まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

アマン 美しき間男

2023-04-30 | フランス、ベルギー映画
 「純愛不倫」
 ドラッグ売人の恋人シモンが顧客を死なせてしまい、リザは彼と一緒に逃走しようとする。しかしシモンは失踪、傷心のリザは裕福な実業家レオと結婚する。数年後、レオと滞在中のマダガスカルのリゾートで、リザはシモンと再会するが…

 日本では劇場ではなく配信公開となったピエール・ニネ主演作を、ようやく観ることができました。ひどい邦題やっぱニネっちとは、大きなスクリーンで会いたいですね~。この作品では珍しく、かなりのクズ男を演じてるニネっち。まっとうに生きられないヤクの売人、捨てた女と元サヤとなり、彼女の隠れヒモになって生活の面倒を見てもらい、あげくは彼女の亭主を殺そうとする最低な間男役!なんだけど、全然そんな風には見えないところがニネっちマジックです。「パーフェクトマン」でも盗作や殺人を犯してしまう男役でしたが、ニネっちのほうが悪いのに、彼を追い詰める周囲のほうが悪人に見えてしまうんですよね~。ニネっちがあまりにも優しそう、人が善さそうで、汚らしさとか下卑たところがないから。悪い男ではなく、根は善人だけど愚かさや運の悪さで堕ちてしまうダメ男。そんな役も魅力的に演じられるニネっちです。

 それにしてもニネっち、ほんと美しいわ~。ちょっとイケメンレベルの俳優やアイドルを見狎れてるので、たまにニネっちを見るとその落差に衝撃さえ覚えてしまいます。瞳と声の美しさといったら。キラキラと澄んだ瞳は、どん詰まりな濁った人生のシモン役には似つかわしくないほど。低くて甘い声、あんなの耳元で囁かれたら逆らえなくなりますよ。クズ男にハマるリザも相当なダメ女なのですが、確かにニネっちみたいな男だと、一緒にいてろくなことにはならないと知りつつ離れられなくなるのも理解できます。自分のものじゃなくなるには、あまりにも惜しい男。

 ニネっちの甘く情熱的なラブシーンも見もの。キスや愛撫など、実際のニネっちもセックスが上手なんだろうなと思わせてくれます。脱ぐのが大好きなニネっち、今回も自慢の肉体美をたっぷり披露してます。細いけど筋肉質で美白なカラダ。フランス男には珍しく胸毛とか全然ない、日本の女子にとっては好ましい清潔感のある裸です。シンプルなセーターや革ジャン、ポロシャツなど、何を着てもエレガントなところもニネっちらしいです。

 ヒロインのリザ役は、佳作「アマンダと僕」や、タハール・ラヒム主演のTVシリーズ「ザ・サーペント」などのステイシー・マーティン。かわいこぶりっことは対極にあるようなブスっと不機嫌な表情とか、夫も愛人も手放さないけど悪い?!と開き直ってるような図太い感じが魅力的。ニネっちとはモデル同士のようなカッコいいカップルぶりでした。彼女も脱ぎっぷりがよい。
 レオ役は、昨年の「愛する人に伝える言葉」に続き新作の“Pacifiction”で2年連続セザール賞の主演男優賞を受賞し、今やフランス映画界の重鎮的な存在となったブノワ・マジメル。

 すっかり貫禄がつき恰幅もよくなったブノワ。美青年だった彼が、女房を若い男に寝取られる中年役なんて。隔世の念を禁じ得ませんが、年齢とともに備えたシブさと哀愁は、まさに酸いも甘いも知る大人の男の魅力。すごい頼もしい感じも素敵。レオが妻の不倫を知っても冷静で、間男に対しても大人の対応をするのがちょっと物足りなかった。せっかくのブノワとニネっちの競演なので、もっと火花バチバチ対決してほしかったです。若い美男子へ劣等感とか嫉妬とか抱くほどの老醜の境地には達しておらず、まだバリバリ現役男なブノワなので、レオ役はもっと爺俳優のほうが合ってたかも。可哀想な寝取られ亭主として殺されるのかなと思いきや、若造なんかにやられん!と見事に返り討ちをくらわすブノワでした。

↑ 二人とも、どこの組の若頭?!マフィア映画でも共演してほしい二人ですね

 ↑ 新作いっぱいある働き者なニネっち。イザベル・アジャーニ共演の“Mascarade”の日本公開が待ち遠しいです。最新作は新たに映画化されるモンテ・クリスト伯!ニネっちの時代劇、楽しみすぎる!
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海上の格差転覆!

2023-04-26 | その他のヨーロッパ映画
 「逆転のトライアングル」
 人気モデルのヤヤとその恋人カールは、豪華ヨットの旅に参加する。富裕層の乗客と彼らに仕える乗務員たちを乗せたヨットは、嵐と海賊の襲撃で沈没してしまい、無人島に漂着した生存者たちはサバイバル生活を余儀なくされるが…
 スウェーデンのリューベン・オストルンド監督が、「ザ・スクエア 思いやりの聖域」に続いて2度目のカンヌ映画祭パルムドールを受賞、今年のアカデミー賞でも作品賞や監督賞にノミネートされるなど、欧米で高く評価された話題作。オストルンド監督初の英語作品だそうです。ザ・スクエアは、そのテンポや内容・展開がすごく独特で、笑えるんだけど気まずさ、居心地の悪さを覚えてしまう皮肉なコメディでした。好きな人は好き、ダメな人はダメ、と人を選ぶ系の作品だと思いました。この最新作も、人間や社会に対する底意地の悪い皮肉、冷淡な毒が充満していました。ちょっと緩慢なので退屈することが多かったザ・スクエアと違い、この作品はかなりド派手でハチャメチャで、視覚的な笑いが増強されていたせいか、わかりやすくなってて前作よりも楽しむことができました。

 豪華ヨットの上で客と乗務員が繰り広げる格差の描写、そしてそれをひっくり返す海難事故の地獄絵図が笑えました。ヨット沈没までのパニックは、「タイタニック」どころではない大混乱と大狂乱!嵐で大揺れのヨット、優雅なディナーが船酔いのゲロで大惨事に。とにかく文字通りのゲロゲロ(死語)さ!映画であそこまでゲロドバーッなシーン、初めて見ました。ゲロだけではすまず、大噴水なトイレでクソもドバーッ!汚物の大洪水!ヨットも乗客乗務員も汚物まみれ!き、きちゃない~!!見ていてもらいゲロ、もらいクソしそうな壮絶な汚さでした。そういうのが苦手な人は、ぜったい観てはいけない映画かも。私も汚物ネタはそんなに得意じゃないんだけど、そのあまりのアナーキーさに楳図かずお先生の「まことちゃん」を思い出してしまい、不覚にも笑ってしまいました

 無人島に漂着してからの、ヨット上とは逆転した人間関係ヒエラルキーも、皮肉たっぷりな笑いで描かれていました。予想してたような生きるための必死なサバイバルとか、険悪さとか屈辱とか憎しみとかいった激しい感情や関係は生まれず、何だかすごくユルくて楽しそうでもあったのが、これまた斜め上な滑稽さでした。金持ちも労働階級もみんな基本的には善人で、ちょっとセコいだけの小物ばかりだったのも、馴染みある社会の実態のようでした。

 ヨットに乗るモデルのカップル、カール役のハリス・ディキンソンと、ヤヤ役のチャールビ・ディーンがチャーミングな好演。薄い地味童顔が可愛いハリス、今回も自慢の肉体美を惜しみなく披露してました。劇中、ほとんど上半身裸だったような。ヨットでのカジュアルなファッションが、すごくオシャレで洗練されてました。ヨットで乗務員がタバコ吸ってたとわざわざ副船長にチクりに行ったり、無人島でこっそりお菓子食べてバレそうになるとしらばくれるところとかのシーンのハリスが、セコくて可愛かったです。チャールビは、残念なことにこの映画の公開直後、急逝したとか。


 船長役のウディ・ハレルソンも、なかなか強烈な酔っ払い演技でした。あんな船長の船、ぜったい乗りたくない!私も一生に一度でいいので、豪華ヨットで贅沢な船旅してみたい!2日ぐらいで救助されるなら、美しい無人島に流されてみたい!どっちにも好きなイケメンと一緒なら、まさにパラダイスですね

 ↑ 地味童顔でトボけた感じだけどクセの強い役が多い、そして必ず脱がされるハリディキはまだ26歳!サラっとシレっと何でもやりそうな、今後も期待の若手英国俳優です

 
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道後 春の秘湯!

2023-04-23 | 旅行、トレッキング
 去年夏の別府旅行同様、また老母、M子&ジミーと4人で愛媛の松山城と道後温泉に行きました(^^♪♨
 K市の港からフェリーで松山へ。穏やかな春の瀬戸内海を渡り、2時間ほどで松山観光港に到着。独り旅ならバスを利用するところですが、スポンサーがいる旅ではさっさとタクシーで松山城へ登るロープウェイ乗り場前へ。春だしコロナもだいぶ沈静化してるし、さぞや観光客でごった返しなんじゃろうな~と危惧してましたが、たくさんの人でにぎわってたけど思ってたほどではなく安堵。ロープウェイも特に待たずにすんなり乗れました。


 私はリフトで登りたかったのですが、臆病者のジミーがいやだいやだと騒いだので、仕方なくロープウェイで。城への道は短く緩やかそうで、お年寄りでも徒歩でのんびり登れそうでした。松山城前の桜は満開、澄んだ青空、まさに春爛漫な風景でした。でも、花粉症の人にとっては地獄。4人の中ではジミーだけが花粉症で、すごく辛そうでした。

 初めての松山城。中に入り急な階段をおそるおそる上がっていきます。怖がりな肥満児ジミーは階段の上り下りに時間がかかり、他の観光客に苦笑いされてました。天守閣から松山市街を見下ろした後、帰りはジミーを説得してリフトに乗って下山しました。落ちてもケガもしそうにないほど低くてノロノロ運転なので、ジミーもおとなしく機嫌よく乗ってました。

 腹減った!ランチは名物の鯛めしと決めてました。でも、有名な人気店は長蛇の列。並ぶのは嫌なので、そこそこ人が入ってるけど混んではない店を選んで入りました。

 鯛は少ないけど美味しかったです!蛇口から出てくるみかんジュースを飲んだり、お土産店を見て回ったりした後、市電に乗って道後へ向かいました。

 道後温泉も、そこそこにぎわっている程度で、新宿や神戸の中華街みたいに梨泰院な恐怖を抱かなかったので安堵。ジブリの「千と千尋の神隠し」のモデルとなったと言われる道後温泉本館は改装中でした。ハイカラ通りと呼ばれる商店街でお土産店を冷やかしたり、道後もなかを買って食べたりしながら宿泊先のホテル椿館へ。長旅ではないけど疲れた心身を癒すため、さっそく温泉へ。いや~やっぱ温泉最高!夕食はジミーとの旅ではお約束のバイキング。私、そんなに食べられないので全然元はとれません。その分、ジミーがフードファイター化。またM子に怒られてました。大人3人は伊予柑チューハイで乾杯🥂さっぱり甘酸っぱくて美味しかったです。

 ↑ わしも頑張ってこんだけ食いました。
 隣の席の大家族がみんなすごい大食いで、80は確実に過ぎてるおばあさんも、何度も何度も料理を取りに行ってひたすら食べてたのが、何だか怖かったです。
 寝る前にまた温泉に入って、床入りするとバタンキュー。翌朝もジミーと朝風呂を楽しみました。ホテルをチェックアウトし、道後駅近くにある伊佐爾波神社へ。

 長い急こう配な石の階段に怖気づくジミーを、M子と私は叱咤激励して神社へと上がって行きます。半分もたどり着いてないのにハアハア息切れ、汗だくなジミーはまるで中年のおっさん。神社で今年も平穏無事に、今年こそ幸運がと祈願しました。
 道後駅から坊ちゃん列車に乗って松山市街へ。坊ちゃん列車、レトロで可愛いんだけど、10分ほどの運行時間でビツクリするよな高額運賃!ひとり旅なら絶対乗りません!

 夕方にはフェリーでK市に戻ることができました。今回も楽しい家族旅行となりました。M子&ジミー、夏休みは沖縄に行くそうです。もちろん老母をスポンサーにして。サイフにされてる老母がちょっと可哀想、だけど、喜んでそうなってるようなのでIt's none of my business!わしも夏、どっか行きたいのお~。今度は独りで(^^♪
 
 
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マルチバースの女!

2023-04-19 | 北米映画22~
 「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」
 コインランドリーを経営するエヴリンは、優しいが甲斐性のない夫や反抗的な娘、そして店の経営難などで心身ともに疲れきっていた。そんな中、税務署で別の宇宙から来た夫により並行世界に連れて行かれたエヴリンは、世界を救うための闘いに身を投じることになり…
 本年度のアカデミー賞で最多7部門受賞した話題作を、ようやく観ることができました!賞レースで怒涛のエブエブ旋風を巻き起こしましたが、およそアカデミー賞らしからぬ作品として映画ファンからは賛否両論。私のような高齢者には、かなりキツそうな内容。観に行くのを躊躇してしまいましたが、やはりスルーはできず劇場へ。どうだったかというと…全然わけがわからん!ついていけず、予想以上に置いてけぼりを食らいましたが、面白かったです!確かに、これがアカデミー賞!?な作品ではありました。こんなハチャメチャでブッ飛んでる珍作怪作がオスカー受賞とか、時代も変わったな~。でも、お高くとまった優等生映画より好きかも。

 マルチバースとか仮想空間とか、若い子には人気のイマドキ設定は、まったくもってワケワカメ。最近そういう映画が多いですよね~。もう無理に理解しようとはせず、疾風怒濤な独創的すぎるシーンや展開を楽しみました。今まで見たことがないような斬新さ、破天荒さでした。とにかく目も頭も痛くなりそうなほど、ド派手なゴチャゴチャ、目まぐるしさで、疲れることこの上ありません。気力体力がない人は要注意。気分が悪くなるかもしれません。

 私がこの映画で好きなのは、お上品な映画ファンなら眉をひそめるような悪ノリと下ネタでしょうか。度が過ぎてるので、真面目な人には耐えがたいかも。私はオゲレツ、おふざけが嫌いじゃないので、けっこう笑えました。敵の男たちがパワーアップのため、異物を〇ナルにブっ込みエヴリンに襲い掛かってくるのが、く、くだらねぇ~!けど不覚にも笑ってしまった。マルチバースの異世界風景やセット、衣装も奇天烈で目に楽しかったです。

 作品賞や監督賞を受賞した以上に、主演助演の3部門で受賞したことがサプライズ、快挙かも。演技賞で3部門受賞って、アカデミー賞の長い歴史の中でも「欲望という名の電車」と「ネットワーク」ぐらい?アジア人初の主演女優賞獲得となったミシェル・ヨーの、体を張った熱闘七変化演技が圧巻でした。この映画の主人公は当初男性で、ジャッキー・チェンが想定されていたとか。元子役のキー・ホイ・クアンの助演男優賞受賞も、「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」や「グーニーズ」」をリアルタイムで観た世代には胸アツ。キー・ホイの好演は心から讃えたいけど、個人的にはあの亭主役はトニー・レオンに演じてほしかったかも。「大逆転」や「ワンダとダイヤと優しい奴ら」などの名コメディエンヌ、ジェイミー・リー・カーティスの助演女優賞受賞が、私にとって最大の驚喜。中年太りしたイケズなおばはんを、楽しそうに怪演してるジェイミーおばさまです。エヴリンの娘役、大坂なおみを可愛くしたようなステファニー・スーも、なかなかのチャーミングな怪演でした。
 世界を救うマルチバース対戦というより、生活に疲れて追い詰められたエヴリンの、混乱し崩壊しかけたメンタル世界、みたいに私には思えました。移民、家族愛、フェミニズム、LGBTなど、最近のトレンドもぬかりなく組み込まれていたのが、見事にあざといです。


 
 
 
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100万回抱けばよかった

2023-04-16 | 北米映画 15~21
 カープ、まさかまさかの大逆転勝ち!\(◎o◎)/!今日はさすがに負ける思うたけ、ほんまビツクリよ。
 開幕戦からヤクルトに3タテくらって、始まったばっかなのに今年もダメだこりゃ!モード突入。輝ける3連覇時代は遠い昔の夢まぼろし、昔の弱いカープに戻ってしまったことにも慣れてしまってたので、連日の快進撃はただもう驚喜。
 ホームのズムスタに戻ってから、まさかのヤクルトに3タテ返し!第2戦目、秋山の大逆転ホームランには危うくちびりそうになったわ!

 ライオンズ時代から大好きだった秋山さん、ついにヒーロー覚醒!カッコええのお~抱いて!
 今日は先発の玉ちゃん(玉村)がダメダメ。3タテ返しはやっぱ無理よのお。まあ、ヤクルト相手に勝ち越したし超善戦よ。負けてもええよ、と多くのカープファンは思ったはず。それが、どうよどうよ。大逆転勝利の立役者が、田中浩輔だったのにも驚き。コースケ、ポンコツ呼ばわりしてゴメンね!コースケの復活に感動!Gの最下位転落にほくそ笑み!

 ついに首位に立ったカープ。カープの首位なんて、超久々なのでは。なんだかあの3連覇の頃を彷彿とさせる最近のカープですね。今年は期待してええんかのお?いやいや、過度な期待は禁物ですね。鯉のぼりの季節ジンクスもあるし。でも、あきらめモードは払拭されました!頑張れカープ!🎏

 春のBL映画祭④
 「Steel」
 人気キャスターのダニエルは、生放送中に突然パニックに襲われて以来、自室で引きこもる生活を送るようになる。少年時代に負った心の傷に苦しむダニエルの前に、アレクサンダーという少年が現れ…
 パニック障害…私も時々、軽度のパニックに襲われ不安に陥ることがあります。普段は忘れてるイヤな記憶が突然蘇ってきて、自己嫌悪とか後悔とか不快感とかネガティヴな感情がわっとこみ上げてきて、息苦しくなってしまうのです。若い頃はなかったのに。心療内科で診てもらったほうがいいのでしょうか。この映画のダニエルの症状は、私のそれとは比べものにならないほど深刻で、精神病院に入院措置レベルです。病気とはいえ、あまりにも周囲に迷惑心配かけすぎじゃろ~と、ダニエルの無責任すぎる身勝手な職場放棄や引きこもりにイラっとしました。電話も訪問も無視とか、社会人としてありえない!男の子とBLする時間と余裕があったら、もうちょっと同僚や会社にうまく対応できるのでは、と呆れてしまいました。

 アレクサンダーとの恋でトラウマが癒され勇気づけられ、社会復帰しようとするダニエルの同僚への態度も、信じられないほど自己中心的で厚顔無恥だった。あんなことしでかしといて、すんなり受け入れられて仕事に戻れると思うことじたいが異常な思考回路。プロデューサーやスタッフに甚大な迷惑をかけたというのに、ちょっと責められたり批難されると逆ギレして罵詈雑言とか、かなりヤバい人状態でした。天使?妖精?のように神出鬼没、いつの間に、どうやってダニエルの部屋に?な謎めいたアレクサンダーの正体が明かされ、いかにダニエルがイカレていたかが判明するラストでした。設定が「ジョーンについて」に似てます。ダニエルにしろジョーンにしろ、心の病は放っておいたらいけない、と痛感。

 BLはやはり、顔もカラダもいい若いイケメン同士だと絵になりますね。ダニエル役、アレクサンダー役、どちらも存じ上げない俳優さんたちでしたが、二人ともイケメンで驚くほどの脱ぎっぷりのよさでした。ダニエル役のチャド・コネルは、冷たい悪役が似合いそうな酷薄な顔のイケメン。筋肉質な肉体美を惜しげもなく披露してます。お尻はいいとして、アソコまで見せる必要あったのかな?イケメンのケツは好きだけど、あそこは見たくないアレクサンダー役のデヴィッド・キャメロンは、ベビーフェイスに似合わないマッチョボディ。二人の全裸ラブシーンは、大胆だけど全然エロくなく、ソフトでロマンティックでした。BL映画のセックスシーンは、あれぐらいが理想的。
 
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BL問題教師!

2023-04-09 | 韓国映画
 春のBL映画祭③
 「バンジージャンプする」
 1983年、大学生のインウは雨の中で出会ったテヒに恋をする。やがて二人は深く愛し合うようになるが、軍に入隊するインウの見送りにテヒが現れることはなかった。17年後の2000年、高校教師となり妻子と暮らしていたインウは、教え子の少年ヒョンビンの言動に衝撃を受ける。性別も姿かたちも違うヒョンビンとテヒがことあるごとに重なり、混乱に陥るインウだったが…
 第一次韓流ブーム以来、いろんな韓流スターに目移りはしつつ、私にとって今も最高&最愛の韓流男であり続けているのがイ・ビョンホン数あるビョン吉さんの出演作の中でも、いちばん好きな作品かもしれないのがこのBL映画です。もう22年!も前の作品なんですね~…若き日のビョン吉、その見た目も演技もキャリア最高(と私は思ってます)。とにかくこの映画のビョン吉さん、当然ながら若い!当時30歳ぐらい?大学生役にはさすがにムリがあるのですが、まあ実際にはもっと老けた大学生いるのでケンチャナヨ!

 映画の前半、テヒと恋に落ち深く愛し合うようになる大学生編は、韓流らしい切なさロマンティックさで、不器用だけど優しく一途なビョン吉さんが可愛くてキュンキュンします。コミカルテイストも強く、ちょっとアホっぽくてトボけた演技もビョン吉さん、ほんとお上手なんですよ。朴訥でイモっぽい風貌も、ガッチリムッチリしたガタイも、男らしくてチョアチョア~。映像や演出、コメディ部分も切ない部分も、これぞ懐かしの第一次韓流ブーム!って感じで、あの頃を知る韓流ファンにはかなりエモいです。

 でも、この映画。韓流といえばの甘く切ない恋愛ドラマの形をとりつつ、かなり狂った内容でもあるんですよ。そこが好き。前半から一転して、後半の高校教師編は、破滅的なサイコドラマに。生涯ただ一度の運命の愛に憑りつかれ、常軌を逸していくビョン吉さんが怖い。「美しき日々」や「純愛中毒」など、そういう役もオハコだったビョン吉さん。教え子の男子高校生を死んだ恋人の生まれ変わりだと信じ込み、静かに確実にコワレていくビョン吉の問題教師っぷりがヤバすぎ。


 離れた場所からじ~っと男子高校生を見つめてる、熱く粘りのある視線。「美しき日々」でもチェ・ジウをあんな風に見てましたよね~。怖いくらい美しい瞳!ヒョンビンの携帯を盗み見し、彼女からのラブメールを削除。ヒョンビンに電話するがずっと話し中でイライラ、つながるまで何度もかけて、やっとヒョンビンが出るとキレて難詰。授業中、ヒョンビンの彼女をいじめるetc.とにかく物狂おしいビョン吉さんなのです。相手が男、しかもDKというのがヤバくてスリリングなんですよね~。もうフツーの男女の恋愛とそう変わらない扱いになってる最近のBLと違い、この頃の韓国ではまだ同性愛に対する偏見や差別がキツくて、同性愛者の烙印を押された者は破滅するしかなく、今の時代ではありえないような残酷で理不尽な迫害を受けるインウの姿が悲惨すぎて戦慄。すべてを失っても悪あがきせず、静かに運命を受け入れるビョン吉のたたずまいが、これまた愛しさとせつなさと~♪で胸キュンなんですわ。

 ラスト、インウとヒョンビンが選んだ道は、かなり衝撃的。悲劇的なハッピーエンドといった感じ。2023年の今なら二人は、韓国が無理なら海外で静かに幸せに暮らせたでしょう。やっぱ男と女じゃなきゃダメなの?な結末は、ある意味LGBTに対して否定的な価値観のあらわれだったようにも思われました。
 テヒ役は、この映画の数年後に自ら命を絶ったイ・ウンジュ。橋本マナミ似?ヒョンビン役の男の子が、もうちょっとイケメンだったらと思わないでもなかった。役名と同名のヒョンビンに演じてほしかったかも。でも、女の子みたいな美少年ではなく、男らしい風貌とキャラだったのは良かったです。大学時代のインウの友人役、イ・ボムスも若い!この映画、韓国でリメイクされるというニュースが。楽しみなような、不安なような。日本でリメイクされるなら、誰がええかのお。ぜんぜん思いつかん!

 ↑ ビョン吉さんの新作、Netflixの「スンブ 二人の棋士」は、共演のユ・アインがやらかしたせいで公開延期の憂き目に😨このままお蔵入りになりませんように!
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花の色は移りにけりな

2023-04-07 | 無事是貴人
 あんなに咲き誇っていた桜も、一夜の雨ですっかり散ってしまいました。来年も桜に会えるでしょうか…
 桜は散ってしまいましたが、わしの庭はようやく春が来たといった感じ。去年の種まきに失敗して、計画してたような花園状態にはほど遠い春の庭になりそうですが、寒い冬を無事に越えてくれた庭の木々や草花の美しさと逞しさは、私の心を癒し元気づけてくれます。

 実家から連れてきたボケ。こんなに大きく成長して、きれいな花をたくさん咲かせました。

 定番の青もいいけど、黒いネモフィラも好き。

 ラナンキュラスももう何年目?ほぼほったらかし、でも春に芽を出しきれいに咲いてくれます。

 球根ではなく、去年はラナンキュラスの種まきに挑戦。4本しか育ちませんでした😨

 チューリップも大好きだけど相性が悪いみたいで、毎年あまり咲いてくれません😢スプリンググリーンという緑色のチューリップが好きです。

 ラケナリアも丈夫で、毎年きれいに咲いてくれます。

 キンギョソウとパンジーのパステルカラーが、春って感じ!

 冬には枯れて姿を消すギボウシとシャクヤクも、元気に芽を出してくれました。

 アーティチョークも強い!

 大好きなシネラリア、いっぱい咲かせようと種から100苗ぐらい育てたのですが、ああ😨油断して寒い夜に外に放置してしまい、ほぼ全滅😢生き残った5、6本が可愛くも寂しい。

 引っ越した年に種をまいたゼラニュームも、立派に育ってくれました。すごい丈夫で、ほぼ一年中咲いてます。

 クリスマスローズもすごい丈夫!いろんな種類を集めてます。

 これも引っ越しの時に種を蒔いたフレンチラベンダー。きれいに咲いてくれました!でもミツバチがぶんぶん寄ってくるので怖いです。
 夏はほとんど庭いじりできないので、種まきは控え目に。マリーゴールドとナスタチュームだけ蒔きました。バラとイチジクの苗を植えようかなと計画中です。ミニトマトも植えねば!🍅
 休日は家に引きこもり、誰にも会わずお花さんたちにだけ話しかける生活、しばらく続きそうです(^^♪🌷🌸
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男と男の夢芝居

2023-04-05 | オセアニア、アフリカ、中東、その他のアジア映画
 春のBL映画②
 「ソン・ランの響き」
 80年代のベトナム、サイゴン。借金取りをしているユンは、取り立て先で大衆歌劇団の役者リンと出会い、舞台での彼の演技に魅了される。ユンに反感を抱いていたリンだったが、酒場でのトラブルから救ってくれたユンと過ごすうちに、彼の優しさと孤独を知って…
 このベトナムのBL映画、想定外の佳作でした!BLとはいっても、男同士が愛の言葉を口にするわけでもなく、キスやセックスをするわけでもなく、一夜の静かな語らいで魂が触れ合う関係を築くといった、美しくも切ない精神的なボーイズラブストーリーでした。イケメンたちが狂おしく激しく心も体も燃やすBLも好きですが、こういうソウルフルなBLも素敵ですね。同性愛的なことは何もしないとはいえ、男女間の恋愛とは違う、惹かれ合う男と男の間だからこそ生じる胸騒ぎやときめき、とまどいは友情を超えた、まごうことなきBLでした。そのすべてが優しく繊細、そして悲しくて、しばらく心に残るラストの余韻でした。

 ユンとリンの間に芽生えて育った感情、そして交わす言葉や視線、表情はぎこちなくも微笑ましく、離れがたい、ずっと一緒にいたい、また会いたいという想いが強まり高まっていく様子は、静謐だけど濃密。まさに運命の恋人に出会った二人でした。同じ魂を分け合うこの世でただ一人の人って、男と女とは限らないんですよね。ユンはゲイじゃない(情婦?とセックスしてたし)ので、もしあのようなラストにならなければきっと、リンへの深まるだけの愛に悩むけど迷うことなく愛し続けるんだろうな、とか。リンはゲイなのかな?と思わせるものがありましたが、だからこそユンとどんな関係になっていくのか、二人の未来を想像(妄想)して幸せな気分になりたかったのに、ああ…(涙)

 ハッピーエンドだったら、よくあるライトでスウィートなBLものになってしまったでしょうけど、それでもいいから二人には幸せになってほしかったです。ユンのキャラや境遇でフラグはめちゃくちゃ立ってましたが、やっぱりそうなるか…な悲劇に嘆息。でもやっぱ、BLは不幸や悲しみにくるまれてこそ絵になるんだよな~と、あらためて思いました。

 歌劇と重なる男と男の愛、アジア、といえば名作「さらば、わが愛 覇王別姫」を思い出します。覇王別姫のような激情的でドラマティックで破滅的な大作ではないけど、このベトナム映画も甘美な夢を見た後のような余韻を残すという点においては、覇王別姫に引けを取るものではありません。覇王別姫みたいなクレイジーラブよりも、こっちのクワイエットラヴのほうが心に沁みるかも。とにかくユンが魅力的!腐にとってはキャラも見た目も理想の男!

 イケメンとか美男子ではないけど、いい男なんですよ~。寡黙で無骨、怒らせらたヤバい凶暴さを秘めてるけど、悲しいほどに優しくもある男。強くて優しいヤクザって、腐は大好きですよね。絡んできた酔漢たちを叩きのめしたり、役者として才能があることを信じさせてくれたり、ソン・ラン(ベトナムの民謡楽器)を美しく奏でたり、リンにとっては(腐にとっても)まさに王子さまみたいでもあったユン。その淡々とした孤独も、リンの乙女心?をくすぐる魅力に。リンがちょっとツンデレなところも、腐には胸キュン。二人が仲良くなるきっかけがファミコン(懐かしい)!クールで無表情のユンが、リンと一緒にゲームしてる時は子どもみたいに楽しそうで可愛かった。ファミコンシーンだけでなく、ユンが弾くソン・ランに合わせてリンが歌うシーンや、朝の窓辺シーン(ユンが買ってきた飲み物、あれ何?)とかも、かなりジワるシーンでした。

 ユン役のリエン・ビン・ファットは、ちょっとキム・ミンジュン+松山ケンイチ、を野生的に色っぽくした感じ?東南アジアの男前って、艶っぽいですよね~。色っぽいシーンは皆無だけど、肉体美は何度か披露してます。バキバキすぎないムキムキすぎない、しなやかに引き締まった美しいカラダでした。リン役のアイザックは、ニコラス・ツェー+窪塚洋介、みたいな美男子でした。
 80年代のサイゴン(現ホーチミン)の市井の生活風景も、情緒があって興味深ったです。ゴミゴミしたスラム街みたいなところに住んでるユンですが、部屋はシンプルでこざっぱりしてて、置物とか観葉植物とかアジアンなテイストがなにげにおしゃれ。ユンとリンが食べてた屋台の麺も美味しそうでした。ベトナムの大衆歌劇カイルオンは、中国の京劇を親しみやすいミュージカルにした感じ?ユンが弾くソン・ランの、はかなく哀しい音色も心の琴線に触れる美しさです。
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