きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

ベネズエラ危機 何が問題 解決の道は 選挙行い民主主義回復を

2019-03-27 11:35:03 | 国際政治
ベネズエラ危機 何が問題 解決の道は 選挙行い民主主義回復を
ベネズエラのマドゥロ政権を認めないグアイド国会議長が、大統領不在の場合の憲法規定を根拠に「暫定大統領」就任を宣誓して(1月23日)から2カ月余り。グアイド氏らは、人道支援物資の受け入れと大統領選の実施を要求していますが、実効支配を続ける政権側はこれに応じず、両者が対立したままとなっています。日本共産党志位和夫委員長の声明(2月21日)を踏まえて、何が問題となっているか、事態の解決には何が必要なのか、改めて考えます。
(外信部長菅原啓)



ベネズエラ・コロンビア国境を流れるタラチ川を歩いて渡る人々=3月23日、コロンビア・ククタ近郊(ロイター)

物不足 原因は経済失政から
ベネズエラでは生活必需品のほとんどが輸入だのみでした。マドゥロ政権は1000億ドル(約11兆円)を超える対外債務の返済を優先させ、生活必需品や経済活動に必要な物資の輸入を極端に減らしました。その結果、深刻な食料・医薬品不足が起き、国民の命まで脅かしています。
国際通貨基金(IMF)によれば、2017年の輸入額は12年比で約8割も激減しています。
米国による制裁が経済危機の原因だとの主張もありますが、実際に本格的な経済制裁が始まったのは17年8月です。輸入急減はすでに13年から始まっていました。
債務増大は元をたどれば、チャベス前政権時代(1999~2013年)に始まりました。同政権は貧困地区への無料の診療所配置などさまざまな社会開発政策で成果を挙げましたが、主要輸出品である石油価格の高止まりをあてにして対外債務を増やしました。その後の石油価格急落で経済は悪化、債務増大に拍車がかかりました。
米国の経済制裁の影響は注視する必要がありますが、危機は前政権以来の経済失政の結果といわざるをえません。




大量出国 支援拒み生命危うく
国連機関が2月に発表した推計によると、2014年以降、物不足や政情不安を理由に国外に脱出したベネズエラ人は人口の1割を超える340万人。昨年は毎日5000人のペースで出国しています。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)を支える日本の公式窓口、国連UNHCR協会のウェブサイトは、5人の子どもを連れブラジルに逃れたテヘリナさん(33)の声を伝えています。「ブラジルに来ると決めたのは、子どもたちが飢えていたからです。食事は夜に1日1食。夕食をほんの少しだけでした」
出国前にテヘリナさんは生後7カ月の娘を亡くしました。「薬の在庫がなくなっていたため、娘は適切な治療を受けられませんでした」と語ります。
米国や近隣国から集められた食料や医薬品が国境の外まで運び込まれましたが、マドゥロ政権はこれまでのところ受け入れを拒否したまま。マドゥロ氏らは、十分な食料や医薬品を早急に国民に提供すべきです。それが不可能なら、外部からの人道支援物資を受け入れることが求められています。

選挙 国民審判受け入れず
ベネズエラのチャベス前政権はさまざまな問題を抱えつつも、改革を進めるうえで、選挙や国民投票を何度も実施。国民多数の支持を確認しながら政権を運営していました。
ところが、後継のマドゥロ政権は経済危機によって国民の不満が高まる中で実施された2015年の国会議員選で野党が圧勝すると、その結果を真摯(しんし)に受け止めるのではなく、選挙や民主主義を軽視する方向に傾いていきました。
マドゥロ政権は最高裁判事を入れ替え、最高裁の判決を利用して、野党が多数となった国会の権限を次々無効化。18年5月の大統領選では、マドウロ氏が「勝利」したものの、この選挙は野党の有力政治家を排除して行われたものでした。前回選挙(13年)でマドゥロ氏と互角に渡り合ったカプリレス元ミランダ州知事も公金流用で公職追放の処分を受け、立候補は許されませんでした。
批判勢力とも堂々と論戦して国民の審判を受けることを避け、選挙のやり方までゆがめるーマドゥロ政権側の変質はきわめて深刻です。


ベネズエラチャベス政権以降の主な歩み
1998年チャベス氏が大統領選で初当選
1999年同氏が大統領就任/国民投票で新憲法を承認
2000年新憲法下での大統領選で再選
2004年大統領罷免の是非を間う国民投票。大差で信任
2012年チャベス大統領が4選
2013年チャベス大統領、がんのため死去/大統領選でマドゥロ氏が当選
2015年国会議員選で野党連合が3分の2の議席を占める
2016年新国会発足も、重要決議はすべて最高裁が違憲と判断
2017年マドゥロ政権への抗議行動激化/制憲議会が発足し、国会の立法権をはく奪
2018年大統領選でマドゥロ氏が「当選」。野党の有力政治家は参加できず
2019年マドゥロ氏が「2期目」就任/国会が同氏を不正選挙による「権力の強奪者」と決議/グアイド新国会議長が「暫定大統領」就任を宣誓



「人道支援を通過させよ」などのプラカードを掲げ、マドゥロ大統領に抗議するコロンビア在住のベネズエラ市民=3月11日、ボゴタ(ロイター)

人権侵害 批判勢力を抑圧・弾圧
バチェレ国連人権高等弁務官は20日、ベネズエラの人権状況について、ジュネーブの国連人権理事会への報告を行い、「平和的な抗議・反体制の行動が犯罪扱いされている」問題に深い憂慮を表明。1、2月の抗議行動の高まりの中で、弁務官事務所は、治安部隊や政府系の武装集団による人権侵害の多数の事例を把握していると述べました。
また、昨年1年間で少なくとも205人、今年1月の首都カラカスだけでも37人が、国家警察特別行動部隊(FAES)が関わった超法規的な処刑で殺害された可能性があり、「犠牲者の大部分は貧困地区の住民で反政府抗議行動の参加者だった」と指摘しました。
バチェレ氏は、2017年11月に作られた憎悪犯罪対策法が記者や野党指導者の責任を追及するために恣意(しい)的に利用され、表現や報道の自由への規制が強まっている問題も報告しています。
マドゥロ政権による反対勢力への抑圧・弾圧は重大な人権侵害であり、国際問題となっています。

ベネズエラの政治的な危機の最大の原因は、昨年の大統領選が野党の有力政治家を排除して実施されたため、マドゥロ氏「当選」の正統性が失われていることにあります。根本的な解決には再選挙が避けられません。
グアイド国会議長をはじめとする野党勢力はマドゥロ氏の退陣を要求しつつ、自由で透明性ある選挙実施を掲げています。グアイド氏を「暫定大統領」と承認した国は約60力国。同氏を支援する米州諸国の「リマ・グループ」も選挙の重要性を強調しています。
国内では、チャベス前政権の元閣僚が共同声明を発表し、大統領選実施を要求。そのうちの一人ロドリゴ・カベサス元経済・財務相は21日、昨年の大統領選は「非民主的」で、「政府・与党が統制したものだった」と指摘し、国民が国の将来を議論しあう選挙を通じての問題解決が必要だとの見解を地元メディアで明らかにしました。
トランプ米政権は軍事介入も「選択肢の一つ」としていますが、軍事介入は絶対許されません。
ベネズエラの問題は、外部からの干渉・介入なしに、ベネズエラ国民自身によって解決されるべきです。
平和的な解決のためのさまざまな努力の中で、民主主義の回復、とりわけ公正な大統領選を通じて、国民多数の意思にもとつく新たな政府を確立することが求められています。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年3月26日付掲載


ベネズエラの物不足、おぞましい限りの超インフレ。もともとの原因はチャベス政権時代の石油の輸出に依存しすぎた経済政策にありますが…。
後を引き継いだマドゥロ政権が、それを認めようともせず、人道支援も受け付けない。批判勢力を抑圧する。
チャベス政権の時代に、なんども選挙で民意を示してきた経験がベネズエラ国民にはあります。
ベネズエラの事はベネズエラが国民が決める。それはできると思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

野党共闘の分断をもくろむ日本共産党へのいわれなき攻撃② 憲法が保障する結社の自由に対する重大な侵害行為こそやめるべき

2019-03-25 14:40:41 | 政治・社会問題について
野党共闘の分断をもくろむ日本共産党へのいわれなき攻撃② 憲法が保障する結社の自由に対する重大な侵害行為こそやめるべき
党の正規の方針として「暴力革命の方針」をとったことは一度もない
公安調査庁は、日本共産党が「暴力主義的破壊活動を行った疑いがある」と述べました。
1950年から55年にかけて、徳田球一、野坂参三らによって日本共産党中央委員会が解体され党が分裂した時代に、中国に亡命した徳田・野坂派が、旧ソ連や中国の言いなりになって外国仕込みの武装闘争路線を日本に持ち込んだことがあります。
しかし、それは党が分裂した時期の一方の側の行動であって、1958年の第7回党大会で党が統一を回復したさいに明確に批判され、きっぱり否定されました。
日本共産党が綱領路線を確立した1961年の第8回党大会では、日本の社会と政治のどのような変革も、「国会で安定した過半数」を得て実現することをめざすことを綱領上も明確にしました。これは外国の干渉者たちが押しつけてきた武装闘争方針を排除したことを綱領上はっきり表明したものでした。それ以来、度重なる党大会や、綱領の改定で、この方針はいっそうゆるぎないものとして確立しています。
日本共産党が、安倍政権を退場に追い込むために、本気の野党共闘を提唱し、市民と野党の共同を、党本部から草の根で頑張る地方や職場の支部、個々の党員にいたるまで、誠実に努力しているのも、長い間に培ってきた、この綱領路線があってのことです。
日本共産党は、戦前も戦後も党の正規の方針として「暴力革命の方針」をとったことは一度もありません。歴史の事実を歪曲(わいきょく)した攻撃は成り立ちません。

憲法が保障する結社の自由に対する重大な侵害行為こそやめるべきです
政府・公安調査庁は、このような使い古しのデマをもとに、今もなお日本共産党を「破壊活動防止法に基づく調査対象団体」だとしています。
しかし、前述の1989年2月18日の衆院予算委員会での不破氏の追及の前に、石山公安調査庁長官は、当時までの36年間にわたって、「現実に規制の請求を致したことはありません」と述べ、「暴力革命」の「証拠」がそれまでに一つとして見つからなかったことを認めました。
その後も、30年間が経過していますが、公安調査庁が多額の国民の税金を使い、不当な手段を弄(ろう)して日本共産党への「調査活動」を行っているにもかかわらず、「暴力革命」の「証拠」など、一つもあげることなどできません。
天下の公党である日本共産党に対して、「暴力革命」という悪質なデマにもとついて、不当な監視、スパイ活動を行うことは、憲法の保障する結社の自由にたいする重大な侵害であり、ただちにやめるべきです。
政府・公安調査庁の、不当な行為を悪用して、野党共闘にくさびを打ち込もうという卑劣な行為は、維新の会の、安倍・自公政権への補完勢力という本質を自ら露呈するものというべきでしょう。(おわり)(日本共産党国会議員団事務局)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年3月24日付掲載


すくなくとも、日本共産党が綱領を確立した1961年以降58年。「破壊活動防止法」の対象団体として調べていても、「暴力革命」の「証拠」が見つからないという。
当たり前のことです。国民の貴重な税金をもっと別の事に振り向けるべき。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

野党共闘の分断をもくろむ日本共産党へのいわれなき攻撃① 「敵の出方論」=「暴力革命」が成り立たないことははるか前に決着済み

2019-03-24 11:59:09 | 政治・社会問題について
野党共闘の分断をもくろむ日本共産党へのいわれなき攻撃① 「敵の出方論」=「暴力革命」が成り立たないことははるか前に決着済み

いま一部の国会議員から、国会内で日々発展・深化している野党共闘に、荒唐無稽な攻撃が加えられています。「共産党と連携しながらまっとうな政治とうそぶく、あの面々」というものです。共産党はまっとうな政党ではないから、連携する政党もまっとうでなくなるという言いがかりです。
言いがかりは、公安調査庁が日本共産党を破防法にもとつく調査対象団体に指定していることを根拠にしています。
3月7日、衆院総務委員会では、「総務行政とは関係のない発言に対しましては、ご遠慮願います」「話を変えてください」という総務委員長の制止の声を振り切って、足立康史議員(日本維新の会)が、共産党の破防法の指定の経緯などを質問しました。それに対し横尾洋一公安調査庁総務部長は、日本共産党について「現在においても、破壊活動防止法に基づく調査対象団体である」とし、戦後、「暴力主義的破壊活動を行った疑いがある」とか、「現在においても…『いわゆる敵の出方論』に立った『暴力革命の方針』に変更はない」などと述べました。
これは日本共産党の綱領路線を百八十度ねじまげ、歴史の事実を歪曲(わいきょく)した悪質なデマです。

「敵の出方論」=「暴力革命」が成り立たないことははるか前に決着ずみ
「敵の出方論」をもちだして「暴力革命」の根拠とする議論が成り立たないことは、1989年2月18日の衆議院予算委員会における不破哲三委員と石山陽公安調査庁長官(当時)との論戦でも決着ずみのものです。
同委員会で不破氏は、国民多数の支持のもとに政権を目指す日本共産党の綱領路線を説明し、「敵の出方論」について、日本共産党など統一戦線勢力が選挙で勝って政権についたとき、これに従わない勢力が暴挙に出た場合に、政府が取り締まることは憲法に基づく当然の権利であることを解明しました。これに対し、石山長官は、「政権を確立した後に、不穏分子が反乱的な行動に出てこれを鎮圧するというのは、たとえどの政権であろうとも、当然行われるべき治安維持活動です」と答えざるをえませんでした。
その一方で、石山長官は、「敵の出方論」について、「民主主義の政権ができる前にこれを抑えようという形で、不穏分子をたたきつけてやろうという問題」もあると答弁しました。
これに対しても、不破氏は、1970年の第11回党大会決議の「人民の政府ができる以前に、反動勢力が民主主義を暴力的に破壊し、運動の発展に非平和的な障害をつくりだす場合には、広範な民主勢力と民主的世論を結集してこのようなファッショ的攻撃を封殺することが当然の課題となる」との文言を読み上げ、反論しています。
日本共産党が、かつての一連の決定で「敵の出方」を警戒する必要性を強調していたのは、反動勢力を政治的に包囲して、あれこれの暴力的策動を未然に防止し、社会進歩の事業を平和的な道で進めるためであって、これをもって「暴力革命」の根拠とするのは、あまりに幼稚なこじつけであり、成り立つものではありません。
日本共産党は綱領で、「『国民が主人公』を一貫した信条として活動してきた政党として、国会の多数の支持を得て民主連合政府をつくるために奮闘する」こと、さらに将来の社会主義的変革についても、「国会の安定した過半数を基礎として、社会主義をめざす権力」をつくるのをはじめ、「社会の多数の人びとの納得と支持を基礎に、社会主義的改革の道を進む」ことを明らかにしています。
「議会の多数を得て社会変革を進める」―これが日本共産党の一貫した方針であり、「暴力革命」など縁もゆかりもないことは、わが党の綱領や方針をまじめに読めばあまりに明瞭なことです。(つづく)(日本共産党国会議員団事務局)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年3月23日付掲載


「敵の出方論」は古くから反共攻撃に使われてきた有名なものですが…。その趣旨とすることは、選挙で勝って政権についた時、従わない勢力が暴挙に出た場合に警察権力などを使って取り締まる事。そのことを言っているにすぎないものです。「暴力革命」とは全く無関係です。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

安倍政権 金融緩和の責任 日銀だけに負わせる身勝手

2019-03-23 15:09:29 | 経済・産業・中小企業対策など
安倍政権 金融緩和の責任 日銀だけに負わせる身勝手
麻生財務相「こだわりすぎるとおかしくなる」

日銀の大規模な金融緩和政策に、政権ナンバー2の麻生太郎副総理兼財務相が「こだわりすぎるとおかしくなる」(15日)と言い出しました。弊害が深刻化していることを受けた発言です。もとをただせば、安倍晋三政権が日銀に押し付けた政策です。政府自身の反省はなく、責めを日銀だけに負わせる身勝手です。(山田俊英)

「異次元」と呼ばれる大規模緩和(量的・質的金融緩和)は「2年で年2%の物価上昇」を実現して「経済の好循環」につなげるという日銀の政策です。アベノミクス(安倍政権の経済政策)の「第1の柱」です。

圧力かけ共同声明
大もとは2013年1月に政府と日銀が結んだ共同声明です。日銀に共同声明を要求したのは就任後間もない安倍首相でした。自民党はそれ以前から日銀法改定すら持ち出して、日銀に大規模な金融緩和を迫っていました。当時の日銀総裁、白川方明氏は「『2年、2%』を要求するすさまじいまでの圧力」を受けたと退任後、自著で明らかにしています。
それから6年。「好循環」どころか、消費の落ち込みで景気は低迷しています。輸出と生産の弱まりで政府も景気判断を引き下げざるをえなくなっています。
景気が回復しないのは、安倍政権が大企業のもうけを優先する一方、消費税増税と社会保障の連続切り捨てで国民の負担を増やし、労働法制の改悪によって低賃金の非正規雇用を増やしてきたからです。



日銀本店=東京都中央区

銀行の本業が悪化
金融業界では異次元緩和の弊害が深刻です。貸し出しの利ざやで稼ぐ銀行の本業は超低金利によって急速に悪化しています。18年4~12月期決算では上場する地方銀行と第二地銀79行中、3行が赤字に転落しました。全国銀行協会の藤原弘治会長(みずほ銀行頭取)は14日の記者会見で、「物価目標は2%という絶対値にこだわりすぎるべきではない」と日銀を批判しました。
群馬大学名誉教授の山田博文さんは「この6年、預貸金利ざやが半減し、全国銀行の資金利益は約1兆円減っています。政府が自分で掲げた政策に反省なく『こだわりすぎ』と言うのは無責任ですが、銀行業界の状態を政府も無視できなくなっています」と言います。
もうけ口を失った銀行は証券投資に踏み込んでいます。
「保有する債券や株の価格が下落するとかなりの含み損を抱えます。金融庁は3月から新しい規制を施行します。地域銀行については金利リスクが自己資本の20%を超えると指導に入るということです。実際には4割以上の金融機関が30%を上回っているという状況があります」と山田さんは指摘します。

日銀にもリスクが
日銀もかつてないリスクを抱え込んでいます。日銀が保有する国債は478兆円。国の借金を最も多く引き受けているのが中央銀行という異常事態です。
日銀の黒田東彦総裁は、2%の物価目標実現まで異次元緩和を続ける考えを繰り返し表明しますが、日銀が大量の国債を買い占めたため、市場で国債が枯渇しつつあります。
国債購入を減らさざるをえないもとで追加緩和の手段として取り沙汰されているのが、株式で構成する投資信託、株価指数連動型上場投資信託(ETF)の買い増しです。しかし、日銀の試算では日経平均株価が1万8000円程度を下回ると日銀が保有するETFの時価が簿価を下回ります。株価の下落でETFが簿価割れし、日銀が損失を出すことは十分ありうる危険です。
日銀、商業銀行をはじめ日本の金融は異次元のリスクに直面しています。政府と日銀は異次元緩和の破綻を認め、「出口」に向けて政策を転換すべきです。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年3月23日付掲載


金融緩和で、株式や債券にお金が廻るように超低金利。
富裕層はそれで大もうけをしたけど、ちっとも賃金には回ってこず。物価も上がらず。景気は低迷。
銀行も、本業の利ザヤで儲からないので株や債券の比率が高くなり、リスクを抱える。
異次元の金融緩和からの出口を早く。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高額な補聴器 公的補助ぜひ 兵庫県議会に共産党が提案 全会一致で意見書採択

2019-03-22 12:57:11 | 予算・税金・消費税・社会保障など
高額な補聴器 公的補助ぜひ
「補聴器が高くて買えない」と難聴者が悲鳴をあげています。日本の難聴者は推計1430万人(日本補聴器工業会調べ)にたいし、補聴器所有率は14・4%の約210万人。高額な補聴器の購入に公的補助を求める声が上がっています。(徳永慎二)

兵庫県議会に共産党が提案
全会一致で意見書採択


1台50万円も
「補聴器は高額で年金生活者には手が届きかねます。なんとか『公的補助』がつくれないものかと願っています」。先月、編集局にこんなはがきが寄せられました。高知県宿毛市の浦田淳一さん(81)からです。
浦田さんは、右耳が全く聞こえず、左耳に15万円で購入した補聴器を着けています。

高いハードル
最近、浦田さんは「耳の近くで大声を出さないと聞こえない」という年金暮らしの友人から相談を受けました。補聴器を購入したいがお金がなく、「公的補助はないか」というのです。しかし、友人は公的支援の対象には該当せず、結局、家族の援助で両耳に補聴器を装着しました。「聞こえるようになったと喜んでいましたが、約30万円と聞いて複雑な気持ちです」と浦田さん。
補聴器への公的な支援には、補装具費支給制度があります。義手や義足、車いすなどとともに、補聴器も対象で、原則1割負担です。



補聴器の公的補助など教育、くらし、福祉の充実を求めて一般質問する、いそみ県議=2月26日

限られる支給
給付には障害者手帳が必要で、両耳の平均聴力レベルが70デシベル以上の高度・重度難聴者が対象です。日本補聴器工業会の調べでは、「高度・重度」は難聴者全体の8%にすぎません。また、片耳だけが難聴では手帳は交付されません。交付を受けて初めて補装貝費支給の申請ができます。
補聴器の装着は、WHO(世界保健機関)では中等難聴の41デシベルからを推奨しています。日本の70デシベル以上では、支給は限られます。
厚労省の調べでは、補装具費支給制度による支給は年間約4万4千人。同工業会の調べでは、補聴器所有者のうち、公的支援を受けた人は12%にとどまっています。
手厚い公的補助のある欧州の補聴器所有率は、日本の2~3倍です。
(グラフ1参照)
2月26日の兵庫県議会。日本共産党の、いそみ恵子県議(政調会長)が一般質問に立ちました。教職員の多忙化、子どもの医療費助成などとともに、難聴者の補聴器購入への公的補助をとりあげました。




視覚障害者も
聴力低下が認知機能の低下をもたらすこと、補聴器が15~50万円と高額(グラフ2参照)なことなどを示し、国の補助制度の創設とともに県独自の助成制度の創設を求めました。井戸敏三知事は「国に補助制度の創設はしっかり要請したい。県としてはその状況を見極めながら対応したい」と答えました。




この質問は、昨年12月議会で、全会一致で採択された意見書を受けたものです。意見書は「加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的補助制度の創設を求める」という内容。共産党の提案を各派政務調査会長会で議論しました。
「補聴器は体の一部です。共産党の提案だと聞いていますが、党派を超えて全会一致で採択されたのがうれしい」というのは、同県西宮市視覚障害者福祉協会の原田啓二郎会長です。「視覚障害者も年をとると耳が悪くなる。私たちは耳から得る情報が欠かせない。信号機の整備はもちろんだが、補聴器を入手しやすくするのは、緊急の課題だ」と話します。

願いにこたえ
いそみ県議は「意見書が全会一致で採択されたのは、ほんとうによかった。反響も大きいです。県政報告会を開く中で、補聴器への公的補助への要望は強いと実感しています。願いにこたえて、ひきつづき公的補助の実現に力を尽くしたい」と語ります。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年3月18日付掲載


加齢性難聴者への補聴器購入補助。「国にもの申す」という点では全会一致で意見書。でも、県独自の予算で補助を出すってことでは、まだ一致に至っていない。これからの運動が大事だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする