雨音は、近づく春の足音でしょうか。厚い上着とともに、しがらみというお仕着せの服も脱ぎ捨てて、ルルルラララ~♪と温かい春の光が射しこむ窓から、蝶のように飛び立ちたいものです。春は必ずひどい気鬱になるので、今年こそホントにI can fly~♪と蝶ではなく窪塚ヨースケになってしまいそうで、こ・わ・い♪
お松の第2回独り市川雷蔵映画祭④
「薄桜記」
赤穂浪士の討ち入りを背景に描かれる、ある武士の愛と男の道。
忠臣蔵外伝、みたいな話です。二人の主人公、堀部安兵衛と丹下典善の数奇な運命が、哀切かつドラマチック...なんだけど、ぶっちゃけラストの大立ち回りが強烈すぎて、内容も他のシーンも吹っ飛んでしまった。
凄絶・凄艶な死闘を繰り広げる丹下典善を、市川雷蔵が冷たい炎のように演じています。はじめは、気品ある若様風の雷蔵。悲運に見舞われてからは、クールでヒニルな素浪人風に変身。自分を恨む男たちに妻を陵辱され、片腕をブッタ切られ、片足まで損傷し、ほとんど立ち上がれず寝たまま多勢の敵をかわし、返り討ちにする雷蔵。変化球のようなチャンバラが、す、すごすぎる!他の俳優だと、血まみれで悪鬼のような形相で演じるんだろうけど、雷蔵は壮絶ささえクールに美しく仕立て上げる。敵の襲撃を、死んだような寝姿で待つ静かで緊張感に満ちた間も素晴らしい。花びらのように降りしきる雪も、まさに華麗なる雷蔵on stageの小道具になってます。
丹下の奥さんが、また可哀想な女なんですよねえ。輪姦はひどい!心では許しても体が拒否反応な夫には、離縁されるし自害もさせてくれないし。まさに生き地獄!それでも命がけで夫を慕う姿は、ほんとけなげで哀しい。でも、ちょっと声と顔がキモい。丹下の単身赴任中、お雛様の前で独りでママゴトする姿、かなりヤバいです。怖い!てっきり気が狂ったのかと思ったほど(まだ犯される前なのに)。
もう一人の主人公で、狂言回し的役割の堀部安兵衛は、豪快だけど純朴なキャラで好感。演じる勝新太郎は、私のタイプではないけど、太い強い男の個性があって、今こんな役者がいないのは残念だな、と思わせてくれます。堀部安兵衛といえば、NHKのドラマで小澤征悦も演じてたっけ。
生類憐れみの令に苦しむ当時の世相描写も、興味深かったです。はりつけ、拷問(エビ吊り!)が怖かった。あと、お犬さまの群れが丹下の妻に襲いかかってくるシーン。あれはどー見てもスタッフが、犬を強引に女優に向かって放り投げてた!犬が可哀想!
お松の第2回独り市川雷蔵映画祭④
「薄桜記」
赤穂浪士の討ち入りを背景に描かれる、ある武士の愛と男の道。
忠臣蔵外伝、みたいな話です。二人の主人公、堀部安兵衛と丹下典善の数奇な運命が、哀切かつドラマチック...なんだけど、ぶっちゃけラストの大立ち回りが強烈すぎて、内容も他のシーンも吹っ飛んでしまった。
凄絶・凄艶な死闘を繰り広げる丹下典善を、市川雷蔵が冷たい炎のように演じています。はじめは、気品ある若様風の雷蔵。悲運に見舞われてからは、クールでヒニルな素浪人風に変身。自分を恨む男たちに妻を陵辱され、片腕をブッタ切られ、片足まで損傷し、ほとんど立ち上がれず寝たまま多勢の敵をかわし、返り討ちにする雷蔵。変化球のようなチャンバラが、す、すごすぎる!他の俳優だと、血まみれで悪鬼のような形相で演じるんだろうけど、雷蔵は壮絶ささえクールに美しく仕立て上げる。敵の襲撃を、死んだような寝姿で待つ静かで緊張感に満ちた間も素晴らしい。花びらのように降りしきる雪も、まさに華麗なる雷蔵on stageの小道具になってます。
丹下の奥さんが、また可哀想な女なんですよねえ。輪姦はひどい!心では許しても体が拒否反応な夫には、離縁されるし自害もさせてくれないし。まさに生き地獄!それでも命がけで夫を慕う姿は、ほんとけなげで哀しい。でも、ちょっと声と顔がキモい。丹下の単身赴任中、お雛様の前で独りでママゴトする姿、かなりヤバいです。怖い!てっきり気が狂ったのかと思ったほど(まだ犯される前なのに)。
もう一人の主人公で、狂言回し的役割の堀部安兵衛は、豪快だけど純朴なキャラで好感。演じる勝新太郎は、私のタイプではないけど、太い強い男の個性があって、今こんな役者がいないのは残念だな、と思わせてくれます。堀部安兵衛といえば、NHKのドラマで小澤征悦も演じてたっけ。
生類憐れみの令に苦しむ当時の世相描写も、興味深かったです。はりつけ、拷問(エビ吊り!)が怖かった。あと、お犬さまの群れが丹下の妻に襲いかかってくるシーン。あれはどー見てもスタッフが、犬を強引に女優に向かって放り投げてた!犬が可哀想!