尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

東武鉄道のSL「大樹」試乗記

2017年08月02日 21時27分02秒 | 自分の話&日記
 東武鉄道がSL(蒸気機関車)の運行を開始する。8月10日から、下今市と鬼怒川温泉間を土日中心に3往復することになっている。それに先立って、2日に株主向け試乗会が行われた。前にスカイツリーの事前見学会に応募したときは外れたから、今回もあまり期待していなで一応出しておいたら、2週間ほど前に当選の連絡が届いた。

 まあ行って乗って帰ってくればいいやと日帰りで行ってきた。夏休みは泊ると高いし。「下今市➡鬼怒川温泉」と「鬼怒川温泉➡下今市」とあって、どっちも希望しておいたけど、鬼怒川温泉から出る方が当たった。午後2時40分発だから、のんびり出ればいいかなとゆっくり行ったんだけど、下今市まで行ったところで「人身事故」で止まってしまった。乗ってた特急が下今市止まりとなり、その後の各駅停車で行くしかなくなった。SLの運行も遅れるし、ゆっくり見る時間も無くなってしまった。

 ということで、鬼怒川温泉に付いたときは、もう駅前の転車台でグルッと回転する瞬間は終わっていた。でも、まあ何とかホームに入るまで、また入ってからの写真を何枚か撮ってみた。このSLは名前を「大樹」(たいじゅ)と付けられている。もともと「大樹」というのは、中国で征夷大将軍の別名である。徳川将軍の墓所にある日光、それに「スカイツリー」の意味を兼ねている。マークは3つの動輪だけど、これも徳川の「三つ葉葵」をイメージしている。(他にも理由があるけど。)
   
 ところで、夏の一日、鬼怒川とはいえ猛暑だったらどうしよう。それにSLっていうのは冷房があるんか? などと当初は心配もしてたんだけど、案に相違して今日は25度にも届かない一日中曇天の日だった。東武がせっかく冷却パックと麦茶をくれたんだけど、使う必要がなかった。それに今回のSLは、普通の列車に連結されているから、客車も当然冷房が付いていて、窓は開けない。当然煙くもない。だから「ただ乗ってるだけ」とも言える。動いてるところは自分では撮れないし…。
   
 自販機も「大樹」仕様になってる。一番前の車両の指定席だったので、窓から煙がよく見られた。今回は全国で残されたものを譲渡されて使っているものが多い。客車はJR四国で使っていたものを改良したという。1974年製の列車で、SLは北海道で1971年まで使用していたもの。下の最初の写真を拡大すると判るが、日立製作所で1941年に作られたものである。だから、SL本体と客車は同時代に使われたものではない。まあそういう工夫で、乗る方はある程度快適性を得られているわけ。
  
 鬼怒川温泉駅出発も遅れ、下今市着も当然遅れる。もともと特急で25分ほどかかるところを、SJだと34分ほどの時間になっている。だからのんびりしたもんである。沿線では「SLに手を振ろうキャンペーン」なんてやってるので、結構手を振る人も多い。こっちも一応振ってみることになる。もちろん手を振るのではなく、一心にカメラを撮っている人も多いけど。やっと着いたと思うと、もう帰りの時間。事故延着は帰りに取ってあった特急あたりから解消され、従ってすぐに帰るしかない。下今市には「SL資料館」ができ、SL見学エリアもできているけど、そっちを見る余裕はなかった。
 
 転車台で回って車庫に入る様子は、帰りのホームから遠望して少し撮った。これでオシマイ。なんだかよく判らん体験だった。僕は父親が鉄道会社だったので、小さなときは全国の駅名を覚えるような子どもだった。でも長じるに連れ、だんだん関心が薄れた。というか、今も鉄道好きではあるものの、他に関心のある事柄がいっぱいあるということかも。もともと鉄道であれ、クルマであれ、モノとしての関心が薄い。だからSLに機械としての関心はあまりない。ただ、昔あった、映画にもよく出てくる「蒸気機関車」という存在に、歴史的、文化的な興味があるということかなと思う。日光地区は大好きで、ここでも何回も書いている。今回SLという魅力も加わるので、多くの人に宣伝しておく次第。
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