「セッション」
ドラマーとして成功を目指すアンドリューは、名門音楽学院に入学する。伝説の鬼教師フレッチャー教授にスカウトされるアンドリューだったが、彼の精神のバランスはフレッチャーの常軌を逸した指導によって崩されていくのだった…
上半期のMYベスト映画はこれに決まり!評判通り、すごく面白かった、いや、怖かったです鬼コーチに才能を見出され、ありえない猛特訓を耐え抜き、努力が実って成功、成長する主人公…スポ根ものの王道的ストーリー、あるいはガラスの仮面の音楽バージョンかな?と思いきや…あわわわ戸塚ヨットスクールも真っ青な、とんでもない青少年虐待物語でした~こんな問題教師、許されんだろ~。とにかくフレッチャー先生が怖い!非道い!鬼の形相だけでも怖いのに、こっちまでビクっと身を引いてしまうほどの怒号、椅子投げシンバル投げ、リズムとりビンタ、そして生徒の人格を全否定する、人権蹂躙な侮辱に満ちた罵詈雑言!まさに心を挫く、心を壊す凶器のような破壊力。生徒を伸ばすことよりも、生徒を狂気や死に追いやることが目的のような、悪魔の罵りに戦慄しっぱなしです。フレッチャー先生、よくあれで誰かに刺されなかったよな~。
非道すぎるけど、これは教育熱心なあまりの行き過ぎた指導なんだ!と、純真な私は最後まで信じてました。ラスト、やっぱそうじゃん!いろいろあったけど、終わりよければすべてよし!と安心しかけた私、じぇじぇじぇ!?(死語?)と、最後になって見事に無残に裏切られましたそ、そんな~フレッチャー先生の正体、真意は衝撃的すぎます。
フレッチャー先生、単にブチギレるだけでなく、悪魔のように狡猾、陰険なんですよ。他の生徒を利用してアンドリューを上げたり下げたりする方法が、彼を弄んでるとしか思えないんです。どうしてそんなことするの?!なんでそこまで鬼畜なの?!ヤメテー!!と、こっちまで頭がおかしくなりそうに。
アンドリューが、可哀想なんだけど、あんまし同情できない性格なんですよね~。だからこそ、単なる弱いものいじめな話にならなかったのでしょうか。翻弄され虐げられ踏みにじられて屈辱にまみれながらも、血の汗・血の涙を流しながらしぶとく食い下がるアンドリュー。他のバンドメンバーが先生によって貶められたり格下げになったりすると、静かに嬉しそうな様子とか歪んでて怖い。ど根性で奮闘ではなくて、狂気に蝕まれて暴走するアンドリューのイっちゃってる言動も、ヤバすぎて唖然とさせられます。ラストのアンドリューVS先生オンステージは、狂気が炸裂して圧巻です。
アンドリューもだけど、生徒が先生に対して異様なまでに絶対服従なんですよ。軍隊みたいだった。あそこまでされて、何でプッツンしないんだろう。それだけ音楽命、キャリア大事ってことなのかしらん?音楽にしろスポーツにしろ、極めようと思えば壮絶な茨の道だけど、自分に才能があると信じることで頑張れるのに、あの先生の指導じゃ…ドMな人なら魅惑のレッスンだと思いますがとにかく、最初から最後まで緊張感が漲ってて、退屈しません。同じ音楽ものでも、のだめとかユルかったヌルかったよな~。アンドリュー含め生徒がみんな、性格が悪く(ならざるをえない)てギスギスしてる不協和音も怖かった。美しい音楽を合奏するためには、必ずしも心を合わせなくていいんですね…
↑恐怖の壁ドン!
凶人フレッチャー先生を激演し、アカデミー助演男優賞を受賞したJ・K・シモンズが、とにかく強烈で圧倒されます!怖い~あんな先生、絶対イヤだ~!夢に出てきそうなほどの迫力、存在感。観終わった後は、しばらく彼の怒鳴り声が耳に残り、鬼顔が目に焼きついて離れなくなるでしょう。非道い役なんですけど、何かカッコいいんですよ!ダンディで颯爽としていて、美声な罵声。悪とか狂とかとは違う独特の個性が。怖いけど、素敵おぢさまでした。ツルピカ頭が何かセクシー。
アンドリュー役のマイルズ・テラーも、迫真の熱演でした。地味だしイケメンではないけど、フツーっぽいところが、コワレ演技にリアルさを。この映画に抜擢されるまでは、ドラムに触ったこともなかったと聞いてビツクリ!この映画さながらの猛特訓したんだろうな~。見事な演奏でした。
意地とかプライドとか情熱とか、そんな美しいモチベーションなどアンドリューにもフレッチャー先生にもないのがユニークな映画なのですが。二人みたいなのは極端で異常だけど、何かに命がけになって取り組んでる人を見ると、すごく羨ましくなる私です。部活とかすればよかったな~と後悔…
主役二人の演技もさることながら、この映画は音楽がカッコいいんですよ!ジャズ、いいですね~。オリジナルタイトルにもなった“Whiplash”が特に好き。サントラ買おうかな~。たたみかけるような展開と場面も素晴らしく、オスカーでは編集賞も納得の受賞。撮影当時、29歳!だったという新進気鋭のデイミアン・チャゼル監督、まさに彗星のごとく現れた感じ。次回作が待ち遠しい!
それはそうと…邦題が、どうもしっくりこないんですよね~…もうちょっと内容に合ったタイトルにしてほしかったかも…
↑シモンズおぢさん、オスカーおめでと授賞式の彼も、クールな熟年って感じでカッコよかった。今後は名バイプレイヤーとしてだけではなく、主役も張ってほしいものです
ドラマーとして成功を目指すアンドリューは、名門音楽学院に入学する。伝説の鬼教師フレッチャー教授にスカウトされるアンドリューだったが、彼の精神のバランスはフレッチャーの常軌を逸した指導によって崩されていくのだった…
上半期のMYベスト映画はこれに決まり!評判通り、すごく面白かった、いや、怖かったです鬼コーチに才能を見出され、ありえない猛特訓を耐え抜き、努力が実って成功、成長する主人公…スポ根ものの王道的ストーリー、あるいはガラスの仮面の音楽バージョンかな?と思いきや…あわわわ戸塚ヨットスクールも真っ青な、とんでもない青少年虐待物語でした~こんな問題教師、許されんだろ~。とにかくフレッチャー先生が怖い!非道い!鬼の形相だけでも怖いのに、こっちまでビクっと身を引いてしまうほどの怒号、椅子投げシンバル投げ、リズムとりビンタ、そして生徒の人格を全否定する、人権蹂躙な侮辱に満ちた罵詈雑言!まさに心を挫く、心を壊す凶器のような破壊力。生徒を伸ばすことよりも、生徒を狂気や死に追いやることが目的のような、悪魔の罵りに戦慄しっぱなしです。フレッチャー先生、よくあれで誰かに刺されなかったよな~。
非道すぎるけど、これは教育熱心なあまりの行き過ぎた指導なんだ!と、純真な私は最後まで信じてました。ラスト、やっぱそうじゃん!いろいろあったけど、終わりよければすべてよし!と安心しかけた私、じぇじぇじぇ!?(死語?)と、最後になって見事に無残に裏切られましたそ、そんな~フレッチャー先生の正体、真意は衝撃的すぎます。
フレッチャー先生、単にブチギレるだけでなく、悪魔のように狡猾、陰険なんですよ。他の生徒を利用してアンドリューを上げたり下げたりする方法が、彼を弄んでるとしか思えないんです。どうしてそんなことするの?!なんでそこまで鬼畜なの?!ヤメテー!!と、こっちまで頭がおかしくなりそうに。
アンドリューが、可哀想なんだけど、あんまし同情できない性格なんですよね~。だからこそ、単なる弱いものいじめな話にならなかったのでしょうか。翻弄され虐げられ踏みにじられて屈辱にまみれながらも、血の汗・血の涙を流しながらしぶとく食い下がるアンドリュー。他のバンドメンバーが先生によって貶められたり格下げになったりすると、静かに嬉しそうな様子とか歪んでて怖い。ど根性で奮闘ではなくて、狂気に蝕まれて暴走するアンドリューのイっちゃってる言動も、ヤバすぎて唖然とさせられます。ラストのアンドリューVS先生オンステージは、狂気が炸裂して圧巻です。
アンドリューもだけど、生徒が先生に対して異様なまでに絶対服従なんですよ。軍隊みたいだった。あそこまでされて、何でプッツンしないんだろう。それだけ音楽命、キャリア大事ってことなのかしらん?音楽にしろスポーツにしろ、極めようと思えば壮絶な茨の道だけど、自分に才能があると信じることで頑張れるのに、あの先生の指導じゃ…ドMな人なら魅惑のレッスンだと思いますがとにかく、最初から最後まで緊張感が漲ってて、退屈しません。同じ音楽ものでも、のだめとかユルかったヌルかったよな~。アンドリュー含め生徒がみんな、性格が悪く(ならざるをえない)てギスギスしてる不協和音も怖かった。美しい音楽を合奏するためには、必ずしも心を合わせなくていいんですね…
↑恐怖の壁ドン!
凶人フレッチャー先生を激演し、アカデミー助演男優賞を受賞したJ・K・シモンズが、とにかく強烈で圧倒されます!怖い~あんな先生、絶対イヤだ~!夢に出てきそうなほどの迫力、存在感。観終わった後は、しばらく彼の怒鳴り声が耳に残り、鬼顔が目に焼きついて離れなくなるでしょう。非道い役なんですけど、何かカッコいいんですよ!ダンディで颯爽としていて、美声な罵声。悪とか狂とかとは違う独特の個性が。怖いけど、素敵おぢさまでした。ツルピカ頭が何かセクシー。
アンドリュー役のマイルズ・テラーも、迫真の熱演でした。地味だしイケメンではないけど、フツーっぽいところが、コワレ演技にリアルさを。この映画に抜擢されるまでは、ドラムに触ったこともなかったと聞いてビツクリ!この映画さながらの猛特訓したんだろうな~。見事な演奏でした。
意地とかプライドとか情熱とか、そんな美しいモチベーションなどアンドリューにもフレッチャー先生にもないのがユニークな映画なのですが。二人みたいなのは極端で異常だけど、何かに命がけになって取り組んでる人を見ると、すごく羨ましくなる私です。部活とかすればよかったな~と後悔…
主役二人の演技もさることながら、この映画は音楽がカッコいいんですよ!ジャズ、いいですね~。オリジナルタイトルにもなった“Whiplash”が特に好き。サントラ買おうかな~。たたみかけるような展開と場面も素晴らしく、オスカーでは編集賞も納得の受賞。撮影当時、29歳!だったという新進気鋭のデイミアン・チャゼル監督、まさに彗星のごとく現れた感じ。次回作が待ち遠しい!
それはそうと…邦題が、どうもしっくりこないんですよね~…もうちょっと内容に合ったタイトルにしてほしかったかも…
↑シモンズおぢさん、オスカーおめでと授賞式の彼も、クールな熟年って感じでカッコよかった。今後は名バイプレイヤーとしてだけではなく、主役も張ってほしいものです