ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

Apple Watchの現状と、「Edition」の意味

2015年06月05日 | モバイル・ウエアラブル

Apple Watchが発表されたとき、このブログで「こんなかっこ悪いものはいらない」と書いた。その後のメディアの反応は、まあなんというかなんか微妙だなという雰囲気を見せながらも全体的には好意的であったことにちょっと驚いたのだが、現在はどうなっているのだろうか。

Appleは6月から直営店でのApple watchの販売を開始するとアナウンスした。また、オンラインショップからの発送も始まっており、現在は注文すればすぐに手に入る状況のようだ。

噂では振動装置の不具合で生産が遅れたことから、発売後注文したユーザーはしばらく入荷待ちだったようだが、おそらくここにきて全面的に解消したのだろう。Appleは今月中に販売国を拡大するといっているのですでに供給面での不安はなくなったと考えられる。

そうなると転売屋さんは厳しい。もはやだれもプレミア付価格では買わない。しかし、5月のヤフオクの落札状況をみてもたいしたプレミアはついていなかったというのが実情だ。Apple Watchの入手についてはネットでもさほど話題になっておらず、入手できない時期でも消費者は冷静だった。

ある調査では、Apple Watchというキーワードでの検索状況から、この商品に対する人気は通常のApple商品よりも低いという。とりあえずApple信者の方たち(私もそうなんだけど、四角い時計はいらない)が一通り買った後はかなり落ち着いてしまうのではないか、と思う。

ちょっと話はそれるが、なぜAppleは200万円もするEditionというバージョンを出したのだろうか?

私は、ファッション商品としての価値を高めるための超プレミアムモデルで、実際の販売はさほど期待していないのではないかと想像する。このモデルを買うのは当然金持ちだけだが、ハリウッドのセレブが着用すればその効果は計り知れない。実際、後発の超高級時計メーカーは有名スポーツ選手に提供し着用してもらうような手法をとっている。ビヨンセをはじめとするセレブがBlogやインスタグラムにEditionを着用した写真を掲載しているが、これも怪しい。というか、間違いなくステマだろう。

しかし、この商品に関しては決定的な欠点がある。高い時計はムーブメントが違う。しかしApple Watch Editionの場合は違いは「ガワ」だけなのだ。「ガワ」にお金を払う人がどれだけいるのか?中国の金持ちは金がすきで、かつほしいものは値段に関係なく買うからある程度は売れるかもしれないが。

しかし中国では偽物時計は山ほどあり、Editionのガワの偽物もすぐに出てくるだろう。このガワを付け替えれば、肝心の中身は本物なので機能的には何の問題もない。偽ロレックスとは根本的に違う。またAppleにしてみても、偽のガワがでてきても実際ダメージはない。Editonがたくさん売れるとは思ってないだろうし、本物が1個売れることに変わりはないんだから。通常のApple Watchに1万円程度をプラスしEditionもどきにして、セレブな気分を味わえるならそれもありだと思う人は結構いるかもしれない。

Appleはこういったことも含めての「ファッションブランド品的」話題作りだと考えているのだろうが、今のところあまりうまくいってないように感じる。