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アフガニスタンにおけるアメリカ、自分の金のために動くなら豚と同じ結末

2013-07-31 | ラジオ
アメリカは半ば荒廃した国と文字通り、アフガニスタンの大地に何千億ドルものお金を捨てたまま、アフガニスタンから去って行こうとしている。
いくつかのデータによるとアフガニスタン戦争のために、アメリカ市民の税金6300億ドル以上が費やされたという。そしてアフガニスタンからの撤退にも、アメリカ市民は巨額の出費を強いられるだろう。
専門家たちは8000億ドルと見積もっているが、一部には、それだけでは足りないと危ぶむ向きもある。
問題は、そればかりではない。武器、兵器、設備のやり場がどこにもないという問題だ。それらを国に持ち帰るのは、ひどくお金がかかる他、人道援助としてアフガニスタン側に渡すのも受け入れられない。

VOR記者は、社会政治研究センターのエフセーエフ所長に意見を聞いた。
「重兵器をアフガニスタン軍に引き渡すバリエーションは、検討されませんでした。なぜなら、その一部がイスラム運動体タリバンに流れる危険性が存在するからだ。それらをパキスタンに引き渡す可能性も検討されたが、その場合アメリカ政府はアフガニスタン政府との関係が、深刻に悪化する事を覚悟しなければなりません。というのは、パキスタンとアフガニスタンの関係は、極めて複雑で難しいものだからだ。
それ以外に武器を中央アジアの一部の国々に引き渡すという事も検討された。まずタジキスタンやウズベキスタン、そして若干の可能性としてトルクメニスタンが挙がった。
しかし、こうした国々への武器の譲渡も行われなかった。おそらく武器のメンテナンスの問題が障害となったのでしょう。それには、かなりの出費が求められるからだ」
所長の話だ。

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どのように武器を簡単に処理するか、アメリカには何も名案は残っていない。とりわけ、およそ2000の戦闘用車両は、スクラップとなってしまうだろう。2014年の末までにアメリカの軍人達は、総額70億ドルの設備のリサイクルを遂行する。
アメリカ軍はアフガニスタン軍の装備や教育に約550億ドルを(電波が弱くなり聴き取れず)。
新聞New York Timesによるとアフガニスタン軍は、公式には30万の兵士がいるとされているが、実際は12万に満たないといわれている。いわゆる幽霊分は、彼らの給料を自分のものにするためリストに書き入れられているものだ。

ここで再びエフセーエフ所長の見解を御紹介しよう
「アフガニスタン軍教育に対する出費の効果だが、こちらも高くないと考える。それは教育を急いでしたためです。教育を受けた者達は、十分に信頼できる存在ではありませんでした。おそらく彼らの一部は、カルザイ大統領に反対する側に移る用意がある。教育の効果について語るより、むしろアフガニスタン軍は現在の体制を維持できるかどうかについて語るべきでしょう。この問題はアメリカ軍の教官達の概念に入っていません。
現在のアフガニスタン軍は、モラルの面で乱れている。そうした点から見ても、投資されたお金の効果は低かった、そう言って然るべきでしょう」
所長は、このように話している。

そもそもアメリカドルでカブールの政権を支えるなど、かなり無意味だ。なぜなら欧米のスタンダードで構築されたアフガニスタンでの国家統治システムは、この国に馴染まなかったという事実があるからだ。
現代アフガニスタン研究センターのメントコヴィチ研究員は、これに関連して現政権は、部族社会的実践の基盤の上に立った、現代民主主義の制度からなる不安定な構造物だと指摘し、次のように続けた。
「アフガニスタンに国家権力機関を作る事は、多くの点で昔からの大問題だ。20世紀全体を通じてソ連軍が駐留していた時期も、その前もそして後も、この問題にぶつからなくてはならなかった。アフガニスタンの社会機構においては、部族制度が大変強い力を持ち、それが通常の国家メカニズムの確立を難しくしている」
研究員は、このように話している。

経済的観点から見てアフガニスタン戦争は、アメリカにとって破綻したと言える。しかし、それは一番大事なことではない。アメリカは道徳的に敗北しつつあるという事が肝心なのだ。諺にあるように自分の金のために行動すれば豚と同じ結末なのだ。

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