チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

おめかけさん

2011年01月09日 16時09分20秒 | 日記
「ねえあの人御妾さんでしょう・?」
「良く分かるね」
公園でネコニイサンにあったら
いかにも弱弱しい女と親しげにしゃべっていた
近づくと我がオフイスのビルの住民だ

「あらこんにちは」
「あなたはいつも元気そうねえ、今病院の帰りなの」
「タイヘンですね」
「あちらこちらもう毎日通っているんですよ」
じゃあ

「昔のお妾さんね」
「どうして」
「弱い女を演じて男の気を引いているわけでしょう?」
「いまじゃあそんな女めんどくさいかね」
「骨董品だわね」

この女とエレヴェーターで会おうものなら
ずーーーんと引っ張られていくような重さを感じる
重心が下へ下へと下がっていって
「いつもお元気そうですね」
と言う言葉はまるで
「そんな活発だと男にもてないでしょうフエフエヘ」
見たいな印象で下から眺められる

別に男にもてるのが人生の目的でもないんですけどね
と口に出して言おうものなら
どろっとした冷たい目で見られそうだからやめておく

「だからお会いするのが億劫なの」
ネコニイサンその話を聞いていて
お腹抱えて笑っている
「オレ旦那あったことあるんだよ」
「へえへえどんな旦那さん?」
「この女は俺がいないと生きてはいけないから」
と言う感じでガラスの器を愛でるように大事にしている風だ

「でもあの女性誠意があるわね」
男の前だけ弱弱しくしているのではなく
お一人のときはわからないけど外で出会う人にも弱さを見せているもの
「えらいわ」
「そうかね」
「そうよ」
「ああやって男から金巻き上げて何もしないで暮らしているなんていいよな」
「いまどき珍しいわねお妾さん商売」

これも日本のいい時代の文化の名残かも
妾かア

昔市川房枝さんの教え子青島幸男さんが参議院委員のとき
当時の佐藤総理に「あなたは政界の妾だ」
と言う言葉を浴びせ問題になったが
市川房枝さんのスタッフで市川さんを裏切った菅総理は逆に「アメリカの妾」
と罵声を浴びせられそうだ

もっとも妾は美しいと言う相場だが
コメント
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