「私の着物の着方の修正をお願いいたします」という問い合わせが最近多い
わたしは母や姉の着物を着る過程を「なんとなく」チラチラ見ていて、何となく着物を自己流に着ることを覚えた
そのうえ着物の撮影の時に女優さんが着ていくのを先輩編集者が助けていて、その手順を何気なく見ていて覚えた
更に、着物の撮影の時着付け師が着物を着せる手順を見てさらにきちんと覚えていった
そして自分で着物を着て動き回るようになると、いろいろと不都合が出てくる
変に裾が割れる
胸元がぷかぷかする
プロの着付け師の様に着てみても自分の肌に合わない部分も出てくる
そういう疑問が出たとき姑から「比佐子さんそれは寸法だと思う」というアドバイスを頂いた
そして改めて「きものはオートクチュール」なのに、みんな標準寸法で着ている確かにおかしい
と姑に寸法を測っていただき、姑の手できもにゃ長襦袢肌着まで縫っていただいた
確かに自分に合った寸法は着崩れもなく着心地がいい
「比佐子さんは姿がいいキモノが生き生きする」
と姑は褒めたたえてくれた。然も洋服を着て外出するときは見送りはなし、きものをきて「お義母さん行ってきます」と声かけるといそいそ玄関まで送ってきて、ニコニコしながら背中を押してくれる(現金なもんだ)
そのうちやはりもっといい感じに着たいという欲が出てきて
「そうだ着物を着て仕事をしている芸者さんや旅館の女将さん、銀座のママさんなどの着物の着方を取材をしてみよう」と思い立ち、一年かかって僧侶や神官、狂言、能装束、地唄舞や日本舞踊家、流鏑馬の武士装束などなどの着付けをしっかり見ていくと、自分自身の着方の不都合部分もたくさん出てきて、一つ一つ参考にしながら、比佐子流の着方を作り出した。
とそれは
母や姉たちが来ている着方と同じであったし、姑のアドバイスに耳を傾けていれば十分であった
外へ外へと答えを求めて行って、結局は答えは自分の中にあった!ということと同じだ
「ああ、なんだなるほど」
とおっしゃりながら、チャ子ちゃん先生の修正を聞いてくださる
また一人先人たちの知恵を伝えることが出来たと嬉しがっている