ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

カーシェアリングと自動運転

2015年06月16日 | 自動運転

中国に駐在するにあたり日本の車は売却をした。日本に家は残してあるが家人は誰も運転しないし、年に数回しか帰らないのだから車を置いていく理由は全くない。しかし帰った時にはやはり何かと不便なのでTIMESのカーシェアリング会員になったということは前にも書いた。

偶々日本の自宅から徒歩3分程度の場所にステーション(シェアリングの車をおいてあるTIMESのパーキング)がある。TIMESは15分200円、距離制限無し、ガソリン代保険料込という料金で、短時間であれば非常に便利なのだが、出先で長居すると結構料金がかさむ。これはレンタカーも同じで、使っていない時間も課金されるのは仕方がない。

しかし、ダイムラー・ベンツが欧州と北米で展開しているCar2Goというカーシェアリング、これも前に書いているが、は決められた街の中であればどこでも乗り捨て自由で、乗ってから降りるまでの課金となる。片道15分の場所にいって、半日用事をして戻ってきた場合、30分間の課金ですむ。これがTIMESであればたったの400円。使っている時間だけ課金されるようになれば、経済的に考えて車を保有するよりはるかに有利になる。

もちろん帰るときに乗ってきた車がそこにある保証はないのだが、Car2Goであればだいたい徒歩10分圏内で空いている車が見つかるようだ。

もし完全自動運転が実現すると、カーシェアリングの車は呼べばきてくれることになる。そして行き先の玄関先でそのまま乗り捨ててもよく、さらに使った時間だけの課金となる。この状況を想像すれば、よほど趣味的な理由がない限り自分で車を持とうとは思わないだろう。

これが自動運転とカーシェアリングという、一見あまり関係ないような事柄が密接に結びついている理由なのだ。

ただし、完全自動運転の実現までにはまだまだ相当の時間がかかる。技術的にはもう大きな障害はないが、万が一の事故発生に対するリスクを自動車メーカーもしくは運営者がとる仕組みができていない。先進運転補助システム(ADAS)はかなり自動運転に近い所まで来ているが、運転者による操作を可能としており事故発生時には運転者の責任となる。しかし完全自動運転の場合はそうは行かない。そのリスクを完全に排除するためには道路のインフラ整備が必要で、とてもじゃないが東京オリンピックまでに実現なんていうスパンでの話ではない。 誤字訂正 車→者