南斗屋のブログ

基本、月曜と木曜に更新します

PTSD 2

2006年04月05日 | 未分類
 ところで、社会的にPTSDが注目されるようになったことから、交通事故によってPTSDとなったとの主張が、裁判上でも争われることが、見られるようになってきました。

裁判所ではPTSDを認定するのに、厳格な態度を取りつつあるようです。
例えば、東京地裁H14年7月17日判決(判例時報 1792号 92頁)は、

1 外傷的な出来事の要件(自分又は他人が死ぬ、又は重傷を負うような、外傷的な出来事を体験したこと)
2 再体験症状(外傷的な出来事が、継続的に再体験されていること)
3 回避症状(外傷と関連した刺激を、持続的に回避すること)
4 覚醒亢進症状(持続的な覚醒亢進症状があること)

という4要件を厳格に適用していく必要があるとしています。
それぞれの要件について、これだけではわかりにくいと思いますので、説明を加えていきますと、

まず
1 外傷的な出来事の要件
ですが、「死亡又は重傷を負うような出来事の体験」が必要になります。前記の東京地裁判決では、本人は加療10日間、一緒に同乗していた家族は、重くても約1ヶ月の加療を要すると診断されているケースで、この程度では重傷とまではいえないとしています。


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