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遠い森 遠い聲 ........語り部・ストーリーテラー lucaのことのは
語り部は いにしえを語り継ぎ いまを読み解き あしたを予言する。騙りかも!?内容はご自身の手で検証してください。
 



    メリハリの語源は尺八の奏法、メリカリ減り・上り(甲り)からきているそうです。音を下げることをメリ、あげることをカリといったのがメリハリ減り張りになったのです。

    メリハリといいましても全体の構成上もあるし、一小節のなかにもあるわけです。どちらかというと一小節のなかでより全体の構成、バランスがよりむつかしいでしょう。メリハリがないと単調になりますし、聴くほうとしては気持ちよく眠くなりがちです。もっと見直していいのではと思います。たとえ悲しいものがたりのなかでもどこかに明るみがある...そこを明るくすることで悲しみがいや増し、より感動的になります。楽しいお話にも哀愁の刷毛を一振りするだけでものがたりに奥行きが出ます。ステージのうえで語る場合は申すまでもありません。

    メリハリをつける上で重要なのが台詞。”台詞を立てる”といいますが、全部立ててしまったら意味はないわけですね。たとえば幸福の王子のつばめの台詞「あなたはもう何も見えない。だからわたしはあなたといっしょにずっとここにいます」のどのことばを立てるか....立てる...際立たせる...方法はいくつかあります。声音 強弱 緩急 間...それをどう組み合わせるか。これはつばめの愛の告白でもあります。像である王子もつばめも実は人間なんです。幸福の王子は...自分の目さえ貧しいひとに差し出す王子とその王子に命をささげて尽くしたつばめの至上の愛のものがたりなのです。う~ん....高校のとき、一年のサブテキストがオスカーワイルド....英語を訳して知った原文のうつくしさを思い出しました。今回は曽野綾子さんの訳でした。

    書いているうちにフォトショップでしているレタッチも思い出しました。わたしはプログラムを自分でつくるのですが、画像データを加工・修正する作業が不可欠です。必要なときは不要な部分を切り取りますし、色調を修整したり、光と影のコントラストをつけたり、周辺を透明化したりするのですが、それは画像をよりうつくしくするためであり、見てくださる方に感じてもらいたいからです。

    メリハリをつけるのも、そのような目的を持ちます。ものがたりへの愛、聴き手への愛といってもいいでしょうね。そのうえでものがたりを生きること、語っている自分 その自分を見つめている静かな自分を保ち続けることです。...とこんなことを申し上げるのも26日発表の「幸福の王子」のメリハリについて考えなくてはならないからなんですが、やっぱり出たとこ勝負かな...。




 
  

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