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中国には日本は不要、必要なのはガス(2)

2013-07-07 | ラジオ
当時、一連の専門家たちからは、中国は交渉が実を結べば大陸棚のガスを日本と分割せざるを得ないため、これを決裂させるために、故意に煽動を起こしたのだろうという憶測が飛び交った。
その後、日本政府は数度にわたり、中国が尖閣諸島付近で一方的なガス田探査を準備しているとして、これを非難する声明を表している。その探査が今、どうやら本当に始まったようだ。

アンドレイ・イヴァノフ氏は、このことは中国が尖閣付近で、最も断固たる行為に着手しようとしていることを示すとして、さらに次のように語っている。
「中国は露骨に対日関係の緊張化へ向かっている。原因はおそらく、日本政府が尖閣諸島の領土問題が存在することを認めなかったことに、中国政府が苛立ち日本に対しても、ナショナリズムや反日感情にわしづかみにされている、自分たちの国民に対しても強硬的な姿勢をアピールしたいと考えたからだろう。中国の労働力が高いものになりつつあることから、日本企業が中国への関心を失い、東南アジアへ生産をシフトしはじめていることもあって、中国指導部は、この緊張化が日本との経済協力に打撃を与えることにはあまり憂慮を示していないようだ」
上級研究員の見解だ。

イヴァノフ氏は、中国は自国の態度が原因で日本が防衛面でアメリカに接近し、その接近が反中国的な色合いを強めていることに恐れをなしていないことは着目に値すると語っている。
中国ではアメリカの新路線であるアジアへの回帰の枠内では、こうした接近はいずれにせよ回避できないと捉えられているようだ。
その一方で中国の指導部は、中国抑止の必要性がどんなに語られても、アメリカは尖閣諸島がガス田のある大陸に囲まれているからといって、こんなちっぽけな崖のために、あからさまな対立に踏み切ることはないと確信しているように思える。
これが実際のところであれば、イヴァノフ氏は中国が尖閣諸島海域でとる行為は、より断固としたものになっていくだろうとの見方を表している。これはもちろん、日本が柔軟性を示さず尖閣諸島の領土問題の存在を認めなければの話だ。
そういえば30年ほど前、ソ連は日本との間に南クリル諸島の領土問題が存在することを認めた。イヴァノフ氏は、南クリル諸島は未だに日本の領土になっていないものの、露日関係は著しく改善されたことを指摘している。

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7月3日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル