日本の島の数が倍になったそうである。具体的に数を示せば、これまでの「6852」から「14125」になった。エッと思うけど、そもそもなんで数え直したのか。それは自民党の有村治子参議院議員が「島の数を正確に把握することは国益に関わる大事な行政だ」と指摘したのがきっかけだという。計算のベースは、国土地理院の2022年の「電子国土基本図」で、コンピュータで自動計測した。ただ人工的な埋め立て地などを除外するため、過去の航空写真と照合したという。
(島の数倍増を伝えるテレビ)
ところで、そもそも「島ってなんだろう?」問題がある。「島」を定義しないと、数えようがない。それを授業などで考えてみるのも面白いだろう。まあ、ここでは話を進めるために答えを書いておくと、定義の根拠は国連海洋法条約である。
①自然にできた陸地 ②水に囲まれている ③満潮時でも水面上にある
なるほどと思う定義だろう。だけど、疑問もある。それでは満潮時でも海面の上にちょっと出ている岩も島なのか。「島」ならその周囲は領海、あるいは排他的経済水域の基準となる。しかし、ただの「岩礁」(がんしょう)なら、そうはならない。人が住めないような「岩礁」では権利を主張できない。これが南シナ海をめぐって争われた国際司法裁判所の判断である。
日本では「外周が100メートル以上の島」を数えることにしているという。正方形の島だとすると、一辺が25メートルである。大きいような小さいような…。ただ人が住めるような面積じゃない。なんで100メートル以上なのか書かれてないけど、これまでの島の数は海上保安庁がその基準で手作業で海図から数えたものだという。だから、以前と同じ基準なのである。電子地図をコンピュータで検索したことで、小さな島まで自動的にリストアップされてきたということのようである。
都道府県別に、多い順に示すと以下の通り。
①長崎県 1479
②北海道 1473
③鹿児島 1256
④岩手県 861
⑤沖縄県 691
⑥宮城県 666
⑦和歌山 655
⑧東京都 635
⑨島根県 600
⑩三重県 540
(都道府県別の島の数)
一方、少ない方の県はと考えて、そうか「海なし県」は島がない。埼玉県や奈良県に島があるわけないだろう。海に面した都道府県で島がないのを探してみると、大阪府だけがゼロである。関空や夢洲はあるが埋め立て地。ところで、海なし県は軒並みゼロになっているが、琵琶湖のある滋賀県はどうなんだろう。ここもゼロである。えっ、おかしくないだろうか。
国宝の島として知られる竹生島(ちくぶしま)は島じゃないのか。あるいは近江八幡市にある沖島はどうなんだ。ここは人口250人程度が住み、日本唯一の淡水湖中の有人島である。(また猫の島としても有名。)このように湖の中の島は全国に見られる。島根県の中海にある大根島。北海道の洞爺湖にも島があるし、日光の中禅寺湖にも島がある。長野県の野尻湖には琵琶島があって、昔作家の中勘助が暮らしていたことがある。
(竹生島)
先に見た島の定義からしても、まあ湖だと湖水の干満はないけれど、自然にできた陸地なんだから、島の数に入れなくて良いのだろうか。ただ昔のように、数えるのが海上保安庁なら海上交通の保安面からして湖の島を数える必要がない。だけど、我々の文化的、自然景観的な常識からして、湖にある島も「日本の島の数」に入れるべきではないだろうか。
一方、「外周100メートル以上」条件のために、到底普通は島とは言わないような所までリストアップされている。それは上記都道府県リストで、長崎、北海道、鹿児島はいいけれど、第4位に岩手県が入っていることでも判る。上位3道県は有名な島の名前がすぐ思いつくけど、岩手県に島があるのか。地図がある人は見て欲しいけど、とても861個も島があるとは考えられない。
それは首都圏でみても同様。伊豆諸島、小笠原諸島を管轄する東京都は理解出来るが、茨城県が13、千葉県が244、神奈川県が97って、ほんとにそんなにあるのかなあと疑問に思う。江ノ島とか幾つかあるのは知ってるけど、こんなにあるのはよほど小さいのまで数えているわけだ。国境地帯などは別だろうが、人が住んでいない島の数がいくつかなど、これほど細かく調べても「国益」に関係ないだろう。むしろ湖の島なども入れて、「常識的な数字」を出した方が良い。
(島の数倍増を伝えるテレビ)
ところで、そもそも「島ってなんだろう?」問題がある。「島」を定義しないと、数えようがない。それを授業などで考えてみるのも面白いだろう。まあ、ここでは話を進めるために答えを書いておくと、定義の根拠は国連海洋法条約である。
①自然にできた陸地 ②水に囲まれている ③満潮時でも水面上にある
なるほどと思う定義だろう。だけど、疑問もある。それでは満潮時でも海面の上にちょっと出ている岩も島なのか。「島」ならその周囲は領海、あるいは排他的経済水域の基準となる。しかし、ただの「岩礁」(がんしょう)なら、そうはならない。人が住めないような「岩礁」では権利を主張できない。これが南シナ海をめぐって争われた国際司法裁判所の判断である。
日本では「外周が100メートル以上の島」を数えることにしているという。正方形の島だとすると、一辺が25メートルである。大きいような小さいような…。ただ人が住めるような面積じゃない。なんで100メートル以上なのか書かれてないけど、これまでの島の数は海上保安庁がその基準で手作業で海図から数えたものだという。だから、以前と同じ基準なのである。電子地図をコンピュータで検索したことで、小さな島まで自動的にリストアップされてきたということのようである。
都道府県別に、多い順に示すと以下の通り。
①長崎県 1479
②北海道 1473
③鹿児島 1256
④岩手県 861
⑤沖縄県 691
⑥宮城県 666
⑦和歌山 655
⑧東京都 635
⑨島根県 600
⑩三重県 540
(都道府県別の島の数)
一方、少ない方の県はと考えて、そうか「海なし県」は島がない。埼玉県や奈良県に島があるわけないだろう。海に面した都道府県で島がないのを探してみると、大阪府だけがゼロである。関空や夢洲はあるが埋め立て地。ところで、海なし県は軒並みゼロになっているが、琵琶湖のある滋賀県はどうなんだろう。ここもゼロである。えっ、おかしくないだろうか。
国宝の島として知られる竹生島(ちくぶしま)は島じゃないのか。あるいは近江八幡市にある沖島はどうなんだ。ここは人口250人程度が住み、日本唯一の淡水湖中の有人島である。(また猫の島としても有名。)このように湖の中の島は全国に見られる。島根県の中海にある大根島。北海道の洞爺湖にも島があるし、日光の中禅寺湖にも島がある。長野県の野尻湖には琵琶島があって、昔作家の中勘助が暮らしていたことがある。
(竹生島)
先に見た島の定義からしても、まあ湖だと湖水の干満はないけれど、自然にできた陸地なんだから、島の数に入れなくて良いのだろうか。ただ昔のように、数えるのが海上保安庁なら海上交通の保安面からして湖の島を数える必要がない。だけど、我々の文化的、自然景観的な常識からして、湖にある島も「日本の島の数」に入れるべきではないだろうか。
一方、「外周100メートル以上」条件のために、到底普通は島とは言わないような所までリストアップされている。それは上記都道府県リストで、長崎、北海道、鹿児島はいいけれど、第4位に岩手県が入っていることでも判る。上位3道県は有名な島の名前がすぐ思いつくけど、岩手県に島があるのか。地図がある人は見て欲しいけど、とても861個も島があるとは考えられない。
それは首都圏でみても同様。伊豆諸島、小笠原諸島を管轄する東京都は理解出来るが、茨城県が13、千葉県が244、神奈川県が97って、ほんとにそんなにあるのかなあと疑問に思う。江ノ島とか幾つかあるのは知ってるけど、こんなにあるのはよほど小さいのまで数えているわけだ。国境地帯などは別だろうが、人が住んでいない島の数がいくつかなど、これほど細かく調べても「国益」に関係ないだろう。むしろ湖の島なども入れて、「常識的な数字」を出した方が良い。
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