遠い森 遠い聲 ........語り部・ストーリーテラー lucaのことのは
語り部は いにしえを語り継ぎ いまを読み解き あしたを予言する。騙りかも!?内容はご自身の手で検証してください。
 



......とても会いたい方がいたので、大倉山記念館まで会いに行きました。駅を降り雨に濡れた長い坂道を、喘ぎながら上ってゆくと大倉山の森が地球の鼓動にあわせ呼吸しているようでした。森に守られるように白亜の洋館がありました。レリーフの施された石の階段を上がり重い寄せ木造りのドアのむこう、13の椅子が円形に並べられていました。

  低く静かに語られる声をわたしは目を瞑って聴いていました。その声が心地よく涙がとめどなく溢れてきました...「ようやく...ようやく...」 わたしの身のうちで詠うような喜ぶような声がしました。13人の声が共鳴し倍音となり光となります。時間も自我も解けてゆきます。

  わたしはわたしの苦しみの原因を知りました。仕事のうえで男と伍して男より男らしく生きてゆかねばならない....それはそのようなプロセスがあったから、そのようにしなければ生きてこられなかったから身に引き受けてきたことなのですが、ほんとうのわたしはもうそれを下ろしたかったのです。

  そして語りを否定されたこと、書くことを否定されたこと、尊厳を否定されたことで存在の深いところで傷つき自信を失っていたことを知りました。そのあとひとりずつ即興でうたいました。今日あつまったみなさんの歌とおなじようにわたしの歌は世界でたったひとつのわたしの魂の響きでした。声は身体と霊性をつなぎます。もっと歌って....その声に促されわたしの歌をうたいおえたとき、わたしは自分を取り戻したことを知りました。

  ひとは自分自身の声で自分を癒すことができる....わたしはわたしの声で聴き手を癒し生命のエナジーをあかあかとさせることができる。肩に力を入れることなく、自然体で。電車のなかで気づきました。今日は12日、あの日から三ヶ月経とうとしていました。時間も符号のように同じでした。わたしはまたすこし泣きました。どなたのご配慮でしょう。わたしに必要な試練、手放すための機会、そして復活、心から感謝し歩きだします。




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