南斗屋のブログ

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不起訴処分の民事への影響

2009年05月18日 | 交通事故刑事事件の基礎知識
 「加害者の刑事事件が不起訴になっていたのですが、民事のほうに影響がありますか?」というご質問は被害者の方からよく受けます。

 加害者の刑事事件が不起訴になっても、民事の損害賠償の過失相殺というのは刑事事件とは別の視点できまりますから(→過失相殺の基準本)そういう意味では影響はありません。

 ただ、刑事事件の記録というのは、どういう事故があったかという基礎資料として民事事件でも使用します。
 実況見分調書は不起訴処分であっても取得できるのですが、その実況見分調書にあることに反論していこうということになると、これは、事故から時間が経っていれば経っているだけ難しいことになってきます。
 つまり、刑事事件が不起訴処分になったこと自体ではなく、刑事記録については民事のほうでも影響があるということになります。

 ですから、刑事事件が不起訴になったといっても、その理由が問題となります。
 怪我が軽いからなのか、刑事上過失が認められると立証するのが難しいのか、いずれの理由により不起訴なのかによっても代わってきます。
 
 弁護士はこんなことを気にしながら、刑事事件を見ています。

 なお、怪我が軽いと、検察官はすぐ不起訴処分としてしまいます(警察から検察に送られてから、早い場合で1週間程度で不起訴ということもあります。この場合、検察としては書面をみただけで不起訴処分にしています)。
 
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