ルールを変えるIMF・国際通貨基金

現在グローバリゼーションに代わって逆のプロセスが進んでいる。
その原因となったのは言うまでも無く世界金融経済危機だ。
一部の国々は自分達の市場を守り、経済における国家統制を強める方向で数々の措置を取った。
そうしたことを背景にIMFは、国から国への自由な資本の流れという不動とも思われた原則を放棄したが、これも許すべからざる矛盾だとは見られてはいない。

お金が自由に流れるため、あらゆる障壁を取り除くべきだという要求は。IMFの安定化プログラムの中においてカギを握るものだ。
現在IMFは発展途上国や新しい市場を持つ国々に対して、税金制度や統制また調整措置を用いるよう勧告している。
そうすると投機的な金融資本が、国の市場に流れ込むのを避けることが出来、バブル経済へ続く途上に大きな障害物を作ることが出来るという訳だ。

これは不動産部門にも、また証券取引市場にも同じく関わるものだ。
信頼できる分析専門家たちはすでに、IMFが世界の証券市場における資本の障害の無い移動を、いわゆる真の革命とする概念を捨て去ったことを評価している。
ロシアの世界経済国際関係研究所研究員は、これは事実上、新しいアプローチだと見ている。
「1990年代末の危機と今回の危機は、コントロール無き資本の移動は長所よりも短所のほうが多いことを示している。
世界経済を動かしている人々は、他の方法によっては危機から脱出できないということを理解し始めた。
危機は様々な制度で多くの国々を巻き込み、各国にとって危機からの出口はそれぞれ別であり、最も相応しい時期に出口は開かれるべきだからだ」
研究員は、この様に述べている。

バランスが崩れた結果、生じたのがここ数ヶ月の貿易戦争の勃発だ。
これは国際関係にも影響を広げ始めている。経済的矛盾が、現在見られるアメリカと中国の関係の急速な冷却化の向こう側に(※恐らくこの箇所は「横たわっている」と言ったつもりかも知れないが言葉になっていない)アメリカ政府が中国製タイヤおよびスチールに、高い税率を課したことに関する意見の対立に続いて、アメリカが台湾に非常に多くの武器を思いがけず売却するということが起こった。

また矛盾はEUのような通貨経済同盟内でも広がっている。
各国は隣国の問題から自分達を守ろうと勉めている。
例えば重い金融危機を経験しているギリシャををめぐる状況に関連して、ドイツのメルケル首相はEUからは1ユーロも援助して、ギリシャに送られるべきではな
いと発言しているし、前貿易担当欧州委員のイギリスのマンデルソン首席大臣兼ビジネスイノベーション技能担当大臣は、G20の国々は自分達の行動整のレベルを下げるべきだと述べた。

各国の金融経済方針は益々、この様にお互いに離れていっている。
ここで思いおこされるのが、ロシアのメドヴェージェフ大統領が示したワールドマルチ通貨という考え方だ。
この考え方は今や一つの外貨のみ、つまり具体的にはドルのみを頼りにすることは出来ない。
複数の地域通貨と複数の独立した実質的な、金融センターが存在すべきであるということだ。
このロシアの提案は無視されてしまった。

しかし現在IMFは事実上そうした道に沿っており、各国政府に対して資金の流れをより厳しく規制するよう勧告している。

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2月24日放送　ロシアの声・ラジオジャーナル