リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

箸の持ち方より大事なものがあるんじゃないの?

2019年06月21日 | 日々の風の吹くまま
6月20日(木曜日)。☁☀。風は止んだけど、まだちょっと肌寒い。カレシがパティオドアを開け放したままデッキで水遣りしていたら、リビングにヒーターが入ってびっくり。廊下を隔てたオフィスの入口のサーモスタットは25度なのに、リビングのは暖房が入る温度より1度低い22.5度。外からの冷たい空気がサーモスタットの温度を下げてしまったらしい。明日は夏至なのに暖房なんて冗談じゃないよ、もう。

日本で最近ツイッターか何かに「箸をきちんと持てないと育ちが悪いと見られる」のがムカつくと投稿した人がいて、「正しい持ち方」を巡る論議が沸騰したらしい。左利きの是非を巡る論議と同じで、またかという感じ。ちなみにワタシは箸は苦手。でも、親の名誉のために言っておくけど、育ちや躾が悪かったんじゃないからね。母は左利きを治そうと努力したし、右手で箸を使うことも教えたんだから。おかげで9割がた両手利きになったけど、箸はどっちでも苦手。左利き用エジソンの箸も試したけど、幼い頃に思うようにならない右手を使うことを強制されて泣いた記憶が蘇って来ただけ。おまけに50年以上英文キーボードを叩いていたもので、どの指も関節炎になって箸をうまく操れないから、もうお手上げ。

思うに、かの国では箸使いや利き手だけじゃなくて、(目に見える)あらゆる物/事に「正しい方法」があって、それに反するのは他人を不快感を与える行為と捉えているらしい。見た目(つまり「型」)がすべてということで、華道も茶道も歌舞伎も和食料理も「型」を極めるのが修業の重点のようだし。美しく整った「型」には安堵感があるのはわかるけど、現実には日本人の半分は「正しい持ち方」じゃないそうだから、「型」にはまらない(つまり心理的な「和」を乱して安堵感を脅かす)他者が存在することに無意識に持っている嫌悪感から、そういう人たちが自分の視界に入って来ることを警戒するあまりよけいに他者の存在が気になるのかもしれないな。

同調圧力はどの集団にもあるけど、かの国の場合は「正しい型」を実行するために「正しいマニュアル」に従うことを求める圧力かもしれない。ワタシは生まれつきいろんな型から外れていてマニュアル通りにできないことが多いし、先天的に角膜がでこぼこなので世の中が他者と同じく見えていない(と思う)。中学時代に左利きに戻ったのは完全にワタシの意思で、反抗期だったこともあるけど、肩肘張って周りと同じになろうとするよりも、いじめられても違ったままの自分でいる方がいいと気づいたから。今でもあれは最大級の三重花丸の決断だったと思う。美しい箸使いは学ばずじまいだったとしてもね。