まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

愛が見えない

2015-05-31 | 韓国映画
 お松の第5回独り韓国映画祭⑤
 「ブラインド」
 警察大学の学生スアは、事故で失明してしまう。盲導犬スルギと暮らしながら復学を目指していたスアは、連続女性誘拐魔の犯行に遭遇してしまい…
 久々に見たユ・スンホくん、かつての名子役も、すっかり大人の男に成長して、と思いきや…
 
 「善徳女王」の頃と、あまり変わってませんでした。まだまだ少年って感じです。安心したような、ちょっと残念だったような。今は少年ですが、いい男になるだろうな、という期待は抱かせてくれるスンホくんです。声と瞳がきれいですね~。ちょっと屈折した優等生、というイメージの彼が、珍しく不良っぽい役。チンピラな髪型やファッション、アホっぽい表情・台詞が新鮮でしたが、すごく賢そうなところは隠せない。芯が凛としてるところは不変。

 誘拐事件に巻き込まれ、ヒロインを助けるヒーローな彼は、カッコいいというより可愛かったです。ヒロインと恋愛に発展しそうな気配など微塵もなく、ヒロインが事故で死んだ弟分の子を彼に重ねるように、最初から最後まで可愛い弟キャラに徹していたのも萌え設定でした。あんな可愛い男の子に、守られ励まされ慰められてみたいものです。

 お話じたいは、フツーのサイコサスペンスです。暗闇の中で恐怖を体験、闘いを余儀なくされる盲目のヒロインといえば、オードリー・ヘプバーンの「暗くなるまで待って」を彷彿とさせます。目が見えないゆえに研ぎ澄まされた感覚、洞察力がスゴかった。もし私が失明しても、あんな風になれないだろうし。ヒロインを演じたキム・ハヌル、彼女ももう結構なベテラン女優のはずですが、老けないですね~。美人だけど地味だからかな。抑えた演技が良かったです。

 サイコな犯人が、かなり雑なキャラだったのが残念。あんな行き当たりばったり、どうにでもなれ的な犯行なのに、なかなか発覚しないし捕まりもしないなんて。韓国の警察、どんだけいい加減で無能なんだよ、と呆れました。盲導犬のスルギが、けなげで泣けます。日本でも盲導犬を刺すという卑劣極まりない事件が起きましたが、犯人捕まってないですよね。
 事件よりも怖かったのは、韓国の貧困層が住む地域の、あの独特の暗さと狭さ。迷路みたいに入り組んだ路地とか、昼間でもドヨヨ~ンと薄暗く淀んだ雰囲気とか、住んでる人たちのガラの悪さとか、環境が劣悪すぎ。強盗とか暴行とか日常茶飯事みたいな感じで怖いです。

 ↑ユ・スンホくんを初めて見た時は、ソ・ジソブの弟?!と思った。そっくりなことでファンの間でも認識されてる二人、実際にも兄弟、いや、恋人のように仲良しみたいです。早く映画かドラマでの共演が実現しますように♪
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鯉心せつない夜に…

2015-05-28 | カープ
 交流戦、ロッテとの第2戦目を、マツダスタジアムで観戦してきました~。
 初戦は勝利!ぶっちぎりの最下位という悪い流れを、ここで何とか変えたい、変えねば!
 と、その前に…フライデーで激写されてたマエケン&大瀬良くんの夜遊び写真…

 うう~ん…別にいいんだけど…今の嫁と付き合ってる時に、グラビアタレントと二股浮気現場を撮られた前科もあるマエケン、ほんま女好きなんですね~。マエケンはともかく、大瀬良くんまで?!と、正直驚きました。まあ、彼はマエケンの言いなりで、先輩に絶対服従という典型的な体育会系なんだろうな~と推察されますが。大瀬良くんだってヤリたい盛りの若い男の子だしモテモテだろうし独身なんだから、女遊びしたって誰からも目くじら立てられる筋合いはない。彼をアイドル視してるカープ女子はショックでしょうけど…ヘンな女に引っかからぬよう用心しながら、適度に遊んで英気を養ってほしいとは思うけど、こんなどん底状態でそっち方面のバットとボールが元気すぎるのは、何か違和感を否めません。
 で、話をロッテとの第2戦に戻します。先発は、その大瀬良くん。ズムスタで大瀬良くんを見るのは初だったので、ワクワク度はいつもよりも高め。そして、不安と心配もいつもの倍。決して好調とは言えない大瀬良くん、どうかどうか彼が勝ちますように!と、応援はもう祈りに近いものに。
 この日は超いい天気で、気温は30度近く!広島駅からズムスタにたどり着くまでに、暑さに弱い私は行き倒れ寸前。同行者である職場の後輩たちに介護されながら何とか到着。試合が始まる前から、もうすでに精魂尽き果ててしまっていました…球場はすごい盛り上がりで、いつもに増して華やかなカープ女子が多く来場してたように感じました。以前は圧倒的な人気だった堂林やマエケンのユニフォームを着てるカープ女子は明らかに減ってました。私が見たところ、菊池のユニフォームを着てるカープ女子がすごく多かったです。男性は黒田&新井のファンが目立ってた。

 大瀬良くん、心配してた通りポカスカ打たれまくり、序盤から危なっかしいことこの上なしロッテに先制を許してしまう。ああ~大瀬良くん~胃が、胃が痛い…でも、今回は打線が好調で、復帰したばかりのエルドレットがさっそくホームラン!さすがエル!丸もHR!梵や新井もタイムリーを放つなど、カープがリード!いい感じ!連勝かな?と期待を抱かせる空気は、しかしすぐに凍りつく。大瀬良くんがポカスカ打たれ、あっちゅー間に逆転おいおいおい~ビジター席のロッテの応援がノリノリで、思わずこっちまで体が動いてしまうほどデスパイネ、すっかり名前を覚えてしまった。
 もう痛々しいだけの大瀬良くん、指に怪我?とかで降板。トッティこと戸田が中継ぎに。トッティは見事な好投。それにしてもトッティ、細!巨体のエルドレットと比べると、まるでマッチ棒でした。そのエルドレットも全く打たなくなるなど、今度は打線に悪い流れが。とにかく、投打が噛み合わないんです。打席に立った野手は、ことごとくチャンスをブチ壊しまくりで、応援席のOH,NOOOOO!!なガッカリ感はハンパなかったです。代打の救世主として、ちょっと前までは輝きを見せていた小窪も、絶好の逆転のチャンスをフイに。この時点で、私だけでなく多くのカープファンはイヤな確信を、口には出せないイヤな予感を抱いたはずです。意気地なしな私はもうとても観てられなくなり、球場を後にしてしまったのでした…
 流川の飲み屋で知った結果…え!?わしらが帰ってからまたガンガン打たれて、最後の最後になって1点差の惜敗どころか無残な惨敗!トホホすぎる~
 まだ大丈夫、次がある、なんて悠長なこと、もう言ってられない状態のカープ。どうしてこんなことに…ファンもいいかげん、優しい目も甘い言葉もできなくなってきてます。こんなテイタラクで、次があるとか自分らしくとか楽しんでプレイするとか、選手の口から聞くのは何だか苦々しくも口惜しい。ポジティヴではなく、のんきな開き直りに聞こえてしまうのです。もはや次はない!な崖っぷちな悲壮感で挑んでほしいです。意気消沈や落胆ではなく、元気と希望をください…

 去年はいっぱい癒しと萌えをくれた大瀬良くんですが、今年は胃痛と心痛ばかり…でも、苦難のトンネルを抜ける日は必ず来る!頑張れ!とりあえずマエケンを見習うのは、野球だけにしたほうがいいかもね
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過去のある人妻!

2015-05-24 | 韓国映画
 お松の第5回独り韓国映画祭④
 「夜の女王」
 さえない会社員ヨンスは、一目惚れした美女ヒジュに猛アタックし、彼女とめでたくゴールイン。幸せな結婚生活を満喫していたヨンスだったが、あることがきっかけでヒジュが悪名高い伝説のクラブクイーン、レクシーと同一人物ではないかという疑惑を抱き始めて…
 あまたいる大好きな韓流男優の中で、誰がいちばんタイプか、誰と臥所を共にしたいか、と問われたら…今まっさきに顔が浮かぶのは、チョン・ジョンミョンかもしれません。ミョン太、どストライクな男なんですよ何もかもが。お猿な童顔、スラリとしてるけどガッチリ筋肉質な長身、可愛らしいけど男らしい雰囲気。恋するなというほうが無理です。そんなミョン太の魅力を、映画でも再確認。

 小心者のダサ男、非モテ男の役なんだけど…ぶっちゃけ、これでモテないわけないだろ?!なカッコカワイさでした。髪型とかキャラとかでダサさを強調してたけど、小顔!背が高い!足が長い!スタイルよすぎ!ブサメンにもダサメンにもなれない美点が多すぎます。

 それにしてもミョン太って、ほんと年上女キラー、ヌナ(お姉さん)殺しですよね~。私にはないはずの母性本能をくすぐりまくり。ミョン太のあの無垢な笑顔、悲しそうな上目づかい、捨てられ仔犬みたいな寂しげな風情は、心臓に悪いほど胸をキュンキュンさせます

 ミョン太の可愛さには、わざとらしさとか媚とかが全然ないんですよね~。香取しんごとか上地ゆうすけとかと違って、イラっとさせたり気持ち悪い男ぶりっこじゃないんです。それはおそらくミョン太が、可愛いけど同時に男らしいからでしょう。

 気弱でお人よしな役でも、芯にある“男”が強い濃ゆいんですよ。草食男子になはれない♂フェロモンが出てるんです。可愛がりたい甘やかしたいと思わせると同時に、甘えたい頼りたいとも女に願わせる男らしさこそ、ミョン太の魅力ではないでしょうか。

 ベタボレしてる恋女房にワンコなミョン太、ほんと可愛い!わしもミョン太に膝枕、耳掻きしたい~!嫁の過去に右往左往、血眼になって彼女の過去をほじくり返し、おかしな妄想にとり憑かれて暴走するミョン太が、キュートに危ない。あのストーカー予備軍みたいな愛も、ミョン太だから許せるのであって、あれがフツーの男だったら、鬱陶しいし重い怖いかも。それにしても。ミョン太ももう30過ぎだけど、いい感じにとっちゃん坊や化してますよね。可愛いおじさんになりそう。

 惜しむらくは、せっかくのミョン太の♂フェロモンが活かされていなかったこと。韓流男優といえばの無駄脱ぎもなし。ヨンスとヒジュ、とても夜の夫婦生活、子作りしてるとは思えないカップルだったし。キツネちゃんとかファッション70’sの、セクシーなミョン太が懐かしい。

 映画じたいは、他愛もないドタバタラブコメで、特筆することはなし。ヒジュの過去も、大したことないし。殺人鬼とか売春婦だったとかならともかく、ただのヤンキーぐらいで大騒ぎしすぎ。ヤンキー時代のヒジュや元ヤン友だちの、ベタなスケバンキャラは笑えました。

 ヒジュ役は、ミョン太とは「ファッション70’s」でも共演してたキム・ミンジョン。瀬川瑛子に似てる?
 ヨンスの親友役は、「根の深い木」などの名脇役キム・ギバン。ワタシ的には、某事務所のタレントなんかより彼みたいな男のほうがイケて見えるんですよね~。
 この映画の理想妄想イルボンリメイクキャストは、これニダ!

 ヨンス … 池松壮亮
 ヒジュ … 木村文乃
 ヨンスの親友 … 淵上泰史
 ヒジュの親友 … 椿鬼奴
 整形イケメンの社長 …丸山智己 
 伝説のDJ … 平山浩行

 こんなん出ましたけどぉ~?
 「とめはね!」の壮亮くん、ちょっとヨンスに似てる役で可愛かったから、またコメディにも出てほしいです。

 除隊後は、休むことなくドラマに出まくってたミョン太。さしものタフな彼も、過労で帯状疱疹に罹ってしまったとか…お大事に!

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乱を好む貌

2015-05-21 | 韓国映画
 お松の第5回独り韓国映画祭③
 「観相師」
 15世紀の朝鮮。顔を見ればその人のすべてが判る天才的な観相師ネギョンは、義弟のペンホン、ひとり息子ジニョンと3人で山奥に蟄居していた。息子のために人生をやり直そうと、ネギョンはペンホンと共に都へ移り住み、ある殺人事件を観相師として解決し評判となる。一方、宮廷では権力者のキム・ジョンソと王の弟である首陽大君が、王位をめぐって対立していた…
 去年、劇場で見逃してしまい残念に思ってた作品。期待通り、すごく面白かったです。やっぱ韓国映画、侮れんわ~。今や、観たいと思う作品は邦画よりも、韓国映画のほうが多いですもん。内容はもとより、俳優の演技も魅力的で挑戦的でユニーク(女優はビミョーだが)。日本だって、すぐれた俳優はたくさんいますが、彼らが素質や力量を示すことができるような作品よりも、子どもとジジババ向けの毒にも薬にもならん作品しか作れないのが、邦画の嘆かわしい現状です。
 閑話休題。私、時代劇、特に陰謀渦巻く宮廷ドラマが大好きなんですよ。権力をめぐって暴と智の熱い火花を散らす男たちって、カッコいいですよね。しかもこの映画、女がほとんど出てこない関わってこない男まつり映画なんですよ!女への愛とか恋とかベタベタしくて甘い要素がないのが、ほんと気持ちよかったです
 血なまぐさく荒々しい陰謀と策謀、激流のように主人公と観客を飲み込む展開は、退屈にダレることを許しません。前半はかなりコメディタッチ。宮廷の権力闘争に主人公が巻き込まれて始めると、ハラハラなサスペンスタッチに、そして悲劇的なドラマに。ラスト近くのクーデターは、まさに悪夢の地獄絵図!目を背けたくなるような残虐で野蛮なシーンが多いのも、韓国映画ならではです。眠らせた首陽大君にこっそりホクロをつける手術シーンとか、ミッションインポッシブルちっくでスリリング。ネギョンの目がえぐられそうになるシーンとか、予測不可能な恐怖に満ちて怖かった。韓国時代劇のコスチュームも、目に楽しいです。色合いや型が、清らかで緩やかなのが素敵。

 それにしても。観相ってスゴいですね~。ネギョンの見立ては、ほとんど超能力。学んで習得できるもんじゃないでしょ。見えないものが見えてしまう特殊能力が備わってるのって、決して幸せなことじゃないんですね。ネギョンがたどる運命からして、祝福された才能というより、不幸を招く呪いとしか思えなかったです。
 ネギョン役は、名優ソン・ガンホ。一見気のいいおっさんだけど、心に深い傷とか狂気的な激情を秘めてる男役は、ガンホおぢさんの十八番ですね。おバカ演技もシリアスな演技も秀逸。ひとり息子への優しさや苦しみに揺れる彼の表情が切なかったです。
 ネギョン義弟ペンホン役は、「キング」で寡黙なイケメン将校を演じてたチョ・ジョンソク。ドラマでは静かな二枚目でしたが、今回はハイテンションなお調子者役を好演。杏の夫に似てる?ちょっとだけ上半身裸見せ。いいカラダ!
 ネギョンの愛息ジニョン役は、「シークレットガーデン」で天才アーティスト役を演じてた男子ですね。私好みのイケメンじゃないのが残念。今回は、すごい可哀想な役でした
 それにしても。父、義弟、息子の関係が、ちょっと危ないんですよ。情が深すぎるというか。義兄弟同士でベタベタイチャイチャ、ぴったりくっついて同衾とかしてるし。仲が良すぎ!少年への男ふたりの愛情は、ほとんどBLだったような
 首陽大君役のイ・ジョンジェが、ちょんまるカッチョよかった~

 コミカルな内容が、彼が登場したとたん空気一変!マフィアもののような雰囲気に。初登場シーンからして、つかみはOK!な男前っぷり。

 一見フツーっぽく、これといった強烈な特徴がない風貌+高い演技力で、どんな役もできるジョンジェが、珍しく悪役に挑戦。冷酷で残忍、雄々しく猛々しい覇気に満ちた悪のカリスマぶりに惚れ惚れしました。ほんとは悲しい事情があって、などといった中途半端な悪ではなく、徹底的に無情で非情な悪人だったのが返って痛快だった。悪い男の役だけど、清々しい透明感とか、優しげだけどどこか掴めない、謎めいているという魅力と個性は不変なジョンジェでした。

 スタイルがいいので、何を着ても似合うジョンジェ。もちろん時代劇の衣装もバッチグー(死語)。脱いだらスゴいジョンジェですが、今回の脱ぎは後姿だけ。美しい背中でした。

 キーセン役のキム・ヘスは紅一点、おちゃめな美熟女で素敵。ジョンジェとは「10人の泥棒たち」でも共演してましたね。キム・ジョンソ役は、「根の深い木」で宮廷を牛耳る怖い先王を演じてたおぢさまですね。今回は高潔な善人役。貫禄と威厳があって、彼もカッコよかったです。
 こういう時代劇、日本でも作ってほしいなあ。イルボン理想妄想リメイクは…

 ネギョン … 堤真一
 首陽大君 … 瑛太
 ペンホン … 東出昌大
 ジニョン … 野村周平
 キーセン … 壇蜜
 キム・ジョンソ … 吉田鋼太郎

 こんなん出ましたけどぉ~?
 イタい中年化しつつある瑛太が役者として進化、イメチェンするために、ぴったりなカッコいい役だと思う!肉体改造して挑んでほしい。ペンホンは、杏の夫に似てるから彼しか思いつかない。

 ↑いつまでも若々しいジョンジェ。新作の「ビッグマッチ」では、自慢の肉体美をバッチリ見せてくれてるみたいです♪
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間男をパリで

2015-05-20 | フランス、ベルギー映画
 「間奏曲はパリで」
 田舎で夫のグザヴィエと共に畜産業を営むブリジットは、変化のない生活や夫との関係にどこか物足りなさを覚えていた。ふとパリに出ることを思い立ったブリジットは…
 フランスの大女優、イザベル・ユペールの新作。クールでニヒルな狂女・毒女を演じさせたら右に出る者なしなユペりんですが、最近の彼女は強烈な毒が抜けたというか、ナチュラルに軽やかにおとぼけ、みたいな芸風になってきてるような気がします。かつては観る者を不安に陥れ不吉な予感を抱かせ、黒い期待に胸をザワつかせてばかりだったユペりんですが、この映画でも彼女の最大の魅力である静かなるヤバさの代わりに、クスっと笑えるオチャメさと大ボケ小ボケっぷりでファンを魅了しています。

 変わりばえのない毎日、そこに自分と共に埋没しようとしている夫との関係に、ふと疑問や不安、虚しさを覚えてしまったヒロインの心情も、パリで繰り広げる男たちとのアバンチュールで味わうドキドキやトホホも、ユペりんは決して大げさな表情や動きをすることなく、でも確実に観客に伝えてくるところがスゴい。特に、ラスト近くの、夫がパリに来ていたことを知った時の無表情。表情はないのに、心の中で激しく葛藤してるのが分かるんですよ。そんなユペりんの高度すぎる演技は、コメディでも不変なのです。

 小柄で華奢なユペりんの、何だかトコトコした歩き方が可愛い!可愛いけど、熟女女優にありがちな気色の悪いブリッコでも色香過剰でもなく、もう女のイヤらしさやドロドロしいものを通り過ぎた境地の冷ややかに乾いた感じが、清々しくもあって。ファッションは相変わらずエレガントでシック。さすがフランス女優というか、ハリウッドの女優とはセンスが違います。そのブルジョア的な優雅さと気品ゆえに、とても田舎の牧場の奥さんには見えません。

 夫にウソをついてパリでアバンチュールを楽しむブリジットは、日本人的な目で見ると身勝手で軽薄な不貞妻かもしれません。夫は少々偏屈で気がきかない朴念仁だけど、善人だし妻を愛してるので、なおのことブリジットが悪妻に映ってしまう。でも、苦悩や罪悪感、真剣な想いや強い執着がないブリジットを見ていると、これって浮気でも不倫でもないよな~と思ってしまいました。女だって、主婦だって、遊びたいのよ!これは単なるガス抜き!マジになんないんだからいいじゃん?みたいな。夫や子どもからしたら、やっぱ許せない行為、考え方かもしれませんが。ナンダカンダでモテモテだったブリジット、さぞかし自信をつけて夫の元に戻ったことでしょう。

 妻のことを愛してるけど、うまくそれが伝えられない行動できないグザヴィエの不器用さが、ちょっと切なかったです。パリで妻が他の男とイチャついてても、何やっとんじゃー!!と怒って割って入れず、黙って立ち去ってしまう男心、妻を責めるよりも自分を責めてるよな寂しい姿が痛ましかったです。グザヴィエ役のジャン・ピエール・ダルッサンは、寡黙で不器用な優しい男役がハマる俳優ですね。ブリジットと仲良くなる若いイケメンが、なかなかナイスにトホホ感MAXなキャラでした。彼とブリジットのパリでのやりとりが笑えます。スウェーデン人の紳士役、元祖ドラゴン・タトゥーの女シリーズで知られるミカエル・ニクヴィストも、なかなかの素敵おぢさまでした。

 アバンチュールの舞台であるパリも、いかにも観光地満載!な不自然さはなく、パリの人々の日常が見えるような撮り方だったのが良かったです。あと、牧場の牛さんたちが可愛かった。日本の牛とはかなり違う?子どもがTVで観てた懐かしのアニメ、バーバパパとかも微笑ましかったです。

 
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愛して別れる理論

2015-05-13 | イギリス、アイルランド映画
 「博士の彼女のセオリー」
 オックスフォード大学で物理学を研究する大学院生スティーヴン・ホーキングは、パーティで出会ったジェーンと恋に落ちる。しかし、突然の病魔が彼に襲いかかり…
 エディ・レッドメインが今年のアカデミー賞で主演男優賞を受賞した話題作。
 大ヒット作「レ・ミゼラブル」で、舞台仕込みの高い演技力と美声を遺憾なく発揮し、世界的に名を馳せたエディくんですが、ワタシ的にはマリウスよりもアンジョルラス萌え~だったんですよ。エディくん、イケメンだけど地味すぎて。でも、雑誌などのインタビューやグラビアの彼は、いま人気の英国俳優の中でも屈指の上品さ、優しさ、知的さ、そしてコンサバなファッションセンスの良さで、好感度はかなり高かった。早くもオスカーに初ノミネート、そして受賞と、何だかトントン拍子に頂点に昇ってしまったエディくん。オスカー授賞式の壇上での初々しく大感激してた彼、めっちゃ可愛かったですよね~。ますます好感度がアップしました。

 難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)患者となりながらも、精力的に前向きに研究を続けたホーキング博士を演じたエディくん。難病とか障害といえば、役作りで壮絶なダイエットとか、まさに入魂!な熱演と相場が決まってるけど、エディくんの演技はそれとはまたちょっと違ってたように思われました。確かに、痛ましいほど痩せた身体や、不自由な動きや表情などは、生半可な演技力や準備、覚悟がないとできない圧巻のパフォーマンス。それでも、演技派気取りが陥りやすい鬱陶しいまでの熱演にならなかったのは、エディの備えている天性の美質である上品さ、優しさゆえでしょう。苦難と絶望に満ちた状況ながらも、あまり深刻に苦悩したり悲劇調にならず、常に明るく爽やかに天真爛漫なんですよ。天使系笑顔に、頬が緩んでしまいました。体が不自由なのに、だらしない格好は絶対にせず、フォーマルで上品な服を常に着こなし身だしなみを整えているところなどは、さすが英国紳士。ジェーンは毎日の博士の更衣だけでもキツかったことでしょう。私だったら、もう昼夜問わず寝巻きかジャージ着せときますよ。

 ホーキング博士、脳みそと男の機能だけは誰よりも冴えてて元気なのが微笑ましかった。赤ちゃんを次々つくってたのが驚異。いったいどうやって…なんて、下世話な想像や興味を抱いてしまったのは、私だけではないはず。子作りシーンもありませんでしたが、介護シーンもほとんどなし。奥さん、子育てしながら夫も介護だなんて、ほんと大変だっただろうな~。

 それにしても。ホーキング博士って、結構な亭主関白で怖かったです。感情的に声を荒げたり、暴力振るったり命令したりするわけではありません。でも、天真爛漫すぎるというか天上天下唯我独尊というか、自分のやりたいことをやりたいように、自分流を貫くんですよ。そのために、周囲をいいように動かすというか操るというか。フワフワと夢みがちなキャラで、周囲の苦労や犠牲もどこ吹く風。天然?それとも狡猾?天使のように無邪気なのか、鬼のように自己中心的なのか。つかめないところがあって、そこが怖かった。みんな博士のために我慢したり奔走したり、そうせずにはいられない姿が何だか痛ましかったです。博士が天才だからこそ、それが許されたとも言えるのではないでしょうか。あれがもし凡人だったら、即介護施設送りですよ。

 あんなに情熱的に結ばれ、長い間苦楽を共にした博士とジェーンが、なぜ別れてしまったのか…映画の二人を見ていて、それが解かるような、それでいて不可解なような。どんなに愛し合っていても、つなぎとめられない、保てないものってあるんだな~と、しんみりしてしまいました。自分を犠牲にしなかったジェーンは、強い女性だなと感嘆しましたが、もし夫が高名でもなくお金もなく後釜の女性もいなかったら、間男を選んだ介護放棄の悪女と誹謗されてたんでしょうね

 ジェーン役でオスカーにノミネートされたフェリシティ・ジョーンズは、若いのに思慮深そうな、静かに決然とした意志的な風情があって、日本のチャラチャラしたブリッコ女優を見慣れた目には新鮮です。夫婦を助けてくれる音楽教師が、めっちゃいい人!ホーキング夫妻、確実に彼の善意、そしてジェーンへの恋心につけこんでましたよね。あくどい夫婦だな~と笑えた。
 結婚生活の破綻や介護など、ほんとはもっと醜悪な修羅場映画になってもよかったのに、そんなゲンナリするようなリアルな内容にせず、ロマンティックに、どこかファンタジックな恋愛映画に仕上げていたのも良かったです。メリーゴーランドや花火などのデートや結婚式など、胸キュンなシーンもいっぱいありました。流麗な音楽と踊るようなカメラワークも秀逸。オックスフォード大学のキャンパスライフや、イギリスの田舎の風景も美しく撮られていました。学問に関する話や台詞は、まるで宇宙語を聞いてるみたいに意味不明でした~
 ちなみに。ホーキング博士は今もご健在で、しかもジェーンと別れた後に再婚した看護婦とも離婚してた!

 ↑オスカー受賞、おめでと性転換した画家を演じてる最新作も楽しみですね!
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冷たい目で見つめて

2015-05-06 | 韓国映画
 カープ、まさかの3連勝!!
 初回の珍プレー勝利、2回戦でのアンビリーバブルなボロ勝ち、そして今夜も快勝と驚異の狂喜の3タテですよ~!しかも相手は巨人。気持ちよさもひとしおです。
 昨日はほんと、唖然となるようなゲームでしたよね。初回で10点も奪うなんて、もう後にも先にもない奇跡。その後も今までの悲惨な貧打は何だったの的な快打快打の連発で、気持ちよかった~。巨人の投手が気の毒になってしまうほど。もしあれが逆の立場だったら…と想像しただけでゾっとします。
 大瀬良くん、マエケン、ノムスケ、3人の先発投手の力投もさることながら、やはり今回の連勝の立役者は、阪神から出戻った新井さんに他ありません。

 新井さん、どうしちゃったの。スゴすぎ!開幕前からその尋常でない気合いは知られていましたが、ここにきて爆発ですね~。阪神では精彩に欠けてた新井さん、カープに戻ってからは水を得た魚のような生き生きとした活躍。幸せそう楽しそうだし、やはり彼は心の底からカープが好きだったんですね。戦力としてではなく、黒田さんの話し相手としてカープに引き取られた、と揶揄されてた新井さんですが、どうよどうよ。裏切り者!と怒ってた往年のファンや、どうせ使いものにならんと期待薄だったファンも、認めざるを得ない今の新井さんです。

 いまいち調子が良くなかったノムスケも嬉しい勝利。いけ好かない菅野を打ちのめしてくれて、ありがと!イッチー、中崎どんもいい仕事した!若鯉もやればできる子ばかり!
 それにしても。最下位に沈むカープを完全にナメてたのか、屈辱すぎる3タテをくらってしまった巨人。正直、ざまあwwwですわ。それにしても、マスコミもこぞって巨人いい気味!みたいな感じになってるような?以前は巨人こそ正義の味方みたいだったのに、巨人の人気凋落ぶりは火をみるより明らかで、時代も変わったな~。
 カープ、例年と違い、今年は鯉のぼりの季節までではなく、鯉のぼりの季節から!ですね。カープファンの皆様、ミラクルを信じて応援しようや~

 お松の第5回独り韓国映画祭②
 「監視者たち」
 容疑者の監視・尾行を専門とする特殊捜査班。彼らは謎の犯罪組織を追うことになるが、恐るべき反撃に遭ってしまい…
 すごく面白かったです!想定外と言ってもいいほどに。やっぱ韓国映画は侮れませんよね~。警察ものって、もう食傷気味だしネタ切れ状態ですが、犯罪容疑者の監視と尾行を専門とするこの映画の捜査官たちの仕事ぶりは、なかなか興味深かったです。気づかれぬよう逃がさぬよう、ターゲットを監視・尾行する捜査官たちの水も漏らさぬ連携やテクニック、緊張感に驚嘆。でもあれって、すごい訓練や努力以上に特別な才能が必要だよな~と思いました。意欲や体力気力だけでは勤まらない仕事です。

 サスペンス、アクションとしても良く仕上がっていて、バレる!殺られる!と何度もハラハラさせる演出も秀逸。韓流犯罪ものならではの、血なまぐさく野蛮なシーンもインパクトあり。主な捜査官たちは、本名ではなく動物のコードネームで呼び合うのもユニークでカッコよかったです。捜査官たちに余計な背景やキャラづけがなく、捜査と闘いに焦点を置いていたのも返ってスッキリしていて良かったです。
 それにしても。いつもどこにいても、誰かが自分を観察しているかもしれない、という管理社会の不気味さ、怖さもあらためて痛感しました。監視カメラはもちろん大切だし必要なものだけど、個人のプライバシー、いや、人生までもが覗かれ掌握され、時には操作され利用される可能性もある、という恐怖も感じました。

 キャストも魅力的でした。捜査班長“ハヤブサ”役は、「シルミド」などで知られるシブい演技派俳優ソル・ギョング。大杉連をちょっとカッコよくした感じ?ひょうひょうとしつつ、タフで情味のあるオヤヂ刑事を好演してました。実質の主役、一度見たものを瞬時で記憶する能力をもつ新人捜査官“子豚”役は、「イルジメ」や「王になった男」でヒロインを演じたハン・ヒョジュ。彼女の透明感ある清楚さと、凛とした強さが印象的でした。若い娘なのにどこかニヒル、敏腕でガッツがあるけど、ちょっとコミュ障でヌケてるところもあったりして可愛かった。職務にひたむきな女刑事を熱演してました。こんな女刑事いるか!と鼻白んでしまう篠原涼子よりも、はるかにカッコよくて好感が抱けた。リス役はアイドルグループ2PMのジュノ。可愛いけど、イケメン設定はちょっと???
 そして、チョン・ウソンが悪役に挑戦したことも話題に。

 感情のない殺人ロボットみたいに、冷酷で凶悪な犯罪を重ねる犯罪組織のリーダー“影”役のチョン・ウソン、なかなか怖かったです。悪意とか私利私欲でやってるわけではないので、悪人って感じではない。むしろ狂人に近い感じ?実はいい人、悲しい事情があってやむを得ず、なんてヌルい設定やキャラじゃなかったのも、謎めいた魅力や不気味さがあって良かったです。
 ウソン、役作りで増量したのでしょうか。その大きな体からは、ゴゴゴゴ、ヌオオオ~っという効果音が聞こえてきそうだった。ヘマした部下への非道すぎるお仕置きや、敵をブズブスとメッタ刺し、俊敏でキレのある格闘など、韓国の男優って屈強そうでカラダがデカく、実際にも格闘技の心得があったり兵役の経験があるおかげで、迫力と怖さがある。甘っちょろい日本のイケメン俳優とは、やっぱ違いますよね。怖いウソンでしたが、でも全然キモくなく、やっぱ男前!美男というより、可愛らしい顔。つまんない映画で中途半端な主役するよりも、こういう映画でユニークな悪役を演じて目立ちまくったほうが、役者としては美味しいです。着替えシーンで、チラっとだけ上半身裸サービス脱ぎあり。
 この映画、日本でリメイク希望!私の理想妄想イルボンリメイクは…
  
  班長ハヤブサ … 堤真一
  子豚 … 能年玲奈
  リス … 松坂桃李
  女指揮官 … 吉田羊
  その他の捜査官 … 青柳翔
            チャンカワイ
            吉田沙保里
       ・
  影の部下 … 池松壮亮
         ケンドーコバヤシ
         淵上泰史
         丸山智己
  影の親分 … 吉田剛太郎
  影 … 福山雅治

 こんなん出ましたけど~?
 能年ちゃんは、きっと子豚みたいな役をやりたいはず!福山雅治とチョン・ウソンって、ちょっと似てる?おいしい悪役とか、福山さんにぜひやってほしいわ。

 出演作ではかなりの確率で脱ぐウソンですが、本格的な濡れ場は初挑戦だったという「愛のタリオ」が観たい!ウソンもスッポンポンになってスゴいことしてるとか…
  
 

 
  
  
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夫の上司と…

2015-05-04 | 韓国映画
 きゃーカープ、巨人にサヨナラ勝ち!そして、大瀬良くん今年初勝利!!
 好投しながらも、不運に見舞われてなかなか勝ち星がつかなかった大瀬良くんが、ついに!前回の負けは、本当に可哀想で胸がつぶれそうになりました。今夜こそ!とファンは祈るような思いで大瀬良くんを応援。またまた危なげな試合展開で、相変わらず胃に優しくないカープでした。しかし、最後の最後になって、珍奇なことが。あんな終わり方、あるんですね~。え?え?え?と、みんな一瞬ポカ~ン。猛然と審判に詰め寄る緒方監督がカッコよかった。そして、カープにサヨナラ勝ちの審判が下されると、カープナインとスタジアムのファンは大歓喜!何より幸せだったのは、大瀬良くんの輝く笑顔が見られたこと!ほんまに、ほんまによかったのお~。今度はうれし泣きしそうになったよ。

 一方、納得できない黙っていられないのはジャイアンツ。原監督も、しぶとくネチネチと審判に食い下がる。それがスゴいイヤ~な顔なんですよ~。怖かった。憮然、憤然、不機嫌そうに、喜びにわくカープナインにベンチからガンとばしまくってるジャイアンツの選手たちが、何だかすごい悪人集団に見えた
 何だかモヤモヤする、すっきりしない結末で、快勝とは言いがたいのですが…大瀬良くんの勝利と、巨人にギャフンと煮え湯を飲ませたことで、かなり溜飲は下がった夜です。明日からの巨人の復讐が怖いけど
 世間はGW真っただ中ですが、私には…そんなの関係ねぇ!(死語?)夜はどこへも行かず、寝る前にチマチマまったり独り韓国イケメン映画祭してます♪

 お松の第5回独り韓国映画祭①
 「情愛中毒」
 1969年、韓国軍の上級隊員が暮らす官舎。ベトナム戦争のトラウマに苦しむ教育隊長のジンピョンは、部下の妻ガフンと惹かれあい、禁じられた逢瀬を重ねるようになるが…
 韓国の人気イケメン俳優ソン・スンホンが、大胆な濡れ場に挑戦したことが話題となった作品。確かにスンホンくん、予想以上にスゴいことしてました~ヤルな~。これだから韓流男優は見くびれない、油断できない。韓流男優って、TVドラマで寒イボな純愛してたかと思うと、映画で突然いさぎすぎる全裸+過激なセックスシーンに挑んだりするから好きです。最近では、チョン・ウソンも「愛のタリオ」で思い切っちゃったみたいだし。

 で、この映画のソン・スンホン。いったいどーしちゃったの?!何があったの?!その脱ぎっぷりと濡れっぷりに、多くのファンは驚喜よりも困惑を覚えたのではないでしょうか。スンホンといえば、韓流俳優の中でも正統派の美男として人気の高いスター。男前とかイケメンはあまたいますが、美男子と呼べる男優は多くない。その希少な美男スターであるスンホンも、ついにエロデビューを果たしてしまいました。
 韓流男優にとって、自慢の肉体美を必要以上に見せることは、水戸黄門の印籠と同じ。そして、映画での大胆で過激な濡れ場は、いつかは通らなければならない通過点、という不文律でもあるのでしょうか。スンホンも、30過ぎてただのイケメンでいられない、いたくない、という焦りや意欲にかられたのでしょうか。
 ヤリまくり!というわけではなく、まぐわいシ-ンは劇中3回ほど。回数は少ないけど、その分内容は濃厚です。最初はカーセックス、2回目は夫が留守中の寝室、3回目は客のいないカフェのソファで。スンホンくん、その美しく鍛え上げた肉体を惜しげもなくさらし、腰も丸出しの尻もガシガシネットリと動かして頑張ってました~。
 堅そうでムッチリした腰まわりとケツが、なかなかエロかったです。正常位よりも、バックと騎乗位が好きみたいで笑えましたが。若者でもなく、中年でもない、いい感じに脂ののってきた、男ざかりにさしかかった年齢のスンホンの男性美が、この映画最大の魅力、見どころと言えましょう。ちょっと惜しかったのは、表情が乏しかったところ。中毒のようなセックスをしている最中も、端正な美しい顔が崩れてなかった。もうみっともないほどのアヘアヘ淫れ顔でヤってたら、愛欲に溺れてる感がもっと出てたかも。それにしても。もし三島由紀夫が生きてたら、男らしい美貌と肉体を備えたソン・スンホンって、彼のドストライクな男だったんじゃないかな~。20代のスンホン、「禁色」の主人公にピッタリ!と思うのは私だけ?
 交歓中以外でも、不毛な恋に身も心も焦がしてるという焦燥感とか虚無感が、あまり感じられなかった。もうちょっと破滅的で病的なボロボロ雰囲気があったらな、と思わないでもなかったけれど、日本の同年代の男優には絶対できない、やらないスンホンの果敢な演技には、心から拍手を送りたいですキムタクとかも、あれぐらいやれば役者と認められるのにね…
 長身でガッチリ、足が長い!ちょっと昭和っぽい古風な男前顔も、凛々しい軍服や60年代のファッションに合ってたスンホンくんです。今の日本で人気があるイケメン俳優が軍服なんか着たら、コスプレになっちゃうもんね。

 ガフン役のイム・ジヨンも、脱ぎっぷりがアッパレでした。ちょっとアンニュイで暗くなった吉高由里子って感じ? ガフンの夫役は、「台風太陽」や「ピーターパンの公式」での好演が忘れがたいオン・ジュワンくん。セコくてズルい男を可愛く演じてました。彼、主役よりも脇で光るバイプレイヤーに成長しそうですね。あと、カフェの店長を拷問するイケズな軍人が、なかなかのイケメンでした♪
 不倫劇といっても、上戸アヤの昼顔みたいな乙女淑女向けのスウィーツ系ではなく、あの名作「隣の女」みたいな破滅的で物狂おしい不倫だったのが良かったです。理性を失ってしまうほどの恋愛って、憧れますが…ソン・スンホンみたいな美男だから絵になるのであって、一般人だと醜悪で滑稽な三面記事にしかなりません
 サラリーマン社会と何ら変わりのない、軍隊での出世争いや奥様たちのマウンティングバトルは、コミカルに描かれていて楽しかったです。
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危険運転の男たち Fly & Farewell

2015-05-01 | 北米映画 15~21
 「ワイルド・スピード SKY MISSION」
 欧州でオーウェン・ショウ率いる国際犯罪組織を壊滅させたドミニクと仲間たち。しかし、オーウェンの兄である伝説の暗殺者デッカードが、弟の仇を討つためドミニクたちへの復讐を開始。そんな中、ドミニクは政府からテロリストに拉致された天才ハッカーの救出を依頼されるが…
 ろくろ首で待ってたワイスピ最新作を、やっと観に行くことができました~ここのところ、低血圧や突然の発熱などでフラフラ状態、心身ともに映画どころじゃなかったのですが、ワイスピ観ずして死ねん!という一念で、フラフラと映画館へと足を運んだのでした~
 たいていのシリーズものは、回を重ねるごとに尻すぼみ、ネタ切れとマンネリで劣化していくのが定説ですが、ワイスピ(と、ダニエル・クレイグになってからの007)は例外中の例外。どんどんスケールとハチャメチャさがグレードアップしていき、今やハリウッドのドル箱シリーズに成長。あまりの豪快さ、破天荒さ、強引さには、ダメだしとか細かいツッコミ、アホらし!という一笑を許さないパワーが漲ってて、それが最大の売りともなっています。

 もはやファンタジー以上に非現実的な展開&場面のつるべ打ち、てんこ盛り!なのですが、カネとアイデアをふんだんに費やしてるな~と感嘆驚嘆するばかりです。ハリウッドの威信さえ感じるというか、TVドラマの延長みたいな映画ばかりの邦画と違い、やっぱ桁外れの映画感覚を味わえます。
 どんなに面白い映画を観ていても、すぐに気もそぞろになったりケツがムズムズしたりする集中力のない私でも、最後までダレることなく観ることができる数少ない映画。今回も、ぶっとびハチャメチャシーンの嵐に身を委ねることができました。もはや道路、いや、地上では飽き足らず、ついに空中暴走!敵地へのパラシュート降下、そして高層ビルからビルへのダイヴィング移動!まさにワイスピならではなありえねー!さに大爆笑。そして、もはや戦争のような最終決戦も愉快なお約束。リオやロンドンに続いて、本拠地のロスもメチャクチャにされてしまいました。いま流行り?社会問題?にもなってるドローンも駆使されてタイムリー。笑えたのは、あんな9・11も真っ青な戒厳令ものの大惨事が起きてるのに、ホブスの娘なんかパパの病室で平然としてるし、フツーに車走ってるし浮浪者歩いてるし。それにしても。破壊されまくられた街、あれ後始末が大変だろうな~と、いつも思ってしまいます。まあ、ウルトラマンも怪獣と戦った次の週には、何事もなかったかのように東京は復旧してますし、同じノリなのでしょう(笑)。ゴキゲンな音楽、セクシーな水着ギャルなどもお約束、ワイスピらしいノーテンキさ、チャラさが好きです。

 おなじみのワイスピファミリーも、息の合った奮闘ぶり。強盗団の首領だったドミニクも、すっかり正義のヒーローと化してます。ドミニク役のヴィン・ディーゼルも、相変わらずの“漢(おとこ)”っぷり。今回の悪役は、前回のラストに登場し、ファンを驚かせたジェイソン・ステイサム。大物連れてきましたね~。これもワイスピのスケールアップの証。弟(前回の悪役、ルーク・エヴァンズ。冒頭だけチョコっと登場)の仇を討つため、ワイスピファミリーを狙う最凶暗殺者デッカード・ショウ役のステイサム氏、シブい!そして強い!

 明らかにラストに成敗される顔・俳優の悪役と違うので、その暴れっぷりに期待度MAX!期待通りカッコよかったけど、あまりにも神出鬼没すぎて笑えた。何しに来たの?!こんなのとこにまで!な登場は、ほとんどギャグ漫画みたいだったし。ヴィンちゃんとのタイマンシーンも、何だかヤンキー漫画のノリ。まさに肉弾戦、二人とも魁偉で屈強なので、迫力があります。日本のイケメン俳優やエグザイル系タレントのケンカシーンとはやはり違います。ホブス役のドウェイン・ジョンソンは、今回はあまり出番なし。それにしても。ヴィンちゃん、ステイサム氏、そしてザ・ロック。見事なまでのツルピカはげ丸トリオでしたね~。

 そして…ノリノリなゴキゲンさ、ワクワクよりも、今回は寂しさと悲しさのほうが大きかったです。言うまでなく、ブライアン役のポール・ウォーカーの遺作となってしまったからです…

 ポール…もう逢えないなんて。彼は逝ってしまいましたが、私たちの記憶の中で永遠にカッコいいまま生き続けることでしょう。ブライアンがどんな形でワイスピを卒業するのか、まさかここで!?とドキっとさせられるシーンも何度か。ラスト、ドミニクのモノローグと重なる、在りし日のポールasブライアンのイケメンぶりに涙。あらためて、ご冥福を祈ります…

 ↑ラストのブライアンの笑顔…その爽やかさと明るさが悲しかった…
 しんみりとキレイなラストだったので、もうワイスピ終わってもいいんじゃないかい?と思いましたが…ヴィンちゃんによると、まだまだ続くそうです

 ↑醜いおっさんにも、落ちぶれた元スターにもならず、永遠にイケメンのまま星になったポール。まだ何本か観てない作品があるので、追悼鑑賞します…

 4月はワイスピ1本だけという映画サボリ月だったので、今月はガンガン&フラフラ(笑)観に逝く予定♪観逃したと残念に思ってた「博士と彼女のセオリー」が観られそうなのが嬉しい。バッチの「イミテーション・ゲーム」、オスカー受賞作「バードマン」、ユペりんの「間奏曲はパリで」などなど。来月はフランス映画祭に、今年こそ参加したいな~。「画家モリゾ マネが描いた美女 名画に隠された秘密」が観たい!皆様が観たい!観る!映画も教えてシルヴプレ~♪
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