アメリカの情報機関「国家安全保安局」(NSA)は、長いこと、ナゾの存在だった。CIAやMI6みたいな、スパイ映画でオナジミの機関じゃないからだ。その割りには、三万人以上の要員数を誇る、CIAなんか目じゃない巨大組織。
“No Such Agency”(そんな機関は存在しない)の略とまで言われた、ナゾの存在の全貌が、今回の内部告発により、明らかになりつつある。日本でも、朝日新聞が、妙に気合いを入れて報道している。
NSAと契約するコンサルティング会社で働いてたエドワード・スノーデン氏が告発したのは、ネット上のメールや動画などを収集する極秘プログラム「PRISM」の存在や、1日数百万件の通話記録を集めていた事実だった。まるで、陰謀論サイトの世界が、現実になったみたい。
これに対し、NSAの長官・アレクサンダー陸軍大将は、もはや隠しきれないと観念してか、「この国を危険にさらすより、アイツは何かを隠していると言われたり、世論に批判される方を選ぶ」と、議会でも堂々と発言している。
2009年には、ニューヨークの地下鉄爆破テロ計画を未然に阻止するという大きな成果を挙げ、オバマ大統領の信頼も深まった。
パキスタンからコロラド州に送られた電子メールを追跡した結果、コロラド州で電子メールを受け取った男をテロリストと特定。さらに、電話のやり取りも傍受して、関係者を一網打尽にしたんだそうな。
香港の新聞のインタビューに応じた(なぜか、香港にいるらしい)スノーデン氏いわく、
>大型のインターネット中継機のような基本通信回線に侵入し、数十万台のパソコンの通信記録にアクセスできた。個別に侵入する必要はなかった。
スノーデン氏は、「文書による証拠もある」と言ってるらしい。そこには、中国や香港での数万件におよぶハッキング活動の詳細が記録されているという。
「香港で秘密の場所に隠れている」とか、「香港で法定闘争に持ち込む」と言ってるところを見ると、ひょっとして、スノーデン氏が内部告発に踏み切った背後には、中国政府がいるのかも?
そのせいか、アメリカ議会では、党派を超えて、誰もが「裏切り者」と呼んでいる。
最近の中国は、「われわれもサイバーテロの被害者なのだ」と言い出してみたり、妙に被害者ヅラしてることだし、また何か企んでる可能性もある。
それにしても、「こういう巨大機関が世界の通信を傍受し、われわれを監視している」というのは、陰謀論の世界ではオナジミの「真実」だったけど、それが公式に表面化したのには、さすがにビックリだ。
いよいよ、隠された真実が明るみに出てくる時代なのか・・・?