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国民的最低限保障一貧困と停滞からの脱却

2011-02-13 23:36:51 | 政策・提案

ナショナルミニマム「国民的最低限保障」一貧困と停滞からの脱却という著書が昨年末、発刊されました。今日はこの本の紹介、シリーズ2回目です。

グローバル経済・金融危機と格差・貧困の広がり

私たちが暮らす資本主義経済は、人々に豊かな生活をもたらしているだろうか。確かに、私たちは多くの品物に囲まれて生活し、店頭にはありあまるほどの商品が並べられている。しかし、現代の世界は、グローバル経済化が急速に進んでおり、身の回りにある商品の多くは輸入品である。

グローバル経済の最大の特徴は、発展途上国からの輸入品が急拡大している点にある。しかも、
この輸入の多くは、先進国の多国籍企業が中心になって行っている。

貿易拡大を促進してきた世界貿易機関(WTO)の発足とそのもとで形成されてきた多国籍企業優位の国際分業のあり方を知ることが重要である。

世界貿易機関は、一九九五年にスタートした国際機関で一関税及び貿易に関する一般協定)のウルグアイ・ラウンドで合意したマラケシュ協定によって設立された。

アメリカに有利な「知的財産権」の保護とものづくり軽視

この協定では知的所有権の保護強化をもりこみ、多国籍企業優位の国際分業体制を生みだしているという点で、WTO体制の本質的な特徴を構成している。この知的所有権を重視する立場は、アメリカの国際競争力強化戦略を反映したものである。

WTO体制のもとでは、以前は無償であったような成果の多くは知的所有権として保護され、非常に高額の特許使用料などが求められるようになっている。
コンピュータなどの先端産業でも、日本の大企業は知的所有権をアメリカ企業に押さえられており、高額の使用料の支払いを余儀なくされている。

知的所有権という高収益部門はアメリカ企業に支配され、「ものづくり」という生産部門では、競争の主要な相手が賃金の比較的高い欧米から低賃金の発展途上国へと移っているのである。

さらに、日本の大企業は地方に進出していた量産工場の閉鎖を進めている。その理由は、これまで述べてきたように、国内の自社生産を削減することで、発展途上閏の安価な労働力を活用した柔軟な生産調整を行う体制を作るためである。

そして、WTO体制のもとでも十分な価格競争力を持ち、先進国だけでなく発展途上国においても高収益を得られる生産体制の構築を進めている。つまり、日本の大企業が日本国内での生産を縮小させる方向に転換しているために、大企業の高収益のもとでも中小企業や労働者の状態が悪化し続けているのであり、日本経済がデフレの状態から脱却できないのである。これが日本経済の現在の姿である。

その上、経済界は法人税率の引き下げを求め続け、法人税の基本税率は43.3%(1987年)から30%(1999年現在)まで引き下げられた。ほぼ三分の二の水準まで引き下げられてきたが、経済界はさらなる引き下げを求めている。度重なる引き下げの結果、法人税収は約19兆円(1988年)をピークにして約10兆円(2008年)まで低下している。

 しかしトヨタ自動車は、労働者や下請け企業に大幅な犠牲を押しつけてきたが、他方で、同期間に一株当たり20円、総額で627億円もの配当金を支弘い、株主に利益を還元させている。、「ルールなき資本主義」ということは、ルールが全くない資本主義ということではなく、投資家(株主) の利益を最優先するというルールへの変更を意味している。

自民・公明政権から民主党政権にかわっても、この政策がかわらないのは、グローバル経済のもとで財界に支配された勢力が政権のたらいまわしをしても、何も変わらないと国民には映るのです。

今回はここまで、ぜひ、この著書をお読みください。