チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

佐藤しのぶさん

2024年03月26日 09時53分11秒 | 日記
昨日は終日こもっていて佐藤しのぶさんの歌声に酔いし入れていた
2019年61歳の若さで亡くなった惜しい、本当に惜しい
天性の美声もあるがしのぶさんの「思い」があの美声を保っていたのだとわかる

彼女と初めて会ったのは長野の呉服屋さん
まだ学生でコロコロ太っていて明朗で活発、そして優しくそこにいる一人一人に心を配っていて、みんなに愛されていた

そのころの呉服業界は「きものパーテイー」が盛んで、まだ学生だった彼女がチャコちゃん先生の講演の前座みたいに三曲歌ってくれた
その声の美しさと声量にあっけにとられたのは私だけではない
最近甲子園で高校生が君が代を歌っているが、その美声に聴きほれるけど、佐藤しのぶさんの声には度肝を抜かれた

舞台から下がってきた彼女に
「やりにくいわね、あなたの声すごすぎる」
キャハキャハと笑って
「先生のお話深みがあるから大丈夫です!」
と優しく太鼓判を押してくれた

卒業してからはみるみる頭角を現し、世界的なソプラノ歌手になった
そして大人になるにつれほっそりとした姿になり、衣装の選択がまた素晴らしく、耳で満足目で満足心で満足という大歌手に成長、いつ聞いても素晴らしくその歌声は心に響く

そして思わぬ機会があり奇跡的にある地方のホールで再会
世界的な歌手としての貫禄がありながら、人に対してとてもやさしくチャーミング
いろんな国をめぐり、ただ好きで歌を歌っていたけど、歌も歌えぬ国の子供たちがいる、また日本の広島長崎のように今もってその病に苦しんでいる人たちがいる、その中で自分ができることは歌を通してその方たちに愛と優しさ、さらに平和を送ることだと思った、会場に来られなくても、私はそういう人たちに向かって歌を歌っているの、と話してくれた

柔らかい立ち姿で歌い派手な動作をしないけど、しっとりと心に響く歌声はどうして出るのかしら、という私の問いに答えてくれた言葉だった

その場その場で社会に貢献できることを教えていただいた

コメント
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