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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

温室ガス排出ゼロ目標 再エネ社会への大転換 日本尻込み

2021-05-03 06:18:55 | 環境問題・気候変動・地球温暖化について
温室ガス排出ゼロ目標 再エネ社会への大転換 日本尻込み
菅義偉首相は「2050年カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)」を掲げています。しかし、政府の「グリーン成長戦略」は革新的技術頼みで、従来の政策からの大きな転換は見られませんでした。
そんな日本政府に対して米バイデン政権は、30年度の温室効果ガス削減目標を引き上げるよう圧力を強めました。米国主催の気候変動サミット(オンライン)が開かれた4月22日、菅首相は13年度比で「26%削減」としていた目標を「46%削減」に引き上げる方針を表明しました。



オンラインで行われた米国主催の気候変動サミット=4月22日、米ワシントンのホワイトハウス(ロイター)

米国からの外圧でしか動かない日本を再認識させる展開といえます。
ただ、日本の「カーボンニュートラル」実現は全く不透明です。政府に「やる気」が見られず、従来の政策に固執しているからです。
世界の多くの国や地域は、雇用創出や景気回復を達成しつつ、温室効果ガス排出のリバウンド(反動)を防ぎ、気候変動やパンデミック(感染症の世界的流行)のようなリスクに対して強靭(きょうじん)性(レジリエンス)を持つ社会をつくるという、グリーン・リカバリー、グリーン・ニューディールという考え方を明確な政治的アジェンダ(計画)として持っています。
日本政府はグリーン・リカバリーを経済政策の柱として位置付けていません。
気候変動対策の基本は化石燃料の使用をやめて再生可能エネルギー・省エネルギーを導入するエネルギー転換です。原発は費用が高く安全でもないので経済合理的な選択肢になり得ません。
再エネ・省エネ以外の対策(水素やメタンの燃料化、CO2回収・貯留・利用など革新的技術)は多くの場合、化石燃料を使い続けるための方便になっています。
エネルギー転換によって、目標や制度設計によるタイミングの差はあるものの、ある産業や企業は必ず発展し、ある産業や企業は必ず停滞します。しかし、多くの研究者や国際機関は、エネルギー転換によって生まれる雇用は、失われる雇用より数倍多いという試算を示しています。

歴史は、技術革新を起こし、産業を興し、新たな雇用を創出していかないと、経済的な水準を維持できないことを示しています。もちろん、政府や自治体によるきめ細やかな雇用・失業対策は不可欠です。
重要なのは、経済発展や雇用創出のためにもエネルギー・産業構造の大転換が必要という認識のもと、政府などによって具体的な法制度が構築されることです。それによって再エネ・省エネに多額の投資がなされ、多くの雇用が生まれ、ただちにCO2の排出が削減されていくことです。
「温暖化対策とは地球に優しくすること」などの抽象的な議論から脱して、エネルギー転換とそれに伴う雇用転換を国として真剣に議論しない限り、日本は経済と環境の両方を失うことになるのではないでしょうか。
明日香壽川(あすか・じゅせん 東北大学教授)

「しんぶん赤旗」日曜版 2021年5月2日・9日合併号掲載


日本の場合は、温室効果ガス削減と言っても、水素やメタンの燃料化、CO2回収・貯留・利用など革新的技術など。
化石燃料を使い続けるための方便に。
本気で、再生可能エネルギーへの転換の方向が見えない。

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