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中国にシェール革命訪れるか

2013-07-01 | ラジオ
アメリカがシェールガスの大量生産を始めるのは、早くても5年後である。かつアメリカのシェール革命の最大のライバルとなる見込みが最も高いのは 中国である。
国際政治やエネルギーの世界的な権威で、ピューリツァー賞の受賞者ダニエル・イェルギン氏がペテルブルグ国際経済フォーラムのなかでこの様に述べ た。国際エネルギー機関によると、中国は世界一のシェールガス埋蔵国だ。アメリカは第4位にとどまっている。なおロシアは第9位だ。

ですがロシア国家エネルギー安全保障基金のコンスタンチン・シモノフ氏によると、専門の先端技術をもたない中国がシェールガスの開発について、ア メリカの成功例に続くことは困難だ。またナショナル・エネルギー研究所のセルゲイ・プラヴォスードフ氏によると、中国にはさらにもう一つ、中国版 シェール革命にとっての不安要素があるという。
「シェールガスにどれだけ見込みがあるかは、まだ不確かだ。中国国内の埋蔵シェールガスは、地質学的に採掘困難であり高コストだ。アメリカの採掘 コストの2倍にもなると見られている。
消費者がこれを喜ぶはずがない。またシェールガス採掘には大量の水が必要になる。ですが中国は水の問題をかかえている。猪突猛進的な工業化によっ て河川は汚濁し、あるいは干上がっている。中国にシェール革命が起こるためには、水を用いない採掘法を開発する必要がある。ですが現状、そのよう な技術は確立されていない」
専門家は、このように述べている。

中国初のシェールガス用のパイプラインは総延長93km、産地である四川省のチュンニン村と、雲南省への供給用のガスパイプラインの幹線とを結ぶ ものとなる。ですが四川省は、ご案内のとおり地震の多発地だ。近いところでは2010年、および2013年に強い地震が発生している。この地での ガス採掘が地盤を刺激し、新たな大地震の引き金となるかもしれない。
このことが理由のひとつとなったものだろうか、先日、中国メディアに中国政府は今年、シェールガス採掘への参入競争の応募総数を半分に減らしたと の報道が見られた。
政府は競売の勝利者に技術支援や、地質学調査の費用の一部負担を約束している。ですが負担とは言うものの、ガス層が地質学的に入り組んでいること や、多年にわたり訓練を積んだシェールガスの採掘スペシャリストがいないことが、如何に補償されるのだろうか。

「シェール革命」の夢と現実
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PHP研究所

6月21日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル