まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

ヤリ部屋の惨劇

2014-05-25 | 日本映画
 「愛の渦」
 とあるマンションの一室に集まった男女8人。彼らは性欲を満たすための乱交クラブの客だった…
 ついに観てきました~!愛しの池松壮亮が、劇中ほとんど裸で、しかもヤリまくっているという、見たいけど見るのが怖いような問題作を、ついに。
 あわわわ。壮亮くんったら…もうね、絶句ですわどーせ大したことないんだろ、とタカをくくってたんですが…近年類を見ないほどの“そこまでやるか~!?”っぷりに、衝撃を通り越して悲しくなってしまいました。壮亮くんがまだ中学生の時から、その成長を見守ってきた私。いたいけだった壮亮くんが、こんな役をやるようになるとは。息子が男になってしまったことへの母親の痛感って、こんな感じなのでしょうか。とにかく壮亮くん、もうすっかり男になってしまいました…

 若いイケメン俳優は星の数ほどいますが…やっぱ壮亮は別格の存在ですよ。こんな役、こんな演技、彼以外にできないと思うし。やってることも、ベッドシーンとかラブシーンとか、そんな生ぬるいもんじゃなかった。ほとんどAVだし!ケツ丸出しで、ガンガン腰動かしてる壮亮。後ろから前から女を突きまくるピストン運動の、激しいこと激しいこと!特に騎乗位がヤバかった!そこには美しさや甘さなどカケラもなく、ただもう性欲をもてあました若者の濁った激情があるのみ。ヤリまくる壮亮くんの顔は、ちっとも気持よさそうじゃないんです。その苦悶顔は、まるでゲロを吐こうとしている時のようだった。スゴいことヤッてますが、ちっともエロくないです。

 壮亮ファンなら、ヘンな汗かいてしまうこと必至なシーンが、まさに渦巻くように襲いかかってきます。とりわけ衝撃的(笑撃的?)だったのが、途中参加してくるデブ女に、ほとんどレイプされるシーン。巨体にのしかかられ乳を顔に押し付けられる壮亮、その苦痛顔に萌えましたが(笑)。いや、私にとって最もショックだったのは、ラストのセックスシーンでの、初めてのディープキス。舌が~!舌使いが~!あのキスはエロかった!あと、何か幼い喘ぎ声が可愛かった。激しい腰使いといい、エロい舌使いといい、実際にもセックス巧そうやな!と、彼の私生活での性生活が想像されて、何かモヤモヤしちゃいますね(笑)。
 大胆果敢すぎる性的演技もさることながら、感情表現も独特かつ卓越してるんですよね。台詞が少なく、喜怒哀楽のほとんどない表情なのに、目つきや些細な動きで心情が伝わってくるんですよ。欲望から恋へのうつろいなんか、ほんと繊細で静かだけど豊かでもあって。とにかく、ここまやればもう何も怖いものはない、というところまで若くして到達してしまった壮亮くん。その役者魂は、同世代の若手、いや、ベテランさえ畏怖する壮絶さではないでしょうか。その程度で演技派ぶるなよ、な男優が多い中、強い衝撃と深い感銘を与えることができる本物の役者!と、あらためて壮亮くんのスゴさを思い知った今回です。

 壮亮くん、女に相手にされない根暗なニート役なんですが…確かにあのドヨヨ~ンとした雰囲気、コミュニケーション障害っぽいキャラは、他人を遠ざけてしまうけど…イケメンなのは隠せないんですよね。あのルックスなら、性格に多少難ありでも、女は寄ってくるんじゃないかなあ。風俗行かなくても、街に立ってたら逆ナンされそうだけど。私が乱交に参加したら、間違いなく真っ先に壮亮くん選びますよ(笑)。興奮した女子大生にソファで押し倒されるシーンの彼、腹筋がきれいに割れてる!底辺ニートが、何であんな肉体美なの(笑)。それと、無精ヒゲ生やしてなかったら、ほとんど子どもな童顔。ヒゲなしだったら、とても見てられない性的児童虐待になってたでしょう(笑)。

 お話も、元は舞台劇らしい内容と展開でした。てっとり早くセックスしたいから集まったはずなのに、全然てっとり早くない。ヤるまでの段階や駆け引きが、かなり大変。ヤった後も大変。ヘンな馴れ合いや敵意、本音が噴出して、超気まずい空間になるのがイタすぎて笑えました。実際あの場にいたら、いたたまれないだろうけど。男が嫌がられたり拒否されるのと、女がそうなるのとは全然違いますよね~。気まずさが笑いになってはいたけど、不毛な虚しさも充満していて、人間って愚かで悲しい生き物だなあと痛感させられます。
 人前でも平然と性行為に没頭できる、性欲ギンギンギラギラな人たちの、底なしの精力が圧巻かつ不気味でした。一晩に何回もできるなんて、羨ましいような恐ろしいような。職場の若い男子に訊くと、3、4回なら問題ないという答えがほとんどでしたが(笑)。女の子には訊けないなあ。まあ、性欲なんかないほうが救われるな、と自分をかえりみてホっとしたりも。
 男女8人役の男女優の脱ぎっぷり、赤裸々なセックス演技に脱帽。妻子がいるサラリーマンの客役、最近売れっ子の滝藤賢一も、すっぽんぽんになって頑張ってました。彼がキムタクより年下と知りビツクリ!客の絶倫フリーター男役、新井浩文も負けじとアンなことコンなことヤってました。それにしても…あーいう演技って、ほんと大変なんだろうなあ。ヤってないのにヤってるように見せなきゃいけないなんて、ためらいや羞恥心なんてかなぐり捨てて挑んでるんだろうなあ。その他のキャストには、オーナー役にこれまた売れっ子の田中哲司。そして、態度の悪さが笑える従業員役の窪塚洋介も好演。ヨースケ、今でも可愛いですね~。田中氏とヨースケ、客に対して超上から目線でエラソーなんですよ。私が客なら怒って帰るし二度と来ないけど、彼らの冷たい軽蔑に反発できないほど、切羽詰まった客たちが滑稽で悲痛でした。

 ↑期待通り、いや、期待以上に見事な役者に育った池松くん。ヌルい映画やドラマは吐いて捨てるほどいるイケメンに任せて、チャレンジングな役者道を邁進してほしい!でも、たまには可愛いイケメン役とかもお願いします
 
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MOZU④~⑦ 呪いの早贄

2014-05-23 | 日本のドラマ(連続)
 「MOZU 百舌の叫ぶ夜」第4話から7話まで観ました…

☆吉田コータローまかり通る♪
 重傷を負った倉木の病室に現れる中神。お見舞いなので、ちゃんとリンゴ持参してたのが笑えた。ただし、リンゴは自分でムシャムシャ食べたり、使い終わったナイフを投げてきたり、相変わらず傍若無人で不敵な凶暴さの吉田鋼太郎おじさんが素敵。
☆イケメン拷問!
 捕えた新谷を拷問し、ICチップのありかを突き止めようとする中神。半裸で電気ショックされる池松壮亮くん、濡れた浅黒い肌と濃い腋毛、無駄肉のない引きしまった裸体が、ん・色っぽい♪by 工藤しづか

 ネチネチと冷酷に激しく池松くんをいたぶりまくるコータローおじさん、まさに鬼畜!すげー楽しそうなところが、サイコちっくで怖いです。
☆鬼ごっこかよ
 中神や配下の男たちから逃げる小娘ライター。百貨店内を走り回ったり隠れたりしてるのですが、あんな衆人環視で何で?!誰かに助け求めりゃいいじゃん?百貨店にしても、あんな物騒な男たちが走り回ってたら、即通報でしょフツー。

☆鬼畜コータロー
 小娘ライターを捕える中神。女の子だろうが、容赦なく殴る蹴る!髪ワシ掴みで引きずりまわす!あげくは、鉄柵に顔をガンガンぶつける!ひえ~!TVでこんな非道い暴力シーン、マズいんじゃないの!?暴力中も、やっぱ楽しそうなコータローおじさん、怖すぎて笑えます。相変わらず舞台調の台詞まわし、仕草なんですけど、それが頭おかしいおっさんキャラに合ってるんですよね。コータローおじさんの美声も好き。
☆でも、最恐はやはり…
 ついに覚醒する新谷。次々と中神の子分どもを抹殺していく。しかも、いつの間にかナース姿になって!女装の殺人鬼、ヒロミが戻ってきた!
 新谷の双子の弟、ヒロミ…池松くんが二役を演じてるのですが…女装姿が、か、可愛い!

 顔だけなら、そこらの女子より可愛いよ。さすがに体つきはガッシリしてて、歩き方はイカついけど、足が細くてきれいでビックリ!女より美脚じゃん?!女装もイケてた池松くんですが、ヒロミをマークしてた明星たち公安が、女だと思いこんでたという設定には????です。可愛いけど、誰がどー見ても女装男ですし。
☆ナース侍!
 で、ナース姿で悪者たちを血祭りにあげていくヒロミ。ダークナイトのヒース・レジャーをパクリ、じゃない、意識したかのような狂気のコスプレ。

 まるで必殺仕事人のテーマが聞こえてきそうなノリで笑えた。刀で敵を倒すシーンなんか、ほとんど殺陣で池松くん武士になってたし!カッコよかったけど!
☆コータローVS壮亮 最終決戦!
 き○がい同士の電波対決!ホラー?スプラッタ?オカルト?猟奇サスペンス?ひょっとして、コメディ?!もう何のドラマかわかんなくなってきた。ついでに主役が誰なのかも。延々と狂ったバトルロワイヤルを続ける壮亮とコータローおじさんに、すっかり美味しいところをもっていかれてますよねえ。壮絶な死闘二人芝居は、ガラスの仮面の名場面のひとつである、奇跡の人の舞台での北島マヤと姫川歌子の演技合戦みたいでした。
 で、大奮闘したコータローおじさんですが、ああ~。彼もまた、モズの早贄にされてしまいました~合掌♪カラマーゾフに続いて、今回も惨殺されちゃいましたねコータローおじさん、お疲れさんでした~!

☆働き過ぎ?
 ついに対峙する倉木とヒロミ。池松くんの抑えに抑えた狂気が不気味すぎて、西島さん完全に食われてます。アップシーンが多いので、池松くんの肌荒れが気になった。今年、いったい何本の映画に出てるの?!と驚異的な働きぶりの池松くん。ファンには喜ばしいかぎりですが、カラダ壊さないでね…
★総括
 吉田鋼太郎VS池松壮亮の発狂バトルが、ハチャメチャすぎて笑えた。二人とも、もうけ役とも言えますが、そのたぐい稀な演技力は遺憾なく発揮されてましたね。メインの3人が、どんどん影の薄い存在になっていってるような…

 ↑「ぼくたちの家族」では妻夫木聡、「春を背負って」では松山ケンイチと、同じ事務所の俳優との共演作が続く池松くん。年齢的には下ですが、役者としてのキャリアと実力は、ブッキーと松ケンより上。10年後ぐらいには、二人が池松くんの脇になってそうな予感♪


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風薫る

2014-05-22 | 映画雑記
 早いもので、もう五月も下旬梅雨もそろそろ、という季節に。
 年始の頃は、今年はいっぱい映画観られそうだな~と、劇場鑑賞を快調にこなしていたのですが、だんだんと仕事にかまけて足が遠のき、月一本がせいぜいなテイタラクに。いかんいかん!、こんなんじゃ、映画ファンと名乗れない!
 下半期も面白そうな映画がたくさん公開されるみたいで、楽しみですよね~。その中でも、特に観たい!作品をピックアップしてみました♪

 ダイバージェント

 ヤングアダルト小説の映画化。トワイライトとかハンガーゲームとか、YAものの人気にイマイチ私が乗れない理由…それは間違いなく、わし好みのイケメンが出てこんからじゃー!でもこの新作には、素敵なイケメンがメインキャラで登場!いま要チェキな英国産イケメン、テオ・ジェームズくん!顔よし演技よし、ついでに脱いでもよし!な男子で、ブレイクが期待されます。悪役で、私も大好きな某大物女優が出演しているのも楽しみ。

 NO ノー

 ラテンの貴公子、ガエル・ガルシア・ベルナル主演、チリを舞台にした社会派映画です。去年のアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされました。硬派なガエルっちが好きそうな作品ですよね。硬派なガエルはカッコいい。でも、ガエルが最近エロから遠ざかってるのは、寂しいかぎりです(笑)。

 観相師

 韓国で大ヒットした時代劇。名優ソン・ガンホ主演ですが、わしの目当ては言うまでもなく、イ・ジョンジェワイルドでしたたかな王族をチャーミングに演じてるみたいです。ジョンジェの「新しき世界」は前売りを買いながらも、まさかの見逃しの憂き目に遭ってしまったので今度こそリベンジ!

 イヴ・サンローラン

 はい!この作品こそ、わしにとって、いや、全国の映画好きな腐にとって今年最大の首キリン待ち映画と言っても過言ではないのです!イヴ・サンローランを演じてるボーギャルソン、ピエール・ニネのカッコカワイさと舞台仕込みの演技力に、メロリンキューな女子が続出するのではなかろうか?!この映画が日本でもヒットすれば、彼の日本未公開の旧作が陽の目を見るかも!と期待してます。

 海を感じる時

 最近メキメキと頭角をあらわし、すっかり注目の俳優となった池松壮亮が、またもやセクシュアルな演技を。無味無臭な草食コトナ(子どものような大人)が多い日本の若手男優の中にあって、男のエロいフェロモン、色気を備えた壮亮は、もう無双状態!

 複製された男

 「プリズナーズ」での演技派男前ぶりも好評だったジェイク・ギレンホールが、二役に挑んでいるサスペンス映画。ジェイクもいい役者、いい男に成長しましたよね~。共演のメラニー・ロランも好きな女優だし、早く観たい!

 うう~ん。見事なまでにイケメン目当てだ(笑)。その他にも、ハリウッド版ゴジラ最新作とかも観に行く予定です♪
 皆さまが楽しみにしてらっしゃる映画は何でしょうか?ぜひ拝聴したいものです
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毒母VS怒娘 オクラホマ逆噴射家族!

2014-05-18 | 北米映画 08~14
 「8月の家族たち」
 父の失踪を機に、オクラホマの実家に帰省したバーバラ、アイビー、カレンの3姉妹。それぞれ問題を抱えた娘たちに、癌を患い薬物中毒となっている母のヴァイオレットは、辛らつな態度をとり続けるが…
 トニー賞やピューリッツア賞を受賞した舞台劇の映画化だそうです。とにかく、毒母ヴァイオレットの言いたい放題、やりたい放題の大暴れっぷりが圧巻。細木カズコどころじゃないズバリ言うわよ!ぶりで、ズバリすぎて非道すぎて笑える半面、こんなママぜったいイヤだ~!とドン引き。自分の母親が天使に見えてしまいました。いくら病気や夫との愛憎に心身ともに絶望し苦悩を抱えていても、あそこまで他人に意地悪で攻撃的になるものなのでしょうか。私もヴァイオレットみたいな境遇になったら、ああなってしまうのかなあ。怖い。生々しく激しい彼女の人間の業、女の業が、悲しいほど醜かったです。神さま、どうか私が苦しい悲しい人生の末期を迎えても、思いやりや優しさを失わずにすみますように…

 本音や鬱憤を抑えながら、何とか穏便に表面をとりつくろうとするバーバラたちと、平和をブチ壊すことが歪んだ悦びになってるようなヴァイオレットとの攻防が、かなりシニカルでブラックな笑いを誘います。バーバラがキレてヴァイオレットにつかみかかる修羅場で、でも笑いはピークを迎えます。だんだん笑うに笑えないヘヴィーな展開になるのです。ラスト近くに暴露される、ある秘密。それが重い、重すぎる。ドロドロ血縁関係から、横溝正史ワールドに変貌してもいいようなムードさえ。親の世代の罪が子どもに受け継がれるなんて、皮肉すぎるというか残酷です。
 豪華なキャストのアンサンブル演技が、しんどい悲喜劇をパワフルに痛々しく紡いでいます。
 毒母ヴァイオレット役は、現代映画界の演神メリル・ストリープ。演技に自信がある俳優たちが共演すると、負けるかってんだ!な火花が散るものですが、もはや神の領域にあるメリル・ストリープが相手だと、彼女に勝とうなんてハナっから思わないのか、この作品の共演者たちからも彼女の足を引っ張るのだけは避けよう、という謙虚ささえ感じられました。とにかく、ド迫力の鬼気の中にヒリヒリするような痛ましさを滲ませた名演には、圧倒されつつ惹きこまれます。これぞ女優って感じ。日本の女優では、まず味わえない衝撃と感銘です。彼女はこの映画で、18回目のアカデミー賞ノミネートという自身の記録を更新しました。
 バーバラ役のジュリア・ロバーツも、なかなかの好演でした。常にイライラカリカリしてて、まさに爆発寸前の爆弾状態。触るな危険!って雰囲気が笑えた。怒髪天演技は迫力満点で、こ、怖い!ジュリア・ロバーツにあんな風に怒鳴られたら、新人女優とかスタッフとかビビって泣いちゃうでしょう。ほんと彼女、強そうですよね~。恋愛ものとかラブコメのヒロインをやるには、もう“あがってる”女優ですが、今回のようなキツいおばさん役はハマってた。適材適所だと、やっぱ演技力のある素晴らしい女優なんだよな~と、長年ハリウッドでトップを張ってきてるだけの実力と魅力を再認識することができます。彼女はこの映画で久々に、アカデミー賞にノミネートされました。

 バーバラの夫役は、ユアン・マクレガー。ユアンもずいぶんおじさんになりましたが、今でも可愛いですよね。ジュリロバと一緒だと、どうシブい外見を作っても年下にしか見えないし。あんな威圧的で冷徹な鬼嫁がいたら、浮気のひとつやふたつしたくなるよな~と、耐える夫ユアンに同情。反抗期娘役のアビゲイル・ブレスリン、大きくなったけど美人にははらなかったね…
 ヴァイオレットの妹の夫役はクリス・クーパー、その息子役はベネディクト・カンバーバッチ。似てる!目のあたりとか、ほんとの父子みたい。コワモテだけど心優しいクーパー氏に、ちょっとときめいてしまいました♪息子を傷つける妻への激怒は、なかなか感動的でした。日本でも人気のバッチさん、ワタシ的には男前でもイケメンでもない、どちらかといえばヘンな顔したお兄さんですが、すごく個性的ではありますよね。オドオドしたドヂでマヌケなヘタレ役が、可愛くもイタましかったです。

 
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血祭り!魔女学校

2014-05-16 | イタリア映画
 ♪宮島さんの神主が おみくじ引いて申すには 
 今日もカープは勝ーち勝ーち勝ーち勝ち

 やったー!!今日もカープが勝ちました~大瀬良くーん!!君やっぱスゲーよ!カッコよすぎ!!抱いてー!!
 とまあ、カープの勝敗に一喜一憂な毎日を過ごしておりますカープのおかげで幸せな反面、カープのせいで憂鬱なことも…
 最近、上司ふたりとのコミュニケーションに困惑してます…
 上司その① 正男編
 40代後半のバツイチ部長は、金正男クリソツ。自分でも自覚してて、ネタにしてるほど。いい人なのですが、最近しんどい人と化してます。それというのも、何かというと私のところに来て、カープ語りをするのです。それはいい。私だって熱烈なカープファンですから、カープの話題はウェルカムです。でも、正男ったらファンとは思えないほど超ネガティヴなことしか言わないのです。負ければカープもうダメ、終わった宣言。勝っても勝ち方がマズい、あの選手は過大評価されすぎてる、大したことない、ゴミ選手、産廃レベル、とかクソミソに貶めるのです。はじめは、見切るの早いですよ~とか、温かい目で見守りましょうよ~とか、細かすぎますよ~とか、そういう見方もあるんですね~とか、彼はやればデキる子ですよ~とか、笑って聞き流してたのですが…毎日毎日、仕事中にもそばに来てカープの批判、いや、悪口を滔々とのたまう正男に、これは新手のイヤガラセなのだろうか?ひょっとして遠回しな肩たたき?!と、ノイローゼ寸前な私なのです。いいかげんにしてほしいけど、羊のようにおとなしく従順な私は、ウルサイ!あっち行け!なんて絶対言えない。今日も朝イチでとっ捕まってしまい、絶対優勝無理無理無理無理!もうダメダメダメ!と、30分ぐらい強制傾聴。ああ~しんどい~どうしたらいいでしょうか…

 「サスペリア」
 ドイツにあるバレエ学校に入学したスージーは、校内で次々と起こる陰惨で怪奇な事件の背後に、邪悪な魔女崇拝が存在していると気付くが…
 “決して、ひとりでは見ないでください”という公開当時の宣伝キャッチフレーズは、ドリフのコントやギャグ漫画でも使われたほど有名ですよね。日本でも大ヒットしたという、イタリアンホラーの巨匠ダリオ・アルジェント監督の代表作。小さい頃、TVで観た記憶があるものの、かなり曖昧。スカパー放送で、あらためて観ることができました。
 私、悲しいかなホラー映画が全然怖くないんですよね~エグい惨殺シーンとかウゲゲとは思うけど、だいたい笑いながら観ちゃったりしてます貞子とか、ワタシ的にはほとんどギャグです。この古典的ホラー映画も、もちろん独りで観ましたし、予想通り笑いながら観てしまいました。さすがに何もかもが古めかしく、昔の映画だな~という印象が強いです。でも、その時代を感じるムードとノリが、返って新鮮でもありました。
 話じたいは、他愛もないというか、昔なかよしで連載されてた松本洋子先生のオカルト漫画っぽいです。確か、松本先生の作品の中に、似たような話あったよなあ。無害ファンタジーな某魔法学校よりも、私はオドロオドロしいオカルト魔女学校のほうが好きかも♪お話よりも、当時は斬新でショッキングだった(今は違った意味で斬新ですが)演出と映像こそが、この映画の見どころです。かなりインパクトあります。
 まず、BGMが強烈です。一度聴いたら、しばらく耳に残ります。要所要所で入る、Witch(魔女)!という声とか、なかなか印象的に使われてます。そして、アルジェント監督の才気がほとばしる怪奇シーンと殺人シーン。凝ってるというか、何だか楽しんでやってるような過剰演出が、恐怖よりも笑いを誘います。

 血まみれ首つり!落ちてきた窓ガラスが刺さって惨死!盲導犬に首食いちぎられ死!屋根からボトボト落ちてくる蛆虫!などなど。ウゲゲなんだけど、リアルじゃないので怖くないです。血とか、首に食いつく犬とか、どう見ても偽物で、何だか微笑ましささえ感じます。ただ殺すだけでなく、テンションの高いめくるめくような舞踏調で演出されているのも楽しいです。
 
 そして、毒々しくも鮮やかな色彩が強烈な映像。赤や青の光が何だか、安いストリップ劇場のスポットライトみたいです。ケバい色彩は、ちょっとペドロ・アルモドバル監督作品を思い出させましたが、アルモ姐さんのケバさは熱と湿気があるけど、ダリオ先生のケバさは冷たく乾いています。
 とまあ、演出と映像がユニークなので、ストーリーの細かいところは気にならない、ていうか、気にしないほうがいい映画です。でもやっぱ、???な謎が多いんですよね。冒頭、あの腕が毛むくじゃらだった殺人者の正体とか。暗闇の中、窓の外に一瞬あらわれた目とか。魔女の親玉とか…
 ヒロイン、スージー役のジェシカ・ハーパーが、可憐で清楚で可愛かったです。見た目と違って、声が何か熟女のようにシブかったけど。往年の名女優アリダ・ヴァリが、厳格な女教師役。いかにも魔女って感じで怖いです。ちなみに、この映画のリメイク化が進められていたそうですが、諸事情で頓挫したみたいです。イザベル・ユペールが女教師役を演じる予定だったらしいので、とても残念!
 ダリオ先生の最新作、「ダリオ・アルジェントのドラキュラ」早く観たいな~。
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イケメン≒イクメン

2014-05-08 | フランス、ベルギー映画
 今夜のカープVSヤクルトも、観ていて胃が痛くなる闘いでした~
 まさかの2連敗を喫し、高々と青空を泳いでいた鯉のぼりと同じ運命をたどるのか?!と、ファンを不安に陥れていたカープですが…今夜は見事に雪辱を果たしてくれました!
 今夜の先発は、大瀬良大地くん彼の勇姿に見とれていたのもつかの間、バレンティンにホームランを打たれたのをはじめ、カッキンカッキン打たれまくり、ああ~もう見てらんない~!!意気地なしな私は、大瀬良くんが打ち負かされる姿に耐えられず、TV中継を観るのをやめてしまいました…

 結果的には勝利して、よかったよかった♪でしたが、大瀬良くんはさぞや忸怩たる思いでしょう。でも、打たれ強そうな大瀬良くんなので、口惜しさをバネにいっそう奮い立って、いっそう強くカッコよくなっていってくれることでしょう!頑張れ大地
 それにしても気になったのは…前回の先発、福井優也のダメっぷり。私、カープには珍しいブラックキャラなフっくんも大好きなので、久々の登場に驚喜。これでフっくんも復活だな!と安心したのですが…ボロボロでした「次は頑張ります」とコメントした彼ですが、その直後、野村監督は苦々しく「次はない」と、即時2軍送り…き、厳しい~千載一遇のチャンスを棒に振ってしまったフっくん。私は彼の再起を祈って待ちたいですが、そんな悠長な世界じゃないんですよね。でも、ヌルさや甘えが許されない、がむしゃらで悲愴感ただよう男の世界だからこそ、私たちファンの心を魅了するのでしょう。今年はカープにせいで胃潰瘍な日々を送りそうです♪

 「恋のベビーカー大作戦」
 引き続き、ラファエル・ペルソナ主演作。今度はラブコメです。
 売れないイラストレーターのトマは、別れた恋人マリーのことが忘れられずにいた。そんな中、彼はシングルマザーの隣人メラニーの息子レオを預かるハメになる。赤ん坊との生活に困惑するトマだったが…
 赤ちゃんネタの映画やドラマは枚挙にいとまがなくて、よほど斬新な切り口でないとよくある話になりがちですが、この映画も目新しさは特にありません。ストーリー的には、ありふれた赤ちゃんドタバタものです。笑えるシーンも結構あるのですが(トマと保育士♂の「ゴースト」シーンとか)、赤ちゃんの扱いが非道すぎて笑えないシーンも多かった。まず、アパルトマンの踊り場で突然降ってきたレオをトマが抱きとめるシーン。あれ、一歩間違えれば大惨事ですよ。あと、ショッピングセンターでカートと間違えて、レオがいるベビーカーに商品投げ込んだりetc.笑うに笑えません。
 赤ちゃんをダシにして、ナンパしようとしたり元カノとの復縁を狙うのも、微笑ましいと不謹慎の紙一重です。よく考えてみたら、レオってすごい可哀想な赤ちゃんなんですよね。トマにとっては、恋愛運も仕事運ももたらすラッキーベイビーだったけど、レオ自身といえば…ママのメラニーも病院も、単なる隣人でよく知らない独身男のトマに、平気でレオを預けちゃうし。もしトマが悪人もしくは変態だったら、どうすんの。そのままずっと預けっぱなしなのが、ありえない~!あれ、フランスではフツーのことなのでしょうか。レオの実父の無責任さも鬼畜レベル。メラニーも悪い人じゃないけど、レオ大丈夫かな~と心配せずにはいられない危なっかしいママだし…いま日本で頻発してる児童の悲劇を思うと、ワタシ的には赤ちゃんの受難はコメディになりません。
 トマ役のラファエル・ペルソナの、アタフタオロオロなイクメンぶりが可愛いです。

 翳りのある二枚目役よりも、こういったトンマでお人よしな役のほうが、彼に似合うかも?すごく人が善さそうなんです。確かに、彼になら赤ちゃんを預けられるかも(笑)。そのトボけたアホみたいな顔や動き、マヌケな着ぐるみなど、なかなかのコメディアンぶり。イケメン、男前の俺がこんなことして、おもしろいだろ?可愛いだろ?な演技は、アイドルや二枚目俳優によくあるパターンですが、ラファエルにはそんなナルシーな感じがないんですよね。ほんとに優しそうなところも、彼の魅力です。あと、ほっそりスマートな外見とギャップのある、ノシノシしたイカつい歩き方が好き。

 マリーやレオへの執着は、ちょっとストーカー入っててヤバかったけど、そんなところも可愛いく見えるところも、ラファエルみたいなイケメンだからでしょうか。とにかく、こんなイクメンがいたら、さぞや若いママたちや保育士にモテモテなことでしょう。
 マリーの経営する託児所?のカリキュラム、プログラムが、なかなか興味深かったです。フランスでもあんなことやってるんですね。マリー役のシャルロット・ルボンは、ちょっとウィノナ・ライダー(まともだった頃の)似の美人。酔っぱらって他人の家の植木鉢にオシッコするような破天荒ギャルだったのに、だんだんおとなしくフツー化してしまったのが残念。
 ドライでスカしたイメージのあるフランス人ですが、こういう映画を観ると好感が抱けます。あと、レオをはじめ出てくる赤ちゃんが可愛い!赤ちゃんっていいなあ~と心が和みます。

 ラファエルの新作“Une nouvelle amie”は、何とフランソワ・オゾン監督+ロマン・デュリス共演!楽しみ~♪

 
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罪が男を美しくする…

2014-05-05 | フランス、ベルギー映画
 ♪屋根より高い高齢化
 おなかがメタボなお父さん
 痴呆が心配お母さん
 おそろしそうな数年後

 今日は子どもの日ですね
 でも…子どもよりもお年寄りのほうが、何だか元気な感じがしますよね~。私の周辺にも、100歳近いのに朝からフルコースみたいなゴハン食べて、わけのわからないことをわめき散らしてる高齢者がたくさんいますし。長生きって、ほんとに幸せなことなのかなあ。医療や福祉制度が発達しすぎて、なかなかお迎えが来ないってのも、何だかしんどいですよね。年寄りばかり優遇されて、子どもたちが疎かにされている現状を憂います。子どもは私たちの大切な宝物。阿部総理には、子どもたちが幸せに健やかに成長できる環境や制度へ予算を回してほしいものですね。 

 「黒いスーツを着た男」
 自動車ディーラーのアランは、社長令嬢との結婚を間近に控えていたが、酔っ払い運転で男を轢いてしまう。友人に説得されて逃走してしまうアランだったが、それをジュリエットという女が目撃していた…
 日本では“アラン・ドロンの再来”として売り出し中?のボーギャルソン、ラファエル・ペルソナ主演作。初めて彼を見た「スペシャル・フォース」でも同じこと思いましたが…アラン・ドロンではないよな~。アラン・ドロンは美男、ラファエルはイケメン、みたいな違い。暗い翳りは共通してますが、ラファエルにはドロンのようなダークさや冷酷さ、怪しさはありません。優しそうで悲しそうな、母性本能をくすぐる系です。ドロンは平気で他人や女を騙したり殺したりする悪い男役が似合いますが、ファラエルはどちらかといえば逆です。傷つけるよりも、傷つく被害者タイプ。なので、もしアラン役をアラン・ドロンがやってたら、もっと冷酷で狡猾な主人公になってたでしょう。アラン・ドロンなら、野望や欲望のために邪魔者は皆殺しにしそうだし。ラファエルは、ほんと人が善さそうなんです。シラを切り通せ!イヤなら自首しろ!とイライラするほど。やらかした犯罪にビクビクオドオド、罪悪感にウダウダと苦しむラファエルからは、悪の匂いなど微塵も漂ってきません。悪い男というより、過ちを犯してしまった小心者の善人を、繊細に演じてるラファエルです。

 誰が被害者なのか加害者なのか分からなくなるほど、悩み苦しむラファエルが可愛いです。ジュリエット、婚約者、被害者の妻、3人の女たちからヤイノヤイノと攻撃され、アタフタと振り回される姿が哀れ。悪いのは彼なのに、責めないであげて~!と庇いたくなりました(笑)。それはそうと。痩せてるのに、何か彼ってタヌキみたいな顔に見えるんですよね(私だけ?)。スラっとした体つきで、スーツ姿もイケてます。優男なのに、歩き方がちょっとガニマタでノシノシと男らしいのが、何かギャップ萌えです。美男子なのに、何か地味~な非ゴージャスなところも、ドロンと違って親近感を抱けます。それにしても…逆玉男のアラン、約束された出世といっても、自動車販売会社の社長だしなあ。何かショボい。政治家とか大企業とか、もっと高い身分設定だったら、そりゃ轢き逃げもするだろう、と説得力が強くなったことでしょう。シャワーシーンや着替えシーン、カーセックスシーンなどで、ラファエルのサービス脱ぎあり。細い、白いです。エロいフェロモンは薄いです。

 お話は…ひと昔前の火曜サスペンス劇場みたいでした。安易なシリーズものではなく、主人公が罪を犯して起こる人間ドラマを丁寧に描いてた、よき時代の2時間ドラマ、みたいな。フランスにおける移民の不当な扱いなど、人種問題もさりげなく絡めてきてたところも興味深かったです。ただ、アランとジュリエットのロマンスが、何か強引で理解不可能でした。寝るの早っ!なんであの状況でヤるのさ?!百歩譲って、逆玉の立場や轢き逃げでストレス極限だったから安らぎが欲しかったんだろう、とアランが女を求めた理由は推察できますが…なんでジュリエットが?!相手は轢き逃げ犯だぞ?!しかも彼氏がいて妊娠してるというのに、軽率ビッチすぎやしないか?!でもまあ私だって、轢き逃げ犯が千原ジュニアとか佐村河内みたいな男だったら即通報ですが、ラファエルみたいなイケメンだったら、ちょっとイヂメてみたい♪あわよくば♪になるかもね(笑)。とにかく、ジュリエットの行動と思考回路が不気味というか、お人よしにもほどがあるというか、いったい何がしたかったのと不可解なままでした。

 アランとジュリエットに翻弄される被害者の妻が、いちばん哀れなキャラでした。可哀想だけど、みじめったらしさがなく、気丈で毅然としてたのが救いでした。ニューハーフみたいだったジュリエットと違って、ジェニファー・コネリー似の美人でしたし。でも、ラストの決断とか、彼女もいい人すぎるよな~と、何か腑に落ちない。被害者の妻といい、轢き逃げをそそのかしたアランの友人といい、脅迫して金セビってくるのかと期待してたのに。悪人が出てこないところが、サスペンスとしてはユルすぎ。とにもかくにも、酔っ払い運転で轢き逃げなんて、最低最悪の犯罪です!

 ↑ラファエル・ペルソナ、1981年生まれ、現在33歳。嵐の大野より年下~!ラファエルにも怪物くんとか死神くんみたいな役、やってみてほしいかも(笑)。ソレハソウト。彼のこと、今後何て呼ぼうかしらん。ペルたん?ペルっち?ペル坊?ラファエルでいっか

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阿鼻叫喚!京都ルナティック☆バスジャック

2014-05-01 | 日本映画
 早いもので、今日から5月!世間では、GWの真っ只中なのですね。毎年のことながら、わしにはまったくもって関係ないのが悲しい。いつか海外でウハウハできるGWをとI wish…
 GWに縁がないせいか、てっきり今日は4月31日だと思いこんで、とんだ赤っ恥をかいてしまいました~♪ていうか、4月31日って今までありませんでしたっけ?なかったっけ?と、いまだに真剣に考えてる私の脳みそ、深刻に腐ってるかも♪
 こどもの日だけ休みがとれたので、ズムスタ直行ぢゃ~!と息巻いてたのですが、甘かった!チケットはすでに完売トホホ…年寄りらしゅう、家でおとなしゅうしとるわ…
 皆さまが、楽しいGW後半を過ごされますようI wish♪

  「狂った野獣」
 京都で二人組の強盗犯が、逃走中にバスジャック。暴走するバスの中には、元テストドライバーの速水もいたが…
 1976年、昭和55年の作品。これ、ほんま面白かったです!笑えます!最初っから最後まで、異様にハイテンションでアナーキー。強盗犯コンビ、主人公の速水、乗客、そして警察と、四つ巴のハチャメチャなクレイジー合戦!その必死!決死!な死ぬもの狂いさは、ほとんどギャグ漫画。その絶叫発狂悶絶血まみれ阿鼻叫喚テイストは、岡田あーみん先生の作品を彷彿とさせます。狂乱き○がい系ギャグ、電波で濃ゆいキャラたちがたまりません。あーみんのファンなら、楽しめること請け合い。
 出てくる連中が、みんなイカレてます。まず、中四国弁の田舎っぺ強盗コンビ。熱病みたいにテンションが高い。ずっとギャーギャー騒いでます。デスパレートすぎる姿が滑稽。根は善人な負け犬、しかもアホなところが泣けてくる二人でもあります。乗客のほうが図太くてズルくて狂ってて、そのバスジャック二人をナメきった態度や困惑させる取り乱しぶりが、これまた笑えるんですよ。非常事態なのに、かなりズレてるというか。痴話喧嘩する中年不倫カップル、ちんどん屋、ボケ老人、ラジオで競馬聞いてる土方、オーディションに遅れたら困るのよぉー!!と錯乱する売れない女優、パーマのカラー巻いたままのホステス、そして、犯人にネチネチとイヤミ攻撃や説教をするオバハン。このオバハン、いい味出してるんですよ。まさに関西のおばはんって感じ。バスジャックと乗客のやりとり、掛け合いは、まるで吉本新喜劇みたいです。あと、バスがニワトリ小屋に突っ込んで(何であんな所にニワトリ小屋が)車内がニワトリパニックとか、バスジャックが人質の小学生を窓からオシッコさせて、小便がパトカーから身を乗り出してる小学生の母ちゃんにかかったりとか。こーいう笑い、私すごく好きなんですよね~。実際にはバスジャックの人質なんか絶対なりたくないけど、この映画のバスなら何か楽しそう、一緒にキャーギャー大騒ぎしたいかも、なんて思ったり。

 ↑デスパレートなバスジャック二人が、いい味だしてます。
 追跡する警察のダメアホっぷりも、なかなか珍妙です。警察官(室田日出男!)が、陸橋の上からバスに飛び降りようとして失敗、血まみれで路上フラフラ、そして死亡それをスルーしまくるパトカー軍団…とか。ラスト近くの、パトカーや白バイが入り乱れて激突したり横転したり爆発したりな、強引すぎる西部警察的ハチャメチャカーアクション展開とか。あと、乗客の中にいる子どもの母親たちも、笑えるキャラでした。パックしたまま警察署へとか、おばあさんからタクシー強奪とか、コテコテの関西おばちゃんっぷり。みんな必死で大真面目な、でもまともじゃないところが笑えるんですよねえ。
 めちゃくちゃ雑で荒っぽいけど、その破天荒さが魅力な映画となってます。笑いとかヴァイオレンス、ムードのドロくさい昭和っぽさも、今となっては新鮮。最近の邦画やドラマのコメディとかって、小さくまとまりすぎてるというか、小ネタ系というか、軟弱というか、無味無臭というか。○谷コー▽とかク○カ△とかの作品は、ちっとも笑えないコメディ麻痺な私ですが、この映画の豪快で荒々しいコテコテさには爆笑の嵐でした。細かいことは気にすんな!な、超強引なパワフルさと熱さに満ち満ちた珍作です。
 主人公の速水役は、つねぴーこと渡瀬恒彦

 当時32歳!嵐の大野や櫻井翔と同じぐらいだなんて、アンビリーバボ!し、しぶっ!めっちゃカッコいいです!グラサンと髪形、崩れたスーツが、昭和の男くさくてクラクラします。映画の中盤まで、ほとんど台詞がなく、後部座席に座ってるだけなのですが、すごいオーラ、存在感。何もしなくても、あれじゃあ犯人たちだけじゃなく、観客も気になって仕方がない。まさに昭和のイケてるヤーさんって風貌です。男の凄み、色気。ハンパないわ。いま、当時のつねぴーみたいな役者、いないですよねえ。最近の30代前半の男優なんて…瑛太とか向井理とか、コドモっぽすぎる、薄すぎる、人畜無害すぎる。つねぴーみたいなギラギラ感がない。もうそこにいるだけで不穏&危険な男つねぴー、誰が見てもマヌケなバスジャックに勝ち目なし。思った通り、いつの間にかバスジャックふたりは速水の舎弟と化しちゃうし。走行するバスに引きずられたり、バイクからバスに飛び移ったり、バス暴走させたり(この映画のために、実際にも大型免許を取ったとか)、アクションも頑張ってました。現在は好々爺なつねぴーですが、若い頃のヤバくてイカした野獣っぷり、ほんと素敵ですよね~
 バスジャック役の片桐竜次と川谷拓三の珍演熱演も、特筆に値します。片桐竜次は、なかなかのイケメン。『ぶち殺したるー!!』とバカの一つ覚えみたいにわめき散らし、常に半泣き顔で大騒ぎしてる川谷さん、アホすぎて強烈です。ノータリンだけど、何か哀れな感じが切ない、可愛い!好きだわ~川谷さんみたいな男も。佐藤健と川谷拓三どっちか選べと言われたら、一瞬の躊躇もなく後者ですわ(笑)。気の毒としか言いようのないバスジャックふたり、最期も悲惨すぎるんだけど、おいおい~と苦笑してしまう死にざまです。ラジオのDJ役で、若き日のアフロな笑福亭鶴瓶も登場。
 皮肉なオチも、おいおい~と笑えます。ネコババかよ!ホンマあんたら、チャッカリしてまんな~。大騒ぎしてイガミ合ってたのに、あーいう時には一致団結、ヘンな結束ができるという、人間の醜さ、したたかさに苦笑。それはそうと。せっかく京都が舞台なのに、どこ走ってのか分からなかったのが惜しくて。いっそのこと、有名観光地を暴走してメチャクチャにする設定にすればよかったのに。ラスト、あれは琵琶湖?!いつの間に琵琶湖まで走ったんだろ(笑)。
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