まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

破滅へのプレリュード

2024-08-01 | ドイツ、オーストリア映画
 ドイツイケメン映画祭⑤
 「Prélude」
 音大生のダヴィッドは、ニューヨークの名門大学への奨学生に選ばれるため、ピアノの猛特訓の日々を送っていた。過酷な練習やプレッシャーで、しだいに精神のバランスを崩し始めるダヴィッドだったが…
 ドイツイケメン5人目は、BL映画の佳作「僕の世界の中心は」での好演も忘れがたいルイス・ホフマン。久々に見た、と言いたいところですが、何と彼「リプリー」にチョイ役で出てたんですよね~。ルイス・ホフマンに似てるなと思ったら、ご本人だった。今度はバリバリの主演作、彼が映ってないシーンはほぼないと言っていいルイス・ホフマン映画です。2019年の作品なので、当時22歳。

 22歳って、日本だとまだアイドルな年齢。30、40過ぎてもアイドルな役や演技しかできない元アイドルもいますが、ヨーロッパの若い俳優ってやっぱスゴいわ~と、この映画のルイスくんを見て思いました。この作品のルイスくんみたいな役、ていうか演技ができる20代のイケメン俳優、日本にはいないでしょうし。じわじわと静かに、かつ劇的にコワレていく若者を不気味に、かつ美しく演じたルイスくんの演技力と果敢さに驚嘆。清潔感があって優しそう、品があって賢そうな優等生イケメンって風貌。ピアノを弾く姿もサマになってます。ピアノってやっぱ、美男美女向けの楽器かも🎹

 韓流アイドルや俳優のとメイクばっちり顔と違い、ルイスくんの美白肌はまさに西洋の美しい白人のそれ。ルイスくんって誰かに似てるだよなあ。ちょっとハリス・ディキンソン、たまにカープの森下くんに似て見える(わしだけ?)。熟女教師とのレッスンといい、金髪の髪型といい服装といい、ちょっと「ピアニスト」のブノワ・マジメルを彷彿とさせたルイスくんでした。ぶっコワレっぷりは、ピアニストのエリカ先生級でしたが真面目に一生懸命レッスンに励んでて、可愛い恋人もできて、夢に恋に充実した青春…な話かと思いきや、美しい旋律がいつの間にか狂った不協和音に変わる展開に、え?なぜ?!と困惑、そして戦慄。

 そんなに苦悩して追い詰められてるようでもなかったダヴィッドが、突然鏡に額を打ち付けたり、開き扉を思いっきり強く閉めて指を挟んだりと、自傷的な行為に。自分の楽譜を盗んだと友人に難癖をつけ、暴力を振るって奪い取ったり。ひと気がなくなったパーティーで、独りで踊り狂いながら素っ裸になったり。妄想妄執、幻覚幻聴と、明らかに精神を病んだ状態に。レッスン中断して早く病院に!と思うのは映画を観てる観客だけで、ダヴィッドの周囲は誰も心配したりせずスルー。ほぼ無表情で、感情を露わにしたりせず淡々としてるのに、何をしでかすかわからない不可解さ、不穏さを常に孕んでいるダヴィッド。帰省して家族と心穏やかに…と安心したら、え?!ウソ?!なラストも衝撃的。才能ある音楽家って、やはり凡人にはない破綻や狂気を抱えているものなのですね。才能ってヘタしたら、癌のように心身を蝕んでしまうのですね。

 ルイスくん、静かなるニューロティック演技も秀逸でしたが、脱ぎっぷりもあっぱれ。恋人とのラブシーンと、先述の狂い踊りシーンで全裸に。お尻もアソコもまったく隠すことなく。散歩やジョギング、ピクニックや水泳ができる森や湖がある大学が素敵でした。ダヴィッドの友人役で、「皇妃エリザベート」では皇弟マクシミリアンを演じてたヨハネス・ヌスバウムも出演してます。

 ↑ Netflixのドラマ「すべての見えない光」で、主人公のドイツ兵役を演じてるルイス。共演者の中にマーク・ラファロ!もいるので、近々観る予定(^^♪
コメント (1)
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