2016年6月12日(日) シアタートラム K列 7番
ハイゼンベルク=段田安則、マルグレーテ=宮沢りえ、ボーア=浅野和之。
作=マイケル・フレイン、翻訳=小田島恒志、演出=小川絵梨子。
1941年秋のある日。ドイツの物理学者ハイゼンベルク(段田安則)は、かつて師と仰ぎ、共に研究に従事した デンマーク人の物理学者ボーア(浅野和之)とその妻マルグレーテ(宮沢りえ)に会うために、デンマークの首都 コペンハーゲンを訪れた。コペンハーゲンは、ナチス・ドイツの占領下にあり、ユダヤ系であるボーアはナチスの 監視下にある。また、ナチス・ドイツ政権の下で、原爆開発チーム「ウラン・クラブ」の一員となっていたハイゼンベ ルクにも、当然、自由な行動は許されないのは明らかだ。そんな中で、わざわざボーアを訪ねたハイゼンベルク の真意とは? 連合国に通じているであろうユダヤ系のボーアの動向を探るためなのか? もしくは、ボーアをナチス側に引きこむためなのか? または、ドイツの原爆開発を自ら阻止する思惑か? お互いの真意を探り合うような会話は、現在から、過去の出来事もフラッシュバックのように現われ、そして…。
(あらすじはシスカン公式HPより)
No.184(2007年3月)に、
ボーア=村井国夫、マルグレーテ=新井純、ハイゼンベルク=今井朋彦。演出=鵜山仁、翻訳=平川大作
版を新国立の小劇場で観劇した。
新国立では丸い舞台の記憶だったが、今回は台形、天井から床まで長い棒が8本ほど立っている(これはどうやら制御棒だ、との事)。
奥には階段と出入り口。簡素なセットだったが舞台横のカミテ・シモテ部分が下に抜けていて、何となく不安定感があった。
ボーアとハイゼンベルクの年齢差が余り目立たなかったし、ボーアの妻がりえちゃんなので、ちょっとその点は前回の方が良かったかもしれないが(あくまで見た目)
しっかしまぁ難しいんだよね、これが(^_^;)
えーと不確定理論?
波動なんとか…
シュレーディンガー
この辺アタマうにうに(笑)するけど、華麗にスルーして(スルーするんかい!)
ま、前回との違いは原子力に関係する言語が知識として少しある、ということか(これは東日本大震災における福島第一原発の事故による所が大きい)
マルグレーテがストーリーテラーになったり、あるいはボーア&ハイゼンベルクの心情を語ったり、また別の場面では違う感じになったり…
1941年、なぜハイゼンベルクはボーアの元を訪ねたのか、もうすでに故人となった3人が会してその謎を解き明かそうとする。
この難しく長い台詞を3人がそれぞれきちんとこなしていた、流石な舞台である。
浅野さんは珍しく(?)真面目な学者(少し頑固な)の役だし、段田さんもそれに負けず劣らずの物理学者っぷり!
今回はでも りえちゃん!マルグレーテのような落ち着いた役はあまり観たことがない感じだけど、すごく良かったです。
ちゃんと言うときは言う!
ボーアとマルグレーテの長男(ボート事故で亡くした)も少しネックになってるのかな。
2幕 約2時間10分(休憩15分)と濃密な時間を過ごすことができた。