尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

「つばさの党」と「N党」ー「選挙の自由」濫用は許されない

2024年05月19日 21時45分37秒 |  〃  (選挙)
 政治や国際ニュースについてしばらく書いてない。他に書きたいことがあれば、書かなくて構わないんだけど、久しぶりに書きたくなってきた。4月28日に行われた東京15区の補欠選挙における「つばさの党」問題である。この補選は全国的に注目され、ホントは実際に見て書こうと思っていた。だけど、選挙前日に「大腸内視鏡検査」を控えていて、やってみたらポリープ切除で入院を申し渡された。だから選挙結果は病院のテレビで見た。家から遠くないけど、見に行く気が起こらなかった時期だった。
(つばさの党3人逮捕を報じるテレビ)
 選挙中から、ネットでは「つばさの党」問題が大きく取り上げられていた。新聞やテレビでは、「一部候補」みたいにしか書いてなかったと思うけど、ネットで「つばさの党」だと判った。僕は選挙終了後すぐにでも、警察の強制捜査が行われるだろうと予測していたが、しばらく動きがなかった。そのままになると都知事選で同じことが繰り返される恐れが強く、禍根を残すだろうと思っていた。結局5月13日になって家宅捜索に踏み切り、17日に黒川敦彦代表ら3人の逮捕となった。
(電話ボックスに乗って「妨害演説」)
 この逮捕は当然だ。都知事選で堂々と「再犯する」と予告しているのだから、身柄を確保するしかない。テレビニュースなどで見る限り、明らかに「選挙妨害」である。「公職選挙法違反」だろうが、それと同時に常識的に考えて「暴行」「脅迫」などに該当する思う。何党支持かという以前の問題で、これは認められない。選挙だから演説の自由はあるけれど、これは単なる妨害だし嫌がらせである。特に電話ボックスの上で大音声を出すのは常識外。これは「不法占拠」だろう。
(大音声で妨害)
 都知事選は6月20日告示、7月7日投票が予定されている。あまり近くなっての逮捕では、立候補への妨害と思われかねない。3週間過ぎて、証拠もそろえて逮捕ということだろう。19日に送検され、10日の取り調べ、さらに(恐らく)10日の延長が認められ6月上旬となるが、恐らく他候補への妨害容疑で再逮捕ではないか。逮捕中でも立候補は可能だが、事実上「都知事選での再現阻止」ということだろう。こういう党の出現を見ると、何だかナチの突撃隊を思い出してしまう。

 今回は用意もなく登場したので警察捜査を待つことになった。本当だったら、国民の中から「反撃隊」が現れるべきだったと思う。今の選挙のあり方が最善だとは思っていない。でも世の中には「タテマエ」というものが必要で、それはマジメに仕事した経験があれば理解出来るだろう。他候補に突っかかった様を録画してYouTubeに流すなどもっての外。

 ところで今さら「つばさの党」を批判しても意味ないけれど、もう一つ頭が痛いのが「N党」である。何度も何度も党名を変えて、どうなってるんだと思うと、内紛が相次ぎ今なんと言うかよく知らない。調べてみると、参議院では「NHKから国民を守る党」という会派を作っている。何だ、最初と同じじゃないか。変える意味があったのか。僕が困ったなと思うのは、この党が都知事選に30人を立てる予定ということである。すでに13人の候補を確保したとか。
(都知事選に大量立候補を発表するN党)
 供託金さえ払えば何人出ようが自由だろうと言われれば、理屈ではそうも言える。しかし、公費でポスター掲示板を設置するのである。言うまでもなく都知事に当選するのは一人しかいない。様々な考えを持ついろいろな候補が立つのは自由だし、必要でもある。だが当選者一人の選挙に同じ党から複数立候補するのは本来あり得ない。有権者をバカにした行為である。

 大きな掲示板を用意しなければならず、税金のムダ。終わったら片付けなくてはならず、それもムダ。環境問題への配慮ゼロ。(ちなみに、この掲示板は高校の文化祭でお化け屋敷なんかの壁に再利用されることがある。)たくさん立候補して、掲示板への掲示権を売るとかも言っている。これが許されるのか。今問題になっている自民党の派閥の「裏金問題」。こう言うのを見ると、マジメに選挙をやる意味があるのか。明文で禁止されてなければ、何やってもいいんだろう。政権党もそうやっているじゃないか…。

 そう言いたくなるかもしれないが、だから自分は何やっても良いとはならない。このままでは「公認候補は当選者と同数しか認めない」なんていうバカげた法改正が必要になってしまう。そんなことになる前に、「良識」と「品位」が大切だ。

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