チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 54

2018年11月20日 21時14分21秒 | 日記
ある地方の国立大学で着物の着付けを教えている具服屋のお上がいる
今日はそこに行ってお話を伺った

もう20年になるという
子供の件で学校に着物で行った折教授から
「外国の生徒の要望が着物を着たいということなので教えてもらえないか」と
「良いですよ」と二つ返事で引き受けボランティアで20年

外国の学生は日本に来れば着物のことが学べると思っている
しかし授業にはそういう科目はない
仕方がないのでてレヴィや映画又は街でデパートに行っていろいろ聞いたりして見るが、やはり着て見たい

国立大学に留学ということは国費で来ている学生もいて国に帰ったら即その国の中枢に行く人も多く日本を知ることに真剣だそうだ

着物の着方は一回三時間で覚えてしまう
本当に熱心で着物のたたみ方も一回で覚えてしまう
驚いたのは袴のたたみ方ですら一回で覚えてしまった男子学生もいたそうだ

課外授業なので単位には関係ないのだが
「日本を知りたい」
という強い気持ちが留学生全員が参加することになるという

小遣いで買えるのは浴衣ぐらい
それでも彼らにしてみれば高い買い物だ
だからできるだけ購入しやすいものを仕入れてそれをわたすようにしている

真剣に学ぶ姿勢に教えるほうが学びが深くなるという

彼らは母国で日本語をアニメで学んでくるので、着物の難しい単語も日本語頭になって理解をしてくれるそうだ

素晴らしい呉服屋
こういうお店が日本の一隅に存在していることが嬉しい

そこで
外人に簡単に着物を着せるのではなく、あくまで本物の着物で絹の良さや着物の形の合理性などをしっかりと話している
その上で国に帰って簡単に着物を着る方法もきちんと教えている
この簡単な方法とは
昔の女学生たちが考案した着物の着方だ
昭和初期までの女学生と留学生が同じ感覚で着物を着るというのも面白い。

話を聞きつけてすぐにやって来たが
チャコちゃん先生の中で何かがまとまって来た感じがする

これからの着物の道が見えた様に思う
嬉しい

#留学生 #着物 #袴 #浴衣


コメント
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