リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

どんな舞台でも最後には幕が下りるの

2023年02月18日 | 日々の風の吹くまま
2月16日(木曜日)。☁🌧。よく眠って、8時半起床。またしょぼい天気で、来週には寒波が来るらしいけど、大事なイベントがある木曜日の予報から雪マークが消えたので、ひと安心。今の季節は、Arts Clubのオープニングやイベントがいくつもあるので、車でバンクーバーまで行くのに、1週間、2週間先の天気予報が気になるわけ。2週間先の予報はくるくる変わるのが頭痛の種だけど、再来週の月曜日の予報は、日中は雪マークでも気温は3度で、夜はマイナスでも晴れだから、大丈夫そう。新しいタイヤに取り替えたばかりだしね。

芝居脚本の翻訳は、推敲に推敲を重ねて、一応の「幕」。ビジネス翻訳もそうだけど、訳すのは一直線でも、見直しを始めると、こっちの表現を変えて、あっちの単語を変えて、何度も何度も往復しては、また最初の表現や単語に戻して、やっぱり気に入らなくてまた変えて、でも、こっちを変えるとあっちも変えないとだめで、あっちを変えるとそっちがしっくりしなくなって、そっちを変えると今度は・・・ということで、まったくもってキリがなくなってしまう。ビジネスの文書や論文なら、用語や文体がだいたい定まっているし、納期と言うものがあるから、適当なところで切り上げられるんだけど、話し言葉で書かれる脚本となると、もう性格や感情と言った得体の知れない魔物との終わりのない格闘のようで、芝居を自作するのともまったく違ったスリルがあって、やぁだ、すっかりはまってしまったみたい。とにかく、もう何度目の見直しなんだか忘れてしまったけど、自分なりに95%満足というところまで来たので、「初稿」として東京の先生に送って、読んでもらうことにした。ふう、やれやれ。

きのうオープンしたArts Clubの『Teenage Dick』は、ダークでひと味もふた味も違う1幕ものの作品で、シェークスピアの『リチャード三世』を舞台をアメリカの高校に移して、障碍を持つ生徒リチャードと健常者の生徒たちの間の「権力闘争」という筋立て。主役のリチャードを演じたクリストファー・インブロシアノは、アメリカ、カナダ、イギリスで活躍している俳優で、脳性麻痺による不自由はあっても、演技に歌、ダンスと何でもござれ。芝居の中でも、学校のダンスパーティでダンサーを目指しているガールフレンドと踊るシーンがあって、すごくかっこよかった。制作に係わっているRealwheelsは、20年前からバンクーバーで活動している障碍者の劇団で、公演や演劇指導をやっていて、そこから車椅子の俳優がひとりキャストに加わっている。この劇団に、長年Arts Clubで高校生を対象に未来の劇作家を育てるプログラムを指導して来たショーン・マクドナルドが暫定的に芸術監督に就任するというニュースが2,3日前にあった。障碍があるからって役者になれないことがないはずで、これこそが日本の総理大臣が口にする「包摂型社会」なんじゃない?

夕方、釧路のJ子から、仲良し4人組のひとりだったK子が人生の最後を迎えようとしているというメール。グループで一番の美人で、一番早くに(16歳で)結婚して、娘を産んで、実はとんでもないDV男だった高校教師の夫と別れてからは、中卒のシングルマザーとして大変な苦労をしながら娘を育て、釧路に戻って就職した海産物問屋でやがて社長の右腕になり、請われて社長になったものの、アルツハイマー症になって、この10年は介護施設に入っていた。最後に会ったのは施設に入る前で、ワタシのことをはっきり覚えていてくれたっけ。そのK子が波乱の人生の幕を下ろそうとしていると聞いて、涙目になってしまったけど、J子には、楽しく笑って天国に行かせてあげてとメール。あんなにがんばったんだもの、これからは幸せになって、私たちが行く日を待っていてほしい。


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