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ロシア、ミャンマーとの緊密な軍事協力を維持

2013-07-11 | ラジオ
ミャンマーはアメリカとの関係を正常化したが、ロシアとの軍事協力は相変わらず発展し続けている。中国との友好関係も維持しているミャンマーは、アメリカやロシアなどの大国との関係においても、行動の自由を守ろうとしているようだ。
戦略技術分析センターのカシン専門家は、そのように指摘している。
今年3月、セルゲイ・ショイグ国防相がミャンマーを公式訪問したが、ソ連時代以来、ロシアの国防相がミャンマーを訪問するのは50年ぶりのことだった。
先月、返礼としてミャンマーのミン・アウグン・フライン上将がモスクワを訪問している。そのなかでは軍事部門におけるロシアとミャンマーとの関係活性化が宣言されている。

ミャンマーは小国であり、軍事予算も限られている。しかしミグ29型戦闘機やミル17型輸送ヘリコプター、ミル24型戦闘ヘリコプター、さらには対空ミサイルシステムペチョラ2Mなどのロシア製武器を購入している。
ロシアの軍事関係の大学では、合わせて150名以上のミャンマー軍将校が学んでいる。
ロシアとミャンマーの関係において、軍事協力および軍事技術協力は重要な側面となっている。ミャンマー経済におけるロシアのプレゼンスはそれほど大きくなく、貿易高は年間1億5千万ドルで、ミャンマーと中国の40億ドルに比べれば微々たるものだ。またミャンマーへの海外からの直接投資は35%が中国からのもので、経済における中国の独占支配が懸念されている。同時に、ミャンマーが欧米諸国からの制裁によって国際的孤立に陥っていた時期、中国は主要な政治パートナーでもあった。

2009年のミグ29型戦闘機購入契約など多くの場合、ミャンマーはロシア製武器を選んできた。ロシアが遠く離れていること、さらに地域における大きなプレゼンスを持っていないことが、その原因なのかもしれない。ロシア製武器を購入することは、大国に依存してしまうというリスクを伴わないからだ。
中国との深い関係を持っているミャンマーは、他の国々との関係で行動の自由を守ろうとしているが、軍事市場においても中国のシェアには大きいものがある。しかしミャンマーは中国のシェアを、一定レベルに抑える考えのようだ。
中国は特にミャンマー海軍発展において、重要な役割を果たしている。例えば2012年3月、中国はミャンマーに対して老朽化した053H1型フリゲート艦2隻を譲渡している。ミャンマーが新しく建造しているフリゲート艦は、中国の支援を受けており、中国の054A計画に基づくものだと考えられている。一方でミャンマーは装備について、他の国のシステムを採用することも厭わない姿勢を示している。
ロシアの対艦ミサイルX-35、およびインドのバラトエレクトリクス社製のレーダーを採用すると見られているからだ。

今年末に予定されているロシア海軍の訪問によって、この分野でもロシアとミャンマーの協力が、さらに進展する可能性がある。
ロシア海軍はグローバルなプレゼンスを拡大することを目指している。ミャンマーの港を利用できるようになれば、インド洋での活動が容易になる。またミャンマー国産の軍事産業建設のため、ロシアからの支援が行われる可能性もある。ロシアはミャンマーに対して、様々な軍艦および対空防衛システムを提供することができるだろう。

全解説ミャンマー経済―実力とリスクを見抜く
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日本経済新聞出版社

7月5日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル