宇宙のこっくり亭

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陰と陽 ~ 易経ワールド

2013年06月05日 | 東洋思想

中国の思想の原点は、陰と陽だろう。YIN&YANGといえば、欧米でも普通に知られている。これは、古典の中の古典、「易経」の思想。気の遠くなるほど大昔の叡智が記されたとされる本だ。

易経は、占いの本。タロットカードに押されて、いまは流行らないとは言うものの、筮竹(ぜいちく)をガシャガシャと振るって、「乾(けん)です」、「離(り)です」というのが、易占だ。

タロットカードみたいに絵がかいてあるわけでもなく、陰と陽の二種類があるだけ。それを3つ、あるいは6つ並べて、組み合わせで吉凶を判断する。「陽陽陽」なら、こうなります。「陽陰陰」なら、そうなります。「陰陽陰」なら、ああなります・・・という風に、それぞれの卦(か、または、け)の意味するところが、易経にくわしく書かれている。

易経は、中国の古典の中でも、読む人が少ない。なぜかと言うと、読んでも意味不明だからだ。決して難しいワケじゃないんだけど、一言で言えば、神社で引く「おみくじ」の集大成って感じ。「失せ物、しばらくして出る」とか、「旅行、急がぬが吉」とか、ああいうのに似ている。それを、ちょっと高度にして、たくさん集めたような、摩訶不思議な本。だから、読む人は少ないけど、ハマる人は思いっきりハマる。


そんな占いの本なのに、なぜか、中国では古今で第一の哲学書と位置づけられている。それというのも、陰と陽の世界観のおかげ。

インドから入ってきた仏教を見て、その救済の教えの充実ぶりに、中国人はビックリ。世界に冠たるインドの哲学・宗教の、想像を絶する魅力にたちまち圧倒された。こりゃ、とてもかなわんワイとは思ったものの、日本の復古神道の人たちと同じで、「このままじゃ、インドの思想に圧倒されて、中国古来の心が失われてしまう。なんとか、仏教に負けない教えの体系を作りたい」と、儒教の先生方は負けじ魂でガンバった。

そんな儒教の先生方が目をつけたのは、易経の陰陽理論だった。中国思想の中から、哲学的な世界観を探したら、これしか見当たらなかったのだ。でも、儒学者だけに、プライドがある。「オレは、易経の哲学に興味があるだけだ。占いはやらないぜ。君子ともあろう者が、占いなんかできるか」という、妙なコダワリの世界になった・・・。このようにして、易経は、単なる占いの本を超えて、中国を代表する哲学書とされるようになった。


なんといっても、男は陽、女は陰というのが、陰陽の原点。というより、もともと、陽は男性の性器、陰は女性の性器の象徴だったと言われている。だから、男女の交合により、陰陽が調和する。道教には、この話が多い。学者が書いた研究書でも、そうなっている。

大学生のとき、女の先輩(イマ風に言えばスピリチュアル女子)が、「これを読んで勉強しなさい」と言って貸してくれた道教の本にも、男女の交合のことばかり書いてあった。でも、当時の筆者は、スポーツに限らず、何でも不器用だった。お姉さま方からは、「人形みたいにカワイイ」と言って可愛がられてはいたものの、そうカンタンに、その世界にナジメるはずもなかった・・・(笑)。


それはともかく、どんなことでも、マジメな理論にしてしまう人はいるもので、宋の大儒者の周敦頤、別名・「濂渓先生」が、そんな陰陽の世界観を、「太極図説」という深遠な哲学にまとめた。

この太極図は、韓国の国旗の元ネタにもなっている。



陽が上、陰が下になり、渦をまくように混ざり合っている。

それぞれに、小さな黒丸、白抜きの丸があるのは、陽のものにも陰があり、陰のものにも陽があることの象徴。

早い話が、男も、100パーセントの男らしさで出来ているわけではなく、一部には、女の要素も含まれている。

新宿二丁目のゲイバーには、女性の要素が多いタイプの男性が集まっていた。最近は、新橋あたりにゲイバーが移ってるって話もあるけど・・・。