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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

大企業の決算どうみる② 自動車 相次ぐ品質不正で減益

2019-06-02 10:52:15 | 経済・産業・中小企業対策など
大企業の決算どうみる② 自動車 相次ぐ品質不正で減益

自動車大手7社の2019年3月期連結決算はトヨタ自動車とホンダ、スズキ、マツダ、三菱自動車の5社が増収となりました。しかし、営業利益を増やしたのはトヨタと三菱のみ。純利益は三菱を除く6社が減益でした。
昨年、日産自動車やSUBARU(スバル)、スズキで品質不正が相次いで発覚しました。
日産は売上高が3・2%減の11兆5742億円でした。営業利益は44・6%減の3182億円、純利益は57・3%減の3191億円と大幅に減らしました。


自動車大手7社の2019年3月期連結決算
会社名売上高営業利益純利益
トヨタ30兆2256(2.9)2兆4675(2.8)1兆8828(▲24.5)
ホンダ15兆8886(3.4)7263(▲12.9)6103(▲42.4)
日産11兆5742(▲3.2)3182(▲44.6)3191(▲57.3)
スズキ3兆8714(3.0)3243(▲13.3)1787(▲17.1)
マツダ3兆5646(2.6)830(▲43.3)634(▲43.4)
スバル3兆1605(▲2.2)1955(▲48.5)1478(▲32.9)
三菱自2兆5145(14.7)1118(13.9)1328(23.5)
単位億円、未満は切り捨て。カッコ内は前期比増減%。▲はマイナス


安全より利益追求
昨年7月、国内工場で新車出荷前に実施する排ガス測定での不正が明らかに。さらに、9月にはデータ改ざん、12月にはブレーキなどの検査で不正が明るみに出ました。
日産の不正発覚は、一昨年の無資格検査を含めて4回になります。まさに底なしの様相です。
不正の背景には安全性より利益を追求し、人員や経費を削減する企業体質があります。
経費削減の先頭に立ったカルロス・ゴーン会長(当時)が昨年11月、有価証券報告書に虚偽の記載をした疑いで逮捕されました。
決算説明会で西川(さいかわ)広人社長は、山積する課題を「元体制から受け継いだ負の遺産」と述べました。しかし、長年にわたる企業不正の責任を、全てゴーン容疑者に負わせるだけではすみません。利益を最優先した経営陣の責任が問われます。
日産の業績不振を機に、資本提携する仏自動車大手ルノーは経営統合に向けた働きかけを強めています。
スバルは一昨年の秋以降、昨年6月と9月に続けて検査不正が発覚。昨年11月、一連の不正問題に関連し、約10万台のリコールを行いました。リコールなど品質関連費用の増加を受け、営業利益は48・5%減の1955億円と落ち込みました。純利益は32・9%減の1478億円でした。
スズキは昨年8月、排ガスなどの検査不正が明らかに。今年4月にリコールを届け出ました。届け出台数は国内過去最多の約200万台にのぼります。リコール費用813億円を特別損失で計上し、純利益は17・1%減の1787億円となっています。



検査不正を発表した記者会見で頭を下げる日産自動車の役員=2018年9月26日、横浜市

新技術の競争激化
トヨタの売上高は2・9%増の30兆2256億円でした。日本企業としてはじめて売上高30兆円を突破しました。欧州やアジアで販売台数を伸ばし、営業利益は2・8%増の2兆4675億円でした。純利益は、米国の税制改定などの影響で24・5%減の1兆8828億円となりました。
自動車産業では近年、電動化や自動運転など新技術の開発競争が激化しています。トヨタの豊田章男社長は決算説明会で「移動に関わるあらゆるサービスを提供する会社」への転換を強調。新技術の開発を強化し、基盤(プラットフォーム)を提供する「プラットフォーマー」を目指すと述べました。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年5月29日付掲載


自動車各社の多くで検査不正が発覚。リコールを行っています。それに伴う費用で利益を減らしています。
不正の元にはモラルの低下と人員の削減があります。安全のための人員を確保せよ。

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