まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

女体取材!“相棒が・・・”

2010-12-19 | 北米映画 00~07
 「秘密のかけら」
 「スウィートヒアアフター」で高く評価された、カナダの俊英アトム・エゴヤン監督作品。
 50年代、全米で人気絶頂の司会者コンビ、ラニーとヴィンスが宿泊したニューヨークのホテルの浴槽で、若い女の全裸死体が発見される。女は自殺と断定された直後、ラニーとヴィンスはコンビを解消する。数年後、ジャーナリストのカレンは事件の真相を探るため、別々の道を歩んでいたラニーとヴィンスに接近するが...
 なかなか面白かったです。スキャンダラスで変態的で(笑)、まさにワタシ好みな内容でした。50年代のショービズ界の華やかな退廃が、美しくも毒々しく描かれていました。カラフルな衣装や豪華なホテル、50年代アメリカの雰囲気が目を楽しませてくれます。
 ヒロインのカレンが、松本清張作品の主人公ばりに事件を追うのですが。びっくりするほどカラダを張ってるところが、さすがアメリカンギャル。ラニーと寝るわ、ヴィンスの罠にハマってクスリ飲まされるわレズプレイするわ、ヴィンスに絞め殺されそうになるわ。無鉄砲で無用心で破廉恥な女体取材に、呆れつつも拍手。日本の2時間ドラマのヒロインも、あれぐらいやらなきゃ。真実なんて、自分を守ってばかりでは掴めない。
 カレンが、ジャーナリストとしての野心からというよりも、いつしか妖しく淫靡な匂いのする秘密に引き寄せられ、真実を暴くよりもそこで溺れたいと願っているようだったところが面白かったです。何をやっても無垢な少女みたいなカレンのキャラも良かった。演じてるアリソン・ローマン、ヌードや大胆シーンなど頑張ってたけど、見た目も演技もイマイチぐっとこさせるものがなかったような。ピュアで可憐だけどエロくて危ういヒロインなんて、逞しくて現実的っぽいアメリカ女優には似合わないよなあ。リュディヴィーヌ・サニエとかシアーシャ・ローナンとかだったら、もっと痛々しくも愛らしく魅惑的だったかも?
 女優よりも、男優のほうが大胆過激。ケヴィン・ベーコンとコリン・ファース、ヤバくて笑える怪演でした。

 オゲレツで陽気(営業)、優しくエロい紳士(実際)なラニー役は、ケヴィン・ベーコン。彼ってもう、フツーの役は絶対にできないポジション&容貌になってますよねえ。今回も、そこまで脱がんでも、と呆れるほど脱ぎまくってて、すっぽんぽんでズコバコやってました。ステージで、往年の名作「フットルース」を彷彿とさせる軽妙なステップも披露。おぢさんなのに、頑張るなあ~。若い男優が毒にも薬にもならん連中ばっかなので、今後もヴァイアグラ不要的に活躍してほしいものです。映画では殺人鬼とか変態とかだけど、実際のベーコン氏は温厚な紳士っぽい?TVや映画の中にいるスターって、所詮は虚像。作られたイメージを信じ込んで踊らされたりせぬよう、気をつけねば。

 上品で知的(営業)、暴力的で情緒不安定な変態(実際)なヴィンス役は、コリン・ファース。最近、コリンを私も再評価中なんですよね。世の中、ギスギスと不安定で軽薄で意地悪なせいか、コリンの上品で静かで知性的で優しいところに、すごく心惹かれ落ち着くのです。すごい美男とかじゃないところが、返って良いんです。コリンの気品ある素朴な見た目が好き。「シングルマン」同様、アメリカ人役は絶対にできないところも素敵。どこにいても、完璧な英国紳士なコリン。恰幅が良いけどスラ~っとした長身に、スーツやタキシードが似合うこと!カリフォルニアなファッションも小粋だった。タキシード姿でスツールに座ってるシーンがあったのですが、これが超カッチョEの!ただ座ってるだけのに。あの雰囲気、あの仕草。どんなに美男でも日本や韓国、ハリウッドの男優には絶対無理!
 紳士だけど、ビミョーに歪んでて変態なところも英国人なコリン(笑)。ラニーを侮辱した客を舞台裏に引き込んでボコボコにするヴァイオレンスさも、カレンにクスリを盛って恥ずかしい行為をさせる卑劣さも、危ない危ない by 福田和子。極めつけは...

 ↑女とヤってる最中のラニー。そのドサクサにまぎれるように、全裸になったヴィンスが後ろからラニーを...
 ひ~!?コリン、な、何やっとんじゃ~?!えへへ~ええやん♪絶対キモチいいって♪と、ラニーのア○ルに突撃しようとするヴィンスのハアハア顔が怖い!やめろ!ふざけんな!とラニーに拒否され罵倒されてる時のヴィンスのベソかき顔が、超可愛かった。コリン、キモくてキュートでした。これからも、すごく紳士で少し変態なイングリッシュマン役を、コリンにはチャーミングに演じ続けてほしいものです。

 「英国王のスピーチ」で、2年連続オスカー候補確実、受賞の可能性も高いコリン
 
 

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« おとこには自分の世界がある | トップ | モラトリアムの部屋 »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
英国紳士! (amore)
2010-12-27 01:43:41
コ、コリン!BBCの『高慢と偏見』以来マーク・ダーシーのイメージが定着。そこからの脱出にもがいていた彼の、この素晴らしい脱皮&成長ぶりに乾杯で~す。確かに若い頃に比べるとぼってりしてきましたが、年齢相応の色気と渋さを漂わせる素敵な紳士ですよね。一見気難しそうだけど、家ではオヤジギャグや大ボケかましてそう
返信する
コリン星人☆ (松たけ子)
2010-12-28 20:25:38
amoreさん、こんばんは!
コリンといえば「高慢と偏見」!という意見が多いですよね。未見なので、ぜひとも観たいと思ってます!「英国王のスピーチ」も早く観たいなあ。
最近のコリンは、いい感じにぼってりしてると思う!コリンはボケか~。どっちかっつーたら、ツッコんでほしいんだけどお~って、お下品でスンマセン♪
返信する
よいお年を! (はちたま)
2010-12-30 18:58:47
おばんです!
コリン・ファース今絶頂期がきてるみたいですよね♪
主演男優賞はほぼ間違いないかと…。でもジェフおぢさまの「トゥルー・グリット」がかなり評判いいんらしんで、からんでくるかも知れませんね。
なんか今年のアカデミー賞は楽しみになってきたぞう。

それでは松さん、風邪などひかれませんよう、よいお年を!
返信する
もういくつ寝ると~♪ (松たけ子)
2010-12-30 21:43:55
はちたまさん、こんばんは!
コリン・ファース、まさにイケイケgo!go!状態ですね。今度こそオスカー受賞となりそうですが、ジェフおぢさまもかなり有力みたいですね。ジェームズ・フランコも加えると、アカデミー賞が例年以上に楽しみに♪
はちたまさん、今年も仲良くお付き合いくださり、ありがとうございました。来年もどうぞ、よろしゅうお願い申し上げまする~☆
よいお年を!
返信する

コメントを投稿