくドラマティックで、かなり美味しいネタの宝庫なのですが、さすがというかやはりというか、NHKなので老若男女問わず観られる無難なドラマになってたのが、ちょっと物足りませんでした。たまに韓流時代劇を観てるような錯覚に陥ることも。衣装や所作が何となく朝鮮っぽかった。実際、当時の日本は朝鮮の影響を色濃く受けていたみたいですね。「THE TUDORS 背徳の王冠」みたいな、大人向けのエロくて過激でゴージャスな宮廷ドラマ、日本では製作不可能だよな~…

 政争も友情も恋愛も、いい人たちのいい話っぽく描かれていて、韓流時代劇以上のスウィートさ(脚本は今年の大河ドラマも書いてる大御所、池端俊策先生)なのですが、今あらためて観るとこのドラマ、かなりのイケメンパラダイス、BL色も薄くない腐向けのドラマであることに気づかされます。メインキャラ男子にはブサイクはおらず、みんな個性的なイケメンばかり。彼らのやりとりや関係には、友情以上の精神的な愛が感じられる、ていうか、シーンも演技も腐の萌えや妄想を喚起するものが多いんですよ。池端先生ではなく女性脚本家だったら、きっとBL漫画の名作「日出処の天子」を彷彿とさせるドラマになってたのでは。

 主人公の中臣鎌足役は、当時25歳だった岡田准一。今はチビなゴツいおっさんな岡田氏ですが、この頃は当然ですが若い!そして可愛い!某事務所タレントが苦手な私ですが、当時の岡田くんはすごく好きだったんですよね~。端正で彫が深い美男子。アップになるとキレイで見とれてしまう。チビでまだ華奢なところも少年っぽい魅力。日本人っぽくない濃ゆい顔なので、時代劇が似合わないのですが、台詞の発声とか身のこなし、乗馬など、真摯に勉強してる演技であることがわかり、やはり他の某事務所のアイドルタレントとは一線を画してます。若い岡田くんは可愛い美男子で演技も秀逸なのですが、鎌足がいい子すぎてつまんない役なのが惜しい。それにしても、子役並みにチビっ子な岡田くん。共演者がみんな長身なので、よけいチビに見えちゃうのが何だか気の毒だった。

 入鹿役は、当時人気急上昇中だった渡部篤郎。彼も若い&可愛い!長身でスラっとスタイルがいい!たまに、俺って演技うまいだろアピールがウザいこともありますが、いい子ちゃん理想家な鎌足より、ダークサイドに堕ちて汚れていく入鹿のほうが、はるかに面白い、やりがいのある役で、渡部氏も張り切って熱演してました。
 私が最も心惹かれたのは、准一でも篤郎でもなく、中大兄皇子役、当時23歳の小栗旬です。

 私、このドラマで初めてオグリンを知って、同年のNHK大河ドラマ「義経」でファンになったんですよね~。ブレイク前のこの頃のオグリン、めっちゃカッコカワイイです!篤郎同様にスラっとスマートな長身。凛とした佇まい、瞳と声が美しい!今ほどクセが強くなく、まだ爽やかで清々しいオグリンです。この中大兄皇子と義経の梶原景季があまりにも清冽だったので、また時代劇に出てくれないかな~と常々思ってたのですが、何と!再来年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で主演!北条義時役!大好きな源平時代にオグリンが戻ってくる!とワクワク、よりも脚本家と共演者が超苦手でガッカリ…

 山背大兄王役は、人気舞台俳優で当時ドラマにもよく出てた山口祐一郎。ヤンチャな蘇我日向役は山口馬木也、W山口もいい男たちでした。ベテランでは、ろくでなし親父役でも男の色気と愛嬌たっぷりな蘇我蝦夷役の原田芳雄、高潔なのに何か怖い仲代達也、狡猾な役でも味わい深い大杉連、といった今ではもう見られない名優たちも存在感抜群。当時売り出し中だった木村佳乃が、鎌足と入鹿に愛されるヒロイン役だったのですが、美人だどサバサバしすぎ、現代的すぎ、そして岡田准一よりデカくて違和感しかなく、いてもいなくてもいいような、いや、いないほうがいいような役だった。中大兄皇子の母、宝皇女(皇極女帝)役の高島礼子の妖艶な美しさ、男たちを惑わし手玉にとる魔性の女っぷりは魅惑的でした。せっかくの妖しく神秘的な美女キャラ、入鹿や息子である中大兄皇子にもっと危険に隠微に絡む設定だったら、古代の闇を感じられて面白かっただろうに。
 
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おっさんずラブ 2016

2018-04-15 | 日本のドラマ(単発)
 来週から始まる連ドラ「おっさんずラブ」が超楽しみ(^^♪元々は去年放送された単発ドラマ。好評を受けての連ドラ化なのだそうです。観逃してしまった単発ドラマ、連ドラ前に何とか観ることができました!
 ダメ男のサラリーマン春田は、家事が得意な後輩の長谷川とルームシェアをし、モテないながらも快適な独身生活を送っていた。そんな中、尊敬する上司の黒澤の携帯の中にあった自分の隠し撮り写真を見てしまった春田は…

 すごく面白かったです!ライトなBLコメディでした。BLって、フツーの人にとっては今でも気持ち悪い、キワモノな題材だと思う。TVドラマではほとんど取り上げられることもないし、取り上げられたとしても、やっぱキワモノ扱いか、とことん笑い物にしてるかのどっちか。ゲイの恋愛事情をきめ細やかに、リアルに描くことはありません。このドラマも、どちらかといえばBLを笑う内容になってるのですが、その笑いが同性愛者をバカにするものではなかったのが良かったです。脚本家は、腐女子なのかな?と思わせるような、BLへの微笑ましい愛も感じられました。

 三角関係になる男3人が、なかなかキャラ立ちしていたのが笑えました。ごくフツーの男だけど、欠点がどこか可愛くて心ほだされる、見守りたくなる魅力がある春田。シブくて男らしくて仕事もできる完璧な熟年上司だけど、実は乙女な黒澤部長。クールだけど優しい後輩の長谷川。部長と長谷川のそれぞれの春田への熱すぎるアプローチと、春田をめぐって火花を散らす様子が、ドタバタかつほのぼのと描かれていて、大笑い&ほっこりでした。

 笑えるシーンや台詞はたくさんあったのですが、特に傑作だったのはバスルーム前での壁ドン&告白と、クリスマスパーティでの恋のバトル。長谷川の『巨乳じゃなくて巨根じゃダメですか?』が笑えたわ~。トナカイの黒澤部長とサンタの長谷川が、掴み合いのケンカ&激辛勝負もバカすぎて吹いたわ。いい年した男たちが、大真面目に痴話げんかなんて、実際には醜悪なんだろうけど、いい男たちだと可愛くて楽しい。

 おバカな騒動がメインですが、少女マンガのお約束的、鉄則的な胸キュンシーン&展開も秀逸でした。長谷川のキス未遂シーンとか、なかなか切なかったわ。部長も長谷川もほんとどっちも性格も見た目もいい男で、本来はノーマルな春田が二人の間で揺れる?姿は、男女の恋愛ものと何ら変わらない普遍的な設定、でも全員男なので珍妙、なのがBLコメディらしい独特さ。あまりにも真剣に愛され、だんだんと男に迫られて困っている、というより、どっちも好きだから選べないという悩みになってしまってるのが、恋愛に男も女もない!人間同士!というメッセージとも感じられて好感。ロマンティックなハッピーエンドも、腐女子には嬉しかったです。
 このドラマ、とにかくメインの3人を演じた役者たちが素晴らしいです!3人とも全然ゲイゲイしくもカマっぽくもないところや、そういう演出がなされてなかったところにも、今までのTVドラマになはかった特色。特に主人公の春田役の田中圭がグッジョブ!

 いや~田中圭、いい役者になりましたね~。演技うまいですね~。ちょっと前は、向井理と見分けがつかないとか言う人もいたけど、役者としてはムカイリーより間違いなく上でしょう。アタフタ、アヒャアヒャぶりが、アホすぎ可愛すぎ!部長に迫られてどうしようどうしよう焦って真っ赤になる顔とか、滑稽だけど鬼気迫ってもいたり。豊かすぎる表情も圧巻。漫画みたいな顔するし!女にモテない役なのですが、説得力ないわ~。女がほっとかないでしょ、あんなカッコカワいい男!素朴で清潔な雰囲気。スーツが似合う!笑顔が無邪気すぎる!驚喜だったのは、壁ドンシーンでの上半身裸。かなり鍛えてる感じの肉体美でした。唇がエロい。あれは男でもキスしたくなるでしょ。

 黒澤部長役の吉田鋼太郎の、乙女おじさんぶりときたら!ぜんぜんキモくない!めっちゃ可愛かった!普段はいぶし銀のダンディなのに、春田にだけは別人と化して乙女になるギャップが、ヤバくて楽しかったです。相変わらずの美声にうっとり。あんな声で迫られたら、誰だって落ちるわ~。怖い役はお手のものなコータローおじさまですが、コメディもイケてますね~。ヤバい役もコミカルな役も、いつも楽しそうなところがザ・役者って感じです。春たんを隠し撮りしてる様子とか、トナカイの被り物とか、一歩間違えたらグロテスクになりかねないヤバカワさも強烈。

 長谷川役の落合モトキも、なかなかの好演でした。このドラマで初めて彼を知ったのですが、イケメンだし演技も上手だし、他の作品も観たいものです。長谷川の、春たんが女に傾くことができないほどの愛情や家事能力が、女にとっては驚異で脅威でした。もう女だからって、ゲイに勝てるとタカをくくってはいけない時代なのですね。女であることに胡坐をかいてると、まんまと男心を熟知した男色家にしてやられるのです。時代といえば。周囲の人々が同性愛に対して、拒絶や嫌悪をあまり示さなかったのも、時代って変わったよな~と思わせました。女があまり絡んでこない、結局は女を選ぶんだろな~なありきたりな内容じゃなかったのも、腐女子には嬉しかったです。あと、東京タワーとかベイブリッジとか、夜景がすごく美しく撮られていたのも印象的でした。

 来週スタートの連ドラが、ほんと待ち遠しい!続編ではなく、新たに作り直すみたいですね。長谷川がいなくなってるのが寂しい。新キャラの林遣都が長谷川のポジションになるようです。圭ちゃんのアワワワ演技とコータローおじさまのシブい乙女演技、ますます磨きがかかってることでしょう!
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皆殺しの島!

2017-03-29 | 日本のドラマ(単発)
 追悼・渡瀬恒彦③
 テレビ朝日の2夜連続スペシャルドラマ「そして誰もいなくなった」を観ました~。
 アガサ・クリスティのあまりにも有名な原作は、過去に何度も映像化されてますが、日本では初なんだそうです。豪華キャストをそろえて大々的に宣伝してたので、つい過大な期待をしてしまいました。観終わって、いや、かなり早い段階でトホホなドラマでした
 ちょっと前の「オリエント急行殺人事件」日本版もだけど、アガサ・クリスティの推理小説を日本で映像化するのは、ちょっと無理があります。やっぱアガサ・クリスティは英国、そして20・30年代が舞台だからこそ魅力的なんですよね~。現代の日本、しかも孤島を舞台にした連続殺人、かなり強引な設定でした。携帯電話やインターネットが使えなくなるようにするのが、そんな理由で!?ありえん!でしたし。そもそも、会ったこともない人物からの招待に応じて、絶海の孤島になんかフツーの現代日本人、ましてや著名人ならノコノコ行ったりしないですよね~。いっそのこと、原作に合わせて戦前とかにすればよかったのに。そうすると、衣装とかセットに金がかかるので、無理やり現代の話にするしかなかったのでしょうけど。そういう点もですが、キャスト以外はスゴい安~く仕上げた感がアリアリなのが、最大のトホホかもしれません。海上シーンとか殺人の舞台となる館の外観とか、明らかにCGで予算ケチったな~と苦笑。

 設定にはまだ目をつぶるとして、登場人物の絡みとか謎の解明とか、まるで名探偵コナンか金田一少年みたいなノリ、雰囲気には、正直ガッカリ。とても大人が楽しめる内容ではなかったです。原作もそうなのかもしれないけど、映画やドラマとなると戦前の英国上流社会の人々のやりとりとかファッションが、それを補って余りある見所になるんですよね~。横溝正史の金田一耕介が日本だからこそ成り立ち、独特の魅力を放つのと同じですね。
 2夜連続で計4時間以上割いたせいで、無駄に冗漫で緩慢な、カルピス原液に水を入れ過ぎたような薄い軽いドラマになってしまってたけど、最大の(唯一の?)売りである豪華キャストの顔合わせは、なかなか興味深かったです。豪華といっても、今をときめくスターとか、滅多にTVドラマには出ない映画スターが、というレア感は皆無。2時間ドラマやテレ朝の連ドラでお馴染みの面々が集まった、といった感じです。その中では何といっても、大好きな向井理&渡瀬恒彦の共演!二人が出てなかったら、たぶん私、このドラマ観なかったかも

 元ボクサーの人気小説家役のムカイリー、やっぱカッコいいですねメタボ無縁なスラっとした長身が、相変わらず素敵。若手が次々と台頭し、今では結構な芸歴もあり、もう中堅俳優にカテゴライズされてもいい年頃となってるムカイリーですが、老化劣化がほとんどなく今でも若々しく爽やか。見た目同様、演技にも変化があまりないけど

 でも、ムカイリーはそれでいいんです!もう無茶な無謀な挑戦はせず、カッコカワイイおじさん路線でいいよ!役者として成長するため、彼なりにいろいろチャレンジしてるみたいだけど、方向性が誤ってる。舌でいろんなものナメて推理するフンドシ探偵役とか、見事にスベってキャリアの汚点になってしまったし。同じリスクを犯すなら、もっと他に方法はあったはず。

 今回のムカイリーは、すぐに殺される脇役なので、演技的な欠点などは目立たない上に、主役級俳優になってからは遠ざかっていた、頭がいいことをひけらかすヤな感じのイケメン、という彼に最も似合ってる役だったので、まるで地でやってるような自然さでしたムカイリーの、人をバカにした冷たい嘲笑が好き!

 ムカイリーファンにとって嬉しかったのは、ほとんど2時間ドラマの被害者な役、演技が何だか新鮮だったこと。真っ先に殺されちゃうんですよ。毒入りドリンクを飲んでウゲゲゲ~!と苦しみ、バタリ倒れて死亡するムカイリーの死に顔、死体っぷりは、連ドラや映画では決して見ることができない貴重な姿です。
 2時間ドラマやテレ朝の連ドラでは、事件を解決してる側の人たちが、容疑者、無残な死体になるのが面白かったです。みんな楽しそうに殺され、屍と化してます。チャラチャラしいCMタレントではなく、せっかく良い俳優たちを配してたので、もっと濃ゆい演技合戦が見たかったかも。被害者たちが犯した罪の描写不足が、ドラマを名探偵コナン、金田一少年にしていた要因かも。

 渡瀬恒彦は、このドラマが遺作となってしまいましたつねぴー、病身になってからは声も不明瞭になってたけど、このドラマでも痛ましかった…鬼気迫るというより、無理して頑張ってる感じがして。ネタバレになるけど、最も美味しい役は当然のように彼に与えられてました。脇役に回れば、やはり大物感があるつねぴーでした。本当に素晴らしい、不世出の役者さんでした。あらためて、ご冥福をお祈りいたします…
 みんな好演してた被害者役の俳優陣と違って、刑事役の沢村一樹は酷かった!彼だけバラエティ番組のコントでした。彼がすべてをブチ壊しにしてました。演技もだけど、あんなキャラ設定にした脚本が凶悪です。

 ↑あまり仕事を選ばず、ガンガン働いてるムカイリーは、wowwowのドラマで斎藤工とW主演。この二人の顔合わせ、あんまりスゴいとは思えない、ビミョーな今さら感がなきにしもあらず。ドラマの内容も、つまらなそう…だけど、観ます♪

 
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イケメンに誘拐された少女!

2016-08-11 | 日本のドラマ(単発)
 録画してたNHKの夏休みスペシャルドラマ「キッドナップ・ツアー」を、遅ればせながら観ることができました~。
 小学5年生の少女ハルは、夏休みに入った日に別居中の父親タカシに誘拐される。ダメ人間のタカシにうんざりしながらも、ハルは父親と一緒の時間を楽しむようになるが…
 直木賞作家、角田光代の小説をドラマ化したものだそうです。良い意味でも悪い意味でも、NHKらしいドラマでした。爽やかに丁寧に作ってる感じ。驚きとか衝撃、新鮮さは全然ありません。お話じたいも、よくある設定。似たような映画やドラマ、結構ありますよね~。もうちょっとホロ苦くシビアな内容にしてもよかったのでは、とは思ったけど、あんまり深刻にしたら夏休みに子どもと一緒に観られないだろうし、いい話だったね、で終わるドラマでよかったのかも。
 主人公のハルが、あんまし可愛くなかった(性格が)のが、ちょっと残念でした。けなげで涙を誘う系も苦手ですが、ガキのくせに何か妙に冷めてて斜に構えてる系も好きじゃない。両親の別れがすごく悲惨なものだったり、虐待とか貧困で健全な心の成長ができない子ならいざしらず、ハルってそんなに不幸じゃないのにスレすぎなんですよ。片親で育つのは気の毒ですが、お母さんはちゃんとした人で、友だちみたいな叔母さんに面倒も見てもらってるし、別れたパパだってダメ人間だけどロクデナシではなく、娘を愛してるし。優しさに包まれてるじゃないですか。不満なんてバチが当たる。世の中、信じられないような辛酸をなめてる子どもがいっぱいいる。それに比べれば、ハルは両親がいる私よりも恵まれてるようにも見えた。そこのところが、ドラマにあまり感動できなかった原因かも。
 いや、陳腐な内容のドラマは、ぶっちゃけどーでもよかったんです…私の目当ては、言うまでもなく妻夫木聡
 
 まず、ブッキー、ご結婚おめでとうございますブッキーも、とうとう年貢を納めたか~。ブッキーはてっきり…おっと、危ない危ない♪by 福田和子。とにもかくにも、お幸せに!
 最近はすっかり映画俳優なブッキーなので、ドラマは久しぶり?いや~。久々に見たブッキー、相変わらず可愛いですね~そして、さすがに老けましたね~。全体的に、役のせいもあるけど小汚くなってましたでも、全然イケてます!いま人気の若いイケメン俳優より、老けて小汚いブッキーのほうが好き!いい感じにとっちゃん坊や化してます。若い頃のような強烈なエロいフェロモンは薄くなってましたが、やっぱ色気は濃厚です。さすがブッキー、NHKのドラマでもちゃんと脱いでました。別に肉体美じゃないけど、何か色っぽいんですよね~。浅黒い肌が何とも言えず艶っぽい。若い頃と同じ体型を保ってるのが驚異だけど、20代だと少年のような躰、アラフォーの今だと貧相、になってしまう。もうちょっと肉つけたら、大人の男の色気が出るのでは。ブッキーは裸になるよりも、浴衣がはだけて見える乳首とか、Tシャツからのぞく濃い腋毛とか、チラリズム的なエロさが私は好きかも。

 ひょっとしてオツムがアレなのかな?なタカシ役を、ブッキーが可愛らしく演じてました。無邪気な笑顔とか、誘ってる?な目つきとか、ほんと胸キュン注意報です。子役のほうが演技が巧いところも、ブッキーらしくて好感が抱けます。天然っぽい演技がかなりわざとらしいのですが、俺、演技派だし!みたいな演技する俳優、苦手な私には微笑ましく思えました。この手の役は、ヘタすりゃキモい可愛い子ぶりっこ男になってしまうのですが、そこはブッキーマジック。何をやっても不快感ゼロなブッキーは、やはり稀有な俳優。ブッキーじゃなかったら、間違いなく観てなかったドラマです。
 それにしても。あの可愛かったブッキーも、パパ役やるようになったんですね~。隔世だわ。ブッキーみたいなパパ、いたら最高ですね~。劇中、ハルとタカシが海へ行ったり買い物したり、キャンプしたり肝試ししたり。ハルがすごく羨ましかったです。タカシみたいなダメ男、確かに魅力的なんですよね~。愛想尽かしができず、ほっとけない!私がいないと!と幼い娘の母性本能までくすぐって、自分の思うように動かしてしまうタカシみたいな天然人たらしが、いちばん危険かも。しかもその辺にフツーにはいないイケメンときてるから、一度味わうと抗えませんわ。イケメンだし優しいし子ども好きだし、DVとかギャンブルとかしなそうにないし、タカシみたいなダメ男なら少々甲斐性がなくたってノープロブレム。ヒモにしたいです。

 主役の豊嶋花ちゃんは、次の芦田愛菜?演技も見た目も愛菜ちゃんに似てます。タカシの元カノ役はブッキーとの共演が多い満島ひかり、その夫役にムロツヨシ、ハルの叔母さん役は夏帆、タカシの友人役にロト6のCMでブッキーと共演してる新井浩文、お寺の奥さん役は八千草薫。みんなチョイ役ながら、感じのいい好演でした。 
 ほぼオールロケで(伊豆あたり?)、夏らしい風景も瑞々しくて良かったです。

 ↑いよいよ来月公開の新作「怒り」。今までさんざんゲイや腐女子を煽ってきたブッキーが、ついにBLだ!でも、過度の期待は禁物!と自分に言い聞かせてます…
 TVドラマにはほとんど出なくなったブッキーですが。たまにでいいので、良質なドラマになら出てほしいな~。ソレハソウト。ドラマ同様、出る映画も厳選したほうがいいのでは?出ればいいってもんじゃない、な作品も多いし…ブッキーの魅力を理解してる、活かせる演出家や作品と彼が出会えることを、いつもファンは期待してます…
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イケメンすぎる事件記者

2016-03-14 | 日本のドラマ(単発)
 松本清張スペシャルドラマ「黒い樹海」を観ました~。
 長野で起こったバス事故で、文化部記者の姉・信子を喪った祥子。自分に黙って信子が長野へ行った理由を知りたい祥子は、姉が担当していた有名人たちに疑念を抱く。元事件記者の吉井と協力して真相を探る祥子だったが、有力な情報を持つ人物たちが次々と殺害され…
 2夜連続の2本立てだったのですが、第一夜の「地方紙を買う女」は、主演の田村正和の何を言ってるのか分からない老人っぷりが見るに耐えず、途中リタイア。第2夜は、ちゃんと最後まで観ました。
 「黒い樹海」、今まで何度も映像化されてる清張作品ですが、ちゃんと観たのは今回が初めて。こんな話だったのか~と、悪い意味で驚きました。そんなことで連続殺人すんのかよ?そんな理由で殺されちゃったのかよ?と、ただもう呆れるばかり。魅惑的なタイトルからは、もっと憎悪と欲望にまみれたドス黒い人間関係や、恐るべき社会の暗部、心の闇、その中で樹海を彷徨うように真実を求めるヒロイン、みたいな話を期待してたのですが。犯人の正体も殺人の動機も、大それた犯罪にしてはセコいというか小さいというか。いま流行りのゲス不倫の発覚を防ぐためだけで、捕まったら死刑確実な連続殺人なんかするもんでしょうか。ベッキーが観たら嗤うよ。
 もっと危険な目に遭ったり、満身創痍になって闘い傷つきながら真実にたどりつくヒロイン、にしてほしかったです。事件解決も、別にヒロインが暴くって展開ではなく、犯人が勝手に暴走、自爆しただけだったのでガクっ。脚本と出演者の演技も、軽すぎ。もっと暗い重いシリアスなドラマにしてほしかったけど、土ワイや相棒や科捜研の女が好きなジジババ向けなので、そこはまあ仕方がない。
 スペシャルドラマなのに、驚くほどフツーに土ワイな内容でした。スペシャルだったのは、フツーの土ワイには絶対出ない(今のところは)人気女優と人気男優が主演だったことです。二人が土ワイしてたのが、新鮮といえば新鮮でした。
 ヒロイン祥子役は、つい最近結婚したことも記憶に新しい北川景子。

 男優には超甘いのに女優には鬼な私。でも、景子ちゃんは好きなんですよ昔から。最近の女優、女性タレントって、見てると返って疲れる元気健全娘とか、いい年してクニャクニャしてたり少女もどきなブリっコとか、カッコいい女気取った不自然サバサバ、のどれかじゃないですか。どれも私、苦手なんですよ。景子ちゃんは、どれにも当てはまらない、理想の女性らしさなので好き。もちろん、すごい美人だし。華やかな美貌と相反する静かな、ちょっと暗めの演技も悪くなかったです。うるさいくらいな過剰演技、私うまいでしょ!熱演してるでしょ!見て見て見て!な押し付けがましさがないところにも好感。
 でもね~。景子ちゃん、やっぱ祥子役には美人すぎます。あんな文化部記者、いませんよ。決してゴージャスな服は着ないけど、すご~くオシャレで高級感あるファッション、いつもセット仕立てみたいな髪型、完璧なメイクとか、まさにTHE 女優だったし。彼女が姉と住んでた目黒区のマンションも、記者が住めるの?!な部屋だったし。天井の照明みたいな時計が素敵だった。契約で雇われた見習い記者が、すぐに有名人のコラム担当になるのも変だった。あまりにも美人すぎて、スケベなセレブ役の沢村一樹や六平直政に狙われるのは、説得力ありました。景子ちゃんにビンタされて悦ぶ変態ドMなムーさんが笑えた。沢村一樹、久々に見たけど老けたな~。顔がシワクチャだった。
 景子ちゃんも美人すぎですが、吉井役の向井理もイケメンすぎます。でも好き!ムカイリー大好きこのドラマを観たのは、言うまでもなく彼が目当てです♪

 相変わらずスラ~っとしたスタイル抜群の長身、そして超小顔!黒づくめの衣装も、スタイリッシュでカッコいい!彼ってほんと、何着ても似合ってて(時代劇以外は)オサレですよね~。でもね~。ムカイリーみたいな記者も、景子ちゃんみたいな記者以上にいねーよ!もっとボロボロでしょ、男性記者って。あんな体臭もなさそうな爽やかで清潔な風貌、シワもヨゴレもない新品みたいな、どこのブランド?っぽい服着てる記者、ありえません。リアリティゼロです。
 ムカイリーは、本当にカッコいいんだけど…ハズレな役だと、とたんに大根が露見しちゃうんですよね~。ダークで怪しい演技も、とってつけた感じで不自然。そもそも、怪しい役ができないムカイリーの演技力不足以上に、あの役を怪しく見せようとした強引な脚本が悪い。準主役なのに印象薄すぎなムカイリーも、相変わらずでした。彼、ちょっと前にも松本清張原作のスペシャルドラマに主演したけど、あれもヒドい内容、ヒドい演技でトホホだったよな~。彼もいよいよ正念場だと思う。もう青年役は無理、とはいっても大人の男を演じられるような成熟も色気もまだないし。「遺産争族」の悪賢い裏表のある役がハマってたので、同じ清張作品なら「わるいやつら」とか「夜光の階段」の主人公役をやったらいいと思います。冷酷でブラックな役に本格的に挑戦して、役者開眼してほしいものです。
 脇役では、ムーさんの他にも麻生祐未とか尾美としのりとか、もったいないほどのチョイ役。「遺産争族」を観てた人には、ムカイリーと室井滋、鈴木浩介が再び絡むシーンにニヤリ、だったのでは。室井滋の無残な殺され方、何か笑いを狙ってたとしか思えなかった。古田新太のオネエな華道の家元とかも笑えたけど、コミカル風味は松本清張には合わないと思う…
 北川景子と向井理がモダンすぎるし、昭和臭プンプンな清張作品を現代にアレンジするのは、ちょっと無理があるとも思いました。そーいえば。景子ちゃんとムカイリーって、「パラダイス・キス」で共演してましたね。あれもかなりのトホホ映画だったな~。
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事件なイケメンたち!

2014-12-10 | 日本のドラマ(単発)
 休日は一歩も家から出ず、あったかい部屋でゴロゴロまったりと、録りだめてたドラマを観るのが至福な私です…
 単発ドラマ3本を一気に観ました~。どれも内容よりも好きなイケメン目当てです
 まずは、テレビ朝日の2夜連続松本清張ドラマ「霧の旗」から。
 知的障害のある弟と寄り添って生きていた桐子。ある日弟が殺人罪で逮捕されてしまい、桐子は東京の高名な弁護士大石に助けを求める。しかし大石は依頼を断り、弟は獄中死。上京しキャバクラで働きはじめた桐子は、ある殺人事件に巻き込まれたことをきっかけに、大石への復讐を企てるが…
 もう何度も映画やドラマにもなった、松本清張作品の中ではとりわけ知名度の高い作品のひとつ。静かに冷ややかに復讐の炎を燃やし、憎い男を完膚なきまでに叩き潰してしまう桐子は、女優にとっては演じてみたい魅惑的なヒロインでしょう。このたび桐子を演じたのは、堀北真希。正直、今までちょっと苦手だった真希ちゃんですが、このドラマの彼女はとてもチャーミングでした。大人っぽくなって、いっそう美人になりましたね~。暗い思いつめた役が似合います。逆恨みに近い桐子の狂気的な憎悪も、静かに冷たく伝わってきました。キャバ嬢、ホステス姿も、下品にならず可愛らしく美しかったし。何年か前に桐子を演じた相武さきに比べると、格段に演技も美しさも上です。
 真希ちゃん版桐子のキャラで興味深くかったのは、弟への深すぎる愛。結婚なんかしなくていい、心の美しい弟といたら他の男なんか薄汚くて付き合えない、私にとって弟はたった一人の男etc.弟のことをほとんど恋人のように想ってたところが、ヤバくて悲しかったです。それと、真希ちゃんは性に潔癖な、男嫌いな役も似合いますね。椎名桔平扮する大石に対する、ほんと不快な虫でも見るような目、表情。何度か彼に言う『気持ち悪い…!』という台詞が、何かリアルな響きがしました。
 大石役の椎名桔平、いい男いい俳優で大好きですが、もうちょっとズタボロになってもよかったのでは。このドラマ、きっぺいだけでなく、男優陣がなかなかイケてるメンツなんですよ!

 大石の愛人の元カレ役の福士誠治久々に見た彼、相変わらず端正な男前!最近は福士といえば蒼汰ですが、私は誠治のほうがタイプかも。でも誠治くん、すぐ無残に殺されてしまいガッカリ。もう主役とか無理なのかなあ。カッコいいのになあ。若い人向けの今風イケメンじゃないからねえ。彼主演のドラマや映画、観たいです。

 桐子の知的障害のある弟役、古畑新之くんが可愛かった!愛しくて切なくなる演技でした。あと、事件記者役の高橋克実、怪しい男役の趙和も好演。趙和もなかなか化ける男ですよね~。胡散くさい役がピッタリかと思えば、時代劇での雄々しい武士の彼も素敵だし。
 次は、同じく松本清張の「坂道の家」。
 暗い秘密を抱えて生きる美容師のりえ子は、吉太郎という老人の愛人となる。そんな中、初恋の幼なじみである直樹と再会したりえ子は、彼と密会を重ねるように。それを知り嫉妬に狂った吉太郎は…
 ミステリーというより、痴情のもつれ話ですね。脚本も演出も、最近のTVドラマらしからぬアダルティさでした。大人の男女の情愛とか業の深さを表現するためには、やはり濡れ場は必要ですよ。このドラマ、しょっぱなから車中フェラとか、子どもとは一緒に観られない、説明を求められたら困るシーンがたくさんあって、なかなか楽しかったです。りえ子役の尾野真千子、肌もあらわな下着姿や、生々しい喘ぎ声とかエクスタシー表情など、エロシーン頑張ってましたね~。ガッツあるな~と感心。魔性というより淫蕩な女の悲劇を熱演してました。基本サバサバした女優なせいか、ドロドロしい情念や愛執などはあまり感じられなかったです。
 吉太郎役、柄本明の老いらくの狂恋がヤバすぎて笑えた。もの狂おしすぎて、何だかコントチックだった。こういう醜く悲しい役を演じてくれるベテラン男優も少ないので、柄本さんみたいな怪優は貴重です。
 直樹役は、大好きな小澤征悦

 オザユキ、いつ見てもカッコいいですね~そして、いつ見ても演技は同じですねとんでもない事態なのに、何かボケ~っとしてるだけみたいな。役もかなりトンマな間男で、エッチを中断された時のマヌケ顔とか、慌てて逃げる姿とか、可愛くて笑えた。珍しくラブシーンなんかに挑戦してたオザユキ、彼にしては頑張ってたと思うけど、あれが限界なのかな。上半身ぐらい脱げよ。尾野真千子より肌露出が少ないなんて、いい年して役者魂がなさすぎます。若い池松壮亮や永山絢人とかもスッポンポンになって頑張ってるんだから、全裸セックスシーンぐらいやりなさい!
 最後は、TBSの「全盲の僕が弁護士になった理由」。
 全盲の弁護士大河内は、ある殺人事件の被告の弁護を引き受ける。投げやりな被告人の態度に、彼の自白はウソだと大河内は確信するが…
 松坂桃李が、全盲の弁護士役に挑戦!

 トーリくん、すごく可愛かったです。ちょっとスネた不良っぽい役が多いからか、穏やかで優しい紳士なトーリくんは何だか新鮮でした。あんなイケメン弁護士、いねーよ!いたら犯罪者になって雇うわ!と思ったけど。ほっそりとスレンダーな長身もカッコいいトーリくんですが、ちょっと痩せすぎ?ほぼ着っぱなしなスーツが、細すぎてあまり似合ってなかった。もうちょっと肉つけよう!トーリくんの美しい瞳、低い甘い声も好き。あの瞳と声は、優しい役よりもSっぽい役に合いますね。でも、奥さんと仲睦まじいシーンや、奥さんに甘えたりするシーンのトーリくん、so sweet!優しくて誠実で、その上イケメンの弁護士なんて。あんな旦那さんいたら幸せだろうな~。

 実在の全盲の大胡田弁護士が書いた自伝が元になってるドラマだそうです。すごい努力家、強い精神力だな~と頭が下がります。私なんか、五体満足なのに九九もろくに言えない…せっかくの感動的な実話なので、もっと努力の過程とか挫折、奥さんとの生活に重点を置いた内容にしてほしかったかも。殺人事件を大河内が捜査して解決するという2時間ドラマな展開、かなり無理があったしチープな感じがしました。ちなみに、大胡田さんとトーリくんは、1ミリも似てませんトーリくんみたいなイケメン、やっぱそうそういないですよ。
 大河内が弁護する被告人の青年役、このイケメンになった織田信成っぽい男は誰?めっちゃタイプなんですけど!どっかで見たことあるような?と思ったら、太賀くんでした。太賀くん、NHKの「15歳の志願兵」とか、こないだまで少年だと思ってたら、いい男になりましたね~。演技も相変わらず上手。彼も今後が楽しみな俳優です。


 
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殺人の金メダリストたち!

2014-10-14 | 日本のドラマ(単発)
 Mr,サンデーの特別企画「東京オリンピックと世紀の大犯罪」を観ました。
 高度成長期の真っ只中、オリンピック開催でわきたつ日本で起きた3つの凶悪事件と、恐るべき殺人犯として死刑に処せられた男女たちとは…
 当時の映像や関係者へのインタビューと、俳優たちが演じる再現ドラマで構成された内容。私が小さい頃、水曜スペシャルとかで戦後凶悪事件簿、みたいなのをよくやってたんですよね~。怯えながら観てたのを、今でも覚えてます。この世でいちばん怖いのは、やはり人間…人間の中にある、暗い闇と深い淵。決して入り込んでも、覗き込んでもいけない。でも…魔魅のように私を惹きつけてしまうのです。この特番で取り上げられた3つの今なお悪名高い事件も、それぞれに恐怖と不可解さに満ちた、ヘタな怪奇ものやホラーなどより恐ろしい人間ドラマです。
 パート1は、吉展ちゃん誘拐事件。数年前のスペシャルドラマ「刑事一代」も記憶にあたらしい。
 この事件は本当に虚しく悲しい、やりきれない事件ですよね。まず思わないでいられないのは、なぜ吉展ちゃんを殺してしまったのか、ということ。殺さないでいてくれたら…犯人の小原保は、何の罪もない幼子を手にかけた大罪人として、もちろん赦すことも同情もできませんが、神戸女児バラバラ殺人事件とか、最近の子どもを殺す鬼畜とは違う悲しい運命を背負っているようで、胸が痛くもなります。幼い子ども二人を置き去りにして、しかも外に出られないようにして餓死させた鬼母とか、広島の木下あいりちゃん事件のペルー人とか、あいつらが無期や懲役刑ですんで小原が死刑って、何か矛盾を感じます。とにかく、子どもを殺すのは最も罪深いこと…

 事件後、文化放送の記者が逮捕される前の小原に独占インタビューをした経緯のドキュメントがメインで、事件の再現ドラマは短く薄かったのが残念でした。小原役は、柄本明の息子である柄本時生。彼って、演じる役のほとんどが犯罪者?罪を犯してなくても容疑者にされる顔ですよね彼みたいな役者は貴重です。殺害する前に、眠った吉展ちゃんをコートで包み込んで、優しく抱きしめるシーンの彼が印象的でした。吉展ちゃん役の子役が、これまた可愛い子で…なので余計に心が痛みました。

 ↑実際の小原保
 パート2は、ホテル日本閣事件。吉永小百合主演の映画「天国の駅」の元ネタとなった殺人事件です。
 色と欲にかられて3人も殺した小林カウは、戦後初の女性死刑執行。やったことはまさに外道、鬼畜そのものです。なのに、あっけらかんとしたキャラがチャーミングでもあって。常に前向き思考、ポジティヴな行動が、すべて間違った方向に暴走。とにかくバイタリティあふれていて、あのエネルギーを正しく使えばきっと尊敬される女傑にもなれたはずなのにな~と、何か惜しい気持ちにもなりました。

 カウ役の美保純、毒々しくも愛嬌ある演技が秀逸でした。あんなエッチで可愛い熟女なら、ヤバいと警戒しつつも男は惹きこまれるだろうな~と納得できる魅力でした。カウに関わる男どもが、どいつもこいつもロクでもない奴らで、破滅しても全然同情できなかった。特に日本閣の主人が最悪。殺されて当然とさえ思ってしまった。カウの若い愛人役の男の子が、結構イケメンでした。

 ↑実際の小林カウ
 ラストのパート3は、西口彰事件。緒形拳主演の映画「復讐するは我にあり」の元ネタとなった事件です。
 これも非道すぎる事件。まさに全国殺人行脚、殺人放浪記って感じ。東奔西走、神出鬼没で殺しまくる西口。殺人だけでなく、詐欺も成功させてる知能犯なところが、西口の特異さでしょうか。あんなに簡単に騙されるものなんですね~。詐欺を楽しんでる、でも面倒になったら殺す、みたいなノリ。10歳の女の子に正体を見破られた、というエピソードが有名な事件ですが…あの女の子の一家の恐怖体験が生々しくて怖かったわ。西口を逃がさないために、命をかける一家に驚きました。何でそこまでするの?!無謀!早く逃げて!としか思えなかったけど…

 西口役の陣内智則、バラエティでしか見たことなかったけど、なかなかの役者じゃないですか。冷酷で凶暴な目つきとか、かなり怖かった。さすが紀香が惚れただけあって、男前でもあります。ドラマでもっと活躍してほしいかも。西口の正体を見破る少女役の女の子が、すごく可愛かったです。
 どの事件も、警察の動きがどうにももどかしいんですよね~。吉展ちゃん事件で、身代金をまんまと奪われた上に逃げられるなんて、信じられない失態だし。小林カウの若い愛人は、現職の警察官だったし。女の子の一家に西口を正体を確かめる手伝いをさせる警察、もし一家に何かあったらどーすんの?!と呆れた。

 ↑実際の西口彰
 光があれば影もあり…数年後に再び東京でオリンピックが開催されますが、愚かな人間はいつの時代も過ちを犯さずにはいられないでしょう…
 こういう番組、また製作してほしいです。富山長野連続誘拐殺人事件の宮崎知子とか、上野消火器商一家殺人事件の二人組とか、大阪姉妹殺人事件の山地悠紀夫とか…謎すぎる凶悪犯に迫ってほしいです。

 
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男色警官の犯罪!

2014-10-12 | 日本のドラマ(単発)
 2009年のテレビ朝日のスペシャルドラマ「警官の血」を観ることができました♪リアルタイムでは見逃してしまい残念に思ってたところ、今年になってBSで再放送されて驚喜の鑑賞と相成りました。
 終戦で復員し、警察官となった安城清二。同期である公安刑事の早瀬が、男娼殺しに関わっているのではないかと疑っていた矢先に、清二は不審な死を遂げてしまう。清二の息子・民雄も警察官となるが、過激派の学生運動家をスパイする任務中に精神を病んでしまい、自殺的な殉職をする。刑事となった民雄の息子・和也は、マル暴刑事の加賀谷と暴力団の癒着を探るよう命じられるが…

 直木賞候補にもなった佐々木譲の原作小説は、なかなか読みごたえのある大作でした。親子3代にわたる大河な警察ドラマです。昭和20年代の終戦直後の混乱や、昭和40年代の安保闘争への警察の関わり方が興味深かったです。いろんな映画やドラマ、小説でも描かれてますが、警察の世界って闇が深いんだな~怖いな~と、あらためて思いました。決してカッコいい正義の味方なんかじゃない、因業な辛いヨゴレ仕事ですよね…
 時代ごとの世相や世情、そこで警察がどんな動きをしたのかを描くのが本来の目的であるはずなのですが、このドラマ…正統派な警察ものから、かなり逸脱してます。毒にもクスリにもならない、ジジババ向けの刑事ものじゃないんですよ。犯人は最初から分かるので、ミステリーでもない。警察ものというより、病んだ男たちの壮大なる愛憎物語って感じなんです。ベトベトドロドロした愛憎と苦悩にぬめった男たちが、汗と涙と血を流しまくって狂乱&悶絶しっぱなし!ジジババやコドモには、ちょっと刺激が強すぎるかも。刺激的に運命の男たちを演じた男優たちが、なかなかの熱演怪演を披露しています。
 清二役の江口洋介は、正義感が強くて真っ直ぐで熱血、という若い頃からと変わらぬ役と演技で、見た目もまだ若々しくカッコいいのですが、正直いちばんつまらない存在でした。民雄役は吉岡秀隆。彼のよさが私、いまだに解からないんです。顔も声も演技も、ぜんぶ苦手民雄って、誰が見ても美男な俳優がやるべき役なんだけどな~。和也役の伊藤英明は、カッコよく見える時とそうでない時のギャップが大きすぎる。このドラマでも、ちゃんと脱いでたのは彼らしかった
 ビミョーな主役3人よりも、このドラマは脇役が強烈で素晴らしいです。特に、早瀬役の椎名桔平。父子3代に関わり、最初から最後まで出ている彼こそ、影の主役といって過言ではありません。

 とにかく彼、病んでますコワレてます。目つきからして、もう尋常じゃない。優秀な刑事でありながら、とんでもない犯罪者でもある早瀬を、熱っぽくもネットリ演じてる桔平は、完全に主役3人をかすませてます。狂った演技も激烈でしたが、やはり何といっても男色シーンですよ!
 悪夢の戦地レイテ島で知ってしまった、禁断の性愛…異国の美少年や、東京の男娼との妖しい絡みにヒエー!!BLシーンなんて、最近の日本の映画やドラマじゃあ、なかなかお目にかかれませんからね~。しかも、サラっとじゃなくて、かなりネットリはっきり描かれてるんですよ。男娼を後ろから抱きしめてる全裸の桔平、レイテ島の少年にキスされハアハア欲情する桔平。うう~ん、いい仕事しますね~こういうリスキーな役をおいしい役にしてしまうのが、本物の役者ですよ。傑作「永遠の仔」以来の名演と感嘆しましたが、このドラマの演出も永遠の仔と同じ鶴橋康夫監督でした。和也編ではヨボヨボ老人になってる早瀬なのですが、さすがに桔平の老けメイクは不自然で、演技も何だか新喜劇の辻本茂雄の爺キャラとカブって笑えた。

 悪徳マル暴刑事の加賀谷役、佐藤浩市もカッチョE!最近は、くたびれた哀愁中年男がワンパターン化してる浩市さんですが、堕落したチョイワルやさぐれ男役の彼のほうが魅力的です。大人の男の色気ムンムンで、若い男なんか逆立ちしても勝てません。
 その他にも、平田満(佐藤浩市とは「蕾の眺め」や「天国と地獄」でも共演してましたね)、高橋克典、平岳大、田中圭、小澤征悦(桔平の息子役!似てねぇ~!)、六平直政、奥田瑛二、六角精児、泉谷しげるなどが、濃ゆく脇を固めています。

 男娼役の男の子が、すごく切なくて可愛かった。誰じゃろ?と思って調べたら…「S 最後の警官」でバスジャック役やってた子と同一人物と知りビツクリ!確かにあのバスジャックくん、可愛かったもんね。好演熱演の男優とは逆に、女優たちの影の薄いことといったら。清二の妻役の木村佳乃なんて、どう見ても小金持ちのマダムで、貧乏長屋の奥さんに全然見えなかったし。当時は無名に近かった尾野真千子も、ああ出てたんだ~ぐらいの印象。麻生裕未ぐらいかな、女優でインパクトがあったのは。DVされてる人妻役の麻生さん、一瞬すごい妖しい微笑を浮かべるシーンがあるんですけど、あれはいったい…心に引っかかる、謎めいたシーンでした。
 「警官の血」には続編があるそうなので、今度読んでみたいと思います。
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雨音は80’の調べ

2014-06-25 | 日本のドラマ(単発)
 Rainy days...心も湿りがちな憂い梅雨ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか
 最近、80年代のヒット曲にハマってます♪
 年齢がバレますが私が子どもの頃のトップアイドルといえば、ミポリンやナンノ、桃子や斉藤由貴etc.みんな可愛くてきれいで、歌も名曲が多かった。歌番組、特にザ・ベストテンが好きで、毎週どんなセット、どんな衣裳で彼女たちが歌うのか、ワクワク楽しみにしてました。なぜか男性アイドルにはあまり興味がなく、もっぱら渡瀬恒彦とか片岡孝夫とか荻島真一とか、素敵おぢさまにトキメキトゥナイトだった私です。
 ザ・ベストテンには、たくさん忘れがたい思い出の歌手やシーンがあるのですが、特に強烈に覚えてるのが小林麻美の“雨音はショパンの調べ”です。毎週上位にランクインする大ヒットだったのですが、ベストテンには一度も出演しなかったんです。確か他の音楽番組にも出なかったはず。ミステリアスな小林麻美が、幼心にすごく気になる存在に。思い余って、生まれて初めて自分のお小遣いでレコード(まだCDじゃなかった)を買っちゃいました。大好きだったアイドルの曲とは違う、けだるい大人の女って感じの歌声と歌詞(作詞はユーミン)が衝撃的かつカッコよくて、小林麻美みたいになりたい~とマセた願望を抱き、雨の日は窓辺でやるせなさげ~に溜息をつくなど、ひとりアンニュイごっこしてた私。いま思えばスゴいアホなガキ

 歌番組と違い、CMやドラマには出てた小林麻美。私が初めて動く彼女を見たのが、「大奥83’」でした。何と、篤姫の役!篤姫が将軍家に嫁ぐ前に、下っ端女中に化けて大奥に潜入し実態を見聞する、というストーリーでした。馬ヅラで背が高いので、時代劇が似合わなくてこれも衝撃的でした。しかも、中村メイコや山田邦子とコントみたいなことやってるし!憧れのアンニュイが~でも、他の女優にはない美しさには魅せられました。次に観たのが「真夜中の招待状」。こっちは彼女のために作られた、彼女のPVみたいな映画でした。

 事務所の社長と結婚して引退する前に、小林麻美は3作ほどNHKの単発ドラマに出演していて、前から観たいな~と思ってたら、運よく1本だけ観ることができました。直木賞作家、藤原伊織原作の「ダックスフントのワープ」です。1989年の作品で、小林麻美最後のドラマでもあります。
 昼は公認会計士になるための勉強、夜はキャバレーでストリッパーをしている青年修は、金持ちの下路の幼い娘マリの家庭教師となる。賢いが自閉症気味のマリは小学校にも行かず、若い継母の陽子を蔑んでいた。そんなマリに、修はワープするダックスフントの物語を話して聞かせるように…
 何かすごく不思議なドラマでした。世界観というか空気感というか、どこか非日常的で浮世離れした感じ。でも、現代人の抱える虚無感とか孤独とかが、深く静かに伝わってくるドラマでした。静かで悲しいラストも、衝撃的で深い余韻を残します。世にも奇妙な物語とかとは違う、大人向けのメルヘン、哀しい現代の童話、みたいな。今、こういうドラマって観られないですよね~。オコチャマ向けかジジババ向けの、わかりやすくて浅い安いドラマばかりなので、このドラマのクオリティの高い不思議さがすごく新鮮でした。

 修が語るダックスフントの冒険話が、これまた不思議な、それでいて深い内容なんですよ。ダックスフントが遭遇する危難や苦しみ、悲しみが、修と彼を取り巻く人々と重なるところも面白かったです。挿入されるアニメも味があって良かった。原作の小説も、読んでみようかな~。
 主人公の修役は、陣内孝則。当時30歳ぐらい?わ、若い!っつっても、見た目も演技も今とあまり変わってませんが、肌はツヤツヤツルツル!あまり意味がなかったようなストリッパー設定が???でした。せめて肉体美だったらとも思った。
 下路役の平幹二郎が、さすがの名優の貫禄&怪演。威厳と気品があるけど、どこか不気味、かつオチャメ、なキャラが平ミッキーらしかった。プールのシーンでは、笑撃の水着姿にも。いつの時代の水着だよ?!と笑えた。股間にイヤでも目がいってしまうし(笑)。
 小林麻美は、下路の後妻の陽子役です。

 美人!可愛い!な女優や、演技うまい!な女優は腐るほどいますが…小林麻美の美しさと雰囲気は、やはり独特すぎます。80年代のファッション、髪形も、彼女だと今見てもエレガントでシック。ちょっとフランス女優っぽいというか。都会的な憂いとか、情熱的でありながら不安定で脆い女の役が似合うところとか。意地悪な夫と義理の娘にバカにされてイジメられてコワレちゃう演技、なかなか魅惑的で秀逸でした。生活感がまったくないところも素敵。このドラマが醸してた今のドラマに欠いてる神秘的な高級感は、小林麻美のおかげだと思います。

 今、アンニュイでミステリアスでファッショナブル、といった小林麻美的ポジションの女優、いませんよね~。元気で健康的なピチピチ娘か、男みたいなサバサバ系、ぶりっこ熟女ばかりだし。引退は今さらながら惜しまれますが、ファンが大事にしてるイメージを壊さないよう、魅惑的なままスパっと消えた小林麻美は、あっぱれな女性だとも思います。絶対に彼女のようにはなれない、マネもできないけど、心ひそかな永遠の憧れです。

 ↑数年前、久々に姿を現した小林麻美の最近影。ファッション誌とかではなく、なぜか歯科協会か何かの広報誌でのインタビュー記事。素敵なマダムっぽいですね

 
 
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もういくつ寝ると東京五輪

2013-12-05 | 日本のドラマ(単発)
 録画してたテレビ朝日開局55周年ドラマ、2夜連続放送の「オリンピックの身代金」を観ました♪
 昭和39年、オリンピック開催を目前とした東京で、連続爆破事件が発生する。事件を捜査する刑事の落合は、やがて島崎という東大生を容疑者として割り出すが…
 戦後の翳りを引きずりながら、繁栄を遂げる高度成長期の昭和で起こる事件が題材、豪華キャストとドラマティックな演出など、渡辺謙主演の「刑事一代」とカブるドラマでした。実際の事件を描いた刑事一代は、かなり重いリアルな人間ドラマでしたが、こっちはフィクションなせいか、非現実的で軽めのサスペンスって感じでした。相棒スペシャル、みたいな。岸部一徳出てたし。
 テーマは結構ヘヴィでシリアスだったけど…光があれば影もある、繁栄の陰で取り残された人々が強いられる理不尽な格差は、悲しすぎて痛ましい。でも…犯人には全然同情も共感もできませんでした。東大生のくせに、頭悪すぎとさえ思った。もっと他に方法なかったの?思考回路が、社会を逆恨みする某政治思想とか某邪教集団とか某テロリストと似てるし。満たされない不幸な自分たち側の怒りを、恵まれた幸福な側にぶつけて思い知らせたい、そのためには殺人も辞さない、という暴挙は決して許されるものではありません。怒りや悔しさをバネにして、努力して社会的に大成して、人々のために力を尽くせる人になる、という発想がなぜわかないのか。正義感や使命感も、独りよがりすぎると危険です。
 捕まらない犯人の運のよさもありえなかったけど、取り逃がす警察の無能さもありえなかった。まあ、2夜連続4時間近く引っ張らなきゃなんないから、しょーがないのかなとは思ったけど。実際、あの時代には吉展ちゃん事件や狭山事件など、警察は信じがたい失態を犯しているので、まんざらありえない無能さではなかったのかな、とも。
 爆破シーンが、何かすげーショボかったのが失笑ものでした。ヤクザの事務所が吹っ飛ばされ、ヤーさんが窓からピョーン!なシーンとか、ギャグとしか思えなかった。爆破処理とか、杜撰すぎ。あと、犯人を追いつめる終盤。衆人環視で発砲とか車暴走とか、ぜんぜん隠密になってない。あれで事件がマスコミや一般人に気づかれず歴史の闇に消えたなんて、ありえませんよ。ていうか刑事さん、撃つならターゲットの腕か脚を狙って撃てよ。殺す気満々としか思えませんでした。
 昭和の高度成長期の様子は、丁寧に面白く描かれていたのではないでしょうか。ファッションとか車とか、目に楽しかったです。でも、何か昭和っぽさが感じられなかったんですよねえ。昭和の、あの独特の暗さや重さがなかった。それは恐らく、出演者の顔ぶれのせいだと思います。華やかだけど軽い薄い面々が、昭和にマッチしてなかったような。刑事一代は、地味だけどシブくて濃すぎるメンツだったよなあ。刑事一代が演技力重視で役者メイン、オリンピックが人気重視でスターメイン、みたいな。刑事一代には、迫真の演技に圧倒され息をのむシーンがあったけど、オリンピックにはそれが皆無だった。その代わり、イケメン&男前度が高かった。
 落合刑事役の竹野内豊と、島崎役の松山ケンイチがW主演。
 
竹野内さんは、相変わらずカッコいい!ヒゲなし短髪だと、童顔だということがあらためて分かって可愛い。ちょっと痩せすぎで貧相に見えたのが気になったが、あんな刑事さんいたら逮捕されたい♪と、ときめかせる男前ぶりでした。甘低な声も素敵。
 平清盛以来、久々に見た松ケン。素朴で優しいけど、一途に思いつめた、静かな狂気を秘めたド田舎出身の青年役は、かなりハマってました。奇をてらったコスプレ演技より(虚無僧姿は、ちょっと笑えたが。あんな怪しい人、真っ先に職務質問されそうだけど)、こういった素の魅力を活かした役の彼のほうが素敵です。
 脇役も必要以上、いや、意味不明なほど派手なメンツでした。竹野内さんと同じ事務所の人気スターが、おおぜい駆り出されてたような?唐沢寿明、天海祐希、江角マキコ、榮倉奈々などが、チョイ役カメオ出演。黒木メイサ演じる落合刑事の妹が、???なキャラすぎ。あの役、必要だったのかしらん?犯人隠匿、幇助なのに何で逮捕されないの?!凶悪犯にあそこまで関わった妹がいたら、フツーなら落合刑事は捜査から外されるでしょ。チョイ役なら、目撃者のルンペン役の渡辺哲、ヒロポン売人役の室井滋、隠れホモ男役の田中哲司(隠してた雑誌『薔薇貴族』が笑えた)、極道な労働者役の六平直政が、さすがのバイプレイヤーぶりでした。
 イケメン要員としては、落合刑事の部下役の斉藤工(ほんと最近、よく出ますよね~。どんな役でも、東南アジアっぽさが消えない)、警察幹部のバカ息子役の速水もこみち(好演!もこみちの演技、初めて上手いと思った)。わし的に最も嬉しかったのは、落合刑事の同僚役の小澤征悦

 オザユキも、相変わらずカッコいい。スマートに男らしい、ワイルドだけど下品じゃないところが好きです。滝川クリステルを、校舎の裏にお・も・て・な・し♪したくなるほどの男前ぶりです。斉藤工とよりも、竹野内さんはオザユキとお似合いのカップル、じゃない、コンビでした。カッコよさ同様、役と演技も相変わらずのオザユキなので、そろそろ一皮むけるチャレンジをしてほしい。ドラマや映画に出ずっぱりで、わりと重要な役も任されてるわりには、カッコよさ以外は印象に残らないオザユキ。ガツガツしてないところも、まあ彼の魅力なんだけどね。
 松ケン、もこみち、斉藤工、オザユキ、沢村一樹、みんなデカいので、チビじゃないはずの竹野内さんが小さく見えたのが気の毒だった。デカいけど、みんなスタイルよすぎて現代的なルックスなのも、昭和のムードが出てなかった敗因かもしれません。
 7年後に、再び東京でオリンピックが開催されますが…それまで私、生き永らえてるでしょうか自信ないです
 
 
 
 
 



 
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