チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

久しぶりの軽井沢

2012年08月14日 10時50分50秒 | 日記
何年ぶりかでイヤ何十年ぶりの夏の軽井沢
その町の変わりように驚くが
涼しくて気持ちの良い場所であることは変わらない

何年かに一度は軽井沢に行っているが
夏の景色の変わりように時代を感じてしまう

軽井沢に行き始めたのは
堀辰雄の「風立ちぬ」を読んでから
ああ文学少女だと云うこと

夏休み同級生の別荘に転がり込み追分を散策し
立原道造の詩の朗読をしあったり

きゃー恥ずかしい

自転車に乗って万平ホテルでオチャしたり
ああやだなんてプチブルな学生生活
親のすねをかじりながらいい気なもんだ

学生時代がプチブルであった反動で
週刊誌の記者を始めたとき
(週刊誌の記者になったばかりに親から勘当を受けたチャコちゃん先生)
一気に軽井沢にある孤児院の取材を皮切りに
日本全国の孤児院のルポを始めた

この180度の変わりように
プチブル仲間の友人たちとも疎遠になってしまった

しかし根がプチブル片方でフアッションの担当して
万平ホテルなどに泊まり込み撮影をする
社会派と言われる部分と軟弱な文化思想が混在した頭で
青春時代を送った感じがする

そういう意味でチャコちゃん先生にとって軽井沢は矢張り特別な思いがある

今回一緒に行った友人が昔の恋人の別荘の前を通っていたら
その恋人が男友達たちと歓談している姿に出くわし
「どうする?」
「いかないわよ」
「そう」
と言って通り過ぎたが
彼女も突然過去に呼び戻されたような感覚で沈黙していた

「かき氷でもたべよう」
なんでかき氷かわからないが訳の分からぬ別の若い友人と共に氷をつつく

「私が夕べから小豆を煮たんですよ」
と言う女主人の言葉に誘われ私たちは氷小豆に
若い友人はカフエオレ
なるほどと言う目で友人と目配せをする
こういう所に微妙に世代の違いが出て面白い

この軽井沢という空気を愛でながら時間を静かに過ごしている世代と
次へ次へといそいで過ごす世代が一体となっている町ここ軽井沢

「ねえあさのやのバケットたべたい」
「買いに行こうか」
「あさのや軽井沢にもあるんですか?」
「軽井沢が本店なのよね」
と誇らしげにハモるおばさん二人

散歩の途中「売り家」「管理」などの看板がやたら目に付く
灯のともっていない別荘も多い
しかし
元々の金持ちの別荘は明かりが燦然と輝いていた
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