まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

地獄先生の鬼畜指導

2015-06-28 | 北米映画 08~14
 「セッション」
 ドラマーとして成功を目指すアンドリューは、名門音楽学院に入学する。伝説の鬼教師フレッチャー教授にスカウトされるアンドリューだったが、彼の精神のバランスはフレッチャーの常軌を逸した指導によって崩されていくのだった…
 上半期のMYベスト映画はこれに決まり!評判通り、すごく面白かった、いや、怖かったです鬼コーチに才能を見出され、ありえない猛特訓を耐え抜き、努力が実って成功、成長する主人公…スポ根ものの王道的ストーリー、あるいはガラスの仮面の音楽バージョンかな?と思いきや…あわわわ戸塚ヨットスクールも真っ青な、とんでもない青少年虐待物語でした~こんな問題教師、許されんだろ~。とにかくフレッチャー先生が怖い!非道い!鬼の形相だけでも怖いのに、こっちまでビクっと身を引いてしまうほどの怒号、椅子投げシンバル投げ、リズムとりビンタ、そして生徒の人格を全否定する、人権蹂躙な侮辱に満ちた罵詈雑言!まさに心を挫く、心を壊す凶器のような破壊力。生徒を伸ばすことよりも、生徒を狂気や死に追いやることが目的のような、悪魔の罵りに戦慄しっぱなしです。フレッチャー先生、よくあれで誰かに刺されなかったよな~。

 非道すぎるけど、これは教育熱心なあまりの行き過ぎた指導なんだ!と、純真な私は最後まで信じてました。ラスト、やっぱそうじゃん!いろいろあったけど、終わりよければすべてよし!と安心しかけた私、じぇじぇじぇ!?(死語?)と、最後になって見事に無残に裏切られましたそ、そんな~フレッチャー先生の正体、真意は衝撃的すぎます。
 フレッチャー先生、単にブチギレるだけでなく、悪魔のように狡猾、陰険なんですよ。他の生徒を利用してアンドリューを上げたり下げたりする方法が、彼を弄んでるとしか思えないんです。どうしてそんなことするの?!なんでそこまで鬼畜なの?!ヤメテー!!と、こっちまで頭がおかしくなりそうに。

 アンドリューが、可哀想なんだけど、あんまし同情できない性格なんですよね~。だからこそ、単なる弱いものいじめな話にならなかったのでしょうか。翻弄され虐げられ踏みにじられて屈辱にまみれながらも、血の汗・血の涙を流しながらしぶとく食い下がるアンドリュー。他のバンドメンバーが先生によって貶められたり格下げになったりすると、静かに嬉しそうな様子とか歪んでて怖い。ど根性で奮闘ではなくて、狂気に蝕まれて暴走するアンドリューのイっちゃってる言動も、ヤバすぎて唖然とさせられます。ラストのアンドリューVS先生オンステージは、狂気が炸裂して圧巻です。

 アンドリューもだけど、生徒が先生に対して異様なまでに絶対服従なんですよ。軍隊みたいだった。あそこまでされて、何でプッツンしないんだろう。それだけ音楽命、キャリア大事ってことなのかしらん?音楽にしろスポーツにしろ、極めようと思えば壮絶な茨の道だけど、自分に才能があると信じることで頑張れるのに、あの先生の指導じゃ…ドMな人なら魅惑のレッスンだと思いますがとにかく、最初から最後まで緊張感が漲ってて、退屈しません。同じ音楽ものでも、のだめとかユルかったヌルかったよな~。アンドリュー含め生徒がみんな、性格が悪く(ならざるをえない)てギスギスしてる不協和音も怖かった。美しい音楽を合奏するためには、必ずしも心を合わせなくていいんですね…

 ↑恐怖の壁ドン!
 凶人フレッチャー先生を激演し、アカデミー助演男優賞を受賞したJ・K・シモンズが、とにかく強烈で圧倒されます!怖い~あんな先生、絶対イヤだ~!夢に出てきそうなほどの迫力、存在感。観終わった後は、しばらく彼の怒鳴り声が耳に残り、鬼顔が目に焼きついて離れなくなるでしょう。非道い役なんですけど、何かカッコいいんですよ!ダンディで颯爽としていて、美声な罵声。悪とか狂とかとは違う独特の個性が。怖いけど、素敵おぢさまでした。ツルピカ頭が何かセクシー。
 アンドリュー役のマイルズ・テラーも、迫真の熱演でした。地味だしイケメンではないけど、フツーっぽいところが、コワレ演技にリアルさを。この映画に抜擢されるまでは、ドラムに触ったこともなかったと聞いてビツクリ!この映画さながらの猛特訓したんだろうな~。見事な演奏でした。
 意地とかプライドとか情熱とか、そんな美しいモチベーションなどアンドリューにもフレッチャー先生にもないのがユニークな映画なのですが。二人みたいなのは極端で異常だけど、何かに命がけになって取り組んでる人を見ると、すごく羨ましくなる私です。部活とかすればよかったな~と後悔…
 主役二人の演技もさることながら、この映画は音楽がカッコいいんですよ!ジャズ、いいですね~。オリジナルタイトルにもなった“Whiplash”が特に好き。サントラ買おうかな~。たたみかけるような展開と場面も素晴らしく、オスカーでは編集賞も納得の受賞。撮影当時、29歳!だったという新進気鋭のデイミアン・チャゼル監督、まさに彗星のごとく現れた感じ。次回作が待ち遠しい!
 それはそうと…邦題が、どうもしっくりこないんですよね~…もうちょっと内容に合ったタイトルにしてほしかったかも…

 ↑シモンズおぢさん、オスカーおめでと授賞式の彼も、クールな熟年って感じでカッコよかった。今後は名バイプレイヤーとしてだけではなく、主役も張ってほしいものです
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ニネニネさせて♪

2015-06-25 | フランス、ベルギー映画
 「誘惑 セダクション」
 恋人のマリオンとともに、ガスパールは拾った携帯電話の持ち主である女を好奇心から尾行する。男と車中でガス自殺を図った女を、二人は助けるが…
 わしのイチ推しメン、ピエール・ニネの出演作!今のところ日本では「キリマンジャロの雪」と「イヴ・サンローラン」、そしてこの映画の3本でしかニネくんとは会えないので、ファンにとっては貴重な一本なのです。

 ガスパールといつもツルんでるマブダチの一人、ヤン役のニネくん。やっぱ可愛いわ~フツーの男の子役なので、返って彼のカッコカワイさが顕著に。こんな男の子、そのへんフツーに歩いてないよな~。顔ちっちゃくて美白肌で大きな瞳はキラキラで、アヒル口がキュートで背が高くてスマートで、笑顔があどけなくて、低い声は甘くてetc.欠点ないじゃん!でも、彼のトレビアンなところは、こんなにもカッコカワイいのに、カッコつけたところもブリっこなところもスカしたところもナルシーさも全然なくて、すごくナチュラルで爽やかなところ!美男子だけどファニーフェイス、お高くとまってなくて親しみやすい雰囲気。すごく優しそうなんですよね~。実際のニネくんも、バスとか電車とかでお年寄りに席を譲ってるますよ絶対。イケメンなのに、いい人オーラもハンパない。そんなニネくんに、ますますZOKKON命な私です♪

 ニネくん自身っぽいほど、ヤンもすごくいい子。悪友たちにいつも明るく調子合わせてくれたり、家事を手伝ってくれたり、真面目に心配してくれたり。おバカな話や行動しても、賢そうな感じがするところもニネくんらしかったです。友だち付き合いが悪くなり、マリオンにも冷たくなったガスパールに怒るヤンが可愛かった。ガスパールを殴るのかと思いきや、貸したバイク今すぐ返せ!ってガキかよ!と微笑ましすぎるヤン。水着姿もラブリーでした。細いけど、引き締まった上半身してます。

 とまあ、ごくフツーの男の子を可愛く演じてたニネくんです。彼の姿を見るだけでもファンには観る価値のある映画ですが、ぶっちゃけ彼じゃなくてもいい役ではあります。「イヴ・サンローラン」の彼に魅せられた人だと、フツーすぎて物足りないかもしれません。
 ガスパール役のグレゴワール・ルプランス・ランゲも、好きなボーギャルソンです。浅利陽介+エドワード・ノートン、みたいな見た目の地味イケメン。彼も「キリマンジャロの雪」に出てましたね。あの映画よりカッコよくなってました。おちりも出してました♪それにしても。ガスパールもヤンも、いったい何歳の設定なんだろ?どう見ても言動は高校生でしたが…

 謎の女オドレイ役は、リュック・ベッソン監督の「アデル」でヒロインを演じたルイーズ・ブルゴワン。うう~ん?特に美人でも可愛くもない?強烈な魅力は感じなかったけど、脱ぎっぷりは見事でした。
 オドレイの怪しい兄役で、メルヴィル・プポーが登場!

 メルヴィルもおじさんになったな~。でも、やっぱイケメン♪メルヴィルも、あんまし仕事選ばないタイプなのかな。来るオファー、ほとんど受けてそう。マリオン役は、「La Religieuse」でヒロインの尼僧を演じてたポーリーヌ・エティエンヌ。ジュリエット・ビノシュ似?彼女も脱ぎっぷりよすぎ。
 邦題は、JAROに通告ものな誇大広告です。エロティックサスペンスを期待すると、ガクっとなるので要注意お話は、オンラインゲームにハマりすぎたら生活が破綻するよ!頭がイカれちゃうよ!気をつけて!みたいな警鐘物語?交錯する現実と仮想世界で正気を見失い死に導かれ、どんどん命を落としていく若者たち、みたいな話だったら、松本洋子先生の怖い少女漫画っぽい面白い映画になったかもしれないので、何だか惜しい。オドレイ兄妹がいったい何者なのか、何がしたかったのか、いまいち理解できなかった。あと、ガスパールとマリオンが、拾った携帯電話に勝手に出たりメールのぞいたり、持ち主を尾行したりするのも理解不可能。何でそんなことすんの?!私よく携帯を落とすのですが、こんな人たちには拾われたくない~!

 イケてるニネっち画像、集めてみました~

 ほんまカッコええのお~

 ハリウッドスターと違って、さすがパリジャンというか、若いのにシックですよね~。新作“Un homme idéal”はシリアスなサスペンスみたいですが、旧作はラブコメが多いニネっち。早く日本でも陽の目を見ますやうに…
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

倒錯の青い闇!“どうぞぶってね”

2015-06-24 | 北米映画 80s~90s
 昨夜のカープVS阪神は、壮絶な接戦の末に引き分け!両チームの選手、さぞや疲労困憊だったことでしょう。応援してるほうも、どっと疲れるゲームでしたが敗北じゃなかったのはまあよしとしますが…やっぱ勝ってほしかったな~。てか、勝てる試合だったのに…今年のセ・リーグは、最悪といっていいほどのお粗末な低レベルの戦いで、首位の巨人と最下位のカープとの間も、差がほとんどない。なので、ここで快進撃をカマせば、すぐに上位に浮上、優勝だって決して夢じゃない状況。なのに…と、今さら詮無きことですが、惜しい気持ちは拭えません。悔しさもひとしお、ため息が深く重い理由は、勝てなかったのが大瀬良くんのダメっぷりのせいだったこと…

 ああ~…中継ぎにコンバートした大瀬良くんですが…無残な不調っぷりから抜け出せないまま。彼に対する厳しい冷たい声が、胸に痛くて…去年は、カープの王子さまのようにもてはやされてたのに、今やカープのガンみたいな扱い大瀬良くんには、きっと何か悪いものが憑いてるんですよ!お祓いに行ったほうがいいかも!早く大瀬良くんが輝きを取り戻せるよう、今年の七夕はそれだけを星に願います…
 今夜の先発はノムスケ(今日26歳の誕生日!おめでと)。さあ、今夜こそ虎退治!で・も。阪神の先発は、能見さん乙女心が揺れる夜です♪
 って今、戦況どーなっとんじゃろ…怖あてチェックできんわ~

 My Favorite 80年代映画⑥
 「ブルーベルベット」
 田舎町に帰省した大学生のジェフリーは、草むらで人間の耳を発見する。事件と関わりがあると思われるクラブ歌手ドロシーに、ジェフリーは近づくが…
 「エレファントマン」やTVシリーズ「ツインピークス」などで知られる天才&変態名匠デイヴィッド・リンチ監督の作品の中では、my most favoriteです。わけがわかんない映画が多いリンチ監督作の中では、わかりやすくてストーリーが(一応)あるし。

 とにかくこの映画、出てくる連中がドイツモコイツモ変態なんですよ。変態たちが狂態痴態を競う、めくるめくアブノーマルワールドにドン引きしつつ惹きこまれてしまいます。冒頭、50年代のアメリカっぽい、明るくほのぼのしたムードと映像の中で蠢く、地中のまがまがしい虫、そして落ちている耳!隠微な変態世界への、見事ないざない方です。好奇心から事件に首を突っ込んでいくジェフリーを道案内役に、観てるほうもどんどん深い暗い沼にズルズル引きずり込まれる感覚を味わえます。

 狂った異常な話なんですけど、何か笑えるんですよ。リンチ監督も、確実にそれを狙ってたと思います。おいおい~とか、ちょ待てよ!なシーンのてんこもり。よくこんな変態キャラ思いつくな~と、リンチ監督の異才ぶりに驚嘆せずにはいられません。意味深だけど意味不明なキャラや、シュールなシーンなども、他の監督にはない独特さ。

 頭がアレな人々ばかりですが、特にアレなのがデニス・ホッパー演じる悪党フランク。わけのわからない罵詈雑言しか口にせず、触るものみな傷つける狂犬ぶりがヤバすぎます。ガス?麻薬?吸引しながら、ドロシーにマミーマミーと甘えながら変態行為、そしてボコボコに殴ったり。赤ちゃんみたいに青いベルベットをハムハムしてたり、そのイカレポンチな倒錯ぶり、凶暴な異常者ぶりが非道すぎて笑えます。こんな演技、素面でできるものなのかしらん?オスカーにノミネートされたほどのデニス・ホッパーの怪演が、とにかく強烈です。

 そして、フランク以上のド変態ドロシー役、イザベラ・ロッセリーニもスゴすぎます。もう見るからに何かコワレてる女ドロシーですが、やることも言うこともヤバすぎ!クローゼットに隠れてたジェフリーを引きずり出して、何をするのかと思えば。ジェフリーをナイフで脅して全裸にして、ハアハアとか

 フランクに殴られて陶然、ジェフリーとの情事では、ぶって!いじめて!とSM行為を強制など、ドMな変態痴女ドロシー。フツーの女優なら二の足を踏む役を、イングリッド・バーグマンの娘であるイザベラが捨て身の怪演!ハリウッド女優にはない退廃、熟れた崩れた美貌と肉体が、生々しく痛々しく不気味。あざだらけの全裸で植え込みから出てくる姿とか、その女優魂に畏怖。この映画のイザベラを見て、草葉の陰のバーグマンはどう思ったことでしょうか。私が演じたかった!と羨ましがったかも?
 好奇心のせいで悪夢を味わう主人公ジェフリー役、リンチ監督のお気に俳優だったカイル・マクラクランが可愛いイケメン!

 事件への執着ぶり、女の部屋に侵入、のぞき見など、やはり変態なジェフリーを、淡々と可愛く演じてるカイル。端正で甘いマスク、どこか掴めない謎めいた雰囲気が素敵。全裸も披露。おちりが可愛かった♪現在のカイルは、シブいおじさまになっているようです。

 ジェフリーを手伝う女子高生役、ローラ・ダーンも好演。ジェフリーとドロシーの関係を知ってショックを受けるシーンの彼女、すごい顔で怖い+笑えます。タイトルにもなった歌が効果的に使われていて、観終わった後もしばらく耳に残ります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Sweet Mermaid♪

2015-06-23 | 北米映画 80s~90s
 My Favorite 80年代映画⑤
 「スプラッシュ」
 ニューヨークで青果市場を営む青年アランの前に、突如現れた謎の美女。アランはマジソンと名づけた彼女と恋に落ちる。マジソンの正体は、幼い頃に海で溺れたアランを救い、恋しい彼に会うために大都会へやって来た人魚だった…

 引き続きトム・ハンクス主演作。「ビッグ」よりさらに前のトム、さらに若くて可愛い!ほんま好きやわ~この頃のトム・ハンクス。イモいけどイケメン。今とは別人な細さもスマートでカッコいい。トボけてるけど何か悲しそう、すごく繊細でガラスのハートっぽさも母性本能をくすぐります。可愛いけど気色悪い男ぶりっこではないところも好き。

 「ビッグ」のオトナコドモ演技同様、このラブコメでのロマンティック演技もチャーミングなトム・ハンクス。表情とか目つきとか動きとか、恋してるんですよほんとに。恋したら、相手のどんな変なところも美点に見えてしまう。素っ裸でNYに現れて警察のご厄介になったり、英語も話せず素性も知れず、怪音波みたいな声でTVをぶっ壊したり、どこからどう見ても考えても、フツーじゃないマジソン。でも、アランは大して気にしないんです。それどころか、そんなマジソンを可愛いとか楽しいとか思って、ますますデレデレになっちゃう。まさに恋は盲目。翻弄されることに酔ってるみたいな。こんな彼氏を困らせて悩ませて泣かせてみたい!と思わせる、恋するドM男なトム・ハンクスが好きです。

 シャイでナイーヴでドMだけど、頼りない草食男子じゃないのがいいんです。「ビッグ」のジョッシュもそうでしたが、この映画のアランも強引なまでにヒロインをガンガン引っ張っりまわし、主導権を握ってくれるんですよ。もちろん、女に不快感や不安を抱かせるようなやり方をせずに、純真に情熱的に。そういう男子、いいですよね~。そして、まだ若くてイケメンなので、美女とのラブシーンも絵になります。

 胸キュンなシーンも多く、アイススケートのシーンとラストの海のシーンが特にso sweetでした。ああ~わしも大瀬良くんと手をつないでスケートしたり、青い海で泳いでみたいのお~。ラストのアランの決断に感嘆。まさに愛のためにすべてを捨てた彼、後悔も恐れもない愛なんて、私には一生縁がないんだろうな~…

 マジソン役のダリル・ハンナも、めっちゃラブリー。陸の大都会でも物怖じせず、好奇心いっぱいで大胆不敵なことをする彼女が笑えます。水の中での演技、大変だったんだろうな~。それにしても。もし彼女みたいな美女じゃなくて、逸ノ城とか巨人の阿部とかにそっくりな人魚姫だったら、やっぱアランはあそこまでベタ惚れにならないんでしょうね

 アランの兄、ろくでもないけどいい奴なフレディ役のジョン・キャンディも好演。子どもの時と同様、大人になってもわざとコインを落として拾うフリして、女性のスカートの中をのぞくのが笑えた。スケベさが意外なところで役立つのも笑えた。ジョン・キャンディって、もう亡くなられてるんでしたっけ…哀悼…

 この映画の後も、何作もトム・ハンクス主演作を撮っているロン・ハワード監督。今では名匠っぽくなってますが、この当時はまだフレッシュな若々しい感性があって、最近の作品より断然好きです。
 人の姿を借りて来たのよBig Big Town♪雨に濡れたら私はただのマーメイド♪ビルの都会は冷たい海ね~♪カラオケに行けば必ず歌う中山美穂のヒット曲「人魚姫 Mermaid」は、明らかにこの映画をモチーフにしてますよね。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

彼の、大きくて…

2015-06-21 | 北米映画 80s~90s
 My favorite 80年代映画④
  「ビッグ」
 大きくなりたい!と願い事をした12歳の少年ジョッシュは、翌朝目覚めると大人の男に変身していた…
 二度もオスカーを受賞し、すっかり貫禄も恰幅もあるハリウッドの偉いおじさんになってしまっている現在のトム・ハンクスですが、若かりし頃のこの映画におけるトムのカッコカワイさは神!今とは別人のような、スマートで可愛いイケメンだったのです。まだ年端のいかぬ頃に初めて観たのですが、しばらくの間はトム・ハンクスが理想の男でしたわ。

 見た目は大人、心は子ども、という役を演じた男優はあまたいますが、後にも先にもトム・ハンクス以上のオトナコドモ演技はお目にかかったことありません。彼はこの映画で初めてオスカーにノミネートされたのですが、受賞しなかったのが不思議。後の受賞作「フィラデルフィア」と「フォレスト・ガンプ」よりも、こっちのほうが一世一代、二度と再現できない名演だと私は思ってます。

 オトナコドモ演技はヘタな俳優がやると、ただの不思議くん、気持ち悪いオトコブリッコ、または知的に障害があるとしか思えない、になりがちなのですが。トム・ハンクスはどれにも当てはまらない、実に絶妙なオトナコドモっぷりなんですよ。ボク可愛いでしょ?無邪気でしょ?とアピールするような笑顔よりも、トボけた真顔とか困惑顔のほうで笑いを誘う演技。目つきとか表情、動きも、こまかく繊細。これって計算してできる演技なのか~と、コドモになりきってるというよりコドモに憑依されたかのような、ちょっと怖くなるほどの入魂演技なんです。
 演技も驚異的ですが、やはり何と言ってもこの映画のトム・ハンクス、若くてイケメン!優しそうだけどちょっと哀しそうで、母性本能くすぐる系です。トボけた真顔が独特で可愛い。初登場シーンはブリーフ一丁なのですが、ガッチリムッチリした裸もセクシー。子どものパジャマは破れてたのに、パンツはそのままだったのが不思議でしたが

 トム・ハンクス可愛いカッコいい!名演!で満足満足♪な映画ですが、二度と戻れない子ども時代の大切さ、はかなさも伝わってきて、ノスタルジーに胸をキュンとさせてもくれる名作です。君も子どもに戻ろう!と誘うジョッシュにスーザンが言う『私はもうその時を生きた。一度で十分』という台詞が、今の私にはホロ苦かったです。
 スーザン役のエリザベス・パーキンスも好演。はじめはカリカリしたトンガリキャリアウーマンだったのが、だんだん柔らかく優しく変貌していく過程が素敵でした。それにしても。女って、男に惚れると弱くなるんだよね~。

 トム・ハンクスと同じぐらいの名演だったのは、ジョッシュの親友ビリーを演じてた男の子。演技うますぎ!ビリーのキャラも、子どものくせに男気があってめっちゃカッコいいんですよ。将来いい男になりそう。少年ジョッシュが、トム・ハンクスに全然似てないのがちょっと気になった。それはそうと。童貞を失ったジョッシュは、12歳に戻ってから元通りの生活、子どもの世界に以前のように適応できるのかな~と、ラストに下世話な感想を抱いてしまった私です…

 ↑この頃のトムの可愛さは、まさに神!別人のようなおじさんになってしまってる現在のハンクス氏、警察沙汰になるバカ息子がいるなど、時の流れを痛感させてくれます…
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

デリバリー朗読の女!

2015-06-19 | フランス、ベルギー映画
 My Favorite 80年代映画③
 「読書する女」
 読書好きのコンスタンスの愛読書「読書する女」には、朗読を仕事にしているマリーというヒロインが登場する。いつしかコンスタンスはマリーと同化し、個性的な客たちと刺激的な関わりを体験するように…
 この映画を初めて観た時は、まだ何も知らないオコチャマな年頃だったので、面白さや魅力がイマイチ理解できなかったのですが、加齢を嘆くようになった今あらためて観ると、すごく小粋でユニークな映画だな~と思えました。

 車椅子の少年、エキセントリックな老女、おしゃまな幼女、エッチがしたくてハアハアな中年社長、ムッツリスケベな老判事tec.ひと癖もふた癖もある客と、彼らを軽やかにしたたかに扱うマリーとの、翻弄したりされたりなやりとりが不思議テイストで愉快に描かれていて、フランス映画らしいエスプリに満ちた大人向けの喜劇に仕上がってます。

 客の無茶ぶりやセクハラ、変な言動にも、サラリとフワリと応えたりかわしたりするマリーが素敵。マリーったら本を読むだけでなく、ちょっとした精神カウンセリングやエッチなサービスもしたりするんですよ。下半身不随の少年に、スカートめくってパンティ見せたり。ハアハア社長とはセックスもしたり。エッチなことをしつつ、ちゃんと朗読してるところが笑える。まさに知的なデリヘル嬢、みたいな仕事ぶり。

 コンスタンス/マリー役のミュウミュウが、ほんとチャーミング!

 ミュウミュウみたいな女性に、すごく憧れてる私。若い頃と変わらぬキュートな大胆さがトレビアン。この頃はもうすでに熟女なミュウミュウですが、少女のような瑞々しさ、愛らしさ!ブロンドのショートヘアが、これほど似合う女優はいません。可愛いけど、気色の悪いブリッコおばはんではなく、色香もベタベタしくなくて明るくて爽やか。シレっと大胆なことをするところが笑えます。ヘア丸出しのヌードにも、当たり前みたいになるところも彼女らしい。脱ぎ惜しみ女優や、ちょっと胸を見せたぐらいで女優魂示したつもり女優などと違い、あくまでナチュラル、気負ってない姿勢に好感。ミュウミュウのファッションも、おしゃれで目に楽しいです。

 
 マリーが客の家へと移動する時に流れる軽妙なクラッシク音楽とか、趣あるパリの街並みなども、目に耳に楽しい佳作です。マリーが朗読する本の中では、老判事に読まされるサドのエロ小説が面白そうでした。
 読書といえば、こないだやっと吉田修一の「怒り」を読み終えました。何年か前に世間を騒がせた、あの整形逃亡殺人犯、市橋達也の事件をモチーフにしてる小説なんですけど、かなりBLな内容は往年の吉田修一っぽくて、腐には美味しい作品でした映画化してほしいな~と思ってたら、何と!ほんまに映画化決定!誰があのゲイカップルやるんだろ。わし的には、向井理と池松壮亮が理想なんだけどな。二人にも合ってる役だと思うし♪
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鯉は試練のRainy Season

2015-06-18 | カープ
 昨日は大瀬良大地くんの24回目の誕生日でしたHappy Birthday dear Daichi
 黄金ルーキーとしてカープに入団し、期待通りの実力と活躍、そして愛くるしい癒し系ルックスと優しく穏やかな聖人キャラで、カープ人気の立役者となった去年の大瀬良くん。新人王にも輝き、さあ今年は優勝の立役者に!との期待を一身に集めた彼でしたが…しょっぱなからカープは、前評判とは真逆な大撃沈大沈没いまだに最下位から脱出できず。開幕前はあんなにカープばかりもてはやしていたマスコミも、今はそんなことなどなかったかのような冷たい黙殺ぶり。こんなはずじゃなかった…どうしてこんなことに…何とかならんかのお…と、痛みを抱えてるけど黙ってこらえているかのような、今の広島です。

 大瀬良くん…2年目のジンクスなど!と、開幕前はファンも本人も笑い飛ばしていたけど…ああ…負のループにズッパマリ運が悪すぎる負けが多いのも、可哀想で切ない。実力があっても、誰よりも一生懸命頑張っても、ダメなときはダメ!という残酷な現実の壁に、ブチあたりまくってる今年の大瀬良くん。いつも謙虚さの中にあるポジティヴさ、優しさの中にある負けん気の強さが、大瀬良くんの魅力なのですが…それさえも最近は、自分に鞭打ってるような痛々しさが。

 どんな時も明るい優しい笑顔しか見せなかった大瀬良くんも、最近はガッカリ顔とか悔し顔とかムスっとした顔とか悲しそうな顔もよく見せるように。彼だって人間、しかも若い男の子。いつもニコニコなんかできない。それはよ~く分かってるのですが…やっぱファンは、あの笑顔だけを見ていたいと願ってしまいます。

 チームも自身の成績もどん底な時に、夜遊びをフライデーされたのもイタかった。若いし独身なんだから、女遊びぐらいしたって無問題。トヤカク言うのは、よほど狭量で潔癖すぎる人だと思う。でもね~。やっぱ、私を含め大瀬良くんのファンが彼に求めてるものとは、大きなギャップがあるのも事実。周囲にも有名人にもヨゴレた人が多いせいもあって、大瀬良くんは私にとっては清涼飲水、目薬みたいな存在なんですよね~。臭いも汚れもない子、と勝手に理想化してしまってた。あまりにも誰かを過度に偶像視するのはよくない、と痛感しました…

 フライデーに続いてファンを動揺させたのは、大瀬良くんの先発から中継ぎへの転向。大惨敗の元凶ともいえるセットアッパーの崩壊を考慮すれば、致し方のない配慮とはいえ…中継ぎだって先発同様に重要な役割なんだけど…先発投手として華やかに活躍してたことを思うと、複雑な思いは否めません。

↑やっとられんわー!!と、とうとうキレてグレてしまった大瀬良くん(嘘)
 大瀬良くんの胸の内は…と、口さがなく言い騒いだり詮索するよりも、やっぱ力の限り彼を応援したい!と私は思うのであります。彼の幸せそうな笑顔に萌えたい、彼の闘志に燃える勇姿に元気づけられたい。そのためには邪推や不信を捨てて、一途に応援するのみ!と思い至ったのであります。大瀬良くん、わしももう迷わん。じゃけえ、君も迷わず邁進しんさい!ジメジメした梅雨ももすぐ明けます。大地に輝く夏の太陽が昇る日を、ファンは信じて待っています

 公式戦再開間近!大瀬良くんの可愛いカピバラスマイルが、いっぱい見られますように…七夕の短冊に願い事します
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ラブレター・フロム・パリ

2015-06-16 | 映画雑記
 最近、仕事がしんどすぎるわ低血圧が悪化するわで、もう家に帰ると廃人同様な私…
 昨夜もフラフラで帰宅。ごはんも食べる気にならず自室に直行、ベッドに寝倒れようとすると…机の上に、いつものように置いてある私宛の郵便物の中に、エアメールが。ん?海外に知り合いはいないし…と半ば恐る恐る開封してみると…ぎゃぼ?!出てきたのは、ピエール・ニネのサイン入りポートレイト!2枚も!
 
 すごい前に、ファンレター出したんですよ。「イヴ・サンローラン」が公開される前、「キリマンジャロの雪」で初めて彼を見て、あまりのカッコカワイさに感激のあまり、ラブレターをしたためてしまったのですが、まさか返事がもらえるとは!ニネくん、やっぱめっちゃいい人なんですね!ますますファンになってしまいました!ニネくん、死に体な私に元気をくれて、メルシーボクウ~
 盗作でベストセラー作家になった青年を演じた新作“Un homme idéal”のニネくんも、めちゃイケ!これは絶対、日本でも公開してほしい!「炎のランナー」の名匠ヒュー・ハドソン監督の新作時代劇や、オドレイ・トトゥ共演作も待機中。まだ26歳という若さ、今後ますますいい男に、いい役者に成長していくことでしょうあなたを思うだけで心は強くなれる~ずっと見つめてるから~走り続けて~♪by ZARD
コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

問題のあるホテル

2015-06-14 | 北米映画 80s~90s
 My Favorite 80年代映画②
 「ホテル・ニューハンプシャー」
 高校教師のベリーは、家族とともに念願だったホテル経営を始める。次々と降りかかる不幸や災厄を、ベリー一家は明るく逞しく乗り越えていくが…
 「ガープの世界」や「サイダーハウス・ルール」などのアメリカの人気作家、ジョン・アーヴィングの小説の映画化。私も多感な年頃に、アーヴィングにハマってたんですよね~。ファンタジックなまでに波乱万丈、奇想天外なストーリーは、常に死と暴力に満ち溢れてて、悲劇や凶事がこれでもか!とばかりに起こるけど、決してお涙ちょうだいにはならない突き抜けた明るさがあって、アメリカ人のタフさとかポジティヴさに感銘を受けたものです。

 この家族ドラマもアーヴィング節が炸裂してて、とにかく珍事変事凶事いろんなことが怒涛のように起きて、ジェットコースターのように一気に走る抜ける展開なので、長い話だけどアっという間にラストにたどり着いてしまいます。

 近親相姦、同性愛、いじめ、レイプ、事故死、テロや失明、自殺など、ベリー一家には問題だらけ、不幸・悲劇の嵐。なのに、すごいあっけらかんとしてるんですよ。みんなノーテンキで元気なんです。フツーの人なら立ち直れない、トラウマになるような経験をしても、落ち込んで沈んで立ち止まったりしないんです。劇中の台詞『開いてる窓は見過ごせ』、どんなに悲しいこと辛いことがあっても生きていこう!というテーマが心に響きます。
 リアルな悲劇と不幸を描いても、どこかおとぎ話のような語り口が独特。曲芸をするクマの“メイン州”や、オナラばかりしてる犬のソローが、人間以上に生と死について考えさせる存在になっているところも、哀しいフェアリーテールっぽさを醸しています。

 とにかく、ベリー一家の強さ、明るさ、前向きさが人間離れしてて驚嘆ものです。どんなに踏みつぶされても、したたかに元気に執念深く生きる雑草のような人たちなのです。優しいけど夢中人なパパ、長男はホモ、長女と次男は愛し合ってて、次女は小人。強烈な個性のファミリーが、仲良く楽しそうに不幸や悲劇と向き合う姿が、コミカルにドラマティックに描かれています。不幸や悲劇にも、必死に涙ながらに!なんて悲壮感は微塵もなく、サラっとシレっと負けないところが笑えます。そんなベリー一家や彼らに関わる人々を演じてる俳優たちが、なかなか豪華です。

 家族の中心である長女のフラニー役、ジョディ・フォスターの貫禄ときたら!当時まだ20代前半なのに、すでに姐御、いや、親分な風格です。風貌もキャラも、まさに“漢(おとこ)”な頼もしさ。実姉と愛し合う弟、実質の主役である次男ジョン役のロブ・ロウは、まだ少年っぽさが残ってて可愛い。この映画でもよく脱いでました。パパ役のボー・ブリッジスは、弟のジェフほど男前ではありませんが、優しそうで知的な素敵おじさま。
 最も強烈で美味しい役だったのは、後半のウィーン編になって出てくる二代目“メイン州”、クマのスージー役のナスターシャ・キンスキー。

 超美女のナスターシャが、かぶりものをしてその美貌を隠してる!というところが、なかなか小粋な配役。ジョディ兄貴とレズシーンもあり。最近レズであることをカミングアウトしたジョディ兄貴、ロブ・ロウとよりもナスターシャとのラブシーンのほうがノリノリだったんだろうな
 あと、フラニーをレイプする性悪ハンサム高校生役と、ウィーンのテロリスト役の二役を演じてるマシュー・モディンもイケメン、好演。
 今は亡き名匠トニー・リチャードソン監督のユニークな演出、心に残る映像美、流麗な音楽なども素晴らしいです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ガンジーでさえ絞め殺したくなる女!

2015-06-11 | 北米映画 80s~90s
 My Favorite 80年代映画①
 「殺したい女」
 ランジェリー会社の社長サムは、財産目当てで結婚した妻バーバラを殺す計画を実行に移そうとするが、その矢先にバーバラは誘拐されてしまう。サムは狂喜し、身代金の支払いを拒否するが…
 この映画、大好きなんですよ!気分が落ち込んだ時とかに観たくなるんです。ハリウッドのノーテンキでエネルギッシュでオゲレツでエグいブラックコメディは、私にとって元気になれるビタミン剤なのです。
 サムとバーバラ夫妻、誘拐犯の若い夫婦、サムの愛人とそのツバメ、警察、シリアルキラーまでが入り乱れてドタバタ大騒ぎ。みんなの勘違いと思い込みが錯綜し、どんどん事態がこんがらがっていく展開が笑えます。特に笑えたのは、アホなツバメがカーセックスを殺人現場と勘違いして盗撮するシーン。娼婦とヤってる男の正体が、またまた事態をややこしくするところがナイス。あと、バーバラの愛犬。可愛いプチプードル、マフィが凶悪すぎて笑えます。マフィを始末するためにサムが放った刺客、ドーベルマンのアドルフの裏切りにも爆笑!犬2匹が驚嘆ものの名演。
 ただ単にドタバタしてるだけのコメディではなく、エゲツなくもスパイシーな台詞の数々、伏線の張り方や小道具の使い方など、脚本もよくできてるんですよ。子どもやジジババでも楽しめる系の笑いでは物足りない、毒々しくてヤバい大人向けの笑いが好きな人なら、ぜったい楽しめるコメディです。
 暴走しまくるキャラ立ちしすぎな登場人物たちを、個性的な役者たちが好演・珍演してます。

 チビ&ハゲ、セコくてズルくて冷酷なサムを、名コメディアンのダニー・デヴィトーが楽しそうに演じてます。いちばんのワルだけど、いちばん可哀想でもあるサム。見た目だけでもう出オチ的、とにかくひどい目に遭いまくるデヴィトーおじさんの、チョコマカした動きと激しい喜怒哀楽の表情が可笑しいです。
 サム&バーバラ夫妻に振り回される超お人よしの誘拐犯夫婦役、ジャッジ・ラインホルドとヘレン・スレーターの、オロオロ&あわあわ演技も珍妙です。ビバリーヒルズコップシリーズで当時人気だったラインホルドさん、結構イケメンです。背が高くてスタイルがいい!足、長っ!元スーパーガールのヘレンさんの、ダイアナ妃な髪型にノスタルジー。ラインホルドさんもヘレンさんも、最近お見かけしませんが…元気に活躍してるのでしょうか。

 サムの愛人の若いツバメ役が、後に「インディペンデンス・デイ」などで人気スターとなる前のビル・プルマン。超絶アホな役だけど、可愛いイケメンです。彼も最近、見なくなりましたね…
 そして何と言っても最強最高なのが、オバタリアンお嬢様バーバラ役のベット・ミドラー!

 超ド迫力!嵐のような大暴れが愉快痛快!こんな風に一度でいいから、いいたい放題やりたい放題に傍若無人してみたいと憧れてしまうほど。超下品で乱暴でフテブテしい言動が素敵すぎる。誘拐犯への罵詈雑言が非道すぎ、なんだけど、よくそんな言葉思いつくな~と感嘆してしまうほどのボキャブラリーの豊富さ。誘拐犯に『ガンジーでも絞め殺したくなる女』と言わしめるパワフルなモンスター妻を猛演したミドラーおばさまは、ご存知の通り大物歌手。この映画でコメディエンヌとしても大きく開花し、この後ヒット作を連発したのでした。
 下品で凶暴なバーバラですが。サムが自分を愛してると信じて疑ってなかったり。監禁中の暇つぶしに始めたダイエットに成功し、泣きながら誘拐犯に感謝したり。ある意味、誘拐犯夫婦よりお人よしなバーバラが、すごく可愛くも思えました。
 ミック・ジャガーの歌う主題歌“Ruthless People”も、ノリノリにゴキゲンな曲。オープニングのアニメも、毒々しくて好き。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする