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シベリアのアンガルスクに造られる国際核燃料銀行

2010-03-31 | ラジオ
シベリアのアンガルスクに原子力の平和利用を進める、世界の国々のためウランを貯蔵する倉庫、備蓄センターが造られる。
この言ってみれば世界初の国際核燃料銀行ともいえるセンター創設に関する合意は、29日にウイーンでロシア国営原子炉企業ロスアトム社長と、IAEA天野事務局長との間で調印される。

このセンターはウラン濃縮を行っているアンガルスク化学コンビナートをベースにするもので、ウラン燃料はIAEAの監督下、アンガルスクでで保管される。
プロテクトによると出力1000メガワットの原子炉を再稼動させるのに、必要な量の貯蔵用低濃縮ウランが保管されることになる。
現在原子力を平和利用したいと思う国々が急速に増えているが、このことは客観的に核拡散の脅威を孕んでいる。

核兵器を持たない国々が原子炉の平和利用から、核兵器の製造に移る可能性も捨てきれない。
それ故、専門家達は核拡散を監督する、グローバルなシステムが必要だと考えている。
世界経済国際関係研究所のエキスパートは、次のように述べている。
「ロシアは自発的にこうした措置に踏み出した。ロシア自身が、そのため総額およそ1億ドルを投資した。
その量は大型原子炉を再稼動させるのに充分なものだ。
このことはイラン・イスラム共和国のような国々が考慮すべき非常に重要な点だ。
いずれにしてもロシアは、今年5月に開かれる、核兵器拡散防止に関する国際会議前に、意義あるイニシアチブを示したと言っていいだろう」
世界経済国際関係研究所のエキスパートは、この様に指摘している。

核燃料サイクルサービスを供与する、国際センター設立に関するイニシアチブを示したのはプーチン首相で、プーチン氏が大統領ポストに就いていたときだ。
その決定は核テクノロジーの拡散防止のため、益々バリアを広げていかなければならない状況下で、原子力エネルギーを集約的に発展させていく道を開くものとなっている。

事実上センターの設立によって、核燃料サイクルサービスへのアクセスを含めて、核兵器拡散防止の義務を遵守している全ての国々にIAEAの監督下、ウラン燃料を平等に供与することが保障される。
ウイーンで締結される合意の諸条件によって、核燃料の備蓄センターを造る費用はロシア政府が負うことになる。
また濃縮ウラン製造費用だがIAEAに加盟している国々が、IAEA事務局長にいわゆる申込をする場合のみ補償されることになる。
IAEAは出された申込をロシア側に送り、そして核燃料つまり濃縮ウランの代金が支払われる。

3月27日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル