再生医療は人類の勝利なのか、神の領域への侵犯なのか。
残念なことに昨日のNHKスペシャル「人体”製造”~ 再生医療の衝撃 ~」は途中からの視聴。そのために救世主兄弟の部分のみアップ。
米国のトレヴィング夫妻の3歳になる長女・ケイティちゃんは生まれつき骨髄の肝細胞の働きが弱く赤血球をうまく作れない難病のため、毎週輸血に頼ってきたがそれも限界に近づいてきた。有効な治療として、血液をつくる肝細胞を移植するしかないのだが、HLA(ヒト白血球抗原)が一致しなければならない。他人ならタイプがあうのは、数万人にひとりの確率だが、兄弟だったら4人にひとり。夫婦は迷うことなく体外受精で23個もの受精卵をつくり、そのうち2個がケイティちゃんのHLAと一致することが確認された。その貴重な1個の受精卵を子宮に着床させて無事誕生したのが、クリストファー君だった。弟が1歳になった時に肝細胞を移植してケイティちゃんは元気になった。このような兄弟を”救世主兄弟”と名づけられている。
マイナス1になるよりもプラス1の選択をした両親の心情もよくわかる。しかし、不要とばかりに捨てられた可能性のある他の22個の受精卵の行方が気になる。HLAの型があわなかったばかりに、この世に誕生しなかった受精卵も間違いなく生命の萌芽である。そしてクリストファー君の存在は、生涯ドナーとしての価値がついてまわり、それは姉のケイティちゃんにとっても同様である。このような救世主兄弟は英国でも誕生し、社会的問題に発展して議論が紛糾した。生まれたこどもは誰かのスペアではないという倫理観は勿論だが、やがては臓器移植の目的のためにこどもを作る事態に発展する危惧もある。そのため、2008年に英国では議会で”救世主兄弟”は血液の障害のみに限定、臓器移植目的は禁止となった。
かたや米国では、個々の生殖医療従事者の良心にゆだねられていて、特段の規制は設けられていない。
その一方、英国人科学者が人工精子を肺幹細胞から製造することに成功したと発表している。またクローン人間作成に向かう研究者もいる。もしこのような科学が発展すると、いずれ女性は単体で妊娠・出産ができることにもなる。社会的コンセンサスが、科学の発達においつていないような気もしている。
残念なことに昨日のNHKスペシャル「人体”製造”~ 再生医療の衝撃 ~」は途中からの視聴。そのために救世主兄弟の部分のみアップ。
米国のトレヴィング夫妻の3歳になる長女・ケイティちゃんは生まれつき骨髄の肝細胞の働きが弱く赤血球をうまく作れない難病のため、毎週輸血に頼ってきたがそれも限界に近づいてきた。有効な治療として、血液をつくる肝細胞を移植するしかないのだが、HLA(ヒト白血球抗原)が一致しなければならない。他人ならタイプがあうのは、数万人にひとりの確率だが、兄弟だったら4人にひとり。夫婦は迷うことなく体外受精で23個もの受精卵をつくり、そのうち2個がケイティちゃんのHLAと一致することが確認された。その貴重な1個の受精卵を子宮に着床させて無事誕生したのが、クリストファー君だった。弟が1歳になった時に肝細胞を移植してケイティちゃんは元気になった。このような兄弟を”救世主兄弟”と名づけられている。
マイナス1になるよりもプラス1の選択をした両親の心情もよくわかる。しかし、不要とばかりに捨てられた可能性のある他の22個の受精卵の行方が気になる。HLAの型があわなかったばかりに、この世に誕生しなかった受精卵も間違いなく生命の萌芽である。そしてクリストファー君の存在は、生涯ドナーとしての価値がついてまわり、それは姉のケイティちゃんにとっても同様である。このような救世主兄弟は英国でも誕生し、社会的問題に発展して議論が紛糾した。生まれたこどもは誰かのスペアではないという倫理観は勿論だが、やがては臓器移植の目的のためにこどもを作る事態に発展する危惧もある。そのため、2008年に英国では議会で”救世主兄弟”は血液の障害のみに限定、臓器移植目的は禁止となった。
かたや米国では、個々の生殖医療従事者の良心にゆだねられていて、特段の規制は設けられていない。
その一方、英国人科学者が人工精子を肺幹細胞から製造することに成功したと発表している。またクローン人間作成に向かう研究者もいる。もしこのような科学が発展すると、いずれ女性は単体で妊娠・出産ができることにもなる。社会的コンセンサスが、科学の発達においつていないような気もしている。