ついに、北朝鮮の二代目独裁者・金正日がこの世を去った。今までにも、死去説や危篤説がたびたび流れてきたが、今回は北朝鮮の国営テレビが報道しているのだから、まちがいあるまい。
独裁者は今までにも、ゼイタクし放題のせいか、健康に問題があることが知られていた。香港駐在歴が長い知人は、「金正日は、しばしば特別列車に乗って香港の病院まで治療に来ていた。現地では有名な話だった」と語っていた。
奇しくも、リビアの独裁者・カダフィと同じ年に生まれた金正日。30年近く前、2人がまだ40歳だった頃に、一度だけ会ったことがあるらしい。2人とも、同じ2011年に死んだ。まるで、「われら同年同月に死せん」と桃園で誓いあった、三国志の義兄弟みたい。熟しきった柿が落ちるように、独裁政権がバタバタ倒れた2011年を象徴する事実・・・。
シリアのアサド政権も、頻発する市民のデモに加えた血の弾圧で、国際社会から見放され、末期状態にある。ひょっとしたら、シリアと同様、北朝鮮も年内もたないかもしれない。まあ、それはあまりにも希望的観測だけど(笑)。それにしても、いよいよ危険な問題国家が総崩れになってきている。もはや、地球では独裁支配が成り立たなくなったんじゃなかろうか。
北朝鮮が崩壊したら、いよいよ環日本海文明圏が出現する。新潟や金沢を始めとする日本海側の都市が、一挙に活性化するだろう。北朝鮮は、意外と重要なのだ。資源も多い。
日本海沿岸の貿易が活発化すれば、がぜん脚光を浴びそうなのは、日本海に面した羅津港だろう。あの石原莞爾も満州への海の玄関として注目していた、冬でも凍らない天然の良港。中国とロシアにとっては、かけがえのない日本海への出口になっている。
ちょうど一年ほど前に、韓国の朝鮮日報が報道したところによると、中国軍は国境を流れる豆満江を越えて、ここに進駐したらしい。
>中国共産党系紙「環球時報」は、羅津港の借用は「日本海への通路を開拓するためである」と報道し、日本海への出口がない中国にとって大きな意味を持つと伝えていた。
もちろん、ロシアも黙っていない。極東ロシアと羅津港の間に鉄道を敷いて、がんばっている。。8月には、このような報道があった。
>露、羅津港開発を本格化へ 北朝鮮進出の中国けん制
>羅津港開発はロシアを訪問中の金正日総書記とメドベージェフ大統領の会談でも議題になるとみられる。・・・開発への本格参入で中朝露3カ国の国境地帯という「微妙な地域」でインフラ整備の動きを加速する中国をけん制する狙いもあるようだ。
すでに、問題は北朝鮮にとどまらない。これは、日本海の陣取り合戦だ。綱引きは、とっくに始まっている。新しい東アジアへの夜明けに向けて、激変は始まったばかり・・・。
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