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アフガニスタンでの闘いはマルジャのためか、それともPRのためか

2010-03-07 | ラジオ
アフガニスタン南部のヘルマンド州ではアメリカを中心とする、NATO軍の反タリバン軍事作戦ムスタセラクが続いて2週間以上となる。
最大の出来事とになったのはマルジャへの攻撃だ。
軍事作戦それ自体の興味深い評価と展望を、アメリカ・NATO軍司令官が語っている。

NATOの国連治安支援部隊のカーター司令官は、軍事作戦開始2日後に連合軍部隊による、マルジャへの占拠には25日から30日掛かるだろうと指摘した。
そしてその2、3日後、今度はペトレアス中央軍司令官はマルジャ地区での反タリバン軍事作戦は、さらに1年から1年半続く可能性がある。
と伝えている。
そして翌日、今度はアメリカの海軍大将がムスタセラク作戦に付いて、混乱した全く無益なものであると伝えている。
そして遂には軍事作戦第2週目の終わりに、アメリカ海兵隊司令官は連合軍部隊が、マルジャ地区からタリバン勢力を最終的に完全に一掃することは不可能であることを示唆した。

こうした一連の状況に付いてロシアの専門家グロージン氏に、ロシアの声の記者が尋ねた。
「ムスタセラクは初めから計画のPRであったことが、日に日に明白になっている。
この軍事作戦はアフガニスタンでの連合軍をめぐる状況が、実際の状況よりも実際有利である様に、ヨーロッパ社会の見解に対しアピールしていることを目指している。
ですから強力な広報キャンペーンが、この軍事作戦に変更している。
それ故、欧米でマルジャと呼ばれているタリバンの砦や本拠地に、戦車隊の行列が集結するシーンがテレビで放映された。
しかし報道から判断するに、彼らの本拠地があったのは、小さな商店が並ぶ街の市場だ。
アメリカ軍事司令官など、軍事作戦がいつまで継続できるか、意見が一致しないことに関しては簡単に説明がつく。
軍司令官らは今回の作戦や、そのほか類似の軍事作戦における資金割り当てを継続させるために、この無計画な軍事作戦を引き伸ばすことに関心があるからだ」
ロシアの専門家は、この様に指摘している。

またイギリスの週刊誌『TIMES』は先日、ムスタセラク作戦に参加するアメリカ・NATO軍はヘルマンド州の豊富なアヘン用の芥畑に注意を向けてはいないと書いている。
麻薬の密輸業者たちが居る建物を彼らは迂回している。
アメリカ・NATO軍のメンバーたちは麻薬密売が、タリバンの資金源になっている場合を除いて自分達の任務は、タリバンとの闘いであって麻薬密売との闘いではないと話している。

さらにアメリカ軍はアフガニスタンの麻薬と闘うための、国連からの委任状は持ってはいない。
しかし雑誌『TIMKES』はムスタセラク作戦展開中、タリバンの麻薬や武器また爆薬を製造する施設をアメリカやNATOの連合軍部隊が占拠したと報じている。

この『TIMKES』の報道が真実であるならば、連合軍部隊の行動は筋の通らないものとなる。
ロシアの専門家は、さらに次のような意見を述べている。
「この報道には驚くようなことは一切書かれていない。言葉の上だけではなく現実に、アフガニスタンの麻薬ビジネスとの闘いを放棄し、国連の委任状が無いことへ言及する、これはここ数年のアメリカの戦略的路線だ。
ですがアフガニスタンの麻薬販売から生じる、タリバンの活動と国際テロ組織への資金提供は、誰にとっても明白なものとなっている。
一方アメリカ軍は麻薬業者と闘うための、国連からの委任状を保留している。
もしアメリカが麻薬ビジネスに無視したまま、タリバンに勝利したいと臨む限りアメリカ軍は何事にも成功することは無いだろう」
専門家はこの様に指摘している。

2月27日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル