その理由は、以下のとおりです。
1 賃金センサスで男子と女子の平均賃金の差が生じているのは、男女の役割分担についての従来の社会観念が原因(具体的には、女子のほうが家事労働をしており、結果的に就労期間や労働時間あるいは職務内容が制約された状況にある)
2 本来有する労働能力については、個人による差はあっても、性別による差は存在しない
3 就労可能年齢に達していない年少者の場合は、多様な就労可能性を有しているのであり、その就労可能性の幅に男女差はもはや存在しないに等しい状況にある
4 近い将来に男女の平均賃金の格差が解消するという見込みがあるとは言いがたいが、このことと年少者の一人一人について就労可能性が男女を問わず等しく与えられていることは別問題
以上が、東京高裁判決の理由付けです。
男女の平等という観念を、「本来有する労働能力については、個人による差はあっても、性別による差は存在しない」と表現し(2項)、「就労可能年齢に達していない年少者の場合は、多様な就労可能性を有しているのであり、その就労可能性の幅に男女差はもはや存在しないに等しい状況にある」(3項)という
論理をもとに結論を出しています。
そのため、全労働者の平均賃金を採用できる年少女子の幅が「高校卒業までか義務教育を修了するまでの女子年少者」に限定されてしまっているといえるでしょう。
この判決の論理は、未就労者でも、大学在学中の女性については使えないことがお分かりいただけるかと思います。
(続)
1 賃金センサスで男子と女子の平均賃金の差が生じているのは、男女の役割分担についての従来の社会観念が原因(具体的には、女子のほうが家事労働をしており、結果的に就労期間や労働時間あるいは職務内容が制約された状況にある)
2 本来有する労働能力については、個人による差はあっても、性別による差は存在しない
3 就労可能年齢に達していない年少者の場合は、多様な就労可能性を有しているのであり、その就労可能性の幅に男女差はもはや存在しないに等しい状況にある
4 近い将来に男女の平均賃金の格差が解消するという見込みがあるとは言いがたいが、このことと年少者の一人一人について就労可能性が男女を問わず等しく与えられていることは別問題
以上が、東京高裁判決の理由付けです。
男女の平等という観念を、「本来有する労働能力については、個人による差はあっても、性別による差は存在しない」と表現し(2項)、「就労可能年齢に達していない年少者の場合は、多様な就労可能性を有しているのであり、その就労可能性の幅に男女差はもはや存在しないに等しい状況にある」(3項)という
論理をもとに結論を出しています。
そのため、全労働者の平均賃金を採用できる年少女子の幅が「高校卒業までか義務教育を修了するまでの女子年少者」に限定されてしまっているといえるでしょう。
この判決の論理は、未就労者でも、大学在学中の女性については使えないことがお分かりいただけるかと思います。
(続)