ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

中国のウナギ養殖にまつわるデマ

2015年06月12日 | インチキ・疑似科学

中国に住んでいるからといって決して中国の肩を持つつもりはないし、むしろこの国の拝金主義やいい加減な管理はいやというほど見てきている。

しかしそれにしても最近の日本での中国に関するネット情報にはとんでもないものがたくさんあり、さらにはそれを真に受けてしまう人か多いのはどうしたものか。

たとえば。

まあ、日刊ゲンダイをソースにしているあたりでどうかと思うのだが、ブログ書いてるってことはネットにつながってるんだろうから、もうちょっと調べてからものを書いたほうがいいのではないかと思う。

大手のウナギ養殖場は福建省に多く、その設備はかなり近代化されており日本の養殖場と変わりはない。品質管理がどこまでされているのかといわれると私は工場見学をしたこともないのでコメントは控えるが、少なくとも死体を餌にするなんてトンデモ話はやめてほしい。また、成長ホルモンと奇形児の話はかなり調べたが日刊サイゾーの記事くらいしか出てこなかった。

中国のウナギ養殖場はスケトウダラをベースにした「ホワイトミール」を使っているが、これは日本では高いので高級品にしか使われていない。それが中国産ウナギの肉厚の理由であり、実際ブラインドテストをすると国内の養殖ウナギよりも評価が高かったという。また、ウナギの養殖は高いシラスウナギを仕入れなければならず、かなりの投資が必要であり「50元で買った死体を餌にする」というレベルの事業では全くない。(以上、多くはここから)

餌代をケチって死体を使う業者がどうして極めて高価な成長ホルモン剤を過剰投与するのか。薬品投与で以前問題になったのは抗生物質。(中国に来ると風邪ひかない、なぜなら食品に抗生物質が入っているから、という駐在員の冗談では使われる話)

この死体の話の根っこは「中国では水葬する際に手間がかかるのでウナギ養殖業者に売り払う。すると50元で売れる」という別ソースだと思うが、そもそも中国に水葬という習慣はない(チベット仏教を除く)。

大体、人間の死体という供給不安定な餌をたよりにしているわけがないし、そんなに粗末にされる死者(身寄りがないとか、浮浪者とか?)がごろごろいるとは到底思えない。こんな常識で考えてありえないような話は疑ってほしいのだが、FB等で拡散するひとが多いのが残念だ。



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