千の天使がバスケットボールする

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ダッハウ収容所をたずねて

2014-09-07 15:37:38 | ドイツ物語
Muenchen中央駅からS2のPetershausen方面行きの列車に乗って、約25分ほどでDachau駅に到着。ダッハウ駅前に待っている726番のバスの乗り換えて閑静な住宅街を車窓から眺めて、KZ-Gedenkstätteで下車。ダッハウ強制収用所を訪ねるのは、昨年に続いて二回目となる。

1933年3月20日、ハインリヒ・ヒムラーの宣言によって開かれたダッハウ強制収用所は、後に次々と建設されるナチスの強制収用所のスタート地点となる。当初は、60人の政治犯や反社会的な人々の”教育”のために作られた収容所が、第二次世界大戦とともにどのような”目的”で、どのように機能していたのか、今日では多くの人々に知られている。しかし、知識として知るのと、実際に知るということは少し違うかもしれない。

写真のノートには、収容されたひとたちの記録が残されている。
名前、出身地、に付けられた囚人番号。どれも几帳面な字できちんと書かれているのは、収容所の跡地が整然と等間隔で建てられていたことからもうかがえるドイツ人気質を見る。ドイツの戦争への高揚をたきつける政策的な広告は、この国だけではないだろう。展示から、囚人たちが、様々な薬草を育て、蜂蜜をつくりながら、音楽会なども開かれていた暮らしぶりが伝わってくる。

ユダヤ人への人権上の観点から反対の声をあげた法律家を、首から看板をぶらさげて市中を歩かせている写真。驚くのは、おびただしい遺体や、運よく日系オアメリ人部隊によって解放された人々のやせ衰えた肉体だ。映画でナチスや収容所を扱った映画でやせ細った収容者をよく観るが、現実はあのようなレベルではない。鞭を打たれる制裁を受けるための机。超高度実験や冷却実験などの人体実験の写真も一部展示されている。

Muenchenで私が好きなのは、何といっても高級ブランドショップがきらめくMaximilian Str。こじんまりとしてセンスよく飾られたショーウィンドウは、きらきらと独特のオーラを放ち夜も歩行者を楽しませてくれる。レジデンツやバイエルン歌劇場も並び、銀座のフラッグショップなどとは別格の世界である。この街から、それほど遠くないのどかな郊外に存在していたダッハウ収容所。

この地に私を招いたのは、ハンア・アーレントであり、チェコの作家、ラジスラフ・フクスの著書「火葬人」深代惇郎のヒトラーに関する言葉だったり、多くの出会った映画だった。そういう意味でも、私の歩いてきた心のほんのひとかけらをたどるような旅だったのかもしれない。

寒い冬の雪の降る日、多くの縞のパジャマを着たユダヤ人たちが靴をはかずに連行されていくのを、ダッハウの住民たちは窓から眺めていたという。

Dachau Concentration Camp Memorial Site KZ-Gedenkstätte Dachau:
AlteRömer strasse 75, 85221 Dachau

■アーカイヴ
・映画『ハンナ・アーレント
・映画『愛を読むひと
・NHKアウシュビッツ特集 第1回第3回第4回第5回
・「われらはみな、アイヒマンの息子」ギュンター・アンダース
・「ナチスのキッチン」藤原辰史
・「わがユダヤ・ドイツ・ポーランド」マルセル・ライヒ=ラニツキ
メニュヒンとラニツキ


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2 コメント

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風化する・・・ ()
2015-11-30 06:49:33
風化することのない、
風化させてはいけない、
重い記憶・・・
Sei ruhig・・・
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悠さまへ (樹衣子*店主)
2015-12-12 09:25:06
コメントありがとうございます。
歴史というのは、生きている証言だと最近思います。
おっしゃるとおりに、生きている限りは風化させてはいけないのですね。
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